創業の補助金は、講習を受けたかどうかで補助率が変わる設計のものがあります。名寄市の創業支援は、この形をとっています。同じ店舗の改修でも、補助率は1/5と1/2に分かれます。
分かれ目は、商工会議所や商工会で創業の講習と相談を受け、証明書をもらったかどうかです。証明書がなければ、補助の上限も半分になります。
名寄市 創業支援補助金の要点まとめ
正式名:名寄市創業支援事業(トライアル創業支援・特定創業支援)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 農林漁業・金融保険業・医療機関・チェーン店などを除く
- 利用目的
- 創業時の店舗・事務所の改修、設備導入、家賃、運営費
- 対象地域
- 北海道名寄市
- 従業員数
- 中小企業者の基準による(業種ごとに上限が異なる)
いくら
- 補助上限額
- 200万円
- 補助率
- 店舗・事務所1/5か1/2、家賃25%か15%、経営支援10/10
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の記載なし(予算額に達した時点で終了)
- 事業の完了
- 当該年度の3月末日まで
- 公式サイト
- 名寄市「名寄市での創業を支援」
補助は3種類あります。店舗・事務所の改修や設備にかかる「店舗・事務所支援補助金」、家賃を助ける「家賃支援補助金」、光熱費や広告費を助ける「経営支援補助金」です。上限額の200万円は、このうち店舗・事務所支援の最大額です。家賃と経営支援は別枠で付きます。市のリーフレットでは、3つを合わせた最大額を、トライアルが180万円、特定創業支援が275万円と案内しています。
うちは対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
営業は1日おおむね5時間以上が目安です。物件を他人に貸して収入を得る事業は、対象になりません。補助の対象は、実際に経営する人に限られるためです。
中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当します。製造業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。創業者は、市内で新たに個人開業する人か、株式会社・合同会社などの法人を設立する人です。暴力団員や、役員に暴力団員がいる法人は申請できません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 農林漁業、金融・保険業
- ✕ 病院・診療所・歯科診療所
- ✕ チェーン店、大規模小売店舗
- ✕ 風俗営業など一部の営業
対象業種は、北海道信用保証協会が保証の対象とする業種が基準です。自分の業種が当たるか迷うときは、産業振興課に先に聞いてください。
補助率は1/5と1/2のどちらになる?
補助メニューは「トライアル創業支援」と「特定創業支援」の2つです。違いは、特定創業支援等事業の証明書があるかどうかです。
| トライアル創業支援 | 特定創業支援 | |
|---|---|---|
| 証明書 | 不要 | 必要 |
| 店舗・事務所の最低事業費 | 30万円以上 | 50万円以上 |
| 店舗・事務所の補助率と上限 | 1/5・50万円 | 1/2・100万円 |
| 家賃支援 | 1年分 | 2年分 |
| 経営支援 | なし | 2年分 |
証明書をもらうには、名寄商工会議所か風連商工会で、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を各2ポイント、合計8ポイント以上受講します。受講証明書を産業振興課に出し、4分野の知識が身についたと認められると、証明書が出ます。手引きの14ページのポイント表では、名寄商工会議所の創業支援事業は1回(1時間)、風連商工会は1回(2時間)で、4分野に2ポイントずつ付く書き方です。何回で8ポイントに届くかは、受講の前に窓口で確かめてください。
急いで開業するならトライアル、数か月の準備期間があるなら特定創業支援、という選び方が現実的です。受講の期間は手引きに目安の記載がないため、商工会議所に確かめてください。
いくら補助される?
店舗・事務所支援の上限は、場所によって増えます。
| 場所 | トライアル | 特定創業支援 |
|---|---|---|
| 区域指定なし | 50万円 | 100万円 |
| 名寄地区の都市機能誘導区域 | 100万円 | 150万円 |
| 名寄地区の商業地域 | 150万円 | 200万円 |
| 風連地区の商業地域 | 150万円 | 200万円 |
上乗せは、その区域へ新築・移転・増築などをする場合に付きます。都市機能誘導区域は、市が立地適正化計画で定めた区域です。商業地域は、都市計画の用途区域の一つです。どちらに当たるかは、産業振興課で住所を伝えると確かめられます。
計算例です。事業費は税抜きで考えます。
- 美容室を開き、内装の改修に80万円(トライアル):80万円 × 1/5 = 16万円
- カフェを開き、厨房と客席の改修に120万円(特定創業支援):120万円 × 1/2 = 60万円
- 飲食店の改修と設備に250万円(特定創業支援、区域指定なし):250万円 × 1/2 = 125万円 → 上限の100万円
家賃は、商業地域内の物件だけが対象です。1年目は家賃の25%(上限30万円)で、トライアルもここまでです。特定創業支援は2年目も15%(上限20万円)が付きます。たとえば年間の家賃が96万円なら、96万円 × 25% = 24万円になります。経営支援は光熱費や広告宣伝費などが対象で、10/10です。1年目は15万円、2年目は10万円が上限です。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 交付決定の前に契約・発注した工事や設備
- 事務費、消耗品費、設計費、調査費
- 中古品の購入費、土地の購入費
- 屋根・外壁の改修、雪止め、雨樋の取り替え
- 太陽光発電装置、融雪槽・ロードヒーティング
- 店舗と別棟の車庫や物置、住宅部分の改修
- 消費税(課税事業者の場合)、振込手数料、保険料、許認可の手数料
- 法令で設置が義務づけられているもの
- ソフトウェアだけの購入
対象になる主なものです。
- 床・壁・建具の張り替えや交換、間取り変更に伴う壁の造作
- カウンター・棚・収納の造作、換気扇の設置
- 解体・廃材処理・運搬・養生・清掃の費用
- エアコンやキャッシュレス端末など、10万円以上の機器
- 設備やIT機器のリース(1年分が対象)
一部だけ対象になる工事があります。厨房機器やガス給湯器は、内装工事を伴う場合に限ります。トイレは、客が使うものに限ります。照明、窓、看板、外構も、条件付きです。細かい可否は、手引きの「対象工事判別表」で確かめます。
注意したいのは機器の上限です。10万円以上の機器や設備は、補助対象経費の50%未満までしか認められません。汎用性が高い機器や備品は、そもそも対象外とされます。手引きの対象外の例には「リース・レンタル料」も載っているため、設備やIT機器のリースを使うときは、先に産業振興課へ確かめます。
消費税は、免税事業者と、消費税の事業者ではない人なら、経費に含められます。課税事業者は、あらかじめ除きます。国や北海道の補助を受けたときは、その額を引いた残りが対象経費です。
申請の流れ
工事を請け負う業者は、名寄市への登録が必要です。登録のない業者に頼むと、補助の対象になりません。
- 産業振興課に相談する(事業者→産業振興課。創業を考えた段階で)
- トライアルか特定創業支援かを選ぶ(事業者。特定なら先に商工会議所などで受講し、受講証明書を市に出して証明書を受ける)
- 工事業者が施工業者申請書を出す(工事業者→産業振興課。工事の着手前に)
- 申請書と添付書類を出す(事業者→産業振興課。交付決定を待つ)
- 交付決定を受ける(市→事業者。申請から決定の通知まで約2週間)
- 工事・設備の導入をする(事業者。年度の3月末までに完了する)
- 実績報告を出す(事業者→産業振興課。完了後30日以内か3月末のいずれか早い日まで)
- 完了検査を受け、補助金の振込を待つ(市の職員が店舗を訪問。確定から振込まで約2週間)
家賃支援と経営支援は、1年分を払い終えてから請求します。家賃を使うトライアルは、申請と同時に事業認定の申請も出します。
必要な書類
準備できた 0 / 9
納税証明書は市税に滞納がないことを示すもので、発行日から1か月以内のものが要り、手数料は300円です。名寄庁舎の税務課か風連庁舎の窓口で出ます。見積書は、交付決定の前に取っても構いません。申出書は、免税事業者などが出すもので、課税事業者は出さなくて済みます。出さないと課税事業者として扱われます。図面や登記簿謄本を求められることもあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定より前に工事や設備を発注すると、その分は対象外です。見積書を取るのは構いません。
- 年度内に終わらなかった:事業は当該年度の3月末までに完了させます。工期は余裕をもって組みます。
- 予算がなくなった:予算額に達した時点で受付が終わります。受付期間は公式ページに書かれていません。
- 計画を大きく変えた:経費や交付決定額が3割を超えて変わるときは、変更承認申請書が要ります。交付決定額を超える増額はできません。
- 住居と兼用の物件で家賃を請求した:家賃支援は、住居との併用物件は対象外です。
- 虚偽や違反があった:申請書に虚偽を書く、条例や規則に違反するなどで交付決定が取り消されると、補助金の返還を命じられます。誓約書では、補助で整備した設備を取り壊す・売却する・目的外に使う・担保に入れることを、処分制限期間内はしないと約束します。期間の長さは、公式ページと手引きに記載がありません。
- 企業立地促進条例の助成と重ねた:名寄市企業立地促進条例の助成とは併給できません。国や北海道の助成は受けられますが、その額が引かれます。
よくある質問
トライアル創業支援と特定創業支援は、どちらを選べばよいですか?
特定創業支援のほうが、補助率も上限も大きくなります。ただし、商工会議所などで4分野を合計8ポイント以上受け、証明書をもらう必要があります。開業までに受講の時間が取れるなら特定創業支援、すぐに開業するならトライアル創業支援です。迷うときは、創業を考えた段階で産業振興課に相談してください。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。市内で新たに個人開業する人も、株式会社・合同会社・特定非営利活動法人などを設立する人も、創業者にあたります。ただし、中小企業基本法の中小企業者であること、業種が対象であることが条件です。納税証明書は、個人事業主が市民税・固定資産税・国保税などのもの、法人が法人市民税・固定資産税などのものを出します。
創業前に申請できますか?
申請できるのは、市内で開業予定の方か、開業から1年以内の方です。ただし、補助の対象になる経費は交付決定のあとに発注したものだけです。開業届や営業許可証の提出を求められることがあります。先に工事を契約してしまうと対象外になるため、契約の前に相談します。
補助金はいつ振り込まれますか?
工事などが終わり、実績報告書を出して完了検査を受けたあとです。報告から補助金の確定まで約2週間、確定から振込まで約2週間かかります。つまり、工事費はいったん自分で全額払います。家賃支援と経営支援は、1年分を払い終えてから請求するため、さらにあとの振込になります。
工事を頼める業者に決まりはありますか?
あります。対象の工事や設備は、市に登録された地元企業へ発注する必要があります。工事を請け負う業者は、着手前に施工業者申請書を産業振興課に出します。競争入札参加資格者名簿に載っている業者は、確定申告書の写しなど一部の書類を省けます。依頼する前に、登録があるかを確かめます。
設備や機器も対象になりますか?
対象になりますが、条件があります。施設と一体でない機器や設備は、1件10万円以上のものが対象です。さらに、補助対象経費全体の50%未満に収める必要があります。たとえば総額100万円の事業なら、機器の合計は50万円未満です。汎用性が高い機器や備品は、対象外とされます。
家賃支援はどんな物件が対象ですか?
名寄市の都市計画で「商業地域」にある物件が対象です。創業にあたって新しく契約した事務所や店舗の家賃に限り、住居と併用の物件は対象外です。トライアルは1年分、特定創業支援は2年分が対象になります。家賃を1年間払い終えたあとに、通帳の写しなどをつけて請求します。
経営支援補助金は誰でも受けられますか?
特定創業支援を受ける方だけが対象です。光熱費や広告宣伝費などの運営費を、10/10で補助します。上限は1年目が15万円、2年目が10万円で、補助は2年間です。それぞれ1年間の支出が済んでから、領収書などをつけて請求します。トライアル創業支援には、この補助はありません。
中古の設備や車庫は補助されますか?
中古物品の購入費は、補助対象外とされています。店舗と別棟の車庫・カーポート・物置も対象外です。ただし、店舗の駐車場に別の小さな店舗を建てる場合は、建築確認申請をして設置し、季節限定でなく通年で営業するなら対象と判断されます。ケースごとの判断になるので、産業振興課に確かめます。
納税証明書はどこでもらえますか?
名寄庁舎の税務課納税係か、風連庁舎の地域住民課総務・税務係です。発行日から1か月以内のものが要り、手数料は300円です。代表者の印鑑が必要で、代理の方が行く場合は、その方の印鑑も要ります。申請の時点で市税の納入義務がない場合も、提出が必要です。
計画を変えたくなったらどうしますか?
事業の中止や、経費・交付決定額が3割を超える変更、事業内容の変更があるときは、変更承認申請書(様式第3号)を出します。変更後の経費明細書を添えます。交付決定額を超える増額はできません。補助の目的に影響しない細かい変更は、この手続きがなくても構いません。
申請の受付はいつまでですか?
公式ページに、受付期間の記載はありません。予算額に達した時点で、交付申請の受付が終わると書かれています。事業は当該年度の3月末までに完了する必要があるため、年度の後半に申請すると工期が足りなくなるおそれがあります。早めに産業振興課へ相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
名寄市役所の産業振興室産業振興課(名寄庁舎3階)で、電話は01654-3-2111です。名寄商工会議所(01654-3-3155)と風連商工会(01655-3-2077)でも相談できます。特定創業支援の証明書を取るための受講も、この2か所が窓口です。
