県が費用を出すのは、助言だけで終わるコンサルではありません。現状分析から対応策の検討、実行まで、現場で一緒に動く伴走型のコンサルです。
対象は、救急医療などで重要な役割を担い、経営の悪化が目立つ病院です。審査では、コンサル会社に頼り切らず主体的に動く意欲も見られます。規模の要件と経営の要件を、両方とも満たす病院だけが対象です。
伴走型コンサルティング活用支援事業補助金の要点まとめ
正式名:伴走型コンサルティング活用支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(公立を除く病院の開設者)
- 対象業種
- 医療業(病院)
- 利用目的
- 経営改善のための伴走型コンサルティングの活用
- 対象地域
- 新潟県
- 従業員数
- 規定なし(実績の件数などで判定)
いくら
- 補助上限額
- 4,000万円(対象事業費の上限5,000万円)
- 補助率
- 4/5
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月7日〜2026年12月25日(予算額に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで
事業は国の重点支援地方交付金を活用したものです。県のページにそう書かれています。
うちの病院は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
規模の要件は、次のどれか1つです。
- 令和6年の救急車受入件数が2,000件以上
- 所在する二次医療圏の救急車受入件数のうち、一定以上の割合を占める
- 令和6年度の全身麻酔手術が2,000件以上
- 令和6年度の分娩取扱数が667件以上
二次医療圏は、入院医療を完結させるために県が区切った地域のことです。救急車の受入が2,000件に届かない場合は、圏内での割合を県が判断すると、事前審査申請書の様式に注記があります。「一定以上の割合」が何%かは、公式に書かれていません。近い病院は、地域医療政策課に聞いてください。
経営の要件は、次のどちらか1つです。
- 令和5年度と令和6年度の2期連続で純損失を計上した
- 直近の決算年度に、職員の給与か賞与を削減した
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 公立の病院
- ✕ 規模の要件をどれも満たさない
- ✕ 赤字も給与・賞与削減もない
診療所が対象かどうかは、公式に記載がありません。対象者は「病院」と書かれているだけです。
いくら補助される?
対象になるのは、コンサル業務の委託費です。その4/5が補助され、委託費が5,000万円を超える分は対象になりません。
- 委託費が3,000万円:3,000万円 × 4/5 = 2,400万円(自己負担600万円)
- 委託費が5,000万円:5,000万円 × 4/5 = 4,000万円(自己負担1,000万円)
- 委託費が6,000万円:基準額の5,000万円で頭打ちになり、4,000万円(自己負担2,000万円)
寄附金などの収入があれば、その分は対象経費から引かれます。千円未満は切り捨てです。
何に使える?
対象は、伴走型のコンサルティング業務の委託費です。外部専門家の旅費・宿泊費、分析に使うシステムの利用料も含みます。
対象は「委託費」と書かれているため、院内の人件費や機器の購入費は入らない可能性が高いです。ただし、対象外とは明記されていません。迷う費用は、事前審査申請書を出す前に確かめるのが安全です。
重ねて使えない点には、注意が必要です。この補助金の対象経費に、ほかの補助金を重複して受けてはなりません。経理も、ほかの事業と分けて行います。
申請の流れ
- 要件と募集要領を確かめる(病院→県。募集要領に必ず目を通す)
- 事前審査申請書をメールで出す(病院→県の地域医療政策課。12月25日まで)
- オンラインのヒアリングを受ける(院長など責任者→県。1病院20分の予定)
- 採択の通知を受け、交付申請する(県→病院。結果は書面)
- コンサルを実施する(病院と委託先。中間報告で進み具合を説明)
- 成果報告会に出て、実績報告を出す(病院→県。2027年2月28日まで)
審査会、採択、交付申請と交付決定は、随時行われます。締切を待たずに出した順に進みます。
事前審査の説明は10分、質疑は10分の予定で、基本は病院長などの責任者が話します。県が見る観点は2つで、自院の経営状況を十分に把握していることと、コンサル事業者にすべて頼らず主体的に取り組む意欲があることです。
着手の時期にも注意が必要です。事業の着手は原則、交付決定に基づいて行います。ただし、交付の内定があれば、内定の日から着手できます。
契約にも決まりがあります。委託の契約は、競争入札に付するなど、県の契約手続に準拠します。コンサル会社を決める手順は、県の契約の取扱いに合わせる必要があります。具体的な手順は、募集要領・交付要綱・実施要領のどれにも書かれていません。県に確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 6
事前審査申請書と交付申請書の様式は、県のページからWord形式で入手できます。事前審査申請書の別紙1は、病院の概要、申請額、規模と経営の要件を書く様式です。別紙2は「経営改善の取組方針」で、やりたいことと理由、院内の体制、コンサル事業者に期待するサポートの3点を書きます。図を使ってもよく、ページ数に決まりはありません。令和5年度と令和6年度の決算に係る書類も、あわせて添付します。実績報告には、契約書、請求書、支払伝票など、支出の内容が分かる詳しい内訳を付けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算額に達した:12月25日より前でも、予算額に達すると受付が締め切られます。
- 報告や参加を怠った:中間報告、成果報告会での報告、経営改善セミナーへの参加は、要件です。経過報告は、完了の翌年度の2月1日から28日までです。
- 経費や内容を勝手に変えた:経費配分の変更が20%を超える場合と、事業の内容の変更は、県の承認が要ります。変更しようとする日の30日前までに申請します。
- 期限までに終わらなかった:実績報告は、完了から30日以内か2027年2月28日のいずれか早い日までです。
今年度の変更点と税金
この制度は交付要綱が2026年4月16日に施行された、新しい事業です。前年度との比較は、公式に載っていません。
消費税は、補助事業の完了後に申告で仕入控除税額が確定したら、県への報告が必要です。県は、その額の全部または一部を納付させることがあります。
編集部の判断を書きます。この制度は審査があり、院長や理事長の関与が前提です。経営の数字と、改善に取り組む体制を、1つの説明にそろえておくと準備しやすくなります。
よくある質問
診療所は対象になりますか?
県のページと交付要綱が補助対象者としているのは「公立を除く病院」で、診療所は書かれていません。病院でも、規模の要件と経営の要件の両方を満たす必要があります。診療所は対象にならない可能性が高いですが、公式に明記がないため断定はできません。気になる場合は、新潟県福祉保健部 地域医療政策課(電話025-280-5183)に確かめてください。
規模の要件は、どれか1つ満たせばよいですか?
そのとおりです。救急車の受入件数、全身麻酔手術件数、分娩取扱数のどれか1つを満たせば足ります。基準は、令和6年の救急車受入2,000件以上、令和6年度の全身麻酔手術2,000件以上、令和6年度の分娩667件以上です。二次医療圏内での救急車受入の割合は「一定以上」としか書かれておらず、具体的な割合は公式に記載がありません。
黒字の病院でも申請できますか?
経営の要件は、令和5年度と令和6年度の2期連続の純損失、または直近の決算年度の職員の給与・賞与の削減のどちらかです。黒字でも、直近の決算年度に給与や賞与を削減していれば、要件を満たす可能性があります。ただし、削減の範囲や程度の基準は公式に書かれていません。当てはまりそうなときは、事前審査の前に県へ確認してください。
補助金の対象になる費用は何ですか?
伴走型のコンサルティング業務の委託費です。外部専門家の旅費・宿泊費や、分析に使うシステムの利用料も含みます。補助率は4/5、対象事業費の上限は5,000万円なので、補助額は最大で4,000万円です。対象は委託費なので、院内の職員の人件費や機器の購入費は入らない可能性が高いです。ただし、公式に対象外と明記されてはいません。申請の前に県へ確かめるのが安全です。
申請の締切はいつですか?
募集期間は2026年8月7日から12月25日(金曜)までです。ただし、予算額に達した場合は、期間の途中でも受付が締め切られます。審査会と採択の通知は随時行われるため、締切の直前に出すと、予算が残っていないおそれがあります。残りの予算の状況は公式に公表されていないので、出すつもりなら早めに地域医療政策課へ相談してください。
コンサル会社は自由に選べますか?
県の契約手続に沿って選びます。事業のための契約は、競争入札に付するなど、県が行う契約手続の取扱いに準拠しなければならないと、交付要綱が定めています。さらに、委託先の職員が現地で経営改革チームとともに活動することが、要件です。選び方の具体的な手順は、募集要領・交付要綱・実施要領のどれにも書かれていません。契約の前に県へ確かめてください。
委託先は、どのくらい現地に来る必要がありますか?
事業の実施期間中、少なくとも概ね週1回以上に相当する日数は、委託先の職員が現地で経営改革チームとともに活動する必要があります。経営改革チームは、院長または理事長を責任者として置きます。「概ね」とあるため、毎週ぴったり1回でなくてもよいと読めますが、どこまで許されるかは公式に書かれていません。契約前に県へ確かめておくと安心です。
審査ではどんな点を見られますか?
審査会はオンラインで、1病院あたり20分の予定です。事前審査申請書の「経営改善の取組方針」を10分で説明し、10分の質疑があります。基本は、院長などの事業責任者が話します。観点は2つで、自院の経営状況を十分に把握していることと、コンサル事業者にすべて頼らず主体的に取り組む意欲があることです。結果は書面で通知されます。
いつまでに事業を終えればよいですか?
補助事業の完了は2027年2月28日までです。実績報告は、完了から30日以内か2027年2月28日のいずれか早い日までに出します。成果報告会は2027年1月下旬から2月上旬の予定で、補助金の額の確定と交付は、2027年3月31日までの予定です。知事が必要と認めたときは、概算払の請求書(別記第8号様式)で先に受け取る道もあります。完了後にも、翌年度の2月1日から28日まで(2028年2月)に経過報告が要ります。
問い合わせ先はどこですか?
新潟県福祉保健部 地域医療政策課 地域医療整備室です。電話は025-280-5183、メールはngt040320@pref.niigata.lg.jp で、事前審査申請書の提出先も同じです。県庁の代表は025-285-5511で、受付は8時30分から17時15分まで、土日・祝日・年末年始は休みです。要件に近い病院は、申請の前に聞いておくと、出し直しを防げます。
