この奨励金は、新しく進出する会社には出ません。県内で20年以上、市内で10年以上続けてきた会社が、工場や研究所に再び投資するときの制度です。この実績がない会社は対象外になります。
実績があっても、愛知県の補助金に採択されることが交付の条件です。もうひとつ、押さえておく期限があります。根拠の要綱は、令和9年3月31日限りで効力を失うと定めています。
岡崎市 企業再投資促進奨励金の要点まとめ
正式名:企業再投資促進奨励金(県連携)
だれが
- 申請者
- 企業(営利目的の法人)
- 対象業種
- 製造業・ソフトウェア業(次世代成長分野など)
- 利用目的
- 工場・研究所の新増設と設備一新
- 対象地域
- 愛知県岡崎市
- 従業員数
- 常用雇用者25人以上を維持(大企業は50人以上)
いくら
- 補助上限額
- 上限10億円(他の奨励金と併用時も合計10億円が上限)
- 補助率
- 固定資産取得費用の10%(みなし大企業・大企業は8%)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日
- 事業の完了
- 認定申請の日から3年以内に操業を開始
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
20年と10年は、数え方が違います。20年は県内で事業所を置いて続けた期間、10年は新増設する工場等と同じ市内に立地している期間です。創業25年で、岡崎市の工場が12年前からなら、どちらも満たします。県内の本社は30年でも、岡崎市の工場が5年前なら、市内10年に届きません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 過去に同じ事業で受けた大企業
- ✕ 工事に着手した後の認定申請
- ✕ 高度先端産業立地奨励金との併用
過去に受けた大企業を除く決まりは、同じ事業所の同じ事業で、前に奨励金と県の補助金の両方を受けた場合です。みなし大企業も含みます。
対象分野
対象分野は2通りあり、認定申請のときにどちらかに当たっていれば足ります。
次世代成長分野は、次世代自動車(自動車関連を含む)、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、情報通信、ロボットです。このほか、市長が認める分野があります。
もうひとつは、愛知県の産業集積の推進に関する基本指針が定める集積業種(西三河地域)です。輸送機械、電気電子機器、機械・金属、健康長寿、農商工連携、新エネルギー、食料・飲料品、住宅・建築物・同設備の8つの関連産業が、業種コードで細かく決められています。自社の業種が入るかは、市の概要PDFの別表で確かめてください。
企業区分と条件
中小企業者は、中小企業基本法で決まる規模の会社です。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下で、どちらか一方を満たせば該当します。中堅企業は、産業競争力強化法で定める中小企業より大きい区分で、基準の中身は窓口で確かめてください。
みなし大企業は、中小企業や中堅企業でも、同じ大企業が発行済株式の2分の1以上を持つなど、大企業の影響下にある会社です。
| 企業区分 | 投資額 | 雇用の維持 | 率 |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 1億円以上 | 25人以上 | 10% |
| 中小企業(みなし大企業) | 1億円以上 | 25人以上 | 8% |
| 中堅企業 | 1億円以上 | 25人以上 | 10% |
| 中堅企業(みなし大企業) | 1億円以上 | 25人以上 | 8% |
| 大企業 | 25億円以上 | 50人以上 | 8% |
常用雇用者は、その工場等を主な勤務地とする人で、労働基準法で解雇の予告が必要な人をいいます。雇用は増やす必要はなく、交付期間中、原則として維持することが条件です。
いくらもらえる?
投資額に、企業区分で決まる率をかけます。
- 中小企業が新しい生産ラインを入れる(1.5億円):1.5億円 × 10% = 1,500万円
- みなし大企業の中小企業が同じ投資をする(1億円):1億円 × 8% = 800万円
- 中堅企業が研究所を増築する(3億円):3億円 × 10% = 3,000万円
- 大企業が工場を建てる(25億円):25億円 × 8% = 2億円
- 中小企業が大型の工場を建てる(120億円):120億円 × 10% = 12億円 → 上限の10億円
上限の10億円に届くのは、率10%なら投資額が100億円のときです。ただし要綱の別表は、市の分の限度額を中小企業10億円、中堅企業と大企業5億円と定めています。県の分を含めた総額の上限は、公表資料に記載がありません。
奨励金が大きいと、分けて交付されます。要綱では、5億円を超える場合は3年間、2億円を超える場合は2年間に分けて交付できるとしています。分けて交付する期間に操業を休止・廃止すると、残りは交付されません。
何に使える?
対象にならないもの
- 土地の取得費用
- 消費税相当額
- 生産・研究・開発に専ら使う部分以外の建設費
対象になるもの
- 工場・研究所の新設・増設の工事費のうち、専ら生産・研究・開発に使う部分
- 生産・研究・開発に使う償却資産の取得費用
- 設備一新で入れ替える機械・装置の取得費用
償却資産は、固定資産税がかかる事業用の機械や設備のことです。増設には、増築のほか、既存の工場で機械・装置を一新することも含みます。新設は、新たに土地を取得または賃借して建てる場合と、今の敷地内や隣接地に新築する場合です。賃借した工場等も、要綱の定義には含まれています。
申請の流れ
- 窓口に相談する(事業者→岡崎市 商工労政課 ものづくり支援係。計画の早い段階で)
- 認定申請書を出す(事業者→岡崎市。工事に着手する日の30日前まで)
- 県の補助金に採択される(事業者→愛知県。市の交付対象の前提。時期は窓口で確認)
- 市から認定の通知を受ける(岡崎市→事業者)
- 工事を進め、操業を始める(事業者。認定申請から3年以内。始めたら届出書を出す)
- 交付申請兼実績報告書を出す(事業者→岡崎市。操業開始日から1年以内)
- 交付決定と額の確定を受け、請求書を出す(岡崎市→事業者。工事などの完了後に交付)
市の資料は、認定申請書類の準備に時間がかかる場合が多いので、なるべく早く相談するよう勧めています。
着工の30日前を過ぎた認定申請は受け付けられません。 工程表には、申請日を逆算して入れてください。
必要な書類
準備できた 0 / 5
認定申請書に付ける添付書類の一覧は、要綱に書かれていません。工事を変える場合は様式第2号、中止・廃止は様式第3号、地位の承継は様式第5号が別にあります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 県の補助金に採択されない:要綱は、交付対象の条件に県の補助金への採択を挙げています。
- 着工の30日前を過ぎた:認定申請は、工事に着手する日の30日前までです。
- 操業開始が遅れた:認定申請の日から3年以内に操業を始めないと、認定が取り消されることがあります。
- 5年以内に操業をやめた:操業を5年間続ける決まりです。休止・廃止すると、交付の決定が取り消され、返還を求められることがあります。
- 資産を勝手に処分した:対象にした財産は、5年を経過するまで、市長の承認なしに譲渡・貸付・担保にできません。
要綱が切れる日はいつ?
要綱は令和9年3月31日限りで効力を失います。 ただし、それまでに認定申請をして、令和12年3月31日までに操業を始め、交付の決定を受けた分には、従来の取り扱いが続きます。
つまり、2027年3月末までに認定申請を出せば、操業開始は2030年3月末までに間に合う設計です。令和9年4月以降に新しい要綱が出るかは、公表資料に記載がありません。投資の時期が年度をまたぐなら、早めに窓口へ確認してください。
他の奨励金と併用できる?
- 工場等建設奨励金・倉庫等建設奨励金(市独自):併用できます。合計の上限は10億円です
- 高度先端産業立地奨励金(県連携):併用できません。対象分野を重複して申請することもできません
高度先端産業立地奨励金は、会社の履歴の条件が資料にありません。投資額の下限は2億円と高い一方、研究所なら率が12〜15%になります。履歴を満たす会社は、両方の条件を比べて一方を選びます。
また、グループ会社にも上限があります。過去に奨励金と県の補助金の対象になった工場等があるグループの敷地内に、同じグループの会社が新増設するときは、グループ全体で10億円が限度です。
よくある質問
創業が浅い会社や、市外から移る会社は使えますか?
使えません。県内で事業を20年以上続けていること、新増設する工場等と同じ市内に10年以上立地していることが、どちらも要件です。市のページで会社の履歴の条件が書かれているのは、この奨励金だけです。履歴の条件がない制度として、同じページに高度先端産業立地奨励金があります。対象分野と投資額の下限を、そちらと見比べてください。
工場の機械を入れ替えるだけでも対象ですか?
対象になり得ます。要綱は、増設の中に「機械及び装置を一新すること」(設備一新)を含めています。自分で所有する工場でも、賃借している工場でも、定義に当たります。ただし投資額が1億円以上であること、常用雇用者を25人以上維持することは変わりません。対象分野に当たるかも、認定申請のときに見られます。
土地の購入費や消費税は補助されますか?
どちらも補助されません。市のページは土地の費用を含まないと明記し、要綱は消費税相当額を除くと定めています。対象は、工場等の工事費のうち専ら生産・研究・開発に使う部分と、生産・研究・開発に使う償却資産の取得費用です。事務所部分など、専ら使うとは言えない建設費は対象外となり得ます。見積もりは、この区分で分けておくと確認しやすくなります。
奨励金はいつ振り込まれますか?
工事などが完了した後です。操業を始めたら、操業開始日から1年以内に交付申請兼実績報告書を出します。市が内容を審査して交付を決定し、額を確定して通知します。その後に請求書を出して交付を受けます。奨励金が2億円を超えると2年、5億円を超えると3年に分けて交付されることがあります。具体的な日付は公表資料にありません。
雇用は増やさないといけませんか?
増やす必要はありません。この奨励金の条件は「維持」で、中小企業と中堅企業は原則25人以上、大企業は50人以上の常用雇用者を、交付期間中維持します。常用雇用者は、その工場等を主な勤務地とする人です。高度先端産業立地奨励金は工場に「雇用の増加」を求めるので、雇用を増やす予定がない会社には、この点がこちらを選ぶ理由になります。
高度先端産業立地奨励金とはどちらが有利ですか?
投資の内容で変わります。この奨励金の率は8〜10%です。高度先端は、工場が8〜10%、研究所が12〜15%です。ただし高度先端は投資額の下限が高く、工場には雇用の増加も求められます。二つは併用できず、対象分野を重複して申請することもできません。自社の履歴と投資額で、両方の条件を並べて比べてください。
工場等建設奨励金と併用できますか?
併用できます。市のページは、工場等建設奨励金・倉庫等建設奨励金との併用を認めています。ただし併用した場合の交付上限額は、合計で10億円です。工場等建設奨励金は、新しい工場にかかる事業所税の資産割と固定資産税に相当する額を交付する市独自の制度で、固定資産取得費用に率をかけるこの奨励金とは算定の方法が違います。
大企業は対象になりますか?
なります。ただし条件が重くなります。投資額は25億円以上、常用雇用者は50人以上の維持で、率は8%です。市の要綱が定める市の分は4%で、残りは県の補助金の分です。過去に同じ事業所の同じ事業で奨励金と県の補助金を受けたことがある場合は、大企業とみなし大企業は対象外になります。
認定を受けた後に事業内容を変えたいときは?
あらかじめ事業認定変更申請書(様式第2号)を出して、市長の承認を受けます。軽微な事項は除きます。事業を中止・廃止するときや、要件を満たさなくなるときは、速やかに中止・廃止届出書(様式第3号)を出します。合併や相続で認定事業者の地位を引き継ぐときも、承継の申請(様式第5号)が要ります。
問い合わせ先はどこですか?
岡崎市 経済振興部 商工労政課 ものづくり支援係です。電話は0564-23-6287、メールは shoko@city.okazaki.lg.jp です。開庁時間は月曜から金曜の9時〜16時で、祝日と12月29日〜1月3日は休みです。市の資料は、認定申請書類の準備に時間がかかることが多いので、なるべく早く相談するよう案内しています。
