土地代まで奨励金の計算に入るのか。入ります。岡崎市のこの奨励金は、新たに取得した土地の費用も含む固定資産取得費用を5で割り、売上の構成に応じた10〜40%を5年かけて交付します。ただし前の事業年度の消費者向け製品の売上高が100億円以上でなければ、申請の入口に立てません。
対象は、消費者向け製品(BtoC製品)を作る大きな工場の新増設です。認定も交付も審査で可否が決まります。規模の条件が厳しいぶん、上限は25億円と大きくなっています。
消費者向け製品製造工場等建設奨励金の要点まとめ
正式名:岡崎市消費者向け製品製造工場等建設奨励金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 消費者向け製品(BtoC製品)の製造業
- 利用目的
- 工場の新設・増設(土地の新規取得を伴うもの)
- 対象地域
- 愛知県岡崎市
- 従業員数
- 新規雇用20人以上(中小企業者等は5人以上)
いくら
- 補助上限額
- 25億円(5年間の分割交付)
- 補助率
- 10%〜40%(消費者向け製品の出荷額割合で決まる)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 工事着手の30日前までに建設計画の認定を申請(締切日の記載なし)
- 事業の完了
- 操業開始から10年、計画の事業を続ける
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
中小企業者等は、取得費が5億円以上、新規雇用が5人以上でも足ります。中小企業者等とは、中小企業基本法の中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下。どちらか一方を満たせば該当)と、中小企業団体のことです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 消費者向けの出荷額が前期の半分未満
- ✕ 市の他の奨励金と併用したい
- ✕ 土地を新たに取得しない
- ✕ 同じ事業者が2回目の申請をする
消費者向け製品とは、主に一般消費者の生活に使われる製品のうち、消費生活用製品安全法の別表に載るものを除いたものです。別表に載る製品かどうかは、条文と照らして確かめる必要があります。
売上高100億円以上の条件は、認定を受ける日が属する事業年度の前の年度の決算で見られます。案内PDFには、工場の新増設に伴う市への歳入貢献が年5億円以上という条件も書かれています。条例本文には出てこない条件なので、どう数えるかはものづくり支援係で聞いてください。
何が対象になって、何が対象にならない?
要件の金額と、交付額の計算では、土地の扱いが違います。ここを取り違えると、そもそも要件を満たしているかの判断を誤ります。
| 場面 | 土地の扱い |
|---|---|
| 要件の取得費(25億円・5億円以上) | 土地を除いて数える |
| 交付額の計算(取得費 ÷ 5) | 土地を含めて数える |
交付額の計算に入る固定資産取得費用は、次の3つの合計から消費税と地方消費税を引いた額です。
- 土地の取得費
- 家屋のうち、生産・研究・開発だけに使う部分の建設費
- 生産・研究・開発に使う償却資産の購入費。リース資産と中古品は入れません
事務所や福利厚生の部分は、家屋の建設費に入りません。設備を中古で買う、リースで入れるといった計画は、取得費の計算が小さくなります。
いくら受け取れる?
計算は次のとおりです。固定資産取得費用を5で割り、出荷額割合に応じた率をかけた額が、5年度にわたって毎年交付されます。
| 前年度の消費者向け製品出荷額割合 | 補助の割合 |
|---|---|
| 50%未満 | 0(交付なし) |
| 50%以上70%未満 | 10% |
| 70%以上80%未満 | 20% |
| 80%以上90%未満 | 30% |
| 90%以上 | 40% |
要件の金額を満たす前提での計算例です。
- 取得費が50億円、割合が75%:50億円 ÷ 5 = 10億円、10億円 × 20% = 2億円(1年分)、5年で10億円
- 取得費が50億円、割合が95%:10億円 × 40% = 4億円(1年分)、5年で20億円
- 取得費が80億円、割合が90%:16億円 × 40% = 6.4億円(1年分)、5年で32億円 → 上限の25億円
出荷額の割合が50%に届かなければ、この奨励金は0円です。割合は交付申請をした年度の前の年度の実績で見るので、毎年の申請のたびに割合が変わり得ます。1,000円未満の端数は切り捨てになります。
勘違いしやすいのはどこ?
同じページに並ぶ別の奨励金と、条件が大きく違います。
- 工場等建設奨励金は、税金に相当する額を交付する仕組みで、上限は10億円です。この奨励金は取得費に率をかける仕組みで、上限は25億円です
- この奨励金は、他の奨励制度と併用できません。同じ工場について、工場等建設奨励金や、市のほかの補助金と重ねて申請することもできません
- 企業再投資促進奨励金・高度先端産業立地奨励金も、この奨励金とは別に考えます。使えるのは1つの制度までと考えて、計画を組んでください
- 認定を受けてから3年以内に操業を始めないと、認定が取り消されることがあります
「補助金は完成後に一括でもらえる」と考えると、資金計画が狂います。この奨励金は5年に分けての分割交付です。
申請の流れ
- 事前協議をする(事業者→岡崎市 商工労政課 ものづくり支援係。計画の早い段階で)
- 建設計画の認定を申請する(事業者→岡崎市。工事着手の30日前まで)
- 認定通知を受け、工事に着手する(工事着手届、工事完了届、操業等開始届を出す)
- 操業開始から3年度以内に、交付を申請する(事業者→岡崎市。申請から3か月以内に交付決定)
- 請求書を出し、受け取る(事業者→岡崎市)
- 5年度にわたり、毎年度申請する(事業者→岡崎市)
必要な書類
認定の申請と、最初の交付の申請で書類が違います。
準備できた 0 / 10
上の5つが認定の申請、下の5つ(従業員名簿から納税証明書まで)が最初の交付申請で使うものです。交付申請には、このほか新たに取得した固定資産の一覧、雇用保険の確認通知書(社会保険の被保険者縦覧照会回答票の写しも)、土地の地積測量図、しゅん工図、固定資産台帳の写し、製品の概要と出荷額を示す書類、市への歳入貢献を示す書類も要ります。2年度目以降の申請では、最初の申請で出した書類の一部は不要になります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 操業が遅れた:認定から3年以内に操業を始めないと、認定が取り消されることがあります
- 事業や雇用を縮めた:操業開始から10年のうちに、計画の事業をやめたり従業員数を著しく減らしたりすると、認定が取り消されることがあります
- 対象の資産を勝手に処分した:土地と家屋は最初の交付から10年、償却資産は5年のうちに、市の承認なく使い道を変える、売る、貸す、担保に入れることはできません
- 計画に事実と違う点があった:認定の取消しと、交付済みの奨励金の返還の対象です
- 出荷額の割合が下がった:割合が50%未満の年度は、その年度の交付が0になります
よくある質問
土地の購入費も補助の対象になりますか?
交付額の計算には含まれます。固定資産取得費用は、土地の取得費、生産・研究・開発に使う家屋部分の建設費、同じく使う償却資産の購入費の合計から消費税を引いた額です。これを5で割った額に、出荷額割合に応じた率をかけます。ただし、25億円以上という要件を判定するときは、土地の取得費を除いて数えます。
中小企業でも申請できますか?
申請できます。中小企業者等は、土地を除く取得費が5億円以上、新規雇用が5人以上でも要件を満たせます。大企業は25億円以上、20人以上です。ただし、前の事業年度の決算で消費者向け製品の売上高が100億円以上という条件は、中小企業者等にも書かれています。資本金や従業員数の条件と合わせて、自社が当てはまるかを事前協議で確かめてください。
消費者向け製品とは、どんな製品ですか?
主に一般消費者の生活に使われる製品のうち、消費生活用製品安全法の別表に載るものを除いたものです。どの製品が当たるかは公式ページに一覧がなく、条文で判断します。自社の製品が当たるかどうかは、製造工程や出荷額を示しながら窓口で相談してください。
補助の割合はどう決まりますか?
工場で作る全製品の出荷額に対する、消費者向け製品の出荷額の割合で決まります。50%未満は0、50%以上70%未満は10%、70%以上80%未満は20%、80%以上90%未満は30%、90%以上は40%です。交付の申請をした日が属する事業年度の、前の事業年度の実績が使われます。割合は年度ごとに変わり得るため、年によって交付額も変わります。
交付はいつ、どのように行われますか?
一括ではなく、5年度に分けて毎年交付されます。操業日が属する年度以後3年度以内のいずれかの年度に最初の交付を申請し、そこから5年度、毎年度申請します。市は申請から3か月以内に交付を決定し、その後に請求書を出して受け取ります。交付額の合計が25億円を超えるときは、25億円で止まります。
工事を始めたあとでも申請できますか?
できないと考えてください。条例は、建設計画の認定申請を、工事に着手する日の30日前までに出すよう定めています。着工後の申請を認める記載は、公式ページにもパンフレットにもありませんでした。土地の契約や地鎮祭の前に、認定の申請を出す日程を組んでおきましょう。事前協議の段階で、申請の時期を窓口と詰めておくのが確実です。
他の奨励金と併用できますか?
できません。公式ページは、その他の奨励制度と併用できないと案内しています。規則は、同じ工場について、この奨励金の申請と、工場等建設奨励金や他の市費補助金の申請とを重ねて行えないと定めています。企業再投資促進奨励金や高度先端産業立地奨励金を使う場合は、この奨励金の代わりになるので、どれが有利かを事前に比べてください。
同じ会社が何度も受けられますか?
受けられません。この奨励金は、1つの事業者等につき1回に限る措置です。1回目の工場の新増設で使うと、のちに別の工場を建てても、この奨励金は使えません。どの工場の計画で申請するかは、会社にとって大きな判断になります。別の制度の対象になる計画かどうかも含めて、岡崎市のものづくり支援係で整理してください。
認定を受けたあと、いつまでに操業すればよいですか?
認定を受けた日から3年以内に、工場の操業を始める必要があります。この期間に始めなければ、認定が取り消されることがあります。操業を始めたあとも、10年のうちは計画の事業を続け、従業員数を著しく減らさないことが交付の条件です。計画を立てる段階で、工事や設備の導入のスケジュールを現実的に組んでください。
受け取った奨励金を返すことはありますか?
あります。交付した奨励金の額が過大だったとき、交付の条件に違反したとき、認定が取り消されたときは、市から交付済みの額の全部または一部の返還を求められる場合があります。休止や廃止の届出も必要です。交付を受けた資産の使い道を、市の承認なく変えることも条件に反します。
申請の締切日はいつですか?
公式ページ、条例、パンフレットのいずれにも、受付の締切日は書かれていません。守る期限は、工事に着手する日の30日前までに建設計画の認定を申請することです。年度ごとの予算の枠などは、確認できませんでした。着工の時期が決まっている場合は、窓口(岡崎市 商工労政課 ものづくり支援係、電話 0564-23-6287)で最新の扱いを聞いておくと確実です。
