大熊町のゼロカーボン補助金は、金額より受理の順番で差がつきます。交付申請書は先着順で受理され、書類に不足があると受理されないまま返却されます。予算の上限に達した時点で募集は終わるので、書類の準備が早いほど有利です。
使えるのは、2019年4月10日(平成31年4月10日)以降に町内に住んでいる人と、町内で事業を営む事業者です。完了後に町内へ住む予定の人や、町内で事業を始める予定の人も含まれます。ZEH(高断熱で省エネ性能の高い住宅)は500万円、省エネリフォームは最大150万円、EVは最大130万円で、非住宅のZEBは最大5億円です。令和8年度分は、2026年9月1日9時から全メニューの新規申請の受け付けを再開しました。
大熊町ゼロカーボン補助金の要点まとめ
正式名:大熊町ゼロカーボン補助金
だれが
- 申請者
- 町民等・町内事業者等(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(町内で事業を営む事業者)
- 利用目的
- 省エネ住宅・リフォーム・太陽光・蓄電池・EV・充電設備
- 対象地域
- 福島県大熊町
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- メニューごとに異なる(ZEB最大5億円・ZEH500万円・EV130万円)
- 補助率
- メニューごとに異なる(1/4〜2/3。太陽光は1kWあたり10万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月1日から(予算の上限に達するまで先着順)
- 事業の完了
- 令和8年度末まで(令和9年2月末までの完了を依頼)
自分は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
住民票が町外でも、完了後に町内へ住むことが認められれば「町民等」に当たります。事業者も同じ考え方で、完了後に町内で事業を始める予定なら「町内事業者等」です。国の補助との併用は原則できません。ただし国の補助の交付額が、この補助金だけで同じ事業をした場合の額を下回るときは、その差額が補助されます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 町外に建てる住宅・町外が本拠のEV
- ✕ 売電が目的の太陽光パネル
- ✕ 中古のEV・PHV・FCV
- ✕ 町外の事業所への設備導入
太陽光を売電目的で設置すると外れる点には注意が要ります。全量を自家消費するか、FIT(国の固定価格買取制度)以外の余剰売電で少なくとも30%を自家消費する計画に限られます。ZEHの帰還者向け窓口は、事務局ではなく生活支援課です。
いくら戻ってくる?
メニューごとの補助額は次のとおりです。表の上限は1件あたりの額です。
| メニュー | 補助額と上限 |
|---|---|
| ZEH(戸建て新築) | 500万円(経費が500万円未満ならその額) |
| ZEB(非住宅新築) | 経費の1/2(1㎡あたり40万円・最大5億円) |
| Nearly ZEB | 経費の1/3(1㎡あたり40万円・最大3億円) |
| ZEB Ready | 経費の1/4(1㎡あたり40万円・最大1億円) |
| ZEH-M(集合住宅) | 経費の1/2(1㎡あたり40万円・最大5億円) |
| Nearly ZEH-M | 経費の1/3(1㎡あたり40万円・最大3億円) |
| 省エネリフォーム | 経費の2/3(1戸あたり150万円) |
| 緑化・環境改善 | 経費の1/2(1戸あたり20万円) |
| 太陽光パネル(住宅) | 1kWあたり10万円(上限100万円) |
| 太陽光パネル(事業用) | 1kWあたり10万円(上限2,000万円) |
| 蓄電池(定置式) | 経費の1/2(上限50万円) |
| 蓄電池(可搬式) | 経費の1/2(上限10万円) |
| 地域再エネ発電設備 | 経費の1/2(上限1億円) |
| EV | 経費の1/3(上限130万円・軽EVは60万円) |
| PHV | 経費の1/3(上限90万円) |
| FCV | 経費の1/3(上限250万円) |
| V2L(車から電気を取り出す装置) | 経費の1/2(上限50万円) |
| V2H(住宅と車で電気をやり取りする設備) | 経費の1/2(上限200万円) |
| 充電設備(急速) | 経費の1/2(上限1,000万円・高圧受変電設備つきは1,500万円) |
| 充電設備(普通) | 経費の1/2(上限200万円) |
| 水素充填設備 | 経費の1/2(上限1億2,000万円) |
計算例です。
- 住宅に4.5kWの太陽光パネルをつける:4.5kW × 10万円 = 45万円
- 住宅に12kWの太陽光パネルをつける:12kW × 10万円 = 120万円 → 上限の100万円
- エコキュートと内窓の工事に90万円かかる:90万円 × 2/3 = 60万円
- 庭木と生垣の植栽に30万円かかる:30万円 × 1/2 = 15万円
- 450万円のEVを買う:450万円 × 1/3 = 150万円 → 上限の130万円
- 150万円の軽EVを買う:150万円 × 1/3 = 50万円(上限の60万円には届かない)
ZEH・ZEB・ZEH-Mの補助は、再生可能エネルギー設備等の補助(太陽光パネル・蓄電池・地域再エネ発電設備)や、V2L・V2H・充電設備・水素充填設備の補助と併せて申請できません。省エネリフォームと緑化は、施工時期が違う工事も補助額を通算して、上限(150万円・20万円)までです。課税事業者は、補助対象経費に含まれる消費税の仕入控除分が減額されます。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 国の補助を受けて実施する事業(差額が出る場合を除く)
- 町外の住宅・事業所・土地への導入
- 売電目的の太陽光パネル
- 中古の太陽電池モジュール・パワーコンディショナ・蓄電池
- 初度登録の新車でないEV・PHV・FCV
対象になる経費は、メニューごとに次のとおりです。
- ZEH・ZEB・ZEH-M・リフォーム・太陽光・蓄電池:設計費、設備費、工事費
- 緑化・環境改善:材料費、運搬費、工事費
- EV・PHV・FCV:車両購入費、リース料(4年以上の契約)
- 水素充填設備:設計費、設備費、工事費(保守点検費は最大10年)
省エネリフォームの対象は、エコキュート、IH、高効率エアコン、断熱材、窓、地中熱利用ヒートポンプ、宅配ボックスです。建設工事の完了から1年たった住宅か、過去に人が住んだ住宅が対象です。断熱材は熱伝導率0.052W/(m・K)以下でノンフロン、窓やドアは開口部全体の熱貫流率4.7W/(㎡・K)以下、高効率エアコンは省エネ基準達成率100%以上が条件です。宅配ボックスは、施錠できて容易に動かせないよう固定されている必要があります。緑化は、自宅や事務所の敷地、またはそこから直線距離300m以内の土地に設置するものに限ります。
平成31年4月10日以降に済ませた工事も、さかのぼって申請できます。申請ガイドには、事業開始後でも交付申請が可能と書かれています。
申請から入金までの流れ
- 要綱と申請ガイドで書類を確かめる(申請者。メニューごとに書類が違う)
- 交付申請書類一式を事務局に出す(申請者→大熊町ゼロカーボン補助金制度事務局。郵送・持参・メールで受け付ける)
- 受理を待つ(事務局。不足も不備もなければ、受け取った日が受理日)
- 交付決定を受ける(町→申請者。受理から原則30日以内)
- 事業を実施する(申請者。令和8年度末までに完了させる)
- 実績報告を出す(申請者→事務局。工事などの完了と経費の確定から30日以内)
- 額の確定を受けて請求する(町が確定通知を送り→申請者が請求書を出し→指定口座に振り込み)
申請ガイドの流れ図は、事業を開始する前に交付申請書類を出すのが基本です。同じガイドの注意事項には、平成31年4月10日以降に始めた事業は開始後でも申請できるとあります。着工前の申請と事後の申請のどちらで進めるかは、事務局に聞いておくと確実です。
ZEBとZEH-Mは事前相談が必要です。受付は1件程度で、審査委員会が受理の可否を決めます。同じ日に受理した申請の合計が予算の上限を超えたときは、抽選で当選者の申請が有効になり、落選者は補欠になります。
必要な書類
メニューによって書類が違います。多くのメニューで要る書類は次のとおりです。設備の規格が分かる資料は、ZEH・ZEB・ZEH-M・EV・PHV・FCVでは求められていません。
準備できた 0 / 7
支払金口座振替依頼書は、原本に押印して町へ直接出します。交付申請書には、暴力団排除の誓約のほかに、完了後に町内で暮らす(事業をする)こと、財産処分の制限期間中は町長の承認なく処分しないことの誓約が付いています。事業計画書には、設計図面や設置場所の写真などを添えます。補助対象経費内訳書はZEHだけに要ります。ZEHはさらにBELS証書(建物の省エネ性能の第三者評価書)と一次エネルギー消費量計算書も必要です。内訳書には税抜で、ZEHの達成に必要な設備と工事だけを書きます。
実績報告では、完了が分かる写真や資料、領収書、町民なら住民票の写し(多くのメニューで発行から3か月以内)などが要ります。事業者は、開業届や商業登記簿謄本など町内で事業を営むことが分かる書類を出します。EVなどは自動車検査証の写しも要ります。見積書の金額と領収書の金額は一致させ、変わった場合は実績報告のときに連絡します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 書類に不足があった:不足や不備のある申請は受理されず、一式が返却されます。そのあいだに予算の上限に達すると、受理できません。
- 予算の上限に達した:受付は先着順です。申請ガイドには、ZEH-Mを除いて申請できる枠の数は設けていないとあります。一方、町のページはZEBとZEH-Mを1件程度とし、そのほかのメニューは予算の上限に達するまでとしています。予算の執行状況によっては、受付を早く終えることもあります。
- 国の補助と併用した:県の補助でも、国の補助を得て実施されているものは併用できないことがあります。併用を考えるなら、申請前に事務局に伝えます。
- 住所を偽ってEVを登録した:町外を拠点に使う車の使用の本拠を、一時的に大熊町内にする行為は違法で、返還を求められることがあります。
- 取得した財産を勝手に処分した:補助で取得した設備は処分が制限されます。売却や撤去をする前に町長の承認が要り、補助金の全部または一部を返すことがあります。
今年度の変更点・併用・税金
ZEH(戸建て住宅)は、令和8年9月1日付で要綱が一部改正されました。申請を考えるときは、要綱本体と申請ガイドの最新のものを確かめてください。
蓄電池のうち、定置式は太陽光発電と合わせて設置することが条件です。可搬式は1kWh以上で、同じ住宅または事業所につき1回・1台までです。省エネリフォームと緑化は、同じ住宅・事業所・土地の同じ事業について2回までです。
補助金は課税の対象になるかどうかについては、公式ページに記載がありません。事業者は、会計や税務の扱いを税理士などに確かめてください。
よくある質問
先着順は、どうやって決まりますか?
事務局に提出した書類に不足も不備もなければ、受け取った日が受理日になります。不足があれば一式が返却され、改めて整えて出し直した日が受理日です。同じ日に受理した申請の合計が予算の上限を超えたときは抽選になります。落選した人は補欠になり、辞退者が出た場合に順に繰り上げられます。出す前に自分で書類を点検しておくと、順番を落としにくくなります。
以前は大熊町に住んでいましたが、いまは町外です。対象になりますか?
町外に建てるZEHや、町外を本拠とするEVは対象外です。この補助金は、避難を余儀なくされた町民や新たに住む人、町内で事業を再開・開始する事業者が、町内へ戻って暮らし事業をするのを後押しするものだからです。ただし完了後に町内へ居住することが認められれば「町民等」に当たります。帰還を考えている段階なら、窓口に事情を伝えて確かめてください。
すでに終わった工事でも申請できますか?
平成31年4月10日以降に実施した事業なら、さかのぼって申請できます。たとえば過去に省エネリフォームをした場合も対象です。ただし省エネリフォームは、工事の完了から1年たった住宅か、過去に人が住んだ住宅が対象です。見積書や領収書の保管が必要になるので、工事の契約書や領収書が手元にあるかを先に確かめておくと進めやすくなります。
国や県の補助金と併用できますか?
国の補助を得て実施する事業との併用は原則できません。県の補助は、県が自治体の補助との併用を認めている場合だけ併用できます。県の補助でも国の補助を得ているものがあるため、併用予定の補助金の情報を、申請前に事務局へ伝えてください。国の補助の交付額が、この補助金だけで同じ事業をした場合を下回るときは、差額が補助される場合があります。
売電目的の太陽光パネルは対象ですか?
売電目的の設置は対象外です。対象になるのは、全量を自家消費するものか、FIT以外の余剰売電を行い少なくとも30%を自家消費するものです。自家消費した電力量を計測する機器の設置も条件に入ります。事業用でオフサイトに置く場合は、あわせて自営線を敷設する必要があります。ZEH・ZEB・ZEH-Mだけは、余剰売電が認められています。
蓄電池だけの導入は補助されますか?
定置式のリチウムイオン電池は、自家消費を目的とする太陽光発電と合わせて設置するのが条件です。蓄電池だけの導入は対象になりません。可搬式は、災害時に持ち運べる1kWh以上の完結型電源装置で、交流100ボルトの出力端子があり、未使用品であれば対象です。補助は経費の1/2で、定置式は上限50万円、可搬式は上限10万円です。
EVはリースでも対象ですか?
リースは対象です。ただし車両賃貸借の期間が4年以上の契約に限ります。購入の場合も、初度登録の新車で、自動車検査証の使用の本拠の位置が町内であることが必要です。次世代自動車振興センターのCEV補助金の対象銘柄でもある必要があります。補助は経費の1/3で、EVは130万円、軽EVは60万円、PHVは90万円、FCVは250万円が上限です。
工事はいつまでに終えればよいですか?
令和8年度末までの完了が原則です。町は、令和9年2月末までの完了への協力を依頼しています。令和9年3月に完了する見込みなら、事前に相談してください。年度内に完了しない場合は、完了する年度に申請します。実績報告は、工事などが完了して経費が確定した日から30日以内に出します。
事業者は法人でも個人事業主でも申請できますか?
どちらも申請できます。町内で事業を営む事業者か、完了後に町内で事業を始めることが認められる人で、町税等を滞納していないことが条件です。実績報告のときは、個人なら開業届、法人なら商業登記簿謄本か、町に出した法人等設立・設置届出書の写しなどで、町内で事業を営むことを示します。ZEBは会社概要書や財務諸表も必要です。
行政書士などに代理申請を頼めますか?
頼めます。代理申請の場合は、様式第2号の代理申請同意書を出します。代理申請は、原則として行政書士、弁護士など法令で認められた人が行うことになっています。行政書士または行政書士法人でない人が、報酬を得て官公署に出す書類を業として作ると、行政書士法に違反する可能性があります。依頼先がその資格を持つかを確かめてください。
見積書と領収書の金額が違ったらどうなりますか?
見積内容が分かる書類と領収書の金額は、一致している必要があります。契約内容の変更などで金額が変わった場合は、実績報告を出すときに町と事務局へ連絡してください。事業内容の配分や事業内容を変える場合と、事業を中止・廃止する場合は、必ず事前に事務局へ相談します。見積書には、税込みと税抜きの額、内訳、型番などを書いてもらうと、確認が早く済みます。
問い合わせ先はどこですか?
申請の相談は、大熊町ゼロカーボン補助金制度事務局(大熊るるるん電力株式会社)です。電話は0120-978-820で、受付は平日9時から17時です。町の担当はゼロカーボン推進課で、電話は0240-23-7597です。ZEHの帰還者向け窓口は生活支援課です。提出方法は時期によって違うので、出す前に窓口か町のページで確かめてください。
