福島県のこの補助金は、設備の見積もりを取る前に始まります。先に省エネ診断を受けて、温室効果ガスの排出量を調べ、削減計画を作る流れだからです。診断の結果が、申請書類の一つになっています。
公募要領は令和8年5月13日付で、7月・8月・9月に一部改定されています。古い版を手元に置いたまま準備を進めないよう、申請の直前に最新の版を開いてください。
福島県 県内企業の脱炭素化推進事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度県内企業の脱炭素化推進事業補助金
だれが
- 申請者
- 県内に事業所を持つ中小企業等(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(「公務」「分類不能の産業」を除く)
- 利用目的
- 高効率設備(空調・換気・照明・給湯・コージェネ)と太陽光発電の導入
- 対象地域
- 福島県内
- 従業員数
- 業種ごとに300人・100人・50人以下(資本金とどちらか一方)
いくら
- 補助上限額
- 最大1,100万円(上限1,000万円に、産業育成資金の利用で10%加算)
- 補助率
- 高効率設備は対象経費の1/2以内、太陽光は1kWあたり5万円
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月13日〜2027年2月12日17時(予算上限で終了)
- 事業の完了
- 2027年2月12日まで(交付決定日から)
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
同じ年度とは令和8年度のことです。中小企業等の基準は、業種ごとに決まっています。資本金と従業員数は、どちらか一方を満たせば足ります。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
複数の業種に当たるときは、直近の決算書で売上高が大きいほうが主たる業種です。
支援機関とは、県内の各商工会議所・各商工会と、東邦銀行・福島銀行・大東銀行、福島県中小企業団体中央会などを指します。賃借している建物に設備を入れられるかは、公式ページに記載がありません。所有者でない場合は、窓口に先に聞いてください。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古の設備を入れる
- ✕ 太陽光発電設備だけを入れる
- ✕ 国の補助を受けて同じ設備を入れる
- ✕ 設備の撤去だけが目的の工事
いくら補助される?
高効率設備は対象経費の1/2以内です。太陽光発電は、出力1kWあたり5万円です。出力は、モジュールの最大出力の合計と、パワーコンディショナー(直流を交流に変える機器)の定格出力の合計の、低いほうを使います。小数点以下は切り捨てです。
2つの合計の上限は1,000万円で、1,000円未満は切り捨てます。
- 事務所の空調を更新する:400万円 × 1/2 = 200万円
- 太陽光(モジュール32.4kW、パワコン30kW):30kW × 5万円 = 150万円
- 設備1,600万円と太陽光50kW:800万円 + 250万円 = 1,050万円 → 上限の1,000万円
ふくしま産業育成資金(カーボンニュートラル枠)を使う場合は、算定した額の10%が加算されます。上限の1,000万円で計算した額なら、加算は100万円で、合計は1,100万円です。
加算後の額が1,000万円の枠に収まるのかは、公式の文書に明記がありません。1,100万円を前提に資金計画を組む前に、環境共生課へ確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 中古の設備
- 太陽光発電設備だけの導入(高効率設備と一緒に入れる場合のみ対象)
- 設備の撤去が目的の工事
- アスベストの調査費と、家電リサイクル法のリサイクル料金
- 消費税(課税事業者は除いて申請するのが原則)
対象になるもの
- 高効率空調機器(従来機より省CO2効果が30%以上のもの)
- 高機能換気設備(全熱交換器で、熱交換率40%以上など)
- 高効率照明機器(調光制御機能のあるLEDのみ)
- 高効率給湯機器(従来機より省CO2効果が30%以上のもの)
- コージェネレーションシステム(発電と排熱利用を同時に行う装置)
- 太陽光発電設備(自己所有で、未使用の100kW以下。発電した電力は全量を自家消費)
経費は、設備費のほかに、材料費・労務費などの工事費、測量・設計費も含みます。設備の入れ替えでやむを得ない撤去・運搬・処分費は、必要最小限の範囲で対象です。
申請の流れ
- 省エネ診断を受ける(事業者→診断機関。排出量を把握する)
- 脱炭素計画書を作る(事業者→支援機関の伴走。削減目標・削減策・社内体制を書く。申請時に未策定なら完了実績報告まで)
- 申請書類を出す(事業者→環境共生課。2027年2月12日17時必着。持参か郵送)
- 交付決定を待つ(県→事業者。決定の前に工事を始めない)
- 設備を入れて、支払いまで終える(事業者。2027年2月12日まで)
- 完了実績報告を出す(事業者→県。完了から30日以内か2月12日の早いほう)
- 補助金の交付を請求する(事業者→県。額の確定のあと)
事業の完了とは、設備の導入、検収、経費の支払いがすべて終わった状態です。応募は先着順で、不備があれば受理されません。不備が直った日が受理日になります。
必要な書類
準備できた 0 / 15
従前の設備の図面は、設備を更新する場合だけ要ります。産業育成資金の書類は、10%加算を使う場合だけです。証明書類は、申請日時点で発行から3か月以内のものに限ります。住民票はマイナンバーの記載がないものです。見積書は有効期限内でなければなりません。脱炭素計画書は、申請時に未策定なら完了実績報告で出せます。空調と給湯は、省CO2効果を環境省のガイドブックで計算した書類も付けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に工事を始めた:原則として補助を受けられません。やむを得ない着手は事前着手届出書が要り、決定されなかった損失も自己負担です。
- J-クレジットに登録した:法定耐用年数が終わるまで、この設備の削減効果は登録できません。
- 国の補助も受けた:法律か予算制度に基づく国の負担・補助を受けた事業は対象外です。
- 財産を無断で処分した:1つ50万円を超える設備は、耐用年数のあいだ処分が制限されます。
- 虚偽の申請があった:交付決定が取り消され、補助金の返還を命じられることがあります。
太陽光発電設備を入れた場合は、設置の翌月から12か月分の利用状況を県に報告します。
変更点・併用・税金
公募要領は、令和8年7月1日、8月1日、9月1日に一部改定されています。過去に申請を検討した人は、最新の版で要件を読み直してください。
併用は、国の補助との組み合わせができません。県の産業育成資金(カーボンニュートラル枠)は、使うと10%加算の対象です。
消費税は、課税事業者なら補助対象経費から除いて申請します。免税事業者や簡易課税の事業者は、含めて計算できる扱いです。
よくある質問
省エネ診断はどこで受けられますか?
資源エネルギー庁の事業の省エネ診断や省エネ最適化診断、福島県地球温暖化防止活動推進センターの省エネ診断などがあります。県は、これらに限る扱いにはしていません。診断の結果は、排出量を把握した書類として申請に付けます。診断の予約には日数がかかるので、設備の検討と同時に申し込んでください。
照明はLEDならどれでも対象ですか?
対象外のLEDがあります。対象は、調光制御機能のあるLEDのみです。機能は3つのどれかです。時刻で点滅や調光をするスケジュール制御、明るさセンサによる一定照度制御、人感センサによる在・不在調光です。カタログに機能の記載があるかを、見積もりの段階で確かめてください。
エアコンを入れ替えるときの要件は?
従来の機器に対して、省CO2効果が30%以上得られることが要件です。確認は、環境省の地球温暖化対策事業効果算定ガイドブック(令和8年3月改訂)の計算ファイルで行います。計算した書類は、申請書類に付けます。給湯機器も同じ30%の基準です。購入前に、候補の機種で基準を満たすか計算しておくと、機種選びの手戻りが防げます。
太陽光発電だけを導入できますか?
できません。太陽光発電は、高効率設備の導入と一緒に行う場合だけ対象です。自己所有で、未使用の100kW以下であることも条件です。発電した電力は全量を自家消費し、FITやFIPの認定は取りません。発電量を測る機器も付けます。売電を前提とした計画は、この補助金には合いません。
撤去費用は対象になりますか?
設備の入れ替えで、取り外しがやむを得ず必要な場合は、必要最小限の範囲で対象です。運搬費と処分費も含みます。有価物(鉄くずなど)の売却益は、処分費から差し引きます。撤去だけが目的の事業、アスベストの調査費、家電リサイクル法のリサイクル料金は、対象になりません。
賃貸のビルに入っていても申請できますか?
公式ページに記載がありません。対象者は「高効率設備の導入等を行う建物及び設備を所有している事業者」と書かれています。貸主が設備を所有する賃貸物件の扱いは、文書から判断できません。申請前に、環境共生課のカーボンニュートラル担当(電話024-521-7813)へ、契約の内容を伝えて確認してください。
予算がなくなったらどうなりますか?
予算の上限に達した時点で、公募は終わります。申請は先着順です。上限に達する日に予算を上回る応募があれば、その日に受理した応募者の抽選で決まります。予算に残りがあれば、追加の公募を行う場合があります。2027年2月12日より前に終わることもあるため、早めの準備が必要です。
交付決定の前に工事を始めてもよいですか?
原則として、始めてはいけません。交付決定の前に事業を実施すると、補助を受けられなくなります。やむを得ない事情があるときだけ、事前着手届出書を出して着手できます。ただし、決定までの損失はすべて自己責任です。発注や契約の時期は、交付決定のあとにしてください。
他の補助金と併用できますか?
国の補助や、法律か予算制度に基づく国の負担を受けて実施する事業は、対象外です。同じ設備に国の補助を使うことはできません。一方で、ふくしま産業育成資金(カーボンニュートラル枠)という県の融資制度を使うと、補助額に10%が加算されます。融資の審査は別に必要なので、時期を合わせて動いてください。
完了後に守ることはありますか?
あります。1つ50万円を超える設備は、耐用年数が終わるまで、無断で処分できません。J-クレジットへの登録もできません。太陽光発電設備は、設置の翌月から12か月分の利用状況を県に報告します。県のアンケート調査にも協力します。帳簿などの書類は、事業完了の年度の翌年度から5年間保存します。
同じ年度に2回申請できますか?
できません。令和8年度に、この補助金の交付決定をすでに受けた事業者は、対象者の要件に外れます。前年度からの繰越事業の変更決定は除きます。複数の拠点で設備を入れたい場合は、1回の申請にまとめられるかを、事前に窓口へ確認してください。公式ページに、拠点数の上限は記載がありません。
問い合わせ先はどこですか?
福島県生活環境部 環境共生課 カーボンニュートラル担当です。電話は024-521-7813、メールはzero_carbon@pref.fukushima.lg.jp です。所在地は福島市杉妻町2-16の西庁舎10階です。申請書類は、郵送か持参で1部出します。
