この補助金の目的は、国内の基幹産業が必要とする質と量の再生材を、安定して供給できる体制づくりです。公募要領にそう書かれています。使用済み製品を解体・選別する設備が国内で足りなければ、再生材はそろいません。その設備の導入費を、設備の発注は交付決定の後、しかも新品に限るという条件で支えるのが今回の公募です。
窓口は環境省ではなく、事務局のパシフィックコンサルタンツ株式会社です。環境省から交付決定を受けた予算で、同社が公募と審査を行います。
再生材供給サプライチェーン構築支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度 循環型社会形成推進事業費補助金(再生材供給サプライチェーン構築支援事業)
だれが
- 申請者
- 民間企業、一般・公益の社団法人・財団法人、地方公共団体等
- 対象業種
- 業種の指定なし(廃棄物等から重要な金属資源等を再生利用する事業)
- 利用目的
- 解体・破砕・選別設備、品質分析設備、積替え・保管施設の導入
- 対象地域
- 全国(国内の事業所での事業に限る)
- 従業員数
- 規定なし(中小企業者かどうかで補助率が変わる)
いくら
- 補助上限額
- 公募要領に上限額の記載なし(事務局へお問い合わせください)
- 補助率
- 1/2(中小企業者)、1/3(中小企業者以外)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月18日(金)14:00〜2026年10月16日(金)17:00必着
- 事業の完了
- 原則、交付決定日以降から2027年2月末まで(複数年度は最大3か年度)
うちの事業は対象になる?
公募要領の要件を、次のように読み替えられます。3つともに当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
再生利用は、国内の事業所で廃棄物等から行う事業が対象です。導入できるのは解体・破砕・選別・焙焼その他の処理設備、品質の分析設備、荷役・積替え・保管の施設のいずれかです。数字で示すのは、国内に供給する再生資源等の質か量が上がること、または収集運搬が効率化することです。
次のどれかに当たると、対象外です。
- ✕ 精錬・製錬・精製の設備
- ✕ 港湾局の補助金の対象設備
- ✕ 国の別の補助金を受けている
- ✕ 中古品・新古品
- ✕ すでに稼働中の設備の改造
- ✕ 回収年数が3年未満か耐用年数の3倍以上
- ✕ 2か年度続けて債務超過
- ✕ 2027年2月28日までに完了できない
精錬・製錬・精製の設備は公募要領で対象から除かれ、港湾局の補助金は国土交通省港湾局の「港湾機能高度化施設整備費補助金」を指します。国の別の補助金は導入する設備についてのもので、固定価格買取制度による売電も不可です。資金回収年数が3年未満か設備の法定耐用年数の3倍以上だと、審査基準では基本的要件を満たさず不採択ですが、これまでリサイクルが難しかったものを再資源化できる特別な技術や設備は例外です。債務超過は、直近2か年度が続けて純資産がマイナスで改善の見込みがない場合です。
廃棄物処理業などの許可が必要なのに、許可を受けておらず、取る予定もない場合も不採択です。
「重要な金属資源等」は、公募要領の別表1で決まっています。経済安全保障推進法の方針で重要鉱物とされた金属(リチウム、ニッケル、コバルト、希土類金属など)と、日本成長戦略に載る金属(鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、スズ、鉛、永久磁石など)です。放射性物質は除きます。
いくら補助される?
対象経費に、補助率を掛けた額です。補助率は申請者で変わります。
中小企業者は1/2です。中小企業者とは、業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当する会社です。それ以外の申請者は1/3になります。
公募要領には上限額の記載がありません。審査では、環境省から交付を受けた予算の範囲内で事業を選ぶため、申請額が減額されることがあります。
仮の金額で計算すると、次のとおりです。
- 中小企業が破砕・選別設備を入れる:8,000万円 × 1/2 = 4,000万円
- 中小企業者以外が同じ設備を入れる:8,000万円 × 1/3 = 約2,667万円
- 設備と据付けで7,000万円、基礎工事で1,500万円かかる:7,000万円 × 1/2 = 3,500万円(基礎工事は対象外)
リースで入れるときは、設備を持つリース会社が代表事業者になり、設備を使う事業者が共同申請者になります。 補助金の分は、リース料の値引きに充てる約束が必要です。
何に使える?
対象にならないもの
- 土地、基礎(杭基礎・底盤など)、道路などの建築土木
- 既存施設の撤去・移設・廃棄の費用
- 予備品
- 官公庁への申請・届出にかかる費用
- 本事業への応募・申請にかかる費用
- 中古品、新古品、既存機器の改造
対象になるもの
- 解体・破砕・選別などの設備と機器本体の購入、運搬、据付け、試運転調整
- 設備に電気を送る受電・変電の設備
- 設置に必要な直接工事費、間接工事費、設計費
- 設備の実施設計、機器どうしの配管・配線
電動機は、国際規格のトップランナー(IE3)以上が条件です。インバータ駆動など、規格から除かれているものは例外になります。自社製品を設備に使う場合は、利益を除いた原価で計上します。
申請の流れ
- 事業ホームページで利用登録をする(事業者→事務局。登録だけでは応募になりません)
- 応募書類をそろえる(事業者。収集先と供給先の関心表明書は、先方との調整が要ります)
- マイページから書類をアップロードする(事業者→事務局。10月16日17時必着)
- 審査を受ける(事務局。委員会でのプレゼンテーションがあります。100点満点のうち、事業効果・事業意義が80点、実施計画の確実性が20点です。エコ・ファースト認定など加点の項目もあります)
- 採択後に交付申請をする(事業者→事務局。交付決定の前に発注しない)
- 設備を導入し、支払いまで終える(事業者。原則2027年2月末まで)
- 完了実績報告を出し、精算払いを請求する(事業者→事務局)
必要な書類
準備できた 0 / 15
事業ホームページの様式とひな形は、資料ダウンロードにあります。計画書の正式名は「再生資源等の質又は量の向上に関する計画書」、見積書は計算書でもよく、資金回収年数の資料は事務局のひな形に自社で記入し、関心表明書は様式なしで取引先に依頼します。決算書類は直近2決算期分、許可証は許可が必要な場合、リース料の減額を示すリース契約書等はリースの場合だけ出し、応募時は案でかまいません。
資金回収年数は「自己負担額 ÷ 年間の利益増加額とランニングコストの増減額」で出します。補助金の支払いは原則として精算払いなので、資金調達計画には補助金の額を入れません。経費内訳には、消費税は原則として含めません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定の通知より前に発注した経費は、対象になりません。事業の開始は交付決定日以降です。
- 資金回収年数が短すぎる、または長すぎる:3年未満、または法定耐用年数の3倍以上だと、基本的要件を満たさず不採択になります。
- 応募書類に虚偽があった:不採択、採択の取消、補助金の返還になることがあります。支払い済みの補助金には、年10.95%の加算金が付きます。
- 設備を無断で処分した:法定耐用年数の間に、目的外の使用、譲渡、貸付け、廃棄をするときは、事前に事務局の承認が要ります。返還になることもあります。
- 供給の目標が達成できなかった:完了後も3年間、毎年度の報告が必要です。目標に届かず、交付の目的が達成できないときは、補助金の返納を求められることがあります。
今年度の変更点・併用・税金
併用は、導入する設備について国の他の補助金を受けていないことが条件です。ここは公募要領に明記があります。都道府県など国以外の補助金との重ね方は、公募要領に記載がありませんでした。事務局に確認してください。
税金は、国庫補助金等に当たるため、法人は圧縮記帳(補助金で取得した資産の圧縮額を損金に入れる規定)を使えます。個人は総収入金額に入れない規定の対象です。適用は固定資産の取得に充てた部分に限ります。手続きは所轄の税務署に確認してください。
よくある質問
補助金の上限額はいくらですか?
公募要領には、補助上限額の記載がありません。書かれているのは補助率で、中小企業者は1/2、それ以外は1/3です。また、採択は環境省から交付を受けた予算の範囲内で行われ、応募内容によっては減額されることがあります。申請額がそのまま交付額になるとは限りません。大きな設備を計画している場合は、応募の前に事務局へ金額の考え方を問い合わせておくと安心です。
中小企業でなくても申請できますか?
申請できます。応募できるのは、民間企業、一般・公益の社団法人・財団法人、地方公共団体等、環境大臣の承認を得て事務局が適当と認めた者です。中小企業者かどうかは、補助率が1/2か1/3かを分ける条件で、応募資格ではありません。新しく会社を作って代表事業者にする場合は、交付申請までに設立します。応募のときは設立予定の会社名で構いません。
中古の設備を入れる場合は対象になりますか?
対象になりません。補助対象の設備は新品に限られます。新古品、一度でも稼働した中古品、整備済みの中古品、すでに設置・稼働している設備の改造は対象外です。改造とは、改修や主要部品の交換で性能を変えることをいいます。既存の設備を強化したい場合も、新品を新たに導入する計画に組み直す必要があります。判断に迷う設備は、事務局に問い合わせてください。
設備を置く土地の購入や基礎工事は補助されますか?
補助されません。土地、基礎(杭基礎・底盤など)、道路などの建築土木は、補助対象の範囲外です。既存施設の撤去・移設・廃棄の費用も対象外になります。設備本体や、その運搬・据付け・試運転調整、受電・変電の設備、設置に必要な工事費と設計費は対象です。見積書は、補助の対象になる分と対象外の分を分けてもらうと、経費内訳を作りやすくなります。
設備を発注するのはいつからですか?
交付決定日以降です。採択の通知を受けたあとに交付申請を出し、交付決定を受けてから発注します。交付決定の前に発注した経費は、補助の対象になりません。工期の都合で早く始めたい場合は、事務局への相談が認められています。ただし、相談しないまま先に発注すると対象外になるので、必ず先に連絡してください。契約先は、原則3者以上の競争で決めます。
応募書類は何を出せばよいですか?
応募申請書、実施計画書、経費内訳の各様式のほか、添付資料が8種類あります。資金回収年数の資料、収集先と供給先の関心表明書、質または量の向上に関する計画書、導入前後の概略図とフロー図、設備の配置計画図、機器仕様一覧表、工程表です。経理状況の資料として、直近2決算期の貸借対照表と損益計算書、企業パンフレット等と定款も要ります。関心表明書は先方との調整が要るので、早く動いてください。
廃棄物処理の許可がまだ取れていない場合は応募できますか?
応募できます。廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づく施設設置の許可や、処理業の許可が必要な場合は、許可証の写しを出します。補助事業が終わるまでに許可を取る予定なら、その旨を書いた書類と、取得までの手続きを示す工程表を出します。許可の取得には手続きと期間がかかるため、工程表には十分な余裕を持たせるよう公募要領が求めています。
申請はどのように出しますか?
事業ホームページでシステム利用登録をし、事務局からメールで届くURLからマイページに入ります。ログイン後、マイページに応募書類をアップロードして提出します。マイページへの登録だけでは応募になりません。受付期間は2026年9月18日14時から10月16日17時までで、17時必着です。海外の設備を入れる場合は、応募の資料をすべて日本語訳にします。
採択されたあとに義務はありますか?
あります。補助事業の完了の日の属する年度の終了後、3年間、年度ごとに報告書を出します。回収量、再生材の供給量と供給先、設備の使用状況を過去1年分まとめ、年度終了後30日以内に提出します。補助金で取得した財産には、補助事業で整備した旨の表示が要ります。再生資源を使った事業者の把握や、環境省の調査への協力も求められます。成果は、事業の完了後に事務局のホームページなどで公表されます。
問い合わせ先はどこですか?
再生材供給サプライチェーン構築支援事業事務局(パシフィックコンサルタンツ株式会社)です。電話は050-5444-0664、メールは recycled-materials@sc.pacific-hojo.jp です。電話の受付は平日10:00〜12:00と13:00〜17:00で、土日・祝日・年末年始は休みです。公募要領では、内容を正確に伝えるため電子メールを勧めています。メールの件名には、法人名と応募予定の事業名称を入れます。公募説明会の動画も事業ホームページで見られます。
