古い空調設備やボイラーを高効率型に入れ替える費用の半分(上限500万円)を、埼玉県が補助します。ただし照明のLED化は対象外で、撤去費・処分費も補助の計算に入りません。見積書の段階で、対象になる経費とならない経費を分けておく必要があります。
初めて申請する事業者向けの「初回枠」は、令和8年7月27日に予算額(11億円)に達して受付を終えました。8月3日から21日までの補欠申請も締め切り済みです。受付が続いているのは、過去にこの緊急対策枠を受給した事業者向けの「リピーター枠」(予算9億円)で、県の公式ページでは予算額に達するまで受け付けるとされ、申請額の累計も同じページから確かめられます。
埼玉県 CO2排出削減設備導入補助金(緊急対策枠)の要点まとめ
正式名:埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 高効率設備への更新、再エネ導入、低CO₂燃料への転換
- 対象地域
- 埼玉県内
- 従業員数
- 会社は中小企業者に限る(業種ごとの基準は本文)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(1事業所あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月27日〜予算額に達するまで(初回枠は終了)
- 事業の完了
- 工事と支払いを終え、2027年1月15日までに実績報告
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 照明(LED)の更新
- ✕ 新設・増設・能力アップ
- ✕ 蓄電池なしの太陽光発電
- ✕ スマートCO2補助金の受給者・予定者
- ✕ 住居部分・車両・中古設備
中小企業者(中小企業基本法第2条第1項に当たる会社)は、業種ごとに資本金か従業員数のどちらか一方が基準以下であれば該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。個人事業主にこの基準はありません。この基準がかかるのは会社法上の会社と士業法人で、医療法人や社会福祉法人などの法人にはありません。
次のどれかに当たる場合も対象外です。性風俗関連特殊営業などの店舗、宗教活動や政治活動が主な目的の団体、暴力団関係者です。
15年以上の条件は、募集要領では高効率設備への更新(空調、ボイラー、変圧器など)に付いています。製造から15年以上、具体的には2011年12月以前に製造された設備が目安で、銘板の写真やカタログで示します。再生可能エネルギー設備の導入に、この条件はありません。再エネ設備を置く事業所は、稼働1か月以上で足ります。燃料転換の欄には15年の条件が書かれていないため、燃料転換で申請するときは、見積書を取る前に温暖化対策課へ確かめます。
いくら戻ってくる?
対象経費の2分の1です。1万円未満は切り捨てになります。上限の500万円に届くのは、対象経費が1,000万円以上のときです。
- 空調の更新。見積総額900万円のうち撤去・処分費が100万円:対象経費800万円 × 1/2 = 400万円
- ボイラーの更新で対象経費1,200万円:1,200万円 × 1/2 = 600万円 → 上限の500万円
- 対象経費がちょうど60万円の更新:60万円 × 1/2 = 30万円(60万円未満は対象外)
複数の事業所で工事するときは、事業所ごとに申請します。上限の500万円も1事業所あたりです。
何に使える?
対象にならないもの
- 照明設備の更新
- 撤去費、移設費、処分費、共通仮設費
- 消費税と地方消費税、内訳がわからない諸経費
- 新設や増設、更新前より大きい能力や多い台数への強化
- 中古設備、車両、移動できる設備(移動式エアコンなど)
- 居住用の設備(社員寮の空調、住居兼事業所の住居部分)
- 蓄電池を伴わない太陽光発電、全量売電するもの
- 故障して使えなくなった設備の更新
- 既存の太陽光パネルの更新、PPA(第三者所有)での設置
対象になるもの
- 空調、ボイラー、コンプレッサー、変圧器、冷凍・冷蔵設備などの高効率設備への更新(設備費と必要な付属機器)
- 太陽光発電と蓄電池の同時導入(年間発電量の65%程度を事業所内で使うことが目安)
- 重油ボイラーから都市ガスやLPGへの燃料転換、ヒートポンプ化
- 工事費(労務費、設計費、材料費、機器搬入費、試験調整費、法令で義務の仮設足場など)
更新する設備は、次のどれかの高効率設備である必要があります。
- 省エネ法のトップランナー基準の達成率が100%以上(カタログで確認)
- 経産省の省エネ補助金の対象設備として、型番が登録・公表されている
- 上の2つにない種類の設備で、一般的な設備より10%以上省エネと証明できる
空調やボイラーで型番が上の2つに該当しないときは、3つ目で救済されません。3つ目は「設備の種類」が対象で、「型式」ではないためです。
申請の流れ
- 見積書を2者以上から取る(事業者→施工業者。発行後3か月以内のもの。対象経費は○、対象外は×で内訳を分けてもらう。「出精値引き」など内訳のわからない値引きは、対象経費から差し引く)
- 申請書類をそろえる(事業者。交付申請書とCO2削減量算定シートは県の案内ページから入手。更新前の設備の写真も撮る)
- 電子申請フォームで出す(事業者→事務局。平日9時〜17時。リピーター枠は専用フォーム)
- 交付決定を待つ(県→事業者。審査開始から約2か月半の見込み。決定の前に発注しない)
- 発注して工事し、業者へ振込で支払う(事業者→施工業者)
- 2027年1月15日までに実績報告(事業者→事務局。支払の証拠、契約書、工事写真、振込先がわかる通帳の写し、環境SDGs取組宣言の写しを添える)
- 確定通知のあとに補助金が振り込まれる(県→事業者。精算払い)
申請は事業者本人が行います。設備業者による代理申請はできません。行政書士などの有資格者による代理は認められます。
電子申請のフォームは、出したあとの修正や資料の差し替えができません。直すときは、事務局へメールで資料を送ります。
空調や冷凍冷蔵設備を更新するときは、古い設備のフロンを回収し、法律どおりに処分します。守る責任があるのは設備の管理者(オーナー・ユーザー)です。
必要な書類
準備できた 0 / 12
交付申請書のExcelには、重要事項確認書、省エネ計画書、現況写真のシートが入っています。省エネ計画書には2030年度までのCO2削減目標を書き、CO2削減量算定シートには令和7年度のエネルギー使用量を入れるので、請求書を手元に置きます。現況写真は、設備を1台ずつ、空調は室内機と室外機の両方を撮ります。
履歴事項全部証明書は法人、営業届出済証明書は個人事業主が出します。営業届出済証明書は市町村へ届け出ていないと取れないため、その場合は税務署の受付印のある開業届の控えを出します。納税証明書は、法人が法人県民税・法人事業税、個人が個人事業税・個人県民税の滞納がないことを示すもので、個人県民税の分は市区町村で取ります。県税が非課税の法人は、定款の写しなど非課税とわかる資料を添えます。賃貸借契約書は、事業所を借りているときに出し、許可なく工事できる旨が契約書に無ければ、所有者の承諾書も要ります。見積書、履歴事項全部証明書、納税証明書は、発行から3か月以内のものを使います。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:契約と発注が「着手」にあたります。見積書を取り直す、業者と打ち合わせをするのは着手ではありません。
- 実績報告が1月15日に間に合わない:発注の遅れや業務多忙では、期限は延びません。ネットバンキングの振込は、予約画面ではなく、振込が完了した日以降の資料を使います。
- 設備を途中で処分した:法定耐用年数に相当する期間内に廃棄・譲渡すると、返還の対象になります。
- 内容を無断で変えた:事業内容や事業費が変わりそうなときは、県に報告して指示を受けます。守らないと、その部分が対象外になるほか、交付決定全体が取り消されることがあります。
- 不正や虚偽があった:交付決定の取り消し、補助金の返還、10.95%の加算金、名称の公表につながります。
勘違いしやすい点
初回枠とリピーター枠は別の枠です。 緊急対策枠の受給歴がある事業者はリピーター枠、初めての事業者は初回枠で申請します。初回枠は受付が終わっているため、初めての事業者は、次の募集や案内が出るかを県の公式ページで確かめることになります。リピーター枠も、予算額を超えた日に受け付けた申請は抽選で決まります。
スマートCO2補助金との併用はできません。 令和8年度予算による「スマートCO2排出削減設備導入補助金」を受給した事業者と、受給予定の事業者は、この補助金の対象外です。
同じ設備で国などの補助金と重ねることはできません。 県の制度融資との併用は可能です。
LED照明は、空調と一緒でも対象になりません。 照明は事業の対象外なので、見積書でも対象外経費の側に分けます。
よくある質問
LED照明の入れ替えは対象になりますか?
対象になりません。募集要領は、照明設備を更新する事業を対象外としています。空調や変圧器など、ほかの設備と同じ工事に含めても同じです。見積書には照明の費用を対象外経費として分けて書いてもらいます。照明だけを替えたい場合はこの補助金の出番がないため、県の温暖化対策課に、ほかに使える制度がないかを聞くのが確実です。
古い設備の撤去費や処分費も補助されますか?
補助されません。撤去費、移設費、処分費は対象外経費です。補助の計算は、設備本体や必要な付属機器、設置工事費の合計に対して行います。見積総額が900万円で、うち撤去・処分費が100万円なら、補助の元になる対象経費は800万円です。見積書に撤去費が混ざっていると審査で差し引かれるため、先に分けてもらいます。
太陽光発電だけを入れて、蓄電池は付けなくてもよいですか?
付けなくてよいのではなく、付けないと対象になりません。太陽光発電は蓄電池を同時に導入することが条件です。すでに太陽光を設置している事業所に、蓄電池だけを新しく置くことは認められます。蓄電池の容量は、原則として太陽光の容量の2倍までです。年間の発電量の65%程度を事業所内で使うことも目安とされています。
使って15年たっていないエアコンの更新は対象になりますか?
設備を更新する工事では、既存設備を15年以上使っていることが条件なので、対象になりません。製造から15年以上、2011年12月以前に製造された設備が目安です。銘板の写真、仕様書、購入時の伝票、固定資産台帳などで示せます。再エネ設備の導入は、この15年の条件がかかりません。
壊れて動かないエアコンの入れ替えは対象になりますか?
対象になりません。対象は、使える状態の設備の更新です。使えなくなった設備の更新は、対象として認められません。入れ替えの時期が来ている設備でも、故障で停止してから申請しようとすると要件に合わなくなるおそれがあります。更新を考える段階で、早めに県と事務局に相談します。
新しく工場を建てるときの設備導入は対象になりますか?
省エネ設備は対象外です。この補助金は既存の事業所での入れ替え(リプレイス)が対象で、新設工場や設備の増設は含まれません。例外が再生可能エネルギー設備で、太陽光発電などは、新設工場でも申請の時点で1か月の稼働があれば対象になります。事業所の稼働期間は、省エネ設備が1年以上、再エネ設備が1か月以上です。
初めての申請ですが、まだ申請できますか?
初回枠は、令和8年7月27日に予算額に達して受付を終了し、8月21日には補欠申請も締め切りました。リピーター枠は、過去に緊急対策枠を受給した事業者向けで、初めての事業者は使えません。次の募集の有無は、県の公式ページか、温暖化対策課(048-830-3021)で確かめます。
複数の事業所で工事するときは、まとめて申請できますか?
まとめることはできません。事業所ごとに申請し、上限の500万円も1事業所あたりです。Aの工場でボイラー、Bの工場で空調を更新する場合は、同じ法人で、どちらも県内にあれば、それぞれ対象になります。事業所ごとに、対象経費が60万円以上であることと、稼働1年以上であることが必要です。
施工業者に申請を代行してもらえますか?
設備業者などによる代理申請はできません。申請は事業者本人が行う決まりです。行政書士などの有資格者による代理は認められます。見積書や設備の資料は施工業者から受け取り、申請の入力と提出は本人または有資格者が行います。県は、「自己負担なし」をうたう不適切な営業への注意も呼びかけています。
国の補助金とは併用できますか?
同じ設備で、国や他の自治体の補助金を重ねて受けることはできません。県の制度融資との併用は可能です。別の補助金の受給が決まったときは、決定から14日以内に、廃止の承認申請書を県に出す決まりがあります。同じ事業所でも、設備が別であれば、別の補助金を使える余地があります。どの設備にどの補助金を使うかを、見積書の段階で決めておくと、あとから対象外と言われる事態を防げます。
補助金はいつ振り込まれますか?
工事と支払いが終わり、実績報告が通ってからです。審査のあと、補助金額の確定通知が届き、そのあとに指定口座へ振り込まれる精算払いです。先に事業者が全額を施工業者へ支払います。実績報告の最終期限は2027年1月15日で、通常は工事と支払いの完了から30日以内を目安に出します。
リースやレンタルでも使えますか?
リースは、リース事業者との連名で申請すれば対象です。レンタル契約と割賦払いは対象になりません。リースと自社での購入を、一度の申請に混ぜることもできません。全部リースか、全部自社調達のどちらかに統一します。リースの場合の見積書も、設備については2者以上のものが必要です。
問い合わせ先はどこですか?
事業全般は、埼玉県環境部 温暖化対策課(電話 048-830-3021)です。申請書類の提出と電子申請の操作は、補助金事務局(委託先:株式会社日本旅行)で、電話は 050-1871-2800(土日祝日を除く9時から17時)です。対象になるかの判断に迷う設備は、見積書を取る前に温暖化対策課へ聞いておくと、出し直しを防げます。
