補助金kw

【2026年】障害者が家を建てる補助金は?新築は対象外?税金・住宅ローンの支援も

#地域補助金#地域
締切
公式ページで要確認

障害者が家を建てるとき、障害者手帳を理由に新築の建築費そのものへ出る補助金は公式ページで確かめられた範囲では見つかりませんでした。名古屋市・広島市・千葉市・長野市・浜松市・横浜市・神戸市・鹿児島市の障害者向けの住宅改造助成はどれも新築を対象から外しています。広島市は新築・改築・増築・購入にともなう工事、神戸市は建て替えを含む新築を、対象外とはっきり書いています。

一方で、障害の有無を問わず新築に使える制度はいくつかあります。国のみらいエコ住宅2026事業、新築住宅の固定資産税の減額、不動産取得税の控除、住宅ローン控除、親や祖父母から資金をもらうときの贈与税の非課税、フラット35の金利引下げです。贈与税の非課税にはバリアフリー性能(高齢者等配慮対策等級3以上)で条件を満たせる枠があり、障害のある人が建てる家と相性のよい制度です。

この記事は新築・建て替え・新築分譲住宅の購入に絞って、使える制度と使えない制度を分けて書きます。今住んでいる家や買った中古住宅に手すりや段差解消の工事をする場合は障害者のリフォームの補助金の記事、手当・医療費・補装具など家以外の支援は障害者の補助金の記事に分けています。新築の補助金の全体像は新築の補助金の記事で確かめられます。

障害者が家を建てるときの補助金は、新築に使えるものと使えないものに分かれる

制度は大きく3つに分かれます。1つめは障害のある人のための住宅改造助成で、新築には使えません。2つめは省エネ性能などの条件を満たす家に出る国の補助で、障害の有無は条件に入っていません。3つめは新築や住宅取得にかかる税金の軽減とローンの優遇で、これも誰でも使えます。

使える制度と使えない制度の早見表

制度新築に使えるか障害者であることが条件か確認した公式ページ
自治体の障害者住宅改造助成(名古屋市・広島市・千葉市・長野市・浜松市・横浜市・神戸市・鹿児島市)使えない手帳の等級・所得などが条件各市の障害福祉課のページ
みらいエコ住宅2026事業(新築)使える(GX志向型・長期優良住宅・ZEH水準住宅の要件を満たす家)条件ではない国土交通省・事業のリーフレット
新築住宅の固定資産税の減額使える(居住部分40㎡以上240㎡以下など)条件ではない横浜市の説明ページ
不動産取得税の控除使える(課税標準から1,200万円を控除)条件ではない国土交通省
住宅ローン控除使える(省エネ基準などを満たす新築)条件ではない国税庁 No.1211-1
贈与税の非課税(住宅取得等資金)使える(バリアフリー性能は高齢者等配慮対策等級3以上)条件ではない国税庁 No.4508
フラット35・フラット35S使える(フラット35Sの基準にバリアフリー性がある)条件ではない住宅金融支援機構
バリアフリー改修の固定資産税の減額使えない(新築から10年以上たった住宅が対象)居住者が65歳以上・要介護認定・障害のある人のいずれか神戸市の説明ページ
住宅特定改修特別税額控除使えない(自分が所有する家屋の改修が対象)居住者が50歳以上・要介護認定・障害のある人など国税庁 No.1220
横にスクロールできます

下の2行は障害のある人向けの色が濃い制度ですがどちらも既存の住宅の改修向けです。「家を建てる」で調べて出てくるバリアフリー系の減税や控除には新築に使えないものが混ざっています。上位の記事の中には改修の控除や減額を新築の話の中に混ぜて書いているページがあります。制度の名前に「改修」と付いていたら、新築には使えないと読んでください。

建て替えと新築分譲住宅の購入はどうなるか

建て替えは古い家を壊して新しい家を建てるので制度の上では新築として扱われます。みらいエコ住宅2026事業には古家を除却(解体)する場合の加算があります。住宅ローン控除、固定資産税の減額、不動産取得税の控除も、新築した住宅に対する制度なので建て替え後の家に使えます。障害者向けの住宅改造助成では神戸市が「新築(建替えを含む)」を対象外と書いています。

新築分譲住宅や建売住宅を買う場合はみらいエコ住宅2026事業のリーフレットに「新築分譲住宅の購入を支援します」とあり、国の補助の対象になります。税金とローンの制度も取得した新築住宅に使えます。一方、広島市は「住宅の新築、改築、増築、購入等にともない行われる改造工事」を補助の対象外としているので買った家の改造を市の助成でまかなう前提は置けません。

自治体の障害者住宅改造助成は新築を対象外にしている

自治体の障害者向けの住宅改造助成は手すりの取り付けや段差の解消、浴室や便所の改造などの費用の一部を出す制度です。上限は市によって50万円から120万円まで差があります。確認した8市のページはそろって新築を対象外にしています。

8市の書き方

市上限額新築・建て替え・購入について公式ページに書かれていること
名古屋市80万円(介護保険の認定を受けた人は60万円)「新築、全面改修等は補助の対象とはなりません」
広島市80万円対象外の工事として「住宅の新築、改築、増築、購入等にともない行われる改造工事」
千葉市70万円「新築・増築・工事開始後のものは対象となりません」
長野市70万円(補助額は最大63万円)補助の対象は「既存の住宅」の改造。注意事項に「新築や増築、住宅の全面改装、水洗化工事は助成の対象外です」
浜松市75万円対象経費は「既存住宅」の設備の改造。「新築・増築は、住宅改造として認められません」
横浜市120万円「新築や増築、老朽化や故障に伴う工事は対象となりません」
神戸市100万円(介護保険の住宅改修費などと一体の利用になるため、限度額から20万円を控除した額が対象)「新築(建替えを含む)や増改築、既設の破損や老朽化による取替・修繕等は対象外です」
鹿児島市50万円「新築・増築は助成の対象になりません」
横にスクロールできます

どの市も、制度の目的を「いま住んでいる家を暮らしやすくする」ことに置いています。浜松市のページは目的を「在宅の重度身体障害者に適するように住宅設備を改造する場合の費用の一部を助成」することと書いています。まだ建っていない家に、これから暮らす人のための設備を入れる費用はこの制度の想定に入っていません。

江戸川区は障害者向けの「住まいの改造助成」を令和8年3月31日で廃止すると区のページに書いています。助成の名前や上限額は自治体ごとに違い、廃止や変更もあるので住んでいる(これから住む)市区町村の障害福祉課に、設計を固める前に問い合わせてください。

新築と併せた工事を対象にする書き方が出てくる市もある

確認できた範囲で、新築の工事に触れていたのは大田区のページだけです。大田区の「住宅改造相談・助成」のページには屋内移動設備(階段昇降機など)について「新築工事と併せて実施する階段昇降機設置については建築確認申請書(副本)及び建築確認済証が必要です」と書かれています。新築と同時に階段昇降機をつける場合に助成の申請を想定している書き方です。

対象になる条件は限られます。同じページで、屋内移動設備は65歳未満で、上肢・下肢・体幹の機能の障害が1級(階段昇降機は1・2級)で、かつ歩行ができない状態の人などと決められています。助成限度額は機器本体と付属機器が97万9,000円、設置費が35万3,000円で、世帯の所得に応じた自己負担があります。新築の階段昇降機の費用が出るかどうかは条件に当てはまるかを区の地域福祉課で確かめる必要があります。

「重度障害者住宅新築資金助成」という名前の制度は確認できなかった

上位の記事の中に、「重度障害者住宅新築資金助成」のような名前の制度が各地にあると書いているページがあります。そのページは自治体名もURLも示していません。今回、市区町村の公式ページで新築を助成の対象にしている障害者向けの制度は見つけられませんでした。

昔の制度名や、貸付の制度を指している可能性はあります。住んでいる市区町村が独自に新築を対象にしている場合もないとは言えないので障害福祉課に「新築で使える障害者向けの助成や貸付はありますか」と聞くのが確実です。

新築後の改造と、1世帯1回の決まり

新築後に必要になった改造が市の助成の対象になるかは、市によって扱いが分かれそうです。広島市は「新築、購入等にともない行われる改造工事」を対象外とし、千葉市は「新築・増築」を対象外としています。引き渡し後の何か月間の工事を「新築にともなう工事」と見るかはページに書かれていませんでした。この点は市によって扱いが違う可能性があるため新築の契約前に窓口で確かめます。

もう1つ見落としやすいのが回数です。千葉市は1世帯につき1回のみ、神戸市は原則1世帯1回、大田区は一世帯あたり各種目1回としています。新築直後に一度使ってしまうと、将来、障害の状態が変わって大きな改造が必要になったときに使えない市があります。

新築・建て替え・分譲住宅の購入に使える国の補助金(みらいエコ住宅2026事業)

新築で使える国の補助金は国土交通省・環境省・経済産業省の連携による住宅省エネ2026キャンペーンのうち、みらいエコ住宅2026事業です。支援の対象はGX志向型住宅の新築と、子育て世帯等を対象とする長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築です。注文住宅の新築も、新築分譲住宅の購入も対象になります。

障害者であることは条件に入っていない

事業のリーフレットではGX志向型住宅が「すべての世帯が対象」、長期優良住宅とZEH水準住宅が「子育て世帯または若者夫婦世帯が対象」と書かれています。子育て世帯は令和7年4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯、若者夫婦世帯は夫婦のどちらかが同じ日に39歳以下の世帯です。障害者手帳の有無や等級はこの世帯の区分に出てきません。

障害のある人が1人で家を建てる場合も、子育て世帯と若者夫婦世帯のどちらにも当てはまらなければ、国の補助で使えるのはGX志向型住宅だけです。 長期優良住宅やZEH水準住宅で建てたいときは世帯の要件に当てはまるかを先に確かめます。

補助額の目安

補助は1戸あたりの定額です。リーフレットに載っている寒冷な地域(地域区分1〜4)の額は次のとおりです。

住宅の区分対象1戸あたりの補助額(1〜4地域)
GX志向型住宅すべての世帯125万円
長期優良住宅子育て世帯・若者夫婦世帯80万円(古家を除却する場合は20万円を加算)
ZEH水準住宅子育て世帯・若者夫婦世帯40万円(古家を除却する場合は20万円を加算)
横にスクロールできます

1〜4地域以外の地域は1〜4地域より低い額が設定されています。地域区分ごとの額、床面積の要件、予算の状況はみらいエコ住宅2026事業の記事と新築の補助金の記事にまとめています。複数の古家を除却した場合も、加算は20万円が上限です。

申請は住宅事業者が行う

交付申請は事業に登録した「みらいエコ住宅事業者」が行い、一般の人は直接申請できないとリーフレットに書かれています。流れは事業者に相談し、新築または購入の契約を結び、工事を始めて交付を申請し、必要書類を準備して補助金を受け取る順です。補助金は事業者とあらかじめ決めた方法で還元されます。

リーフレットには交付申請の受付は申請開始から遅くとも2026年12月31日までで、予算の上限に達した時点で終わると書かれています。注文住宅のZEH水準住宅はそれより早く、2026年9月30日までとされています。年度が変わった後の同じ事業の有無と条件は国土交通省の公式サイトで確かめてください。

障害のある人が建てる家は車いすで使える広さの廊下や出入口、段差のない床で、延べ床面積が大きくなったり、設備が増えたりしがちです。その分、省エネ性能の基準を満たすための断熱や設備の費用も重なります。補助の条件に合う設計か、設計の段階で住宅事業者に確かめておくと、契約後に「この間取りでは対象にならない」とわかる事態を避けられます。

補助金を受けると住宅ローン控除の計算が変わる

国や自治体から住宅取得の補助金を受けたときは住宅ローン控除の計算で、その補助金の額を差し引きます。国税庁のNo.1211-1に、補助金等の交付を受ける場合は「その補助金等の額を控除します」と書かれています。補助金をもらった分だけ、控除の対象になる借入残高が減ります。

新築で使える税金の軽減

新築や住宅の取得に使える税金の制度は障害の有無にかかわらず使えます。ここでは家を建てる人が確認する順に、固定資産税、不動産取得税、住宅ローン控除、贈与税の非課税を書きます。

新築住宅の固定資産税の減額

新築した住宅の固定資産税は一定の期間、半分に減額されます。横浜市と名古屋市の説明ページに、令和13年3月31日までに新築された住宅で、居住部分の床面積が40㎡以上240㎡以下などの要件を満たすものが対象と書かれています。令和8年3月31日までに新築された住宅は50㎡(一戸建て以外の貸家住宅は40㎡)以上280㎡以下で、床面積の要件が変わっています。

減額の中身は2つです。減額される範囲は床面積が120㎡以下なら固定資産税の2分の1、120㎡を超える場合は120㎡相当分について2分の1で、120㎡を超える部分は減額されません。減額される期間は3階建て以上の準耐火構造・耐火構造の住宅が新築後5年間、それ以外の一般の住宅が新築後3年間です。

横浜市の説明ではこの減額に申告は要りません。ただし認定長期優良住宅は別の減額の制度があり、申告が必要です。都市計画税は減額されません。計算例として、価格1,040万円・110㎡の2階建てでは固定資産税14万5,600円のうち7万2,800円が減額されると書かれています。

車いすで暮らす家は廊下や出入口を広く取り、1階で生活を完結させるなど、床面積が大きくなる傾向があります。120㎡を超える部分は減額の対象外なので床面積と税額の関係を、契約前に市区町村の税務課か設計者に確認してください。

バリアフリー改修の固定資産税の減額は新築には使えない

障害のある人が居住する住宅のバリアフリー改修で固定資産税が減額される制度もありますが新築には使えません。神戸市の説明ページでは住宅の要件に「新築された日から10年以上を経過した住宅であること」が入っています。居住者の要件は65歳以上の人、要介護認定または要支援認定を受けている人、一定の障害のある人のいずれかです。

減額の中身は工事費用(国や地方公共団体からの補助金等を除く)が50万円を超える改修で、住宅床面積100㎡相当分までの固定資産税額の3分の1が、工事が完了した年の翌年度分に限って減額されるというものです。新築直後の家には使えず、10年後以降の改修や、中古住宅を買って直す場面で出てくる制度です。適用の期限を含む詳しい内容は障害者のリフォームの補助金の記事で扱います。

不動産取得税の控除

不動産取得税は家や土地を取得したときに一度だけかかる都道府県の税金です。国土交通省のページによると、住宅を新築した場合は課税標準から1,200万円が控除され、税率は本来4%のところ3%に軽減されます。税率の特例の適用期限は令和9年3月31日です。

千葉県のページでは、認定長期優良住宅の新築は控除が1,300万円になると書かれています。新築住宅の床面積の要件は、令和8年4月1日以降に取得したものは40㎡以上240㎡以下、令和8年3月31日以前に取得したものは50㎡以上240㎡以下と書かれています。障害の有無はこの控除の条件に入っていません。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローンを組んで新築した場合、年末のローン残高に0.7%をかけた額が、所得税から差し引かれます。国税庁のNo.1211-1では令和4年1月1日から令和12年12月31日までに入居した場合が対象で、控除の期間は13年(一定の場合は10年)です。令和8年度の税制改正で、適用期限が5年間延長されたことが国土交通省のページにも書かれています。

大事なのは新築の住宅が省エネ基準に合っているかどうかです。国税庁は住宅を「認定住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」「その他の住宅」に分けています。令和8年・令和9年に入居する場合の年間の控除限度額は次のとおりです。

住宅の区分年間の控除限度額控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅31.5万円(特例対象個人は35万円)13年
ZEH水準省エネ住宅24.5万円(特例対象個人は31.5万円)13年
省エネ基準適合住宅14万円(特例対象個人は21万円)13年
その他の住宅(省エネ基準を満たさない新築)0円(建築確認が令和5年12月31日まで、または建築が令和6年6月30日までなら14万円で10年)原則対象外
横にスクロールできます

特例対象個人は40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人です。障害の有無でこの区分が変わることは国税庁の説明にはありません。なお国土交通省のページによると、令和10年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅は適用対象外になります。

省エネ基準を満たさない新築は令和6年以降の入居では住宅ローン控除の対象外です。 バリアフリー性能を高めることだけに意識が向くと、断熱や省エネの基準が抜けるおそれがあります。契約前に、建てる家が省エネ基準に適合することを示す書類(建築士等が発行する住宅省エネルギー性能証明書や検査済証など)を出してもらえるかを、住宅事業者に確かめてください。計算の例と年収別の戻り方は住宅ローン控除はいくら戻るかの記事と住宅ローン控除の手続きの記事にあります。

住宅特定改修特別税額控除は新築には使えない

障害のある人にも関係が深い税の制度に、住宅特定改修特別税額控除があります。国税庁のNo.1220では適用の要件に「自己が所有する家屋についてバリアフリー改修工事をして」居住することが入っています。新築した家は改修の対象になりません。

控除の対象になるのは50歳以上の人、要介護認定を受けている人、所得税法上の障害者などが住む家のバリアフリー改修で、工事費用(補助金等を除く)が50万円を超えることなどが条件です。新築のあとに改修をする場合の話になるので詳しくは障害者のリフォームの補助金の記事で確認できます。

贈与税の非課税(親や祖父母から資金をもらうとき)

父母や祖父母など直系尊属から家を建てるための資金をもらうとき、一定額までは贈与税がかかりません。国税庁のNo.4508では令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与が対象で、非課税の限度額は省エネ等住宅が1,000万円、それ以外の住宅が500万円です。

この「省エネ等住宅」の基準に、バリアフリー性能が入っています。新築した住宅の場合の基準は次の3つのいずれかです。

  • 断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(省エネルギー性能)
  • 耐震等級2以上または免震建築物(耐震性能)
  • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上(バリアフリー性能)

車いすでの生活を考えて高齢者等配慮対策等級3以上の家を建てるなら、省エネ性能の基準を満たさなくても、バリアフリー性能で1,000万円の枠を使える可能性があります。証明には住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付します。

ほかの要件は次のとおりです。

  • 受贈者が贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であること
  • 新築した家の登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上を自分の居住に使うこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、資金の全額を充てて新築等をし、居住すること(または居住が確実なこと)
  • 配偶者の父母は直系尊属に当たらないこと(養子縁組をしている場合を除く)

申告は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書に戸籍謄本や契約書の写しなどを添付して出します。令和9年以降の贈与の扱いは令和8年12月31日までの特例なので国税庁のページで確かめてください。

住宅ローン:フラット35、フラット35S、団体信用生命保険

住宅ローンでは金利を引き下げる制度と、健康状態の告知が必要な団体信用生命保険(団信)の2点を確認します。どちらも障害のある人に特別な枠があるわけではなく、条件を知っておくと選び方が変わります。

フラット35とフラット35S

フラット35は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。フラット35Sはフラット35を申し込む人が、省エネルギー性や耐震性などを備えた質の高い住宅を取得するとき、借入金利を一定期間引き下げる制度です。

フラット35Sの技術基準は4つで、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性です。バリアフリー性は「高齢者の日常生活を行いやすくした住宅」とされています。金利の引下げはZEHが当初5年間で年0.75%、金利Aプランが年0.5%、金利Bプランが年0.25%と、機構のページに書かれています。どのプランにバリアフリー性の基準が当てはまるかは機構の技術基準のページで確かめてください。

フラット35Sには予算額があり、予算の上限に達する見込みになると受付が終了します。土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内などで新築住宅を建てる場合はフラット35Sを使えません。借入金利は時期によって変わるので記事には書かず、機構の金利情報のページで確認してください。

団体信用生命保険(団信)は告知が要る

団信はローンを借りた人が亡くなったり高度障害になったりしたときに、保険金でローンが返済される仕組みです。フラット35の新機構団信は告知日現在で満15歳以上満70歳未満の人が対象で、「新機構団体信用生命保険制度申込書兼告知書」で健康状態を告知します。機構のページには健康上の理由などによっては加入できない場合があると書かれています。

告知はありのままの状態を正確に書く必要があります。告知の内容と事実が異なっていた場合は団信による弁済を受けられないことがあると機構のページに書かれているので障害の状況や通院歴を省略せずに書きます。

団信に入れない場合でも、フラット35は借りられます。機構の加入要件のページに「健康上の理由その他の事情で団体信用生命保険に加入されない場合も【フラット35】をご利用いただけます」とあります。団信なしで借りる場合は万一のときの返済を別の保険や家族の資産などで備える必要があります。

民間の金融機関には引受の範囲を広げた「ワイド団信」を扱うところがあります。取り扱いの有無、年齢の条件、金利の上乗せは金融機関ごとに違うので申し込む金融機関の商品説明で確認します。障害年金や障害者手帳を持つ人の団信の審査上の扱いは機構のページには書かれていませんでした。個別の状況は金融機関に聞くしかありません。

住宅ローン控除は団信とは別の制度で、団信に入らなくても控除の条件を満たせば使えます。ただし、ローンが組めること自体が前提なので収入の見込みとあわせて、金融機関の事前審査で確かめてください。

資金が足りないときの貸付

補助金で足りない分を貸付で補う制度もあります。ただし確認した範囲では新築の費用を貸す障害者向けの制度は見つかりませんでした。

生活福祉資金(福祉費)

厚生労働省の「福祉費対象経費の上限目安額等」には「住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受けに必要な経費」の貸付上限の目安が250万円と書かれています。償還期間は7年です。この項目は増改築・補修・公営住宅の譲り受けで、新築の費用は項目に出てきません。対象世帯や利用できる条件は住んでいる市区町村の社会福祉協議会で確かめてください。

自治体の住宅整備資金の貸付

船橋市は障害者または障害者と同居する家族に、バリアフリー工事の資金を無利子で貸す「心身障害者等住宅整備資金」を設けています。貸付限度額は500万円(改造箇所ごとに限度額あり)で、償還期間は5年から14年です。ページの注意事項に「新築、借家は対象外です」と書かれています。市区町村の貸付も、新築ではなく既存住宅の改造を対象にしているものが多いと考えておくのが安全です。

新築の設計と契約の前に決めておくこと

障害のある人が建てる家で、補助金より先に決めておくことがあります。使える制度が限られるので新築の工事の中に最初から入れておく工事と、後で助成を使う工事を分ける考え方になります。

高齢者等配慮対策等級でバリアフリー性能を決める

住宅の品質確保の促進等に関する法律にもとづく住宅性能表示ではバリアフリー性能を「高齢者等配慮対策等級(専用部分)」の等級1から5で表します。等級3は「基本的な措置」、等級4は「配慮した措置」、等級5は「特に配慮した措置」で、等級3以上は介助式車いす使用者が基本的な生活行為を行うための措置が含まれます。沖縄県のページはこの等級の違いを次のように説明しています。

  • 部屋の位置:等級3は特定寝室と便所が同一階、等級4は特定寝室・浴室と便所が同一階、等級5は日常生活空間が同一階
  • 通路の有効幅員:等級4が780mm以上で出入口が750mm以上、等級5が850mm以上で出入口が800mm以上
  • 段差:等級5と等級4は、日常生活空間と同じ階の居室を結ぶ通路に段差がないことを求め、除外項目に差があります
  • 手すり:階段・便所・浴室・玄関・脱衣室などに設置の基準がある(等級3は玄関・脱衣室が設置準備で可)

沖縄県のページは解説で、正式な基準は国土交通省の評価方法基準が定めています。贈与税の非課税で使う等級3以上の証明は登録住宅性能評価機関の評価書など、決まった書類で行います。数値を設計に使うときは設計者に評価方法基準で確かめてもらってください。

車いす使用者が実際に使うには等級の基準より広い寸法が要る場面もあります。トイレや浴室、玄関の広さと、介助者の動き方は本人と家族、作業療法士や福祉住環境コーディネーターなどに現状を見てもらい、設計に反映する方法が実際的です。

車いすを使う人の注文住宅では、平屋にして段差を少なくする案と、2階建てにしてホームエレベーターや階段昇降機を付ける案が出てきます。どちらの費用も、確認した市の助成では新築の工事として対象外です。大田区が新築と併せた階段昇降機の設置を書いているのは、先に書いた条件の人に限った例外と見るのが安全です。

新築の工事に入れる費用と、後で助成を使う費用を分ける

編集部の考えは次のとおりです。新築で手すりの下地、段差のない床、広い出入口、1階で完結する間取りなど、後から直すと工事が大きくなるものは最初から新築の工事に入れておくのが確実です。これらは自治体の助成の対象外なので住宅ローンの借入額に含めて資金計画を立てます。一方、入居後に障害の状態が変わってから必要になった手すりや段差解消はその時点で市区町村の助成や介護保険の住宅改修を使う形にすると、1世帯1回の枠を取っておけます。

助成の回数が1回限りの市が多いので新築直後に使い切らないことも考えておきます。介護保険の住宅改修と日常生活用具の住宅改修は浜松市のページに「補助基準限度額20万円」「支給限度基準額20万円」と書かれており上限がそれぞれ20万円と決まっています。新築の段階で使えるかどうかはお住まいの市区町村で確認が必要です。

契約の前に住宅事業者に確認する点

業者に任せるのではなく、契約の前に次の点を確認し、書面にしてもらうと、後のトラブルを避けられます。

  • 建てる家が、みらいエコ住宅2026事業のどの区分(GX志向型・長期優良・ZEH水準)に当たるか、また事業者が「みらいエコ住宅事業者」として登録しているか
  • 家が省エネ基準に適合することを、住宅省エネルギー性能証明書や検査済証などで示してもらえるか(住宅ローン控除の条件)
  • 高齢者等配慮対策等級が何級の設計か、評価書を取れるか(贈与税の非課税の条件)
  • 床面積が、固定資産税の減額の要件(40㎡以上240㎡以下)と、住宅ローン控除の要件(原則50㎡以上)に収まるか
  • 見積もりに、手すり・段差解消・広い出入口などの費用が含まれ、そのうち自治体の助成の対象になる工事があるかどうか
  • 工事の契約や着工の前に、市区町村の障害福祉課に相談したか(確認した市はいずれも着工前の相談か申請を求めている)

業者の紹介やおすすめはこの記事では書きません。複数の事業者の見積もりと説明を比べ、条件に合うかどうかで選んでください。

よくある質問

障害者が家を建てるときに使える補助金はありますか?

障害者手帳を条件に、新築の建築費そのものへ出る補助金は公式ページで確認できた範囲ではありません。使えるのは障害の有無を問わない国のみらいエコ住宅2026事業(GX志向型は全世帯、長期優良・ZEH水準は子育て世帯・若者夫婦世帯)、新築の固定資産税の減額、不動産取得税の控除、住宅ローン控除、贈与税の非課税、フラット35です。住んでいる市区町村に独自の制度がないかは障害福祉課に確かめてください。

障害者の住宅改造助成は新築にも使えますか?

使えません。名古屋市は「新築、全面改修等は補助の対象とはなりません」、千葉市は「新築・増築・工事開始後のものは対象となりません」、浜松市は「新築・増築は住宅改造として認められません」と書いています。対象はいま住んでいる既存の住宅の改造です。新築の費用を助成する市があるかは各市の障害福祉課で確認が要ります。

家を建て替えるときも対象外ですか?

障害者向けの住宅改造助成では対象外の市があります。神戸市は「新築(建替えを含む)」を対象外と書いています。一方、国のみらいエコ住宅2026事業では古家を除却して建て替える場合に加算があり、長期優良住宅・ZEH水準住宅で20万円が上限です。建て替え後の家は新築住宅なので固定資産税の減額、不動産取得税の控除、住宅ローン控除も使えます。

建売住宅や新築分譲住宅を買うときの補助金はありますか?

国のみらいエコ住宅2026事業は新築分譲住宅の購入も対象です。税金とローンの制度も取得した新築住宅に使えます。一方、広島市は「住宅の新築、改築、増築、購入等にともない行われる改造工事」を対象外としているので買った家の手すりや段差の工事を市の助成でまかなう前提は置かないほうが安全です。中古住宅を買って改修する場合は改修向けの制度を使う別の話になります。

新築の固定資産税は障害者だと安くなりますか?

新築住宅の減額は障害の有無に関係なく、新築の住宅に一律に適用されます。居住部分が120㎡以下なら固定資産税が2分の1になり、3階建て以上の準耐火・耐火構造は5年間、一般の住宅は3年間です。障害のある人が居住する住宅のバリアフリー改修で3分の1が減額される制度は新築から10年以上たった住宅が対象で、新築直後には使えません。

障害者手帳があると住宅ローン控除は増えますか?

国税庁のNo.1211-1の説明では障害の有無で控除額が増える区分はありません。控除限度額が上がる「特例対象個人」は、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人です。控除額を左右するのは住宅が長期優良住宅・ZEH水準・省エネ基準適合のどれかです。省エネ基準を満たさない新築は令和6年以降の入居では原則対象外です。

住宅特定改修特別税額控除は新築で使えますか?

使えません。国税庁のNo.1220では「自己が所有する家屋についてバリアフリー改修工事をして」居住することが要件です。新築ではなく、すでに所有している家の手すり設置や段差解消などの改修が対象で、工事費用が50万円を超えることなどが条件です。家を建てた後、数年たってから改修をする場合に検討する制度です。

団信に入れないと住宅ローンは組めませんか?

団信への加入を借入の条件にしている住宅ローンでは団信に入れないと借りられないことがあります。フラット35は団信に入れない場合や入らない場合も借りられます。機構の加入要件のページに「健康上の理由その他の事情で団体信用生命保険に加入されない場合も【フラット35】をご利用いただけます」とあります。団信なしで借りる場合は万一のときの返済を別に備える必要があります。ワイド団信の有無と条件は金融機関ごとに確認します。

親からの援助で家を建てると贈与税はかかりますか?

直系尊属(父母・祖父母など)から、令和8年12月31日までに家を建てる資金をもらった場合は一定額まで贈与税がかかりません。国税庁のNo.4508では省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円まで非課税です。新築では高齢者等配慮対策等級3以上のバリアフリー性能も「省エネ等住宅」の基準の1つです。配偶者の親は対象外で、翌年2月1日から3月15日までに申告が必要です。

新築を建てた後に、手すりをつける助成は受けられますか?

市区町村によって扱いが違い、ページに書かれていない部分があります。広島市は「新築、購入等にともない行われる改造工事」を対象外とし、千葉市は新築・増築を対象外としています。引き渡し後に、障害の状態の変化で必要になった工事を助成の対象にする市があるかは窓口で確認が必要です。確認した市はいずれも着工前の相談か申請を求めていて、工事の後では受け付けてもらえない市があります。

障害のある子どものために家を建てるときの補助金はありますか?

子どもが障害のある場合も、新築の建築費そのものへ出る障害者向けの補助金は確認できた範囲ではありません。国のみらいエコ住宅2026事業は子育て世帯(令和7年4月1日時点で18歳未満の子がいる世帯)なら長期優良住宅・ZEH水準住宅の区分も使えます。特別児童扶養手当などの手当や医療費の助成は家を建てる支援とは別の制度なので障害者の補助金の記事で確認できます。

賃貸の家賃補助や、事業主・法人向けの助成とは別ですか?

この記事は、個人が自分の住む家を新築・建て替え・購入する場合だけを扱っています。賃貸住宅の家賃の補助、障害者グループホームを建てる法人向けの補助、事業主が申請する重度障害者等通勤対策助成金などは、申請する人も目的も違う別の制度です。個人が受け取れる手当や医療費の助成は障害者の補助金の記事にまとめています。

申請はいつまでにすればよいですか?

制度ごとに違います。自治体の住宅改造助成は確認した名古屋市・広島市・千葉市・長野市・浜松市はいずれも着工前(改造前)の申請が条件です。みらいエコ住宅2026事業は事業者が申請し、リーフレットには工事を始めて交付申請をする流れと、申請期間の終わりが書かれています。税の制度は入居や取得の年が基準で、贈与税は翌年2月1日から3月15日、住宅ローン控除は入居した年分の確定申告から始まります。

この補助金について、専門家に相談する

対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

この補助金の専門家に相談する

まとめ:新築は、障害者向けの助成ではなく省エネ・税・ローンの制度で考える

障害者が家を建てるとき、自治体の住宅改造助成は新築を対象外にしています。新築の費用に使える制度は国のみらいエコ住宅2026事業、新築住宅の固定資産税の減額、不動産取得税の控除、住宅ローン控除、贈与税の非課税、フラット35です。

どれも省エネ基準やバリアフリー性能、床面積などの条件があるので建てる会社と設計の段階で、どの制度に合う家にするかを決めます。住宅ローン控除は省エネ基準を満たさない新築では対象外、贈与税の非課税は高齢者等配慮対策等級3以上でも条件を満たせる点を押さえておくと、バリアフリー性能と省エネ性能のどちらを優先するかの判断がしやすくなります。

入居後に必要になる手すりや段差解消は市区町村の助成や介護保険の住宅改修で対応する形が基本です。助成の上限額、対象の等級、所得の条件、1世帯1回の制限は市ごとに違うので契約前に障害福祉課へ相談し、障害者のリフォームの補助金の記事で改修向けの制度も確かめておくと、資金計画に無理が出にくくなります。

免責事項: 本記事の内容は2026年11月時点で確認できた情報にもとづきます。補助金・助成金の有無、上限額、対象の条件、税制の適用期限は変わることがあります。申請や契約の前に、各制度とお住まいの市区町村の公式ページで確かめてください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
GRANTOS編集部
補助金メディア編集部

中小企業・個人事業主の「次の一手」を後押しするため、国・自治体の補助金情報をわかりやすく整理してお届けします。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに編集しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。