山形県内の事業所や自宅に、蓄電池、薪ストーブ、地中熱の融雪装置を入れる費用を県が補助します。上限は設備ごとに決まっていて、いちばん高いのは地中熱の空調装置の85万円です。
太陽光発電をこれから付ける人にとって、いちばん大事な点があります。補助されるのは蓄電池などの設備で、太陽光パネルの費用は対象外です。
やまがた未来くるエネルギー補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度やまがた未来くるエネルギー補助金(山形県再生可能エネルギー等設備導入促進事業)
だれが
- 申請者
- 県内の個人・法人・個人事業主
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 蓄電池・木質ストーブ・地中熱装置の導入
- 対象地域
- 山形県内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 設備ごとに16万〜85万円
- 補助率
- 設備ごとに1/6〜1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月16日〜2026年11月30日(先着順)
- 事業の完了
- 2027年1月31日まで
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
申請できるのは、県内に住所がある(または引っ越す予定の)個人と、県内に事業所がある法人・個人事業主です。国や自治体は含まれません。建物が借り物のときは、所有者から書面で承諾をもらう必要があります。付けるのは申請者本人が使う住宅や事業所に限り、別居の親族の家は対象外です(単身赴任中の本人が、県内の家族の住まいに付けるのは対象です)。蓄電池は国内メーカー(国外メーカーの日本法人を除く)の製品に限ります。ニチコン、シャープ、京セラ、パナソニックなどが実績のある例で、ハンファQセルズ、テスラなどは対象外です。蓄電池は国のZEH支援事業に登録された製品であることも条件です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 中古品やリース品を使う
- ✕ 今ある設備を新しい機種に買い替える
- ✕ 県の別の補助金と同じ設備で重ねる
買い替えが対象外になる例外は、卒FIT型の蓄電池だけです。ペレットストーブから薪ストーブへの入れ替えも「買い替え」で対象外です。蓄電池は、国などの補助制度の対象になり得るものも対象外です。蓄電池のリースも対象外ですが、組み合わせる新品の太陽光パネルはリースでも構いません。
設備ごとの補助率と上限はいくら?
設備の種類で、補助率と上限が変わります。金額はすべて消費税を除いた経費で計算します。
| 設備 | 補助額(いずれか低い額) | 上限 |
|---|---|---|
| 蓄電池(非FIT型) | 7万円×容量(kWh)か、経費の1/3 | 40万円 |
| 蓄電池(卒FIT型) | 3万円×容量(kWh)か、経費の1/6 | 20万円 |
| 木質ストーブ(省エネ健康住宅の認定を取る新築) | 経費の1/2 | 24万円 |
| 木質ストーブ(上記以外) | 経費の1/3 | 16万円 |
| 地中熱の空調装置 | 経費の1/3 | 85万円 |
| 地中熱の融雪装置(家庭向け) | 経費の1/3 | 42万円 |
| 地中熱の融雪装置(事業者向け) | 経費の1/6 | 52万円 |
FITは、太陽光などの電気を国が決めた価格で電力会社が買い取る制度です。非FIT型は、この制度の認定を受けない太陽光と組み合わせます。卒FIT型は、太陽光がすでに付いている家や事業所向けです。容量は、蓄電池の初期実効容量(実際に使える容量)を指します。
地中熱の事業者向け融雪装置は、令和8年度に加わった区分です。木質ストーブは経費が20万円を超えるものに限り、ちょうど20万円は対象外です。審査で保険料や燃料代、手続の代行料などが除かれ、実績額が20万円以下になっても交付されません。
計算例
- 木質ストーブ(上記以外):30万円 × 1/3 = 10万円
- 木質ストーブ(上記以外):60万円 × 1/3 = 20万円 → 上限の16万円
- 認定を取る新築に木質ストーブ:40万円 × 1/2 = 20万円
- 蓄電池(非FIT型)8.0kWh・経費120万円:7万円 × 8.0 = 56万円、120万円 × 1/3 = 40万円 → 低い方の40万円
- 蓄電池(卒FIT型)6.0kWh・経費150万円:3万円 × 6.0 = 18万円、150万円 × 1/6 = 25万円 → 低い方の18万円
- 事業所の融雪装置:240万円 × 1/6 = 40万円
事業者向け融雪装置は、経費が312万円以上で上限の52万円に届きます。蓄電池は、容量が小さいと「kWhあたりの額」の側で金額が決まります。見積書の容量と経費の両方を、先に計算しておくと自己負担が読めます。
何に使える?
対象にならないもの
- 太陽光パネルの購入・設置費
- 中古品、リース品、賃貸契約で用意する設備
- 今ある設備の買い替え(卒FIT型の蓄電池を除く)
- 国などの補助制度の対象になり得る蓄電池
対象になるもの
- 蓄電池、電力変換装置、付属機器(制御装置・計測表示装置・キュービクル)の費用
- 木質ストーブ、地中熱装置の設置に直接必要な経費
木質ストーブを自分で設置する場合は、機器と工事用の原材料の購入費だけが対象です。薪ストーブは、欧州のEN規格や米国のEPA認証を受けたもの、または二次燃焼機能があり同等の環境性能を持つものに限ります。
申請の流れ
設備によって手続きが2通りに分かれます。どちらも受付は2026年11月30日までで、書類は指定機関の環境ネットやまがたに出します。持参は平日の9時〜17時、郵送は配達日を証明できる方法です。
蓄電池(非FIT型)の流れ
- 事前申込書を出す(申請者または販売業者→環境ネットやまがた。11月30日まで)
- 受理決定の通知を受ける(県→申請者)
- 太陽光と蓄電池を設置し、電力会社と電力受給を始める(工事は2027年1月31日までに完了)
- 交付申請書(兼実績報告書)を出す(申請者→環境ネットやまがた。期限は下の3つのうち最も早い日)
- 審査を受けて補助額が確定する(県→申請者。現地調査は抽出で行う)
交付申請書の期限は、次の3つのうち最も早い日です。
- すでに工事が終わっている場合:受理決定の通知日から30日後
- 電力受給の開始日から30日後
- 2027年1月31日
卒FIT型の蓄電池・木質ストーブ・地中熱装置の流れ
- 交付申請書を出す(申請者→環境ネットやまがた。11月30日まで)
- 交付決定の通知を受ける(県→申請者。申請が届いた順に審査)
- 工事を始め、完了させる(県内の施工業者。2027年1月31日までに完了)
- 事業実績報告書を出す(申請者→環境ネットやまがた。期限は下の補足)
- 補助額が確定して支払われる(県→申請者)
卒FIT型の蓄電池は、余剰電力の買取開始日から30日後(工事が買取開始より後に終わったら完了日から30日後)か、2027年1月31日の早い日が期限です。木質ストーブ・地中熱は、完了日から30日後か1月31日の早い日です。交付決定までは、交付申請から概ね3週間かかります。
交付決定の前に工事を始めると対象外です。設備の購入や支払いも、決定の前は避けます。木質ストーブを新築に付けるときは、建物の着工が先でも構いません。ストーブや煙突まわりの工事は決定の後です。非FIT型は事前申込の時点で、すでに着工していても構いません。その場合の着工は2025年4月1日以降が条件です。
必要な書類
準備できた 0 / 15
様式は県の案内ページのZIPで配られています。事前申込書は非FIT型だけ、工事請負契約書は卒FIT型・木質ストーブ・地中熱の交付申請の段階で出します。出力対比表は、導入した太陽電池モジュールのメーカー発行のものです。太陽と森林の会の申込書は、蓄電池とペレットストーブで要ります。木質ストーブで省エネ健康住宅の認定を取るときは、設計認証の申請書か適合証の写しも添えます。卒FIT型は、既設の太陽光とパワーコンディショナの写真も要ります。買取開始通知は蓄電池の書類です。所有者の承諾書は、建物を借りているときだけ要ります。住民票か登記事項証明書は、提出日の前3か月以内に発行されたものです。口座振込申出書(参考様式1)も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算に達した:先着順で、申込額と申請額の合計が予算に達した日の翌日から受付が止まります。11月30日より前に終わることがあります。
- 交付決定の前に着工した:卒FIT型・木質ストーブ・地中熱は、決定の通知を受けてから着工します。先に始めた工事は対象外です。
- 県外の業者に頼んだ:設置工事は県内に事業所がある施工業者が行います。設備を買う先も、県内に事業所か営業所がある事業者です。
- 期限に間に合わなかった:事業の完了は2027年1月31日までです。実績報告の期限も、完了から30日と1月31日の早い方になります。
- 補助を受けた設備を勝手に処分した:法定耐用年数の間に、知事の承認なく売ったり貸したりすると、補助金の返納を求められることがあります。
募集の想定件数は、非FIT型の蓄電池が100件、卒FIT型が50件、木質ストーブが153件、地中熱の融雪装置が30件です。地中熱の空調装置は1件しかありません。編集部としては、検討中なら早めに受付窓口へ空きを問い合わせることを勧めます。
今年度の変更点と他制度との関係
蓄電池のFIT型は、令和7年度で廃止されました。FIT制度で売電する太陽光と組み合わせる蓄電池は、今年度は申請できません。
県の別の補助金を同じ設備に重ねることもできません。木質ストーブは、省エネ健康住宅の認定を取る新築なら上限が24万円に上がります。市町村にも独自の補助があり、県が一覧(エクセル)を公開しています。一覧では、山形市(蓄電池・地中熱など)、長井市、最上町(蓄電池など)が「県補助金との併用不可」と書いています。長井市、朝日町、最上町は木質ストーブも同じです。県の住宅リフォーム総合支援事業のように、市町村が窓口の事業も県の補助金に当たります。ほかの市町村は、窓口で確かめてください。
よくある質問
太陽光パネルの費用も補助されますか?
補助されません。非FIT型の蓄電池は、太陽光を新しく同時に付けることが条件です。ただし補助の対象経費は蓄電池、電力変換装置、付属機器の費用に限られます。パネルや架台の購入・工事費は、自己負担になります。太陽光の出力は10キロワット未満で、余剰電力を県の「地産地消電力買取プラン」に登録された電力会社へ売る形のものが対象です。見積書では、蓄電池と太陽光の費用を分けて書いてもらうと申請しやすくなります。
すでに太陽光がある家に蓄電池だけ後付けできますか?
卒FIT型なら対象です。条件は2つあり、太陽光が申請の時点で設置済みであること、蓄電池と同時にパワーコンディショナを新しくすることです。パワーコンディショナは、太陽光の電気を家で使える形に変える機器です。既設の太陽光の容量は問いません(10キロワット以上も対象)。増設した場合も対象です。蓄電池だけを足して、パワーコンディショナを替えない工事は対象になりません。上限は20万円で、非FIT型より低くなります。
FIT型の蓄電池は申請できますか?
申請できません。FIT型は令和7年度で廃止されました。今年度の蓄電池は、非FIT型と卒FIT型の2つだけです。どちらに当たるか迷うときは、太陽光の売電契約の種類と、設置の時期を確認してください。判断がつかないときは、受付窓口の環境ネットやまがた(電話 023-679-3377)に聞くのが確実です。
事業所への設置も対象ですか?
対象です。蓄電池と木質ストーブは、住宅と事業所のどちらにも設置できます。木質ストーブは農業用施設も対象です。地中熱は、空調装置が住宅だけで、融雪装置が住宅と事業所の両方です。事業所の融雪装置は事業者向けの区分になり、補助率は1/6、上限は52万円です。個人と事業者で上限が違うのは、この融雪装置だけです。
先着順とのことですが、いつ締め切られますか?
受付は2026年11月30日必着までです。ただし申込額と申請額の合計が予算に達すると、その翌日から受付を止めます。期限の前に終わる可能性があります。想定件数は設備ごとに決まっていて、地中熱の空調装置は1件です。公式ページには残り件数が書かれていません。申請を決めたら、書類を早めにそろえて窓口に出すのが安全です。
工事はいつ始めてよいですか?
設備によって違います。卒FIT型の蓄電池、木質ストーブ、地中熱装置は、交付決定の通知を受けてからです。非FIT型の蓄電池は、事前申込書を出して受理決定を受ける流れです。すでに着工や完了をしている案件も、着工が2025年4月1日以降なら事前申込の対象になります。ただし電力受給の開始日が2026年2月1日以降であることが条件です。
申請はどこに出しますか?
県から委託を受けた特定非営利活動法人 環境ネットやまがた(山形市上桜田3-2-37)に出します。県庁ではありません。方法は、平日9時〜17時の持参か、配達日を証明できる郵送です。売買契約を結んだ販売業者が、手続きを代行することもできます。メールアドレス(saiene@eny.jp)での問い合わせは公式ページに載っています。
県外の業者に頼むことはできますか?
できません。設置工事は、県内に事業所を持つ施工業者が行う決まりです。設備を買う先も、県内に事業所か営業所がある事業者に限られます。ただし木質ストーブは、申請者が自分で設置工事をすることも認められています。その場合の補助対象は、機器と工事用の原材料の購入費だけです。施工や購入の相手は、見積もりを頼む前に所在地を確かめましょう。
買い替えや増設は対象ですか?
買い替えは対象外です。高性能の機種への更新も含めて、今ある設備を替える工事は補助されません。例外は卒FIT型の蓄電池で、更新も対象です。ただし過去にこの補助金で同じ設備の補助を受けていないことが条件です。木質ストーブと地中熱装置は、増設でも対象になります。増設で既設設備を移す場合は、移設も同時に完了させます。
補助額に消費税は含まれますか?
含まれません。補助額は、消費税と地方消費税を除いた実際の支出額をもとに計算します。たとえば税込33万円の木質ストーブなら、税抜30万円が基準です。そこに補助率1/3をかけて10万円になります。端数は千円未満を切り捨てます。蓄電池は「kWhあたりの額」との比較もあるため、見積書は税抜の金額と容量が読める形にしてもらいましょう。
木質ストーブは何の条件がありますか?
対象は、薪かチップを燃料にするストーブです。環境性能の基準を満たしたもので、経費が20万円を超えることも条件です。補助は、住宅・事業所・農業用施設のそれぞれにつき1回限りです。使い方の確認書を出す必要があります。ペレットを燃料にする場合は、県のCO2削減価値創出事業「やまがた太陽と森林の会」への参加も条件になります。
補助を受けたあとの義務はありますか?
あります。収入と支出の帳簿と証拠書類を、令和13年度末まで保管します。補助を受けた設備は、法定耐用年数の間、目的どおりに使います。知事の承認なしに売る、貸す、担保に入れることはできません。承認を得て処分すると、補助金の一部または全部の納付を求められることがあります。蓄電池は、太陽と森林の会への参加も条件です。
実績報告のあとに現地調査はありますか?
あります。実績報告のあとに、現地調査が行われることがあります。令和8年度から、全件ではなく抽出での検査に変わりました。調査は平日に限られ、希望日に添えない場合もあります。実施されるかは、申請者には事前に分かりません。報告書に書く希望日の候補は、複数用意しておきましょう。
