「住宅用の太陽光補助金」と聞くと、家を持つ県民が申請するものと思いがちです。この制度は違います。補助金を受け取るのは、県に設置プランを登録したリース・PPA事業者で、住宅所有者への申請窓口はありません。
太陽光発電設備と蓄電池をセットで置くプランが対象で、補助額は太陽光が1kWあたり7万円、蓄電池が12万円です。事業者は受け取った補助金を、契約の相手方である住宅所有者へ全額還元します。プラン登録の申請は2026年10月30日(必着)までで、太陽光だけ・蓄電池だけのプランは対象外です。
この記事は、リースやPPAで住宅用の設備を展開する事業者が、登録から入金までの順番と落とし穴を確かめるための整理です。
千葉県 住宅用太陽光リース等補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度千葉県住宅用太陽光発電設備等に係るリース等導入促進事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(登録プランを実施するリース・PPA事業者)
- 対象業種
- 法人、または青色申告を行う個人事業者
- 利用目的
- 住宅への太陽光発電設備・蓄電池のリース/PPA導入
- 対象地域
- 千葉県内の住宅
- 従業員数
- 規定なし(県の資料に人数要件の記載なし)
いくら
- 補助上限額
- 1kWあたり7万円(10kW未満)、蓄電池は12万円
- 補助率
- 定額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月7日〜2026年10月30日(設置プランの登録申請・必着)
うちの会社は対象になる?
次の項目にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
青色申告とは、税務署に届け出て帳簿を付ける申告方法のことです。法人は、国と公法人(地方公共団体など)を除きます。実績は、プランで採用するパネルなどの取引か施工の実績を指し、同等と認められる場合も含まれます。この実績は、お客様と契約する販売事業者と、工事をする施工事業者に求められます。両者には、県内に事務所があることも「可能な限り」求められます。
次のいずれかに当たると対象外です。
- ✕ 暴力団員など、県が不適当とする者
- ✕ 同年度に同じ設置場所で補助済み
- ✕ 販売や割賦で設備を渡す契約
破産・民事再生などの申立てがされている場合や、差押えを受けている場合も要件を満たしません。
1件でいくら受け取れる?
計算は、太陽光の出力(kW)に7万円を掛けて、蓄電池の12万円を足すだけです。出力は小数点以下第3位を四捨五入し、補助額の千円未満は切り捨てます。
- 4.00kWの太陽光と蓄電池:4.00 × 7万円 + 12万円 = 40万円
- 5.50kWの太陽光と蓄電池:5.50 × 7万円 + 12万円 = 50.5万円
- 9.99kWの太陽光と蓄電池:9.99 × 7万円 = 69.93万円 → 千円未満を切り捨てて69.9万円 + 12万円 = 81.9万円
- 10.00kWの太陽光と蓄電池:10kW未満の条件に当たらず対象外
出力が10kWに1kWでも届くと、補助の対象から外れます。 屋根の大きさに合わせてパネルを足す場合は、合計出力が10kW未満に収まるかを先に確かめます。
出力の数え方は、交付要綱の別表では、パネル(太陽電池モジュール)の公称最大出力の合計か、パワーコンディショナーの定格出力の合計のどちらかです。一方、募集要領の表1は、設備単価の基準になる出力を、この2つの「いずれか低い方」と書いています。補助額の計算でどちらを使うかは公式資料だけでは決まらないので、登録前に県へ確認しておくと安心です。
蓄電池の12万円は、容量にかかわらない定額と読めます。ただし、1件につき12万円か1台につき12万円かは明記がありません。複数台を入れるプランは、県に確かめます。補助金は予算の範囲内で交付されます。
どんな費用と設備が対象?
対象にならないものを先に確認します。
- 国の補助金を受けた場合の、その補助額分
- 消費税と地方消費税の相当額
- 販売(割賦販売を含む)として渡す設備
- 出力10kW以上の太陽光
- 蓄電池を含まない、太陽光だけのプラン
対象になる経費は、次の2つです。
- 設備費(太陽光発電設備・蓄電池の購入などの経費)
- 工事費(設計費・工事費・諸経費)
設備にも条件があります。太陽光は、固定価格買取制度の認定基準を満たし、地絡検知機能と停電時の電力供給機能を備えた未使用品です。蓄電池は、国の補助事業の対象機器としてSII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録された据置型の製品に限ります。機能・システム・施工の保証は、どちらも最低10年間の無償対応が必要です。
契約面では、住宅所有者の初期費用がゼロであることが前提です。サービス期間は設置から5年以上で、終了後は設備を原則無償で住宅所有者へ譲渡します。身体障害と財物損壊に対する賠償責任補償の付帯も求められます。
登録から入金までの流れは?
補助金の申請より前に、設置プランの登録があります。この順番を逆にできません。
- プランを組み立てる(事業者。設備・保証・契約条件を募集要領の8要件に合わせる)
- 登録申請を県に出す(代表事業者→千葉県温暖化対策推進課。2026年10月30日必着、メールか郵送)
- メールの到達を電話で確認する(事業者→043-223-4645。メール提出のとき)
- 登録の通知を受ける(県→代表事業者。不備がなければ受領後3週間程度)
- 住宅所有者と契約し、設置する(事業者。見積・現地調査は無料で対応)
- 補助金の交付申請をする(事業者→県。期日は県が定める)
- 交付決定の通知を受ける(県→事業者)
- 実績報告を出す(事業者→県。補助事業が完了したあと、県が定める日まで)
- 額の確定通知のあと、請求書を出す(事業者→県)
登録の有効期間は、通知が届いた日から2027年3月31日までです。登録されたプランは、事業者名や内容が県のホームページに掲載されます。
交付申請の期日は、交付要綱に「知事が定める期日」とあるだけで、具体的な日付は公式ページと募集要領で確認できませんでした。登録のあとに県から示される前提で、先に温暖化対策推進課へ尋ねておくと動きやすくなります。
必要な書類
準備できた 0 / 6
謄本は写しで構いません。財務諸表は損益計算書と貸借対照表です。このほか、県が提出を求めた資料を出す場合があります。設置プランの内容(様式2)には、契約期間、保証、定期点検、施工事業者のほか、料金比較のシミュレーションを書く欄があります。シミュレーションの設置費用は、県のホームページでは公開されません。誓約書(様式3)には、暴力団などに関わりがないことを確認するために県が警察本部へ照会することへの承諾も含まれます。申請書はメールでも出せますが、契約書の写しなど一部の書類だけを郵送する併用もできます。メールの添付ファイルは7MB以内で、超えるときはファイルを分けて複数回に分けて送ります。郵送は信書を送れる方法に限られ、宅配便やゆうパックでは受け付けられない場合があります。
補助金を返すことになるのはどんなとき?
- 5年以内に契約を解除した:登録プランの契約を解除するには、あらかじめ県の承認が要ります。解除すると補助金の全部または一部を納付することがあります。契約から5年が過ぎれば、この承認は不要です。
- 設備を勝手に処分した:単価50万円以上の財産は、太陽光発電設備が17年、蓄電池が6年、処分に県の承認が要ります。承認なしの処分は返還の対象になりえます。
- 補助金を所有者へ還元しなかった:補助事業の条件は、受け取った補助金を契約の相手方である住宅所有者に全額還元することです。
- 補助金の交付決定が取り消された:すでに交付された補助金は、期限を定めて返還を命じられます。返還期限は命令から15日以内で、過ぎると年10.95%の延滞金がかかります。
- 申請内容に虚偽や重大な誤りがあった:登録が削除されることがあります。
- 苦情への対応が改善されない:住宅所有者からの苦情が続き、改善も見られない場合は、事業者の除外や登録の削除に進みます。
住宅所有者の側から見ると
県民が補助金を直接申請することはありません。登録事業者のプランを選んでリースかPPAの契約を結ぶと、補助金の分だけリース料やPPAの電気料金が下がる仕組みです。PPAは、設備の所有者である発電事業者が住宅に設備を置き、そこで発電した電気を住宅の所有者に販売する契約を指します。
事業者の立場では、見積の受付、仮見積書の提示、現地調査と見積書の提示を無料で行います。ここは募集要領が登録事業者の役割として決めている点で、住宅所有者は見積の段階で費用を払いません。
よくある質問
住宅の所有者が直接、補助金を申請できますか?
できません。補助金の交付を受けられるのは、県に設置プランを登録したリースまたはPPAの事業者です。住宅の所有者は、登録されたプランを選んで事業者と契約し、補助金の分だけ安くなったリース料やPPA料金を払う形になります。登録事業者とプランの一覧は県のホームページに掲載されるので、契約前にそこで確かめてください。
リースとPPAは何が違うのですか?
リースは、事業者が設備を買って住宅所有者に使わせ、購入代金に金利などを加えた額をリース料として受け取る契約です。契約期間中の中途解約は原則できません。PPAは、設備の所有者である発電事業者が自分の費用で設備を置き、発電した電気を住宅所有者に販売する契約です。どちらも住宅所有者の初期費用はかかりません。
蓄電池なしで、太陽光だけのプランでも対象になりますか?
対象になりません。要件は、太陽光発電設備と蓄電池をセットで設置するプランであることです。補助事業の定義でも、両方をリースまたはPPAで県内の住宅に置く事業とされています。太陽光だけのプランを持っている事業者は、蓄電池を組み合わせたプランを別に作って登録する必要があります。
出力が10kW以上の太陽光は対象ですか?
対象外です。補助の対象になる太陽光発電設備は、発電出力が10kW未満のものに限られます。出力は、パネルの公称最大出力の合計かパワーコンディショナーの定格出力の合計を、小数点以下第3位で四捨五入して決めます。9.99kWまでは対象ですが、10.00kWになると外れるので、設計の段階で合計出力を確かめてください。
販売や割賦販売のプランでも登録できますか?
登録できません。住宅所有者の初期費用がなく、リースまたはPPAの形で設備を置くサービスが条件です。販売は、割賦販売であっても対象に入りません。なお、リースは中途解約が原則禁止の契約として県が定義しており、名称が「リース」でも、中身が販売に近い契約は定義に当たらない場合があります。
保証は何年必要ですか?
太陽光も蓄電池も、機能等の保証、システム保証、施工保証のそれぞれで、最低10年間の無償対応が必要です。太陽光は公称最大出力の80%以上を保証します。サービス期間そのものは設置から5年以上ですが、契約が終わったあとも、法定耐用年数の17年間は県内の住宅で発電が続くと見込まれる必要があります。
登録までにどのくらいかかりますか?
申請書に不備がなければ、受領後3週間程度で登録されます。県から登録プランの内容について問い合わせが入る場合があるため、さらにかかることも考えられます。受付は2026年10月30日の必着で、期間内でも県が示す条件を満たさなければ登録されません。書類は余裕をもって早めに出すのが安全です。
登録の有効期間はいつまでですか?
県による登録決定通知が届いた日から、2027年3月31日までです。通知が遅くなっても終期は変わりません。登録プランの内容を変えるときは変更承認申請書(様式5)、登録をやめるときは登録抹消申請書(様式6)を出します。申請内容に虚偽や重大な誤りがわかると、登録が削除されることがあります。
県内に事務所がない事業者でも登録できますか?
販売事業者と施工事業者には、県内に事務所を持って事業をしていることが「可能な限り」求められます。必須とは書かれていませんが、実績の要件は別に必須です。プランで使うパネルなどの取引か施工の実績、または同等の実績があると認められる必要があります。事務所が県外の場合は、先に県へ相談してください。
国の補助金と併用できますか?
補助対象経費の算出で、国の補助金を受ける場合はその補助額を除くと決められています。国の補助と併せて使うこと自体は想定されています。なお、蓄電池は、国の補助を受けるかどうかにかかわらず、国の補助事業の対象機器としてSIIに登録された製品でなければなりません。併せて使うときの金額の扱いは、交付申請の前に県へ確かめておくと間違いがありません。
契約を途中で解除したら補助金はどうなりますか?
契約から5年以内に登録プランの契約を解除するときは、あらかじめ県の承認を受ける必要があります。解除したことを理由に、補助金の全部または一部を納付するよう求められることがあります。契約から5年が過ぎたあとは、この承認は要りません。住宅所有者との契約書に、解除の条件を書いておきます。
申請書はどうやって出しますか?
電子メールでの提出が推奨されています。件名を『千葉県「住宅用太陽光発電設備等に係るリース等導入促進事業」登録事業者登録申請』にして、送ったあとに043-223-4645へ電話で到達を確認します。メールが難しいときは郵送でも出せます。郵送は信書を送れる方法に限られ、宅配便やゆうパックなどでは受け付けられない場合があります。
問い合わせ先はどこですか?
千葉県環境生活部温暖化対策推進課の企画調整班です。電話は043-223-4645、メールは公式ページに載っているアドレスに送ります。登録の要件や書類の書き方、交付申請の期日など、公式資料で判断がつかない点は、申請の前にここで確かめておくと出し直しを防げます。
