ウイルス対策ソフトは、この補助金で買えますか。リストに載っていない製品は対象外です。補助の対象は、IPA(情報処理推進機構)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載り、さらにIT導入支援事業者が事務局に登録したサービスの利用料(最大2年分)だけです。
対象になるのは「お助け隊サービス」に限られるので、導入したいセキュリティ製品が決まっている場合は、先にリストに載っているかを確かめてください。6次締切は2026年10月30日17時です。
デジタル化・AI導入補助金セキュリティ枠の要点まとめ
正式名:デジタル化・AI導入補助金2026「セキュリティ対策推進枠」
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- サイバーセキュリティお助け隊サービスの導入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 中小企業・小規模事業者等(基準は業種ごと)
いくら
- 補助上限額
- 150万円(補助額の下限は5万円)
- 補助率
- 1/2(小規模事業者は2/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月30日〜2026年10月30日17時(6次締切)
- 事業の完了
- 2027年5月31日17時まで(予定)
自社は申請できるか
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象になるのは、日本国内で法人登記された会社か、国内に事業の実施場所がある個人事業主です。最低賃金は交付申請の直近月で比べます。GビズIDプライムは国の電子申請に共通で使うIDで、発行におおむね2週間かかります。
SECURITY ACTIONはIPAの制度で、中小企業が自分で情報セキュリティ対策を宣言します。一つ星か二つ星のどちらかが必要です。労働生産性は営業利益・人件費・減価償却費の合計を年間の総労働時間で割った値で、3年間で年平均1%以上伸ばす計画を立てます。
次のどれかに当たると申請できません。
- ✕ 過去にお助け隊で交付決定を受けた
- ✕ 2026年もお助け隊で申請中か決定済み
- ✕ 大企業が株式の2分の1以上を持つ
- ✕ 直近3年の課税所得の平均が15億円超
- ✕ IT導入支援事業者に登録している
- ✕ 宗教法人・法人格のない任意団体
- ✕ 決算を一度も終えていない
お助け隊の条件は、お助け隊サービスを含むITツールでの申請が対象です。IT導入補助金2022〜2025のいずれかの枠で交付決定を受けたか、2026年のデジタル化・AI導入補助金ですでに申請中か交付決定を受けていると申請できません。
大企業の子会社などは、複数の大企業の合計なら3分の2以上の保有で対象外になり、規模が中小企業の範囲でも変わりません。IT導入支援事業者は、2026年のこの事業に登録している事業者と登録しようとしている事業者が当たります。任意団体は同窓会やPTAなどです。事務局のよくあるご質問は、決算を行っておらず実績値を確認できない事業者を対象外としています。開業したばかりでも、決算書などの必要書類がそろえば申請できます。
中小企業・小規模事業者等の範囲は、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当します。製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。ソフトウェア業や旅館業などは別の基準があります。
小規模事業者は、常時使用する従業員が商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で5人以下、製造業その他と宿泊業・娯楽業で20人以下です。補助率が2/3になるのはこの区分です。
いくら戻ってくるか
補助額は5万円から150万円の範囲です。対象は利用料2年分までなので、契約が月額でも年額でも、2年を超える分は補助の計算に入りません。補助金は事務局から申請者に直接支払われます。
- サービス利用料2年分が48万円の中小企業:48万円 × 1/2 = 24万円
- 同じ48万円で小規模事業者:48万円 × 2/3 = 32万円
- 利用料2年分が300万円の中小企業:300万円 × 1/2 = 150万円(上限に届く)
上限の150万円に届くのは、中小企業なら2年分の利用料が300万円以上のときです。小規模事業者は225万円以上で届きます。
下限側には注意が要ります。中小企業で利用料2年分が8万円なら、8万円 × 1/2 = 4万円で、範囲の下限の5万円に届きません。下限を下回る申請の扱いは公募要領に書き分けがないため、IT導入支援事業者に先に確かめるのが確実です。
何に使えるか
この枠の対象経費は、公募要領では「サービス利用料(最大2年分)」の1本です。
対象にならないもの
- IPAのお助け隊サービスリストに載っていないセキュリティ製品・サービス
- リストに載っていても、IT導入支援事業者が事務局に登録していないサービス
- 交付決定(申請が認められたという事務局からの通知)より前に契約・発注したもの
- 機器の購入費(対象経費は利用料だけで、ハードウェアは含まれません)
対象になるもの
- 登録されたお助け隊サービスの利用料(月額・年額とも最大2年分)
お助け隊サービスとは、相談窓口、異常の監視、事故が起きたときの初動対応(駆け付け支援など)、簡易なサイバー保険を、1つのパッケージで提供するサービスです。リストに載るには、IPAの基準を満たすことが審査登録機関に確認される必要があります。これ以外の細かな対象外の定めは「ITツール登録要領」にあり、本記事では確認できていません。
申請の流れ
- 事務局に登録されたIT導入支援事業者を選び、お助け隊サービスを決める(申請者→IT導入支援事業者。この段階で契約はしない)
- GビズIDプライムを取り、SECURITY ACTIONを宣言する(申請者→国・IPA。IDは発行に約2週間)
- IT導入支援事業者から「申請マイページ」への招待を受け、マイページを開設する(申請者)
- 書類を添えて交付申請を出す(申請者→事務局。2026年10月30日17時まで)
- 交付決定を待つ(事務局→申請者。6次締切分は2026年12月10日の予定。契約はこのあと)
- 契約・導入・支払いをして、実績報告を出す(申請者・IT導入支援事業者→事務局。2027年5月31日17時の予定)
締切の2週間前にあたる10月16日ごろまでにGビズIDプライムを申請しておく計算です。締切までの日数が限られるので、編集部としては、書類集めより先にこの2つ(GビズIDプライムとSECURITY ACTION)を動かすことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 8
法人は履歴事項全部証明書・法人税の納税証明書・貸借対照表・損益計算書を出します。証明書は発行から3か月以内、決算書は直近のものです。個人事業主は所得税の納税証明書・確定申告書の控え・青色申告決算書か収支内訳書・本人確認書類を出します。
確定申告書の控えは、受付番号と受付日時が印字されたものです。本人確認書類は運転免許証・運転経歴証明書・住民票のいずれかで、住民票は3か月以内のものです。賃金状況報告シートは加点を受ける場合だけ出します。
代替書類は認められません。納税証明書は領収書ではなく、税務署が発行した「その1」か「その2」です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定前に契約・発注・納品・支払いをすると、補助金は受けられません。契約は決定通知のあとです。
- 支払いが決められた方法ではない:支払いは補助事業者名義の口座からの銀行振込か、クレジットカードの1回払いだけです。現金や分割払いは認められません。
- 導入したサービスを解約した:解約や利用停止は辞退の扱いになり、交付された補助金の全部または一部の返還が必要になることがあります。賃上げ計画が必須の事業者は、効果報告の前に辞退すると目標の未達とみなされ、全額の返還です。
- 実質的な値引きを受けた:キャッシュバックやポイントで自己負担を減らす販売方法は、不正な使い方として交付決定の取消しの対象になります。
- 過去の受給者が賃上げ目標を達成できなかった:IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、3年間の賃上げ計画(1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上)が必須で、未達だと補助金の全額返還を求められる場合があります。
勘違いされやすい4点
賃上げ計画は誰でも必須なのか
必須ではありません。この枠の申請要件は、労働生産性を年平均1%以上伸ばす計画です。賃上げ計画(地域別最低賃金+30円以上、1人当たり給与支給総額を年平均3%以上)は加点の項目に入っています。必須になるのは、先ほどの過去の受給者です。医療機関・介護事業者・社会福祉事業・学校などは、この必須の要件の適用外です。
他の枠と同時に出せるのか
出せます。通常枠・インボイス枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠とは、同じ期間に並行して申請し、交付決定を受けることもできます。ただし、お助け隊サービスを通常枠やインボイス枠(インボイス対応類型)のオプションに入れて申請する場合は、この枠と重ねて申請できません。お助け隊サービスを含むITツールで、IT導入補助金2022〜2025のいずれかの枠で交付決定を受けている場合も、この枠に申請できません。他の枠と組み合わせる場合は、IT導入支援事業者に確かめてください。
関連する記事: 同じ6次締切で、取引先にアカウントを配る側が使える枠もあります。
SECURITY ACTIONは二つ星でないと申請できないのか
一つ星でも申請できます。申請要件は「一つ星か二つ星のどちらか」の宣言です。二つ星は加点の項目に入っています。第2回公募以降は、2026年4月に始まった管理システムで宣言していることが求められます。
小規模事業者の2/3は最後まで続くのか
続くとは限りません。交付決定のあとから事業が終わるまでに小規模事業者の定義に当たらなくなると、補助率は2/3から1/2に下がります。このとき補助対象経費の上限は申請時の金額のままです。小規模事業者は、実績報告で従業員一覧の提出も求められます。
よくある質問
市販のウイルス対策ソフトは補助の対象になりますか
リストに載っていなければ対象外です。対象のITツールは、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、事務局に事前登録されたものと決まっています。補助対象経費も「事務局に登録されたITツールの導入費用」と定められています。導入したい製品が決まっている場合は、リストへの掲載と、IT導入支援事業者の登録の両方を先に確かめてください。
お助け隊サービスとは何ですか
IPAが定めた「サイバーセキュリティお助け隊サービス基準」を満たすことを、審査登録機関が確かめた中小企業向けのセキュリティサービスです。相談窓口、異常の監視、事故が起きたときの初動対応(駆け付け支援など)、簡易なサイバー保険を、1つのパッケージで提供します。リストはIPAが公表しています。補助の対象になるのは、このリストのうち事務局に登録されたものだけです。リストそのものの問い合わせ先はIPAです。
補助額が5万円に届かない場合は申請できませんか
公募要領は補助額を「5万円〜150万円」と定めています。中小企業は補助率1/2なので、5万円に届くのは利用料2年分が10万円以上のときです。小規模事業者は補助率2/3なので、7万5,000円以上で届きます。下限に届かない場合の扱いは、要領に書き分けがありません。サービス料金が小さいときは、申請できるかをIT導入支援事業者に先に確かめてください。補助額の1円未満は切り捨てです。
SECURITY ACTIONはどうやって宣言しますか
IPAのサイトから申し込みます。この補助金では、一つ星か二つ星の宣言が申請要件で、交付申請のときに宣言済みのアカウントIDを入力します。第2回公募以降は、2026年4月に始まったSECURITY ACTIONの管理システムで宣言していることが求められます。宣言の確認のために、事務局が交付申請の情報の一部をIPAと共有することへの同意も必要です。二つ星の宣言は加点の項目に入っています。
個人事業主でも申請できますか
申請できます。日本国内に補助事業の実施場所があることが条件で、GビズIDプライムの取得やSECURITY ACTIONの宣言も法人と同じく必要です。法人と書類が異なり、本人確認書類(運転免許証・運転経歴証明書・住民票のいずれか)、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書か収支内訳書を出します。確定申告書は税務署が受け取ったことが分かるものに限られ、税理士の押印だけの書類は認められません。
国のほかの補助金と併用できますか
国や中小機構のほかの補助金・助成金とは、同じ事業内容・同じ経費では併用できません。サービスや経費が重ならなければ申請できます。申請要件にも、ほかの補助金と重複する事業を補助事業に含めないことが入っています。通常枠やインボイス枠と同時に申請するときは、経費の二重計上にならないよう、IT導入支援事業者と切り分けてください。
不採択だった場合、次の締切でもう一度申請できますか
できます。申請は1法人(1個人事業主)につき同時に1回までで、一度出した申請は結果が公表されるまで取り下げられません。ただし、採択結果で不採択になったときと、交付決定後に実績報告を経て補助金を受け取るまでの間に取り下げたときは、次回以降の締切に申請し直せます。結果は申請マイページで通知され、不採択の理由は事務局から通知する事項以外は開示されません。提出前に、申請内容に不足がないかを確かめてください。
通常枠とセキュリティ枠の両方に申請できますか
要領上は、同じ期間に並行して申請し、交付決定を受けることもできます。ただし、お助け隊サービスを通常枠やインボイス枠(インボイス対応類型)のオプションに入れて申請している場合は、この枠と重ねて申請できません。二重計上などの不適切な処理が疑われると、交付決定後でも取消しや全額返還の対象になります。特にオプションと役務は二重計上になりやすいとされています。両方に申請する場合は、IT導入支援事業者と相談してツールを選んでください。
契約はいつすればいいですか
交付決定のあとです。6次締切分の交付決定は2026年12月10日の予定で、それより前の契約・発注は補助の対象になりません。契約・発注が最初で、そのあとに納品・導入と代金の支払いが続く順番も守る必要があります。順番が逆だと、補助金が交付されず、交付決定の取消しになる場合があります。見積もりや相談の段階では契約書に署名しないよう、IT導入支援事業者にも伝えておくと安心です。
支払いはどの方法が認められますか
補助事業者名義の口座からの銀行振込(口座振替も使えますが、通帳など支払いが分かる書類が要ります)か、クレジットカードの1回払いです。法人の場合は法人名義のカード、個人事業主は代表者本人名義のカードで払います。金融機関の窓口やATMから現金で振り込む方法は認められません。分割払いやリボ払いも不可です。支払いの前に、IT導入支援事業者から請求書が出ていることも必要です。実績報告では、その請求書と支払いが分かる書類を出します。
補助金はいつ入金されますか
実績報告を事務局が確認して補助額が確定したあとに、事務局から申請者に直接支払われます。入金までの日数は、公募要領に記載がありません。サービス料金は先に自分で払う必要があるため、2年分の利用料をいつ、どう払うかを資金繰りに入れておいてください。事業実施期間は2027年5月31日17時までの予定です。実績報告までに、すべてのサービスの導入と利用開始を終えている必要があります。
導入したサービスを途中で解約するとどうなりますか
解約や利用停止は、補助事業の辞退の扱いになることがあります。複数のサービスのうち一部だけを解約する場合も、辞退の手続きが必要になる場合があります。辞退すると、交付された補助金の全部または一部の返還を求められることがあり、受領の日から返還の日までの日数に応じた加算金もかかります。廃業や事業譲渡で事業をやめた場合も同じ扱いです。効果報告が終わるまでは、契約を続ける前提で選んでください。
7次締切はありますか
6次締切分のあとの日程は、本記事の時点では確認できていません。公募要領には、受付スケジュールは事業ホームページで順次公表すると書かれています。事業実施期間は交付決定日から6か月間程度とされ、6次締切分は2027年5月31日17時の予定です。公表されていない日程を前提に計画を立てるのは避けたほうが安全です。6次に間に合わない場合や不採択だった場合は、次の締切が出ているかを公式ページで確かめてください。
問い合わせ先はどこですか
中小企業デジタル化・AI導入支援事業のコールセンター(電話 0570-666-376、IP電話などからは 050-3133-3272)です。受付は平日の9時30分から17時30分で、土日祝日と年末年始は休みです。公式ページには、各回の締切の前日と当日は電話が大変混み合うと案内されています。早めの相談をお勧めします。お助け隊サービスのリストについては、IPAのメール窓口(isec-otasuketai@ipa.go.jp)に問い合わせられます。
