後継者に会社を渡す前に、稼ぐ力を上げておきます。福岡県のこの補助金は、そのための費用を出します。補助率は経費の1/2(小規模事業者は2/3)で、上限は50万円です。
対象になるのは、今後5年以内に事業承継をする予定で、福岡県事業承継支援ネットワークの支援を受けて承継の計画を作った会社です。最終締切は10月30日17時で、申込状況によっては、それより前に受付が終わります。
福岡県 事業承継収益力強化補助金の要点まとめ
正式名:福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金
だれが
- 申請者
- 福岡県内の中小企業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 事業承継前の売上拡大・業務効率化
- 対象地域
- 福岡県
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者の範囲
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 1/2以内(小規模事業者は2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月13日〜2026年10月30日(17時必着)
- 事業の完了
- 2027年1月31日まで
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 同じ代表者で過去に同様の補助を受けた
- ✕ 同じ事業で国や県の別の制度を使う
- ✕ 持続化補助金などに申請済みの事業
- ✕ 暴力団や暴力団員に関わりがある
ここでいう事業承継は、後継者が登記簿上の代表取締役になることです。社長交代の登記までが、ゴールになります。個人事業主の場合の確認方法は、公募要領に書かれていません。応募書類には個人事業主向けの決算書類が載っているので、申請自体は想定されています。承継の完了をどう確かめるかは、担当課に聞いてください。
福岡県事業承継支援ネットワークは、承継計画の作成や見直しを支援する県の枠組みです。応募のときは、ネットワークの専門家派遣で作った計画書を添えます。申込受付期間の中で支援を受けた場合も、対象です。構成機関の一覧は、公式ページに載っていません。ネットワーク事務局(092-409-0022)に聞くのが早道です。
中小企業者は、中小企業基本法で決まっています。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば足ります。製造業などは資本金3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下です。小売業は5,000万円以下か50人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下です。
小規模事業者は、小規模企業者のことで、従業員が原則20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者です。宿泊業と娯楽業だけは、従業員20人以下の事業者を小規模事業者として扱います。
過去に同様の取組で補助を受けた企業は、同じ代表者のままだと対象外です。代表者が変わっていれば、この制限はかかりません。
いくら補助される?
補助額は、対象経費に補助率を掛けた額です。消費税は対象外なので、税抜で計算します。ただし、消費税の免税事業者と簡易課税事業者は、消費税を含めた額で計算できます。千円未満は切り捨てます。計算の例は、経費の額を仮に置いたものです。
- 店舗の看板づくりと店内の改装をする(経費60万円):60万円 × 1/2 = 30万円
- 首都圏の展示会に出展する(経費40万円):40万円 × 1/2 = 20万円
- 小規模事業者が、商品パッケージの刷新と展示会出展をする(経費60万円):60万円 × 2/3 = 40万円
- 小規模事業者が、店舗を改修する(経費90万円):90万円 × 2/3 = 60万円 → 上限の50万円
上限の50万円に届くのは、補助率が1/2なら経費100万円、2/3なら経費75万円からです。
補助金が入るのは、原則として事業が終わってからです。補助事業が終わり、実績報告をして金額が確定した後に、精算払いで受け取ります。途中で概算払いを受ける場合も、支払い済みの経費の分だけです。いずれにしても、自社でいったん立て替える資金が要ります。
何に使える?
対象にならないもの
- 単なる取替え更新や、通常の生産活動のための設備
- 会社のPR、名刺、会社案内、求人広告
- 用紙やインクなどの事務用品
- 他社のネットモールへの出品料・利用料
- 役員報酬と直接人件費
- パソコンなど汎用性の高いもの
- 日当、タクシー代、ガソリン代、高速料金
- 応募書類を作る代行費用
- 消費税などの公租公課
対象になるもの
- 機械装置費:事業に必要な機械の購入
- 広報費:パンフレット、ポスター、チラシ、ネット販売システムの構築
- 展示会等出展費:出展料、運搬費、通訳・翻訳料
- 開発費:新商品の試作に使う原材料、設計、デザイン
- 外注費(設備・施工工事費):店舗の改装など
- 専門家謝金・専門家旅費:助言や指導を受ける専門家への支払い
- 研修受講料:承継の実行に必要で、広く受講者を募集している研修
- 旅費、借料、雑役務費、委託費
公式ページの取組例は、新しい客層に向けたチラシの配布、ユニバーサルデザインにする店舗改装、国内外の展示会への出展、商品パッケージの一新です。公募要領には、高齢者向けの宅配サービスの開始や、自社ネット通販システムの構築も載っています。
交付決定より前に発生した経費は対象外です。ただし展示会の出展は、申込みを交付決定の前にしても構いません。請求書の発行日や支払日が交付決定日以前だと、対象外になります。
見積書は、1件が税込10万円以上の経費で、原則2社以上が必要です。機械装置費だけは、金額に関わらず2社以上です。中古品は、1点50万円(税抜)未満で、中古品販売業者2社以上の見積書があるときだけ対象です。
店舗改装のうち、住宅兼店舗の住宅部分は対象外です。単なる店舗移転のための解体・建設工事や、既存の事業部門をやめるための解体工事も、対象外です。50万円(税抜)以上の外注工事は処分制限財産になり、補助が終わった後も一定期間は、売却や目的外の使用に承認が要ります。
商工会議所と商工会の職員は、専門家謝金の対象にできません。
申請の流れ
- 承継計画づくりの支援を受ける(事業者→福岡県事業承継支援ネットワーク。応募の前まで)
- 見積書を2社以上から取る(事業者→発注先。応募の前まで)
- 応募書類を出す(事業者→県の中小企業経営支援課 経営支援第二係。郵送か持参で、10月30日17時必着)
- 審査の結果を待つ(県→事業者。審査会は非公開で、書類だけで決まる)
- 交付申請をして、交付決定を受ける(事業者→県。交付申請書に役員名簿を添える)
- 事業を行い、2027年1月31日までに支払いを終える(事業者)
- 実績報告を出し、精算払いを受ける(事業者→県。事業の完了か期限のどちらか早い日から10日以内)
役員名簿は、役員全員の氏名と生年月日を書く様式です。暴力団の排除のため、県が警察に照会するのに使います。
交付決定は、採択とは別の通知です。採択された事業者が別に交付申請をして、県が補助金の交付を正式に決めた通知がこれにあたります。ここより前の発注・契約・支払いは対象外になります。
最終締切は10月30日で、第1次から第4次の締切(6月30日から9月30日までの各月末)は過ぎています。受付は申込状況次第で終了します。公式ページには、予算額と、これまでの申込件数が書かれていません。早く出すことを勧めます。
審査項目は、事業計画の有効性と成功可能性、承継計画の実現可能性、補助事業実施計画の有効性、積算の適切さです。補助事業実施計画では「事業承継の実現の障害になっている課題の解決につながるか」が見られます。取組を、承継のどの課題を解くものか、結びつけて書いてください。
応募者が多いときは、審査会の前に1次審査があります。見られるのは、承継の実施時期、従業員数(保険加入)、小規模事業者に当たるか、経営革新計画か経営力向上計画の認定の有無、専門家派遣か後継者塾の受講の有無です。パートナーシップ構築宣言をしている事業者は、加点されます。
必要な書類
準備できた 0 / 11
履歴事項全部証明書は、法人だけが出し、発行から3か月以内のものです。個人事業主は、決算書の代わりに直近の所得税青色申告決算書の写しを出します。確定申告の提出の証明は、電子申告ならメール詳細(受信通知)の印刷、書面申告なら税務署が交付するリーフレット等です。認定書の写しは、経営革新計画か経営力向上計画の認定を受けている場合だけです。
従業員数の証明には、厚生年金保険の標準報酬月額決定通知書の写しなどを使います。別紙には、該当する従業員がいない場合は提出不要とあります。詳しい種類は、県が公式ページに載せている別紙で確認してください。応募書類は返却されません。写しを手元に残してください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 承継が5年以内に確認できない:公募の受付終了日から5年後までに承継の完了が確認できないと、補助金の返還を求められることがあります。
- 交付決定の前に経費を使った:交付決定日より前に発生した経費は、対象になりません。展示会の出展は申込みだけ前倒しできます。
- 計画の変更を届けなかった:補助事業の内容を変えるときは、事前に変更承認申請を出して、承認を受けます。無断で変えると交付決定が取り消されることがあります。
- 報告や書類の保管を怠った:経理書類は、補助期間が終わった年度の翌年度から5年間保管します。実施状況報告書は、毎年度5月末までに出します。承継の完了を報告すれば、その後の提出は要りません。現地調査にも応じる必要があります。
- 事業で収益が出た:補助事業の期間中に収益が出ると、補助金の額を上限に、収益納付(利益の一部を県に納めること)を求められることがあります。
併用・公表・税金
同じ内容の事業で、国(独立行政法人などを含む)と県の別の制度を使うことはできません。小規模事業者持続化補助金などに申請した事業は、重複の可能性があるため、この補助金には申請できません。
公式ページには「申請期限を令和8年10月30日(金曜日)まで延長しました」とあります。延長の前の期限と理由は、公式ページに書かれていません。
交付決定を受けた企業名、所在地、取組内容は、県が公表します。補助金の課税の扱いは、公募要領に書かれていません。税理士か税務署に確認してください。
よくある質問
承継の時期が決まっていなくても申請できますか?
今後5年以内に承継をしようとしていることが条件です。時期の決まっていない会社でも、5年以内に社長交代をする見込みがあれば、申請の対象にはなります。ただし承継の実施時期は、応募者が多いときの1次審査で見られます。さらに、公募の受付終了日から5年後までに承継が確認できないと、補助金の返還を求められることがあります。
福岡県事業承継支援ネットワークの支援は、いつ受ければよいですか?
応募書類に、ネットワークの専門家派遣で作った計画書を添えます。公式ページでは、申込受付期間の中で支援を受けた場合も対象とされています。ただし最終締切は10月30日なので、計画づくりに時間がかかる点に注意してください。支援の申込みや構成機関については、ネットワーク事務局(電話092-409-0022)に問い合わせてください。
個人事業主でも申請できますか?
応募書類には、個人事業主向けの決算関係書類(所得税青色申告決算書の写し)が載っています。申請そのものは想定されていると読めます。一方、事業承継は「後継者が登記簿上の代表取締役になること」と定義されています。個人事業主の承継をどう確認するかは、公募要領に書かれていません。応募前に、中小企業経営支援課に確認してください。
小規模事業者かどうかで、何が変わりますか?
補助率が変わります。小規模事業者なら経費の2/3以内、そうでなければ1/2以内です。上限は、どちらも50万円です。小規模事業者かどうかは、応募者が多いときの1次審査でも見られます。定義は中小企業基本法の小規模企業者に従います。宿泊業と娯楽業だけは、従業員20人以下の事業者が小規模事業者です。
小規模事業者持続化補助金とは併用できますか?
同じ事業での併用はできません。持続化補助金などに申請した事業は、この補助金と重複する可能性があるため、申請できないと公募要領に書かれています。別々の取組で別々の経費なら、重複には当たらないと読めます。ただし判断は担当課が行うので、両方に申請を考えているときは、先に中小企業経営支援課へ相談してください。
前にも同じ補助金を受けました。また申請できますか?
代表者が同じままなら、対象外です。過去に同様の取組で補助を受けた企業が、交付を受けたときと同じ代表者である場合は、交付の対象になりません。代表者が変わっていれば、この制限には当たらないと読めます。承継前に受けた補助がある場合は、応募の前に担当課へ、いつの補助が該当するかを確認してください。
見積書は何社分そろえますか?
1件が税込10万円以上の経費は、原則2社以上の見積書が必要です。機械装置費は、金額に関わらず2社以上です。中古品の機械装置は、1点50万円(税抜)未満で、中古品販売業者2社以上の見積書が必要です。理由書で1社の見積りにすることは認められません。経費内訳書と一緒に、見積書を出します。
審査では何が見られますか?
事業計画の有効性と成功可能性、承継計画の実現可能性、補助事業実施計画の有効性、積算の透明性と適切さが見られます。審査会は非公開で、出した書類だけで決まります。応募者が多いときは、承継の時期や認定の有無などで、先に1次審査があります。パートナーシップ構築宣言をしていると、加点されます。審査の内容への問い合わせには応じてもらえません。
補助金はいつ入りますか?
原則として精算払いです。補助事業が終わり、実績報告をして補助金額が確定した後に支払われます。必要に応じて、事業の途中で概算払いが行われる場合もありますが、支払い済みの経費の分だけです。入金までは、自社の資金で立て替える必要があります。補助の対象になる経費は、2027年1月31日か、補助事業の完了のどちらか早い日までに支払った分です。
店舗の改装は対象になりますか?
自分で行うのが難しい改装は、外注費として対象になります。ただし、住宅兼店舗の住宅部分は対象外です。単なる店舗移転のための旧店舗・新店舗の解体や建設も、対象外です。50万円(税抜)以上の外注工事は処分制限財産になり、補助が終わった後も一定期間は、売却や目的外の使用に承認が要ります。
応募書類を専門家に作ってもらえますか?
応募書類の作成を代行してもらう費用は、補助の対象外です。専門家謝金の対象は、事業に必要な助言や指導を受けるための支払いです。ただし商工会議所と商工会の職員は、専門家として謝金の対象にできません。承継の計画づくりは、福岡県事業承継支援ネットワークの専門家派遣で支援を受けられます。
問い合わせ先はどこですか?
補助金については、福岡県商工部中小企業振興局 中小企業経営支援課 経営支援第二係で、電話は092-643-3459です。応募書類もここに出します。承継計画の作成支援を受けたいときは、福岡県事業承継支援ネットワーク事務局で、電話は092-409-0022です。公募要領と様式は、県の案内ページで取得できます。
