日本で出願した特許や商標を海外にも出すとき、その費用の2分の1(1企業あたり上限300万円)を、福岡県中小企業振興センターが補助します。第3回の締切は2026年10月9日の17時必着です。電子メールで出す場合も、受付はこの時刻までです。
福岡県海外出願支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度「福岡県海外出願支援事業」第3回募集
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(中小企業者等)
- 利用目的
- 特許・実用新案・意匠・商標の海外出願
- 対象地域
- 福岡県
- 従業員数
- 業種ごとに上限あり(製造業等300人以下、小売業50人以下など)
いくら
- 補助上限額
- 1企業300万円(特許150万円・商標60万円など1出願ごとの上限あり)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月18日〜2026年10月9日(17時必着)
- 事業の完了
- 外国への出願を2027年1月29日までに完了
うちの会社は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
法人格のない個人事業者も含みます。事業展開は、外国で権利が取れたときの計画です。出願済みかどうかは日本の特許庁で見て、PCT国際出願も含みます。
外国への出願と実績報告書は、期限までに終えられる見込みがあれば当てはまります。自分で現地代理人に頼む場合は、弁理士などの協力の代わりに同等の書類を出せることが条件です。
次のいずれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 申請の時点で特許庁へ出願していない
- ✕ 保全指定や外国出願禁止の対象の特許
- ✕ 同じ出願で国費の補助も受ける
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つ会社などです。保全指定と外国出願禁止は、経済安全保障推進法によるものです。国費の補助はINPITの外国出願補助金やものづくり補助金などで、同じ基礎番号で同じ国への出願が対象外になり、出願予定国が違えば申請できます。
中小企業者の上限は、業種ごとに次のとおりです。資本金と従業員数のどちらか一方を満たせば該当します。
| 業種 | 資本金の額・出資総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
| ソフトウエア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
ゴム製品製造業(一部を除く)は、3億円以下か900人以下です。地域団体商標の外国出願は、事業協同組合・商工会議所・商工会・NPO法人も対象です。
いくら戻ってくる?
補助額は、対象経費(消費税を除く)の2分の1以内です。1出願ごとの上限も決まっています。特許は150万円、実用新案・意匠・商標は60万円、抜け駆け対策商標は30万円です。1企業の合計は300万円までです。
- 特許1件の費用が200万円:200万円 × 1/2 = 100万円
- 特許1件の費用が400万円:400万円 × 1/2 = 200万円 → 1出願の上限150万円
- 商標1件の費用が100万円:100万円 × 1/2 = 50万円
- 商標1件の費用が150万円:150万円 × 1/2 = 75万円 → 1出願の上限60万円
- 特許を3件、各150万円の補助見込みで申請:合計450万円 → 1企業の上限300万円
抜け駆け対策商標とは、第三者に先に海外で商標を登録されてしまうことを防ぐための出願です。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定日以前に発生した費用
- 国内の消費税・地方消費税、外国の付加価値税
- PCT出願経費(国際出願手数料、国際調査手数料、送付手数料、優先権証明願、予備審査手数料など)
- 仲介業者(仲介代理人)を入れた場合の費用(特段の事情がある場合を除く)
対象になるもの
- 外国特許庁などへの出願手数料
- 現地代理人にかかる費用
- 国内代理人にかかる費用(外国出願に関するものに限ります)
- 翻訳費用
- 振込手数料など、外国出願に必要と認められる費用
出願と同じ日の審査請求費用も、対象経費に入ります。
申請の流れ
- 出願予定の内容と見積書をそろえる(申請者→国内の弁理士・現地代理人。国ごと、費目ごとに金額を分けます)
- 申請書類を出す(申請者→福岡県中小企業振興センター 知的財産支援センター。10月9日17時必着)
- 審査を受ける(書面審査です。先行技術調査の結果、事業展開の計画、資金計画を見られます。結果は11月上旬の予定です)
- 交付決定の通知を受ける(交付決定とは、補助額が正式に決まる通知です。この日より前の費用は対象外です)
- 交付決定日以降に外国へ出願する(申請者。2027年1月29日までに完了します。費用は全額を先に立て替えます)
- 実績報告書を出す(申請者→同センター。事業完了後30日以内か2027年2月12日の、早い日まで)
- 補助額の確定通知を受けて請求する(同センターが支払います。入金は2027年3月末までの予定です)
必要な書類
準備できた 0 / 11
様式は知的財産支援センターの案内ページにあります。交付申請書は間接補助金交付申請書で、抜け駆け対策商標は様式第1-2を使います。自己確認書は特許出願非公開制度に関するもので特許の場合に出し、役員等名簿は法人の場合に出します。
創業1年未満なら、決算書の代わりに法人設立届出書(個人事業主は開業届)、預金残高証明書2通、事業計画書、収支計画書を出します。出願書類は受領書、願書、明細書などです。商標は、先行技術調査報告書の代わりに先行商標調査結果を出します。
特許で、外国出願の基礎となる出願日が2024年4月30日以前の場合、自己確認書は出さなくて構いません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に費用が発生した:交付決定日以前の費用は対象になりません。出願の手続きは交付決定日以降に始めます。
- 申請と違う内容で出願した:出願国や出願内容は、採択後の変更が原則認められません。変更が必要なときは、出願の前に同センターの承認を受けます。
- 出願を取りやめた:採択された出願は、やむを得ない事情を除き取りやめられません。取りやめるときも事前の承認が必要です。
- フォローアップ調査に答えなかった:事業の完了後5年間は、特許庁の調査に回答します。答えないと、調査の翌年度の本事業に申請できません。
- みなし大企業だと分かった:申請後に分かれば申請は無効になります。交付決定後なら取り消し、交付後なら返還を求められることがあります。
加点・書類の追加・採択後の義務
賃上げ実施企業とワーク・ライフ・バランス推進企業などは、審査で加点される予定です。賃上げの加点を受けるには、従業員への賃金引上げ計画の表明書と、前年度の法人税申告書別表1を出します。給与総額か1人あたり平均受給額が2.5%以上増えたかで、賃上げを判断します。
加点の対象には、地域未来牽引企業、JAPANブランド育成支援等事業の採択者、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の採択者も入っています。採択された企業の名前や交付決定額などは、原則公表されます。出願内容は公表されません。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。募集案内では、中小企業者に法人格を持たない個人事業者も含まれます。ただし福岡県内に主たる事業所があることが条件です。日本の特許庁への出願は、申請者と同じ名義である必要があります。個人事業主を除いて、代表者など個人名義の出願は認められません。個人事業主は、役員等名簿を出さなくて構いません。事業を行っていること(国内外は問いません)が条件です。
日本で出願していない発明は対象になりますか?
対象になりません。申請書を出す時点で、すでに日本の特許庁へ出願している案件が条件です。PCT国際出願も含まれます。採択のあとに、パリ条約、特許協力条約、ハーグ協定、マドリッド協定議定書のいずれかの方法で、同じ内容を外国へ出願する計画が必要です。出願名義は日本での出願と同じにします。
PCT国際出願の費用は補助されますか?
PCT出願経費は対象外です。国際出願手数料、国際調査手数料、送付手数料、優先権証明願、予備審査手数料などがこれに当たります。補助されるのは、PCT出願を各国の国内段階へ移行するときの、外国特許庁への手数料、現地代理人費用、翻訳費用などです。見積書は、国ごと、費目ごとに分けて金額を書きます。
弁理士に頼まず自分で出願しても申請できますか?
申請できます。国内の弁理士などに頼まず、自分で現地代理人に直接依頼する場合は、国内代理人に頼むときと同等の経理関係書類を、自分の責任で提出できることが条件です。申請書の専任代理人の欄に、その旨を書きます。国内代理人に頼まない場合、協力承諾書は要りません。仲介業者を間に入れることは、特段の事情がない限り認められません。
申請は電子メールだけでできますか?
電子メールの添付、郵送、持参のどれかで出せます。メールで出すときは、まず間接補助金交付申請書だけを送り、センターからの受信確認メールを待ちます。そのあとで残りの書類を送ります。受信確認が届かないときは必ず連絡します。jGrantsを併用しても、書類はこの方法で出す必要があります。提出書類チェックリストも一緒に出します。
交付決定の前に出願を始めてもいいですか?
始めないでください。交付決定日以前に発生した費用は、補助の対象になりません。出願の手続きは交付決定日以降に始めます。採択結果は11月上旬の予定です。外国出願に優先期間などの期限がある場合は、手続きの日程を弁理士と早めに相談し、センターにも確認しておくと安心です。
1企業でいくらまで受け取れますか?
1企業あたりの上限は300万円です。1出願ごとの上限もあり、特許は150万円、実用新案・意匠・商標は60万円、抜け駆け対策商標は30万円です。同じ企業の複数の出願を、まとめて申請することもできます。申請時に確定した見積額が補助額の上限になり、為替で費用が増えても差額は出ません。そのため、為替レートは変動を見込んで余裕を持って設定することを、募集案内は勧めています。
共同出願のときの補助額はどうなりますか?
共同出願では、出願にかかる費用に、権利の持分割合か費用負担割合の低いほうを掛けた額の2分の1以内が補助額です。たとえば費用が200万円で、自社の持分が50%なら、100万円の2分の1で50万円が上限の目安になります。持分割合が分かる契約書や覚書を、申請時に出します。
賃上げや認定を受けていると有利ですか?
審査で加点される予定です。対象は、地域未来牽引企業、JAPANブランド育成支援等事業の採択者、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の採択者、賃上げ実施企業、ワーク・ライフ・バランス推進企業です。賃上げは、給与総額か1人あたり平均受給額が2.5%以上増えたかで判断し、実行できないと交付決定の取り消しや返還になることがあります。
採択されたあとに出願国を変えられますか?
原則として変更できません。申請した内容と実際の出願が違うと、補助の対象にならないことがあります。出願予定国の政情の変化など、やむを得ない事情で計画を変えるときは、出願の前に同センターへ連絡して承認を受けます。出願国の数を減らす場合や、現地代理人を変える場合も同じです。
補助金はいつ受け取れますか?
実績報告書を出したあとです。出願が終わったら、事業完了後30日以内か2027年2月12日の、いずれか早い日までに実績報告書を出します。センターが支払いの証拠書類などを調べて、補助額を確定し通知します。その額を請求して、センターが支払います。実績報告書を出す前に、補助金を受け取ることはできません。
申請書の作成を代行してもらえますか?
行政書士か行政書士法人以外の人が、報酬を受けて申請書類の作成を代理することはできません。募集案内が行政書士法第19条を挙げて、そう定めています。申請の書き方や対象になるかどうかの相談は、福岡県知的財産支援センター(電話 092-622-0035)で受け付けています。
