自宅の一室や、シェアオフィスで創業した場合も、江東区の賃料補助は使えるのか。使えません。自宅と兼用の物件も、シェアオフィスやコワーキングスペースも対象外です。事務所や店舗として、区内で自分名義の賃貸借契約を結ぶことが前提になります。
対象になれば、月額賃料の4分の1が、最長24か月補助されます。ただし募集は18件で、申請が超えると抽選です。申請の前には、区の経営相談員(中小企業診断士)による事業計画書の審査も必要です。
江東区 創業支援事務所等賃料補助金の要点まとめ
正式名:創業支援事務所等賃料補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(令和8年に初めて創業する法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(風俗営業等は対象外)
- 利用目的
- 創業時の事務所・店舗の賃料
- 対象地域
- 東京都江東区
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業者(数値は公式ページに記載なし)
いくら
- 補助上限額
- 月5万円(13か月目から月3万円)、最長24か月で最大96万円
- 補助率
- 月額賃料の1/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月1日〜2026年11月30日(18件、超えれば抽選)
- 事業の完了
- 実績報告は補助対象期間の属する年度の3月20日まで
- 公式サイト
- 江東区「創業支援事務所等賃料補助金」
うちは対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
「初めて創業」は、これまで事業を営んだことがない個人が、新たに法人を設立するか、開業届を出して個人事業を始めることです。法人なら登記上の会社設立日、個人なら開業届に書いた開業日が、2026年1月1日〜12月31日に入っている必要があります。創業の予定でも申請できます。
許認可が必要な業種は、開業日(設立日)と営業許可日のうち遅いほうが基準になります。許認可を受けた(または届出を行った)状態でなければ、申請できません。
「中小企業基本法の中小企業者」は、業種ごとに資本金や従業員数の上限が決まっている、中小企業の定義のことです。数値は公式ページに記載がないため、自社が当たるかは江東区の経済課に確認してください。大企業が実質的に経営に参加している会社は、中小企業でも対象外です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ ほかに事業を営んでいる
- ✕ フランチャイズの加盟店
- ✕ 期間を決めた一時的な事業
風俗営業等の事業も対象外です。
よく誤解されるポイント
「物件」の条件で落ちる人が多い
対象かどうかを分けるのは、創業者本人よりも物件です。公式ページの条件は次のとおりです。
| 区分 | 対象になる | 対象にならない |
|---|---|---|
| 用途 | 事務所・店舗として専用で使う | 居住など事業以外と兼用 |
| 建物の種類 | 事務所、店舗 | 倉庫のみの物件 |
| 共用の形 | 自分だけが使う区画 | シェアオフィス、コワーキング、利用権契約のバーチャルオフィス |
| 契約の相手 | 親族・自社グループ以外の貸主 | 本人または3親等以内の親族、その親族が役員の法人、グループ会社、役員・従業員 |
| 契約の期間 | 1年以上の契約(定期借家は5年以上) | 1年未満の契約、5年未満の定期借家契約 |
| 使い方 | 自分の事業のみ | 一部を他人に使わせる、転貸して収益を得る(レンタルスペース等) |
補助対象になる物件は、1申請者につき1か所です。複数の物件を借りても、補助されるのは事業のために継続して使う1つの事務所等に限ります。
申請書を出せば終わり、ではない
申請の前に、区の経営相談員(中小企業診断士)が事業計画書を審査します。区の案内では、2〜3回審査を受ける人が多いとされています。事前審査は8月から始まっており、締切の11月30日までに通っていなければ申請できません。
「補助期間24か月」は申請日から数えない
補助対象期間は、創業日の属する月と賃貸借契約が始まる月のうち、遅いほうから24か月が限度です。創業日が1〜3月の場合は、契約開始月と4月のうち遅いほうから起算します。契約を早く始めても、創業前の賃料は対象になりません。
敷金・礼金・共益費は補助されない
対象になるのは月額賃料だけです。敷金、礼金、保証金、更新料、共益費は含まれません。賃料には消費税が含まれ、振込手数料も対象外です。
いくら戻ってくる?
月額賃料の4分の1以内です。上限は1〜12か月目が月5万円、13〜24か月目が月3万円で、1,000円未満は切り捨てになります。上限の月5万円に届くのは、月額賃料(税込)が20万円以上のとき、13か月目以降の3万円に届くのは12万円以上のときです。
- 月額賃料10万円の事務所:10万円 × 1/4 = 月2.5万円 → 24か月で60万円
- 月額賃料16万円の店舗:16万円 × 1/4 = 月4万円。13か月目からは上限の月3万円 → 48万円 + 36万円 = 84万円
- 月額賃料24万円の事務所:24万円 × 1/4 = 月6万円 → 上限の月5万円。13か月目からは月3万円 → 60万円 + 36万円 = 96万円(最大)
補助金は、賃料を払ってから請求する後払いです。実績報告のあとに額が確定し、補助事業者が請求の手続きをします。
何に使える?
対象にならないもの
- 敷金、礼金、保証金、更新料
- 共益費など賃料に準ずる経費
- 振込手数料
- 創業前の賃料(補助対象期間より前)
対象になるもの
- 補助対象期間中の事務所・店舗の月額賃料(消費税込み)
申請の流れ
- 事業計画書を作る(創業者→区。公式ページの様式に、事業内容・資金計画・収支計画を書く)
- 事前審査を受ける(創業者→区の経営相談員。「江東区経営相談」で予約。8月〜11月)
- 申請書類を出す(創業者→経済課創業支援担当。区役所4階28番窓口か郵送。9月1日〜11月30日)
- 抽選に参加する(区→創業者。申請が18件を超えたときだけ。12月)
- 結果通知を受ける(区→創業者。1月に全員へ郵送)
- 賃料を払い、実績報告をする(補助事業者→区。年度の3月20日まで)
必要な書類
準備できた 0 / 8
住民票は事業主(法人なら代表者)のものです。転貸借契約の場合は、転貸人が貸主から転貸の承諾を受けたことを示す書面も必要です。書類はコピーで構わず、郵送も受け付けています。法人の住民税は、23区内では法人都民税にあたり、納税証明書は都税事務所の窓口です。登記事項証明書はどこの法務局でも請求できます。申請時点でそろわない書類があるときは、申請書の提出時に申し出ます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 事前審査を通っていない:事業計画書が区の経営相談員に適当と認められていなければ、申請の前提を満たしません。
- 年内に創業しなかった:申請の年の12月31日までに創業しなかった場合、交付決定が取り消されることがあります。
- 契約が年度内に始まらなかった:申請した年度の3月31日までに賃貸借契約を結んで契約期間が始まらなければ、取り消しの対象です。
- 事業をやめた:補助対象の事務所での事業を廃止すると、交付決定が取り消されることがあります。取り消されると補助金の返還を命じられ、違約加算金や延滞金が課されることもあります。
- ほかの補助金と重ねた:国・都・公社などの同種の補助金と、重複して受けることはできません。
- 抽選に外れた:申請が18件を超えると公開抽選で決まります。
2年目以降の手続き
交付決定を受けた人が翌年度も補助を受けるには、年度の4月末日までに更新の申請が必要です。内容に変更があれば、書類を添えます。賃料が変わったときは速やかに、事務所を区内の別の物件に移すときはあらかじめ、区長の承認を受けなければなりません。2年目以降の年度は、実績報告の日までに区の経営相談員(中小企業診断士)の経営状況診断と指導を受ける必要があります。ただし、その年度の補助対象期間が8か月に満たない場合は除かれます。
よくある質問
自宅兼事務所でも対象になりますか?
対象になりません。物件は、申請者の事業以外の用途(居住など)と兼用しないものに限られます。自宅の一室を事務所にしている場合や、住居と店舗が一体の物件は、補助の対象外です。事業専用の事務所や店舗を借りることが前提で、倉庫のみの物件も対象になりません。物件を探す段階で、契約が専用利用の形になっているかを貸主に確認しておくと安心です。
シェアオフィスやコワーキングスペースは使えますか?
使えません。利用権契約によるバーチャルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースなどは補助の対象外です。事務所等における事業の実態があり、最低限の事務スペースを除く設備や空間を他の人と共用しない物件に限られます。事務所の一部を他人に使わせることや、設備を他人と共有することも認められません。契約書の名称ではなく、実際の使い方が見られます。
親族が貸主の物件でも補助されますか?
補助されません。貸主や転貸人が、申請者本人、その3親等以内の親族、親族が役員の法人、申請法人のグループ会社、本人やグループ会社の役員・従業員のいずれかに当たる物件は、対象外です。身内から借りて家賃を払っていても、補助の対象にはなりません。貸主との関係は、物件の契約前に確認してください。
補助金の上限額と期間を教えてください。
補助率は月額賃料の4分の1以内で、補助対象期間の最長は24か月です。上限は、補助開始月から12か月目までが月5万円、13か月目から24か月目までが月3万円です。24か月ずっと上限に届けば、5万円×12か月と3万円×12か月で、合計96万円になります。賃料に消費税は含まれますが、共益費や振込手数料は含まれません。1,000円未満は切り捨てです。
すでに開業届を出していても申請できますか?
出していても申請できる場合があります。条件は、2026年1月1日〜12月31日の間に初めて創業することで、個人事業主なら開業届に書いた開業日がこの期間に入っていれば足ります。ただし、これまで事業を営んだことがある人は、初めての創業に当たらない可能性があります。以前に別の事業を営んでいた場合の扱いは、公式ページに具体例の記載がないため、経済課へ確認してください。
事業計画書の審査はどう受けますか?
「江東区経営相談」のページで、「創業相談」を選び、相談内容に「賃料補助金の審査」と入力して予約します。事業内容、資金計画、収支計画を具体的に書いた事業計画書を持って、区の経営相談員(中小企業診断士)の審査を受けます。事業の継続性が見込める内容になれば審査を通過します。2〜3回受ける人が多いため、11月30日の締切に余裕をもって予約してください。
契約を結ぶ前に申請してもいいですか?
申請書類には賃貸借契約書の写しが入っています。ただし、申請時点で契約が済んでいなければ受け付けないのかは、公式ページに明記がありません。補助の要件は、申請した年度の3月31日までに契約を結んで契約期間が始まることです。申請時点で用意できない書類は申し出ることになっているため、契約がまだ済んでいない場合は、経済課創業支援担当に事前に確認してください。
抽選に外れたらどうなりますか?
補助は受けられません。募集は18件で、申請が18件を超える場合は公開抽選で決まります。結果は1月に、全員へ結果通知書が郵送で届きます。補助が決まった人には、補助金の請求手続きが案内されます。次年度に再び申請できるかは、その年度の要件次第です。要件は申請の年の1月1日〜12月31日に初めて創業することなので、すでに創業した人は、翌年度の要件を満たさない可能性があります。
申請はいつまでにすればいいですか?
2026年9月1日(火)から11月30日(月)までです。事前審査を通った事業計画書を添えて提出します。事前審査は8月から受け付けており、2〜3回受ける人が多いため、実質的には10月までに審査を終えておきたいところです。公式ページに先着順の記載はなく、18件を超えたら抽選で決まります。
補助金はいつ、どうやって受け取りますか?
補助対象期間の属する年度の3月20日までに、実績報告書と賃料の支払が確認できる書類を区に出します。区が審査して補助金の額を確定し、通知を受けた補助事業者が請求書を出すと、区が速やかに支払います。賃料はまず自分で払う後払いなので、創業直後の資金繰りに入れておいてください。
問い合わせ先はどこですか?
江東区 地域振興部 経済課 融資相談係 創業支援担当(区役所4階28番窓口、電話 03-3647-2331)です。物件が対象に当たるか、以前の事業の扱い、契約と申請の前後関係など、公式ページで判断しにくい点は、契約の前に問い合わせておくと確実です。
