従業員の基本給を引き上げた大分市内の中小企業に、1人あたり1万5千円〜5万円(1社の上限50万円)を大分市が交付します。引き上げ後の賃金を3か月以上支払い終えてから申請する制度なので、賃上げのタイミングが対象かどうかを先に確かめてください。
大分市 賃金引上げ奨励金の要点まとめ
正式名:大分市中小企業等賃金引上げ奨励金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員の賃上げ
- 対象地域
- 大分県大分市
- 従業員数
- 業種ごとに上限あり(小売50人以下〜製造等300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 従業員1人あたり定額(1万5千円〜5万円)
そのほか
- 賃上げの対象期間
- 2026年1月1日〜12月31日
いつ・どこへ
- 申請受付
- 前期2026年8月3日〜11月30日、後期12月1日〜2027年1月29日
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 最低賃金までの増額だけ
- ✕ 役員だけ・個人事業主本人だけ
- ✕ 定期昇給や手当だけの引き上げ
- ✕ みなし大企業に当たる
中小企業者とは、業種ごとの資本金と従業員数の上限で決まります。どちらか一方を満たせば該当します。製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下です。卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下です。
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、中小企業でも対象外になる会社です。NPO法人・公益法人・協同組合などは、資本金(出資総額)が1億円未満であることが条件です。定めがなければ従業員100人以下が目安になります。
対象になる従業員は、大分市内に住所があり、雇用契約を結んでいる人です。区分は次の2つです。
- 正規従業員:期間の定めのない契約で、雇用保険と厚生年金に入っている人
- 非正規従業員:週20時間以上働き、雇用保険に入っている正規以外の人
日々雇い入れる人、2か月以内の契約の人、季節的業務で4か月以内の契約の人、試用期間中の人は対象外です。会社役員(従業員との兼務役員を除く)と個人事業主本人も対象外ですが、家族従業員は対象にできます。申請日までに退職した人も数えられません。従業員が1人でも要件を満たせば申請できます。
申請は市内の事業所から出します。市内に複数の店舗があっても、1つの法人(個人事業主)につき申請は1件にまとめます。法人と個人の両方で事業をしている場合は、別々に申請します。
賃上げはどれだけ上げれば対象?
正規従業員と非正規従業員で、必要な上げ幅が違います。定期昇給の分は除いて数えます。
| 区分 | 賃上げの条件 | 1人あたりの額 |
|---|---|---|
| 正規従業員 | 賃上げ率2.0%以上 | 5万円 |
| 非正規従業員 | 時給20円以上40円未満の引き上げ | 1万5千円 |
| 非正規従業員 | 時給40円以上の引き上げ | 3万円 |
月給25万円の正規従業員なら、2%は5,000円です。基本給を月5,000円以上上げれば、1人あたり5万円の対象になります。
賃上げの対象になるのは基本給(基本賃金)だけです。賞与や役職手当などの定額手当は含みません。ベースアップ(個人の勤続や評価による昇給とは別に、基本給の単価を引き上げること)として行う賃上げが対象です。就業規則に額が決まっていなくても、業績や物価、世間の賃上げ相場に応じた引き上げはベースアップに当たります。
最低賃金の扱いには注意が必要です。賃上げ前の賃金が最低賃金を下回る場合、最低賃金までの増額は賃上げに数えません。市の公式Q&A(問26)が示す基本の要件は3つです。
- 賃上げの前も後も、賃金の支給時点の最低賃金を下回っていない
- 交付申請の予定日でも、支給している賃金がその時点の最低賃金を下回っていない
- 正規・非正規それぞれの賃上げ率・額と3か月の支給を満たしている
令和8年11月1日から、大分県の地域別最低賃金は時間額1,096円(改定前は1,035円)です。11月1日以降に申請するなら、申請予定日の支給賃金が1,096円を下回っていないかを先に確かめてください。10月労働分を11月に払う場合は、改定前の最低賃金と比べます。改定をまたぐ具体例は、市の公式Q&Aの問25・問26にあります。
大分県には、鉄鋼業、非鉄金属製造業、自動車(新車)小売業など5つの産業に特定最低賃金(産業ごとの最低賃金)があります。これに当たる事業は、特定最低賃金を上回っている必要があります。
いくら戻ってくる?
額は、対象になる従業員の区分と人数で決まります。上限の50万円に届くのは、正規従業員なら10人です。
- 正規従業員3人が2%以上の賃上げ:5万円 × 3人 = 15万円
- 非正規のパート4人が時給を20円以上40円未満上げた:1万5千円 × 4人 = 6万円
- 非正規のパート5人が時給を40円以上上げた:3万円 × 5人 = 15万円
- 正規2人(10万円)と、時給40円以上のパート3人(9万円)と、時給20円のパート2人(3万円):合計 22万円
- 正規従業員12人が2%以上の賃上げ:5万円 × 12人 = 60万円 → 上限の50万円
賃上げをする従業員が多いほど額は増えますが、1社の上限は50万円です。人数が多い会社は、上限に届いた時点でそれ以上の増額はありません。
何が賃上げに数えられる?
数えられないものを先に確かめてください。
- 賞与や、役職手当などの定額の手当
- ベースアップ手当や処遇改善加算手当による引き上げ
- 定期昇給の分
- 非正規から正規への転換(雇用形態の変更は賃上げではありません)
- 最低賃金に満たない額から最低賃金までの増額
数えられるものは次のとおりです。
- 月給・日給・時給・年俸のどれで払っていても、基本給単価の引き上げ
- 対象期間内に複数回に分けて行った賃上げ(賃金台帳などの根拠書類が要ります)
- 繁忙期に高い時給を払っている場合は、いちばん低い時給を基準に比べます
固定残業代がある会社は、固定残業代を除いた基本給の額が書類で分かる必要があります。
申請の流れ
- 賃上げを実施する(事業者→従業員。2026年1月1日〜12月31日の間に)
- 引き上げ後の賃金を3か月以上、連続して払う(事業者→従業員。12月31日までに3か月分の支給実績が要ります)
- 書類をそろえる(事業者。電子申請でも賃金引上げ算定表は作って添付します)
- 電子申請・郵送・窓口のどれかで出す(事業者→大分市の事務センター。前期は11月30日、後期は2027年1月29日まで)
- 交付決定の通知を受ける(大分市→事業者。書類に不備がなければ申請から約4週間で振り込まれます)
賃上げを年内に考えているなら、先に何月分の給与から上げるかを給与担当と決めておくことを勧めます。公式Q&Aの問24は、遅くとも10月支給分に係る賃上げが要ると説明しています。12月に上げただけでは3か月に届きません。
賃金の締めが当月締めの翌月払いの会社は、賃上げの基準が支給日ではなく労働した月になります。令和7年12月分の労働から上げて令和8年1月に払った場合は対象外です。
受付は先着順です。予算に達した日が終了日になり、その日に複数の申請があれば抽選で決まります。予算の残額は、大分市の公式ページに1日1回掲載されます。
必要な書類
準備できた 0 / 10
様式第1号と第3号は、電子申請なら画面で入力するため用紙は不要です。履歴事項全部証明書は法人だけ、確定申告書の写しは個人事業主だけが出します。確定申告書は収受印があるものに限り、e-Taxなら受信通知も要ります。口座が申請者名義でないときは、委任状の原本が要ります。履歴事項全部証明書は3か月以内の発行分です。市税完納証明書は申請日から1か月以内の発行分です。
雇用保険の書類は、非正規従業員がいる場合にその全員分が要ります。労働条件通知書と賃金台帳は、賃金引上げ算定表に書いた全員分です。賃上げ後は3か月以上の支払いが分かる賃金台帳が要ります。
様式第2号は、正規従業員用(その1)と非正規従業員用(その2)に分かれています。非正規従業員の賃上げ後3か月の支給が11月1日の最低賃金改定の前か後かで、使うファイルも変わります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 賃上げが対象期間の外:賃上げと3か月の支給は、2026年12月31日までに終わっている必要があります。
- 申請が2回目:申請は1年度に1回までです。前期と後期に分けて申請はできません。
- 同年度に別の賃上げ給付を受けた:大分市から賃上げを目的とする奨励金などの給付をすでに受けていると、誓約書の内容に当てはまらず申請できません。
- 書類の不足を放置:事務局が指定した日までに書類が出ないと、交付されません。
- 虚偽の申請や権利の譲渡:交付決定のあとでも取り消しや返還になることがあります。
- 予算の上限に達した:受付期間の途中でも、予算がなくなれば受付が終わります。
よくある質問
賃上げ奨励金の対象になる会社は?
大分市内に事業所を持つ中小企業者(個人事業主を含む)が対象です。NPO法人・公益法人・協同組合などは、市内に主たる事業所があり、資本金が1億円未満であることが条件になります。大企業が株式の2分の1以上を持つみなし大企業は対象外です。市税を滞納している会社や、最低賃金を下回る賃金を払った会社、同年度に市から賃上げ目的の給付を受けた会社も対象になりません。詳しい除外条件は、市の申請ガイドラインに9項目で載っています。
賃上げ奨励金はいくらもらえますか?
対象の従業員1人あたり、正規従業員が賃上げ率2.0%以上で5万円です。非正規従業員は時給の引き上げ額で決まり、20円以上40円未満なら1万5千円、40円以上なら3万円です。1社あたりの上限は50万円です。たとえば正規従業員3人が2%以上の賃上げなら15万円、時給を40円以上上げたパート5人なら15万円になります。従業員が1人でも要件を満たせば申請できます。
賃上げはいつ行えばよいですか?
対象期間は2026年1月1日から12月31日までです。この間に賃上げを行い、引き上げ後の賃金を3か月以上連続して払う必要があります。つまり12月31日までに3か月分の支給実績が要ります。公式Q&Aは、12月の賃上げだけでは対象にならず、遅くとも10月支給分に係る賃上げが要ると説明しています。賃上げを考えている会社は、実施する月を早めに決めてください。
定期昇給や手当の引き上げも対象になりますか?
なりません。対象は基本給の引き上げだけで、定期昇給の分は除きます。賞与や役職手当などの定額手当も含みません。ベースアップ手当や処遇改善加算手当による引き上げも対象外です。ただし就業規則などに額が決まっておらず、業績や物価、世間の賃上げ相場に応じて基本給の単価を上げた場合は、ベースアップとして対象になります。申請の前に、賃金台帳で基本給単価が上がっているかを確かめてください。
最低賃金までの引き上げは賃上げに数えますか?
数えません。賃上げ前の賃金が最低賃金に満たない場合、最低賃金までの増額は賃上げに含まれません。非正規従業員で賃上げ前の賃金が令和8年1月1日時点の最低賃金を下回っていた人は、その最低賃金から20円以上上げた場合だけ対象になり、令和8年1月に賃上げをした場合に限ります。令和8年11月1日から大分県の最低賃金は時間額1,096円(改定前は1,035円)です。申請予定日の支給賃金も最低賃金以上でなければならないため、改定の前後で判定が変わります。公式Q&Aの問25・問26を確かめてください。大分県に特定最低賃金がある5つの産業は、それを上回る必要があります。
対象になる従業員の条件を教えてください。
大分市内に住所があり、会社と雇用契約を結んでいる従業員です。正規従業員は、期間の定めのない契約で雇用保険と厚生年金に入っている人です。非正規従業員は、週20時間以上働き、雇用保険に入っている人です。会社役員(従業員との兼務役員を除く)や個人事業主本人は対象外です。日々雇い入れる人、2か月以内の契約の人、季節的業務で4か月以内の契約の人、試用期間中の人も対象になりません。申請日までに退職した人も数えられません。
申請は前期と後期の両方でできますか?
できません。申請は1年度に1回までです。前期の受付は2026年8月3日(従業員21人以上は8月13日)から11月30日まで、後期は12月1日から2027年1月29日までですが、前期で申請した会社が後期にもう一度申請することはできません。賃上げ後3か月の支給が終わる時期を見て、前期と後期のどちらで出すかを決めます。受付は先着順で、予算に達すると終了します。
申請は電子申請しかありませんか?
電子申請が原則ですが、郵送でも出せます。電子申請が難しい場合は、大分市役所第2庁舎1階の申請サポート窓口に持ち込めます。窓口の開設は後期の受付期間(12月1日〜2027年1月29日)で、前期の延長期間中は開いていません。前期の延長期間中に書類を持ち込む場合は、本庁舎9階の商工労政課です。期限は方法で違い、電子申請は期間最終日の23時59分、窓口は最終日の窓口の開設時間内(午後5時まで)です。郵送は消印ではなく最終日必着なので、期限に余裕をもって送ってください。
申請から振り込みまでどれくらいかかりますか?
書類に不備がなければ、申請からおよそ4週間を予定しています。審査のあとに、交付決定通知書または不交付決定通知書が届き、交付が決まった会社には申請書に書いた口座へ振り込まれます。書類に不足があると、事務局が不足分の提出を依頼します。指定された日までに出せないと交付されません。具体的な振込日の決まりは公式ページに載っていないため、コールセンターで確かめてください。
受け取った奨励金のあとの手続きはありますか?
交付を受けた会社は、申請に使った書類と帳簿を、交付決定の翌年度から5年間保存します。市が必要と認めたときは、書類の検査があります。市の監査委員から求められたときは、いつでも監査を受けなければなりません。虚偽の申請や、交付を受ける権利を第三者に譲ったときは、交付の取り消しや返還の対象になります。書類は捨てずに保管してください。
問い合わせ先はどこですか?
大分市の商工労働観光部 商工労政課(電話 097-537-5964)です。申請の手続きについては、コールセンター(電話 097-594-5678、平日午前9時〜午後5時15分)でも答えてもらえます。コールセンターの設置期間は令和9年2月26日までです。賃上げが対象に入るかどうか迷う場合は、賃金台帳と労働条件通知書を手元に置いて問い合わせると、話が早く進みます。
