看護学校や保育士の養成校に通う間は、区から訓練促進給付金が支給されます。ただ、入学金や教材費が要るのは入学のときで、給付金は修学期間中に支給される仕組みです。この差を埋めるのが、東京都社会福祉協議会(東社協)の入学準備金と就職準備金です。
台東区の人は、台東区社会福祉協議会(台東区社協)の窓口に申し込みます。借りられるのは入学準備金が50万円以内、就職準備金が20万円以内です。資格を取った日から1年以内に東京都内で就職し、5年間働き続けると、返済は全額免除になります。
台東区 ひとり親家庭の高等職業訓練促進資金貸付の要点まとめ
正式名:ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業【入学準備金・就職準備金】
だれが
- 申請者
- 個人(本人)
- 対象業種
- 指定なし(個人が申請)
- 利用目的
- 資格取得中の入学費用と、就職時の準備費用
- 対象地域
- 東京都台東区
- 従業員数
- 規定なし(個人が申請)
いくら
- 補助上限額
- 入学準備金50万円以内・就職準備金20万円以内
- 補助率
- 貸付(連帯保証人ありは無利子)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 入学日から3か月以内(就職準備金は就職決定から3か月以内)
最初に動くのは社協ではなく区役所
この貸付は、区が支給する訓練促進給付金を受ける人だけが借りられます。順番は区役所の相談が先です。台東区役所 子育て・若者支援課(03-5246-1232)に、給付金の事前相談を申し込んでください。台東区の給付金のページには、事前相談は予約制と書かれています。同じページには、子育て支援課庶務担当(03-5246-1237)の連絡先も出ています。
給付金と貸付は、別の制度です。窓口も実施するところも違います。
| 区分 | 訓練促進給付金 | 入学準備金・就職準備金 |
|---|---|---|
| 実施するところ | 台東区 | 東京都社会福祉協議会 |
| 申込み窓口 | 台東区役所 子育て・若者支援課 | 台東区社会福祉協議会 生活支援係 |
| お金の性格 | 給付(借金ではありません) | 貸付(免除の条件あり) |
| 渡される時期 | 修学期間中 | 入学準備金は入学後、就職準備金は就職後 |
台東区の給付金の対象資格は看護師、保育士、介護福祉士、美容師、一級建築士、社会保険労務士など幅広く並んでいます。自分の資格が入るかは、区の給付金のページで確かめられます。
自分は借りられる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
3つ目は、免除になる見込みがあることを指します。「資格を取ったら都外で働く」と決めている場合は、免除の条件を満たしません。
次のどれかに当たると、貸付の対象外です。
- ✕ 入学準備金と教育訓練給付金を併用
- ✕ 保育士等の修学資金と併用
- ✕ 暴力団員が属する世帯
併用できない給付と貸付は教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践)、母子家庭及び父子家庭自立支援教育訓練給付金、介護福祉士等修学資金貸付金、保育士修学資金貸付金です。貸付のあとで分かった場合は、一括返金になります。これ以外の理由でも、審査の結果で貸付けできないことがあります。
いくら借りられる?
借りられるのは2種類です。どちらか片方だけ借りることもできます。
| 資金 | 貸付額 | 使い道 |
|---|---|---|
| 入学準備金 | 50万円以内 | 入学金、教材費、参考書、学用品、交通費など |
| 就職準備金 | 20万円以内 | 転居費用、被服費、通勤にかかる費用など |
両方借りた場合の上限は、50万円 + 20万円 = 70万円です。
連帯保証人を立てると無利子です。立てない場合は、返済猶予の期間が過ぎたあと年1.0%がかかります。保証人は65歳未満で、本人と生計も世帯も別の人が条件です。東社協が貸している別の貸付の保証人になっている人は、引き受けられません。
免除にならず返済に回った場合、無利子なら月々の目安は次のとおりです。
- 入学準備金:50万円 ÷ 60か月 = 約8,300円(月)
- 就職準備金:20万円 ÷ 24か月 = 約8,300円(月)
返済期間は入学準備金が5年以内、就職準備金が2年以内です。
連帯保証人を立てなかった場合の利子は、返済猶予の期間が過ぎたあと、元金が減る前の1年目で 50万円 × 1.0% = 年5,000円が目安です。
借りるまでの申請の流れ
入学準備金は、入学前から申請できます。期限は入学した日から3か月以内です。就職準備金は課程を修了して資格を取り、就職が決まった日から3か月以内です。
- 区の給付金の事前相談を受ける(本人→台東区役所 子育て・若者支援課。修学前に)
- 申込書類を出す(本人→台東区社協 生活支援係。入学準備金は入学日から3か月以内)
- 審査を待つ(東社協。書類の追加を頼まれることがあります)
- 貸付決定の通知を受け取る(東社協→本人と連帯保証人。郵送)
- 借用書を出す(本人と連帯保証人→台東区社協。実印と印紙、印鑑登録証明書が要ります)
- 貸付金を受け取る(東社協→本人。借用書に不備がなければ20日以内に送金)
- 使い道の報告を出す(本人→東社協。領収書などの写し)
入学準備金の交付は給付金の支給決定後で、養成機関に入学したあとです。入学金の納付期限と前後する場合は、養成機関に納付の時期を相談しておく手があります。
必要な書類
準備できた 0 / 8
住民票はマイナンバーを記載せず、続柄と世帯員全員が載ったもので、発行から3か月以内のものです。事前相談終了証明書は、給付金の決定前に申請する人が出します。決定後に申請する人は、給付金の決定通知の写しを出します。印鑑登録証明書は、貸付決定のあとに本人と連帯保証人の分が要ります。
就職準備金では修了証、資格の登録を証明する書類、区が出した修了支援給付金の決定通知、採用通知などの写しと、就職の費用が分かる書類を出します。就業は、都内で雇用開始日と週20時間以上が確認できるものが必要です。書類は台東区社協に確認するのが確実です。
返済が免除される条件
養成機関を修了して資格を取った日から1年以内に、東京都内で就職し、その資格が必要な業務に5年間就業を続けると、申請により返済は全額免除されます。週の所定労働時間が20時間以上であれば、雇用形態は問われません。
資格取得は都外の養成機関でも構いませんが、就業は都内に限ります。
免除が決まるまでの間は、修学や就業の継続を示す書類を出す必要があります。在学・在職の届は、毎年5月末までに返済猶予の申請書類と一緒に出します。出し忘れると返済になるので、毎年の予定に入れておくと安心です。
東社協の案内には、免除された金額は原則として一時所得扱いになると書かれています。確定申告が要るかどうかは、税務署か税理士に確かめてください。
返済になってしまうとき
- 都外で就職した:修了後に東京都外で働くと、返済が始まります。
- 週20時間を切った:返済を猶予してもらう期間中も、連続して週20時間以上の就労が条件です。
- 途中で対象から外れた:再婚で一人親でなくなる、子が20歳になる、退学した、などの場合は返済です。
- 目的に合わない使い方をした:不正が認められた場合や、貸付の目的に反する使用が確認された場合は一括返金を求められます。
返済が始まるのは、事由が生じた月の翌月からです。返済期間を過ぎても残りがあると、残元金に年3%の延滞利子がつきます。病気や失業で返済が難しくなったときは、東社協に相談できます。連絡せずに滞納すると、督促状が届きます。
よくある質問
区の給付金を受けていなくても借りられますか?
借りられません。貸付の対象は、東京都内の区市が実施する訓練促進給付金の支給を受ける人(受給が決定した人)です。そのため、先に区役所の子育て・若者支援課に給付金の事前相談をします。台東区の給付金のページによると、事前相談は予約制です。給付金の窓口で貸付の案内を受け、必要な証明書が出た段階から借入れを申し込めます。
入学準備金と就職準備金は、両方借りないといけませんか?
どちらか一方だけ借りることもできます。入学準備金だけ借りて、就職準備金は借りないという選び方も可能です。両方借りた場合の上限は、50万円と20万円を合わせた70万円です。借りるお金は返済か免除になるものなので、使い道と返済の見込みを考えて必要な分だけ申し込むと整理しやすくなります。他の貸付との併用は、入学準備金では一部が認められていません。
連帯保証人は必ず必要ですか?
必須ではありませんが、立てた場合は無利子になります。立てない場合は、返済猶予の期間が過ぎたあと年1.0%の利子がかかります。保証人になれるのは65歳未満で、本人と別生計・別世帯の人で、本人に代わって返済できる人です。東社協が債権者の別の貸付で保証人になっている人は、返済か免除が終わるまで引き受けられません。原則として、返済が終わるまで保証人は変更できません。
いつまでに申し込めばいいですか?
入学準備金は、養成機関に入学した日から3か月以内に申し込みます。入学前から申請できます。就職準備金は課程を修了して資格を取り、就職が決まった日から3か月以内です。6月30日以降に入学準備金を申請する場合は、入学の日付が分かる書類が要ります。台東区の給付金の事前相談は予約制なので、入学が決まったら早めに区役所へ連絡しておくと間に合わせやすくなります。
返済が免除される条件は何ですか?
養成機関を修了して資格を取った日から1年以内に東京都内で就職し、その資格が必要な業務で5年間就業を続けることです。週の所定労働時間は20時間以上で、正社員でもパートでも構いません。条件を満たしたら申請して、返済債務の全額が免除されます。災害や病気など、やむを得ない事情で続けられない場合は全部または一部が免除されることもあります。事情が生じたら東社協に連絡してください。
資格を取ったあと、東京都の外で働くことになったら?
返済になります。免除の条件は、東京都内での就職と5年間の就業です。資格を取った養成機関が都外でも構いませんが、働く場所は都内に限られます。都外で働く予定があるなら、貸付は慎重に考えたほうがよい場面です。転居や転職、退職など状況が変わったときは必ず東社協に連絡する決まりです。返済が始まるのは事由が生じた月の翌月で、延滞すると年3%の利子がつきます。
教育訓練給付金と一緒に使えますか?
入学準備金は使えません。雇用保険の一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、母子家庭及び父子家庭自立支援教育訓練給付金との併給はできないと案内されています。貸付のあとに申し込んで決定すると、貸付金を一括で返すことになります。介護福祉士等修学資金貸付金や保育士修学資金貸付金も併用できません。どの制度を選ぶかは、区の窓口で相談できます。
お金はいつ振り込まれますか?
借用書を東社協が受け取り、記載内容に不備がなければ、20日以内に指定の口座へ送金されます。入学準備金は給付金の支給決定後なので、養成機関に入学したあとです。就職準備金は、原則として就職後です。入学金の納付期限が先に来る場合に間に合うかどうかは、案内に書かれていません。納付の時期は養成機関に相談し、東社協や台東区社協にも確かめると確実です。
審査に通らないことはありますか?
あります。資金の具体的な使い道は制度の目的に応じて個別に審査され、不承認になる場合があります。不承認の理由は開示されないと案内されています。東社協が貸している別の貸付で返済に滞納があると、貸付けできない場合もあります。借りたあとは、領収書などの写しで使い道を報告します。出さないと、目的どおりに使われなかったとみなされ、返済を求められることがあります。
途中で退学したり、再婚したりしたらどうなりますか?
入学準備金は、修了までに給付金の対象でなくなると返済になります。たとえば在学中に再婚してひとり親でなくなった場合、子が20歳になった場合、退学した場合です。免除の条件を満たせなくなるので、返済の期間に入ります。状況が変わったときは、必ず東社協に連絡してください。やむを得ない事由で続けられないときは免除の一部が認められることもあるため、早めの相談が役に立ちます。
免除されたら税金はかかりますか?
返済が免除された金額は、原則として一時所得として扱われます。そのため、必要に応じて確定申告などの手続きをします。実際に税額が出るかどうかは、ほかの所得や控除によって変わります。案内には金額ごとの目安は書かれていません。税務署か税理士に確かめてください。免除が決まったときの通知と金額が分かる書類は、申告のために手元に残しておくと困りません。
問い合わせ先はどこですか?
申込み窓口は台東区社会福祉協議会 生活支援係(電話 03-5828-7547、平日8時30分〜17時15分)です。貸付そのものの質問は、東京都社会福祉協議会の担当(電話 03-3268-7189)が受けています。給付金の事前相談は、台東区役所 子育て・若者支援課(電話 03-5246-1232)です。給付金のページには子育て支援課庶務担当(電話 03-5246-1237)も載っています。窓口が分かれているので、「給付金は区役所、貸付は社協」と覚えておくと迷いません。
