取引先から「SBT認定を取ってほしい」と言われても、排出量の算定と削減計画づくりを外部に頼めば、費用は小さくありません。高松市は、その委託費とSBTiへの認定申請費の半分(上限100万円)を補助します。補助事業のあとにSBT認定を取れなかったときは、補助金を返すことになります。
SBT認定とは、会社が決めた温室効果ガスの削減目標が、パリ協定の水準に合うと国際的な組織のSBTiに認めてもらう仕組みです。この補助金は、中小企業向けの認定が対象です。
高松市中小企業向けSBT認定取得事業補助金の要点まとめ
正式名:高松市中小企業向け温室効果ガス排出削減目標(SBT)認定取得事業補助金
だれが
- 申請者
- 中小企業者等(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし。金融、石油・ガス業はSBT認定側で対象外
- 利用目的
- 排出量の算定・削減目標の設定・SBT認定の取得
- 対象地域
- 香川県高松市(市内に本社か主たる事業所がある事業者)
- 従業員数
- 業種で異なる。製造等300人以下、卸売・サービス100人以下、小売50人以下
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 対象経費の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月15日〜2026年11月30日。予算800万円に達し次第終了
- 事業の完了
- 実績報告は完了後2か月以内か2027年2月26日の早い日まで
うちの会社は対象になる?
次の7つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 金融機関・石油ガス業に分類される
- ✕ 海運船舶を所有・支配している
- ✕ 再エネ以外の発電資産を持つ
- ✕ 親会社が通常版SBTの対象である
- ✕ CO2削減目標設定補助金を受ける予定
中小企業者等とは、要綱では次の者を指します。業種ごとに資本金と従業員数の上限がある会社と個人、中小企業団体、青色申告をしている個人事業主、医療法人、社会福祉法人、学校法人、一般社団法人・一般財団法人(従業員数が基準以下)などです。会社と個人の上限は、製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下です。どちらか一方を満たせば該当します。ソフトウェア業は3億円か300人、旅館業は5,000万円か200人、ゴム製品製造業は3億円か900人です。
Scope1は、自社が燃料を燃やすなどして直接出す排出です。Scope2は、買った電気や熱の使用による間接的な排出です。この2つの合計が年1万トン未満である必要があります。排出量がまだ分からない会社は、算定を委託する段階から補助の対象です。
申請のときは、公的資金の交付先としてふさわしいことも求められます。暴力団排除の誓約書には、必要な場合に香川県警察本部へ照会することへの承諾が含まれます。
SBTiの中小企業向け認定には、ほかに4つの項目があります。従業員250人未満と、売上高5,000万ユーロ未満と、総資産2,500万ユーロ未満と、森林・土地・農業セクターでないことで、3項目以上を満たす必要があります。ユーロは1ユーロ166円で換算します。売上高は約83億円、総資産は約41.5億円が目安です。
いくら補助される?
補助率は対象経費の2分の1で、1,000円未満は切り捨てです。上限の100万円に届くのは、対象経費が200万円以上のときです。消費税は含めません。予算は800万円なので、満額の申請なら8社分で尽きます。
- 製造業が工場の電気・ガス使用量の算定と削減計画づくりを委託し、認定申請まで進める。経費は100万円:100万円 × 1/2 = 50万円
- 運送業が車両の燃料使用量から排出量を算定し、削減目標を決める。経費は170万円:170万円 × 1/2 = 85万円
- 卸売業が複数の倉庫を含めて算定し、外部の助言も受ける。経費は250万円:250万円 × 1/2 = 125万円 → 上限の100万円
3つ目は、上限を超えた25万円分が補助されない計算です。金額は計算の例で、実際の経費は見積もりで決まります。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定日より前に発生した経費
- 補助金の交付申請年度の2月末日より後に発生した経費
- 事業に直接関係のない経費
- 事務所の家賃など、経常的な運営費
- 事故や災害の処理のための経費
- 補助金の交付申請の手続きにかかる経費
- 振込手数料
- 消費税・地方消費税
対象になるもの
- 排出量の算定、削減目標の設定、削減計画の策定を外部に頼む外注費
- 外部の人材の派遣や助言を受ける共同実施費
- 中小企業向けSBT認定の申請費用
認定の申請費用はドル建てです。手引きは、1ドル149円に換算して算定するとしています。
申請から報告までの流れ
- 見積もりを取る(事業者→委託先。申請前に)
- 交付申請書を出す(事業者→ゼロカーボンシティ推進課。郵送か持参。2026年11月30日まで)
- 交付決定を待つ(市→事業者。通知のあとに事業を始める)
- 算定・目標設定・削減計画を進め、認定を申請する(事業者→委託先・SBTi。経費の対象は交付決定日から2027年2月末日まで)
- 実績報告を出す(事業者→市。完了後2か月以内か2027年2月26日の早い日)
- 額の確定と請求(市→事業者。完了検査、交付指令書のあとに請求書を出す)
- 認定の写しを出す(事業者→市。届き次第すぐに。2027年10月15日までに認定が必要)
- 取組報告書を出す(事業者→市。2028年6月30日まで)
事業の完了日は、委託先の報告を受けて費用を払い終えた日と、SBT認定を申請した日のうち、遅い方です。自社だけで進めるときは、認定を申請した日が完了日です。
必要な書類
準備できた 0 / 10
見積書は、経費の内訳や明細が項目ごとに分かるものにします。登記事項証明書(履歴事項全部証明書)と滞納無証明書は、発行から3か月以内のものです。中小企業の確認書類は、登記事項証明書で確認できれば出さなくて済みます。
実績報告のときは、次の書類を出します。
- 実績報告書(様式第6号)
- 事業実績書と脱炭素取組宣言(様式第7号)、経費所要額精算調書
- 業務委託契約書の写し(注文書と注文請書でも可)
- 経費の明細書と根拠資料の写し
- 領収書の写し(収入印紙を貼って消印したもの)
- SBT認定を申請したことが分かる書類(SBTiからの送金指示書と送金の控えなど)
- 削減目標と削減計画の内容を書いた報告書
書類に修正液や修正テープは使えません。提出した書類は返却されないので、控えは自分で取っておきます。
補助金をもらえなくなるのはどんなとき?
- 認定が取れなかった:2027年10月15日までに認定を取れないと、補助金の返還を求められます。認定取得の目途が立っているなどの特段の事情は、考慮されます。
- 交付決定日より前に費用が発生した:契約や支払いを先にすると、その分は対象外です。
- 2月末日を過ぎて発生した経費:交付申請年度の2月末日までの経費しか対象になりません。
- CO2削減目標設定補助金と重なった:市の同じ分野の補助金を受ける、または受ける予定の事業は、要綱で対象外です。
- 予算がなくなった:先着順で、800万円に達した時点で受付が終わります。
- 取組報告書を出さなかった:正当な理由なく出さないと、返還を求められることがあります。
受付期間の延長と、市のほかの脱炭素補助金
受付期間は、2026年11月30日(月)まで延長されました。時期が延びても、予算がなくなれば終わります。
高松市には、同じ脱炭素経営の分野に「CO2削減目標設定補助金」と「脱炭素ファイナンス利用補助金」があります。CO2削減目標設定補助金を受ける、または受ける予定の事業は、この補助金の対象外です。要綱の第4条に書かれています。脱炭素ファイナンス利用補助金との併用については、この補助金の資料に記載がありません。どちらを使うか決めたうえで、窓口に確かめてください。
よくある質問
排出量の算定がまだでも申請できますか?
申請できます。排出量の算定と削減目標の設定と削減計画の策定にかかる委託料が、対象経費に入っているためです。算定の委託から認定の申請までを、ひとつの補助事業として進められます。ただし、温室効果ガスの現状把握はGHGプロトコルに基づくことが要件です。委託先を決めるときに、この点を確かめておくと安心です。
SBT認定を取れなかったら、補助金は返しますか?
返還を求められます。補助事業の完了後に中小企業向けSBT認定を取ることが要件で、2027年10月15日までに取れない場合は特段の事情を除いて返還が必要です。特段の事情とは認定取得の目途が立っている場合などです。申請の前に、自社が認定の要件に合うかを委託先と確かめておくのが確実です。
上限の100万円を超える費用がかかったらどうなりますか?
補助額は100万円までで超えた分は自己負担です。経費が200万円のときにちょうど上限に届きます。たとえば経費が250万円なら、補助額は125万円ではなく100万円です。委託の見積もりを取る段階で、上限に届く金額を意識しておくと、どこまでを補助事業にするか決めやすくなります。
交付決定の前に委託契約を結んでもいいですか?
避けてください。対象経費は交付決定の日から交付申請年度の2月末日までに発生したものに限ります。決定の前に契約や支払いを済ませた分は補助されません。手続きの流れも、交付決定のあとに事業を始める順番です。見積もりを取ることは構いません。委託先には、交付決定の通知が届いてから契約したいと、先に伝えておくと話が早く進みます。
事業の完了日と実績報告の期限はいつですか?
委託する場合の完了日は、委託先から報告を受けて費用を払い終えた日と、SBT認定を申請した日のうち、遅い方です。実績報告は完了後2か月以内、または2027年2月26日のいずれか早い日までに出します。実績報告は2027年2月26日までに出す必要があるため、認定の申請と支払いは、その日から逆算して余裕をもって組みます。
認定の申請費用はドルで払うのですか?
SBTiへの申請費用はドル建てで、手引きは1ドル149円に換算して補助の対象額を算定するとしています。実績報告では、SBTiからの送金指示書と送金の控えなど認定を申請したことが分かる書類が必要です。為替のずれで差額が出る場合の扱いは、手引きに書かれていませんでした。窓口に確かめてください。
自社だけで排出量を算定する場合も補助されますか?
自社の従業員の人件費が対象になるとは、市の資料に書かれていません。対象経費の区分は外注費と共同実施費と認定の申請費用などです。人件費の区分があるのは、共同で実施する副実施機関の分です。自社で進める場合、認定の申請費用だけが対象になる可能性があります。実際の扱いは、ゼロカーボンシティ推進課に問い合わせてください。
事業者名は公表されますか?
公表されます。補助対象者として事業者名が公表されることと、事業の成果が市のホームページなどに載ることへの同意が申請の要件です。企業情報や個人情報を事業に必要な範囲で市が使うことにも同意します。取引先に知られたくない事情がある場合は、申請の前に確かめてください。
認定を取ったあとにも、報告は必要ですか?
必要です。認定の写しは届き次第すぐに出します。さらに認定後の脱炭素の取組を報告する取組報告書を、2028年6月30日までに出します。書く排出量は、申請した年度の翌年度の決算書などにもとづきます。CO2算定支援ツールの画面や計算の表など、数字の根拠資料も付けます。
申請後に事業の内容を変えたくなりました。
交付決定の後に事業の内容が変わるときは、変更承認申請書(様式第9号)に事業計画書を添えて市長に出し、承認を受けます。ただし変更によって申請金額を増やすことはできません。事業を廃止または中止する場合も、廃止(中止)承認申請書(様式第12号)の承認が要ります。変更が見えた時点で、早めに窓口へ連絡してください。計画を大きく変える前に、まず市へ相談するのが安全です。
従業員の数え方で迷います。正社員以外は含まれますか?
労働基準法第20条の「解雇の予告を必要とする者」は、従業員として数えます。正社員に近い働き方の人は含まれると、手引きに書かれています。中小企業の判定は、資本金か従業員数のどちらか一方が基準を満たせば足ります。数え方で迷うときは、登記事項証明書と決算報告書を手元に置いて、窓口に相談すると早く決まります。
申請書の出し方と問い合わせ先はどこですか?
郵送か持参で、高松市環境局ゼロカーボンシティ推進課(本庁舎13階)に出します。郵送は、書留など配達の記録が残る方法に限ります。受付は平日の8時30分から17時までで、電話は087-839-2393です。書類に不足や不備があると受け付けてもらえないので、出す前に手引きの一覧と照らして確かめてください。
