名前は「高等職業訓練促進資金貸付」ですが、この資金の使い道は学費ではありません。借りられるのは、住んでいる家の家賃です。月7万円以内で最長12か月、無利子で、保証人も要りません。就職や転職などの条件を満たして1年働き続けると、返済は全額免除されます。
ひとり親家庭住宅支援資金の要点まとめ
正式名:ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業 住宅支援資金
だれが
- 申請者
- 個人(本人)。児童扶養手当を受けているひとり親
- 対象業種
- 指定なし(個人が申請)
- 利用目的
- 自立に向けた就職・転職のあいだの家賃の借り入れ
- 対象地域
- 東京都多摩市(原則として都内に住民登録している人)
- 従業員数
- 規定なし(個人が申請)
いくら
- 補助上限額
- 月額7万円以内(最長12か月)。貸付であり給付ではない
- 補助率
- 補助率なし。無利子の貸付で、条件を満たせば全額免除
いつ・どこへ
- 申請受付
- 受付期間の定めは公式に記載なし(プログラム策定の証明から3か月以内に申込)
実施するのは東京都社会福祉協議会(東社協)です。国と東京都の補助を受けた公的な貸付で、多摩市は、プログラムの策定の窓口と、貸付の申込の取り次ぎ先になります。
自分は対象になる?
次の4つに、初回の貸付金が交付される日にすべて当てはまることが条件です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「児童扶養手当を受けている」には、所得が同じ水準の人も含まれます。所得が基準を超えた場合も、超えてから1年以内なら対象です。
自立支援プログラムとは、母子・父子自立支援プログラムのことです。市の窓口で、就職や転職までの計画を立てて受ける手続きです。目指す自立は次のどれかです。
- 就職、またはより高い所得が見込まれる転職
- 資格取得などによる、同じ職場での所得アップ
- 安定した就労につながる転職
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 前の住宅支援資金が免除・完済前
- ✕ 初回交付日より前に目標を達成した
- ✕ 暴力団員がいる世帯
- ✕ 貸付期間中にプログラムの対象外になった
「初回交付日より前に目標を達成した」とは、たとえば初回の入金より前に就職や転職が済んでいた場合です。就職日などが変わったときは、東社協に連絡します。
貸付の途中で再婚してひとり親でなくなった場合や、生活保護を受けた場合、プログラムを実施していない自治体へ転居した場合も、貸付の対象外になります。
いくら借りられて、いくら返す?
借りられる額は、家賃の月額で決まります。上限は月7万円です。
- 家賃が月6万円:6万円(家賃の額まで)
- 家賃が月8万円:7万円(上限で頭打ち)
- 満額を12か月:7万円 × 12か月 = 84万円
家賃には管理費と共益費を含みます。保険料や駐車料は含みません。
住居確保給付金など、ほかの家賃補助と併用もできます。ただし、貸付の上限は「家賃額から、ほかの制度の支援額を引いた差額」になります。
- 家賃が月8万円で、ほかの制度から月3万円の支援:8万円 − 3万円 = 5万円が上限
貸付の利子はかかりません。返済の期間は5年(60か月)以内です。返済期間を過ぎても終わらないときは、残った元金に年3%の延滞利子がかかります。
返済が全額免除される条件は、次のとおりです。
- 貸付時に就業していない人:初回交付日から1年以内に就職し、1年間続けて働く
- 貸付時に就業している人:プログラム策定時より高い所得が見込まれる転職などをして、1年間続けて働く
1年間は通算で数えます。同じ職場で続ける必要はなく、離職して求職活動をしている期間も、書面で確認できれば最長6か月まで入ります。
免除は申請が要ります。免除された金額は非課税です。
免除にならなかったときは、貸付契約が解除された時点か、貸付が終わって1年が過ぎた時点から、月賦で返します。災害や病気などで返済が難しくなったら、東社協に相談できます。
申請の流れ
- プログラムの策定を受ける(本人→多摩市 子ども・若者政策課。電話042-338-6833。事前予約が必要)
- 借入申込書に記入し、策定証明を受ける(本人→同課。貸付の対象になりうる場合に発行)
- 多摩市社会福祉協議会へ申し込む(本人→多摩市社協。電話042-373-5622。策定証明から3か月以内。事前予約が必要)
- 審査を待つ(東社協。可否は郵送で通知。不承認の理由は開示されない)
- 借用書などを出す(本人→申込先の社協。実印、印鑑登録証明書、収入印紙が要る)
- 貸付金を受け取る(東社協→本人。3か月ごとに最大4回)
書類の不備がなければ、申請書類を出してから初回の入金までは、おおむね50日です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
最後の2つは、受けている人だけが出します。
住民票は、マイナンバーなしで、続柄と世帯員全員が載ったものを出します。発行から3か月以内で、写しは使えません。借入申込書の入手先は、公式のパンフレットには書かれていません。窓口で確かめてください。
プログラム策定証明書は、借入申込書の市の記入欄で証明を受けます。
賃貸借契約書の写しには、住所、月額の家賃、管理費・共益費、契約期間、契約当事者、更新条件、支払い方法(前月払いか当月払いか)が載っている必要があります。
貸付が決まったあとは、印鑑登録証明書(借用書の提出から3か月以内に発行)が要ります。借用書には収入印紙を貼って、実印で押印します。
借りたあとに気をつけること
- 状況が変わったら東社協へ連絡する:転居や契約更新で家賃が変わったとき、住居確保給付金など他制度の支援を受け始めたときが対象です。
- 途中で対象外になる:再婚、生活保護の受給、プログラムを実施していない自治体への転居で、貸付の対象外になります。
- 偽りや目的外の使用:不正が見つかると、一括返金を求められることがあります。
- 免除の申請を忘れる:免除は申請が要ります。市で就職・転職等確認書を出してもらい、雇用証明書や返済免除申請書とあわせて東社協に送ります。
よくある質問
この資金で大学や専門学校の学費は借りられますか?
借りられません。この資金の使い道は、住んでいる家の家賃だけです。名前に「高等職業訓練促進」と付いていますが、学費や生活費を貸す制度ではありません。公式のパンフレットでは、貸付の対象となる資金の使い道を「入居している住宅の家賃」と定めています。同じ貸付事業には、養成機関に通って資格を目指す人向けに、入学準備金・就職準備金の「訓練促進資金」もあります。そちらは別の資金で、条件も窓口の案内も違います。学費に当たる資金が目的なら、東京都社会福祉協議会に確かめてください。
返済はどんな場合に免除されますか?
就業していない人が、初回の貸付金の交付から1年以内に就職し、1年間続けて働いた場合です。すでに働いている人は、プログラムを立てたときより高い所得が見込まれる転職などをして、1年間続けて働いた場合に当たります。どちらも申請すると全額が免除され、免除された金額は非課税です。就職や転職の確認書は、プログラムを立てた市に出してもらい、東社協に送ります。
免除にならなかったら、すぐ返さないといけませんか?
すぐには返しません。貸付契約が解除されたときか、貸付が終わって1年が過ぎたときから、月賦で返済します。返済の期間は5年(60か月)以内で、貸付の利子はかかりません。期間を過ぎても返し終わらないと、残った元金に年3%の延滞利子がかかります。災害、病気、けがなどで返すのが難しくなったときは、東社協に相談できます。ただし、偽りの申込みや目的外の使用があった場合は、一括で返すよう求められることがあります。
保証人は必要ですか?
要りません。パンフレットに「無利子(連帯保証人不要)」と書かれています。借用書には実印を押し、印鑑登録証明書と収入印紙が要ります。貸付が決まってから、申込先の社会福祉協議会に出します。保証人を探す必要がないぶん、書類の準備は本人が進めることになります。借用書の書き方に迷ったら、申込先の社協に聞いてください。
家賃が7万円を超えていても申し込めますか?
申し込めます。ただし借りられるのは月7万円までで、超えた分は自分で払います。家賃が月8万円なら、貸付は7万円です。ほかの制度から家賃の支援を受けている場合は、家賃からその支援額を引いた差額が上限になります。たとえば家賃8万円で3万円の支援があれば、借りられるのは最大5万円です。管理費と共益費は家賃に含まれ、保険料や駐車料は含まれません。
申し込みの期限はありますか?
プログラム策定の証明を受けてから3か月以内に申し込みます。この期限を過ぎると申し込めなくなるので、証明を受けたら、書類の準備を急いでください。制度そのものの受付期間は、公式ページに記載がありません。相談と申請は事前予約が必要です。プログラムの策定は多摩市の子ども・若者政策課、貸付の申請は多摩市社会福祉協議会に予約を入れます。
審査に落ちたら理由を教えてもらえますか?
教えてもらえません。パンフレットに「不承認の場合、理由は開示しません」とあります。東社協が債権者である別の貸付で返済が滞っている場合は、貸付けできないこともあります。申し込む前に、ほかの貸付の返済状況を整理しておくと安心です。可否は、借入希望者、社協、市に郵送で通知されます。
いつ、どのように貸付金が入りますか?
3か月ごとに、最大4回に分けて、指定した口座へ入金されます。借用書が東社協に受理されて審査を通ったあとの入金です。書類の不備がなければ、申請書類を出してから初回の入金までは、おおむね50日かかります。引っ越し直後の初期費用のように、すぐ必要なお金には間に合わないことがあるので、申し込みの時期は余裕をもって決めましょう。
すでに就職が決まっていても借りられますか?
初回の交付日より前に就職や転職が済んでいる場合は、対象外です。目標の達成が、初回の交付日より後でなければなりません。貸付が決まったあとに、予定していた就職日などが変わったときは、東社協に連絡します。就職がすでに決まっている、あるいは決まりそうなときは、プログラムを立てる段階で、市の窓口にその時期を伝えて相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
プログラムの策定は、多摩市役所の子ども・若者政策課(電話042-338-6833)です。貸付の申請は多摩市社会福祉協議会(電話042-373-5622)が窓口で、どちらも事前予約が要ります。制度そのものの問い合わせは、東京都社会福祉協議会の「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金」担当(電話03-3268-7189)です。
