障害者を一人も雇っていない中小企業が、初めて1人を雇い入れて6か月続けると、最大120万円が支給されます。重度障害者なら週10時間から対象になります。週20時間以上で雇う場合は、国の特開金(特定求職者雇用開発助成金)の支給決定が前提です。
申請できる期間は短く、雇入れの6か月後から2か月以内です。雇う日の時点で、申請の期日まで決めておくと安心です。
東京都中小企業障害者雇用スタート支援奨励金の要点まとめ
正式名:東京都中小企業障害者雇用スタート支援奨励金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(業種別に規模の上限あり)
- 利用目的
- 障害者の初めての雇用(雇用・職場環境の改善)
- 対象地域
- 東京都(雇う人は都内の事業所で勤務)
- 従業員数
- 小売・飲食50人以下など業種で異なる(本文参照)
いくら
- 補助上限額
- 最大120万円(重度障害者を週30時間以上で雇う場合)
- 補助率
- 定額(週の労働時間と障害の区分で決まる額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 雇入れ日から6か月経過した日の翌日から2か月以内
- 事業の完了
- 6か月の継続雇用と賃金の支払いが完了していること
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 特例子会社などの事業主
- ✕ 就労継続支援A型を実施している
- ✕ 過去に本奨励金を受給した
- ✕ 都税の未納がある
- ✕ 過去5年に重大な法令違反がある
- ✕ 風俗営業などを行っている
中小事業主かどうかは、業種ごとに次の基準で決まります。資本金か常時雇用する労働者数の、どちらか一方を満たせば該当します。
| 業種 | 資本金または常時雇用する労働者数 |
|---|---|
| 小売業・飲食店 | 5,000万円以下または50人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下または100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下または100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下または300人以下 |
「障害者の雇用実績がない」とは、障害者が1人も雇用されていない状態を指します。手引きは、障害者雇用状況報告書(通称ロクイチ報告)の提出義務がある事業主を対象にしています。申請には、雇入れの直前にハローワークへ出した報告書の写しを付けます。提出義務があるかどうかは、管轄のハローワークで確かめてください。
特例子会社は、障害者の雇用に特別な配慮をした子会社として国が認定した会社です。この奨励金の対象外になります。関係会社、関係子会社、事業協同組合等に係る事業主も対象外です。
対象の障害者は、身体障害者と知的障害者と、精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者です。発達障害の診断だけでは、この奨励金の対象に入りません。
区分と労働時間で金額はどう変わる?
支給額は、週の所定労働時間と重度障害者かどうかで決まります。支給は事業主1社につき1人分です。
| 週の所定労働時間 | 障害者 | 重度障害者 |
|---|---|---|
| 10時間以上20時間未満 | 対象外 | 30万円 |
| 20時間以上30時間未満 | 60万円 | 90万円 |
| 30時間以上 | 90万円 | 120万円 |
重度障害者は、重度の身体障害者と重度の知的障害者と精神障害者です。雇入れの日に45歳以上の身体障害者と知的障害者も含みます。
いくら戻ってくる?
支給は1人分の定額です。人数を増やしても、金額は増えません。
- 事務補助で45歳未満の身体障害者を週30時間で雇う:90万円 × 1人 = 90万円
- 検品作業で、重度でも45歳以上でもない知的障害者を週25時間で雇う:60万円 × 1人 = 60万円
- 45歳以上の身体障害者を週30時間のフルタイムで雇う:120万円 × 1人 = 120万円
- 精神障害者を週15時間の短時間で雇う:30万円 × 1人 = 30万円
同じ週30時間でも、45歳以上の身体障害者なら120万円で、45歳未満より30万円増えます。雇う人の年齢は、雇入れの日の満年齢で判定します。
申請の流れ
- 雇い入れる(事業主→対象者。週20時間以上、重度障害者は週10時間以上。都内の事業所で勤務)
- 週20時間以上ならハローワークに特開金を申請する(事業主→ハローワーク。申請書の写しを必ず取っておく)
- 6か月雇用し、6か月分の賃金を支払う(事業主→対象者。実労働時間の条件あり)
- 東京都に申請する(事業主→就業推進課。雇入れ日の6か月後の翌日から2か月以内)
- 申請後1か月以内に育成方針を出す(事業主→就業推進課。本人の同意を得たもの)
- 特開金の通知を受け取ったら1か月以内に写しを出す(事業主→就業推進課)
- 支給決定を受ける(東京都→事業主。支払額調書に基づき支払われる)
申請は郵送、持参、Jグランツのどれかです。持参は事前に電話予約が要ります。Jグランツは国の電子申請システムで、GビズIDプライムが必要です。
GビズIDプライムは、国の電子申請に共通で使うIDです。発行に2〜3週間かかります。間に合わないときは郵送で出します。
必要な書類
週20時間以上で雇う場合の書類です。週10時間以上20時間未満は、雇用保険の確認通知書と特開金の書類が要りません。
準備できた 0 / 17
個人事業主は、登記事項証明書の代わりに個人事業の開業・廃業等届出書の写しを出します。登記事項証明書と印鑑証明書は、発行日から3か月以内のものです。印鑑証明書は、電子申請なら不要です。精神障害者保健福祉手帳は、雇入れ時と申請時のどちらでも有効な手帳の写しに限ります。特開金の決定通知書は、受け取ってから1か月以内に出します。
賃金台帳は、雇入れから6か月間に支払った分です。4月1日に雇い入れて月末締め翌月払いなら、5月1日から10月末までの支給分が対象になります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 6か月の継続雇用が確認できない:週平均の所定内実労働時間が、所定の5割以上かつ一定の時間以上必要です。週20時間以上の雇用は16時間以上、10時間以上20時間未満は8時間以上です。
- 申請の期限を過ぎた:雇入れ日から6か月たった日の翌日から2か月以内です。期限後の受付はありません。
- 特開金の支給決定を受けられなかった:週20時間以上で雇った場合の条件です。特開金が取り消されると、この奨励金も取り消されます。
- 雇入れの前後に解雇があった:雇入れ日の前日から起算して6か月前から1年間に、事業主都合の解雇などで労働者を離職させていないことが条件です。
- 予算がなくなった:予算の範囲を超えると、申請期間内でも受付が終わることがあります。
支給後に取り消されたときは、受け取った額の返還に加えて、年10.95%の違約加算金がかかります。
よくある質問
障害者を雇ったことがある会社でも申請できますか?
申請できません。この奨励金は、障害者を一人も雇っていない中小事業主が初めて雇う場合の制度です。「雇用実績がない」とは、雇入れ日の前日の時点で、障害者が1人も雇用されていない状態を指します。いま在籍する障害者が1人でもいれば対象外です。過去に雇っていた人が退職して0人になっている場合の扱いは、このページに記載がありませんでした。申請の前に、窓口の就業推進課へ電話で確かめてください。
週10時間未満の勤務でも対象になりますか?
対象になりません。支給の対象は、週の所定労働時間が10時間以上の雇入れです。10時間以上20時間未満で対象になるのは、重度障害者を雇った場合だけで、金額は30万円です。重度でない障害者は、週20時間以上で雇わないと対象になりません。雇う時間を決める前に、相手が重度障害者に当たるかを手帳や年齢で確かめておくと、金額の見込みが立てやすくなります。
重度障害者とは誰のことですか?
この奨励金では、重度の身体障害者、重度の知的障害者、精神障害者、雇入れの日に満45歳以上の身体障害者と知的障害者を指します。精神障害者は、障害の程度に関係なく重度の扱いです。ただし精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていることが条件です。45歳以上かどうかは、雇入れの日の満年齢で判定します。
特開金とは何ですか?申請は必要ですか?
特開金は、国が出す特定求職者雇用開発助成金のうち、特定就職困難者コースのことです。週20時間以上で雇う場合は、東京労働局長に特開金を申請して、支給決定を受けることが条件になります。東京都への申請の時点では、特開金を申請して受理されていれば足ります。ただし最終的な支給決定には、特開金の支給決定が必要です。
申請はいつまでにすればよいですか?
雇入れの日から6か月たった日の翌日から、2か月以内です。たとえば4月1日に雇い入れた場合は、10月ごろから申請の期間に入ります。期限後は書類を受け付けてもらえず、Jグランツも期限日の23時59分までです。編集部としては、雇う日に台帳へ申請の期日を書き込んでおくことを勧めます。
6か月分の賃金は、どう数えますか?
雇入れ日から6か月間に支払った賃金に、当月に支払う各種手当を含めて、6か月分以上を支給していることが条件です。賃金台帳の写しで確認されます。4月1日に雇い入れて、月末締め翌月払いなら、5月1日から10月末までの支給分を出します。賃金台帳は、給与や賞与の支払明細がわかるものを出します。支払いが6か月分に満たないと、申請の時期に入っても要件を満たしません。
育成方針とは何を書くのですか?
雇入れから6か月間の様子を評価して、今後の目標と課題、必要な教育訓練、処遇を含めたキャリアの方針を書く書類です。本人と話し合い、同意を得る必要があります。様式は都の案内ページにあり、申請の後1か月以内に出します。評価の中身は、担当する仕事の正確さや、周りとのやりとりの様子などです。
申請は社会保険労務士に頼めますか?
郵送や持参の申請なら、頼めます。Jグランツの電子申請は、システムの都合で社会保険労務士などの代理人による申請ができません。代理人に頼む場合は、郵送で出す形になります。申請の受信確認についての問い合わせには、都もデジタル庁も応じません。控えは自分で残しておいてください。
申請が間に合わないとき、期限は延ばせますか?
延ばせません。申請期限の猶予はありません。GビズIDの発行が間に合わないことを理由にした猶予もありません。その場合は、期限に間に合うように郵送で出します。郵送は、記録が残る簡易書留などで送ります。持参は事前の電話予約が必要で、受付は平日の9時から12時と13時から17時です。
雇った人が6か月の途中で辞めたらどうなりますか?
支給の対象になりません。雇入れ日から6か月以上続けて雇用されていることが、支給対象労働者の条件です。また、支給後3年を経過するまでの間、都が雇用状況を調べることがあります。調査には協力する必要があります。辞めた場合の扱いは、このページに詳しい記載がありませんでした。個別の事情は、就業推進課に電話で確かめてください。
ほかの助成金と併せて受けられますか?
特開金とは、週20時間以上の雇入れで併せて受けることが前提です。それ以外の助成金との併給の扱いは、このページに記載がありませんでした。同じ雇入れに別の助成金を使う予定がある場合は、申請の前に就業推進課へ電話で確かめてください。電話は03-5320-4663です。
問い合わせ先はどこですか?
東京都産業労働局 雇用就業部 就業推進課 障害者雇用促進担当です。電話は03-5320-4663(代表)で、受付は平日の9時から12時と13時から17時です。持参で申請する場合は、事前に電話予約が必要です。所在地は新宿区西新宿2-8-1の都庁第一本庁舎21階北側です。
