国の業務改善助成金をもらえば、県の上乗せも自動で付くのか。付きません。県の補助金は別に申請が要り、そもそも国の業務改善助成金を申請していない事業者は対象になりません。
業務改善助成金は、事業場内最低賃金(事業場でいちばん低い時間給)を引き上げ、設備投資などをした中小企業に国が出す助成金です。この助成金の自己負担分の半分を、香川県が上乗せします。香川労働局のページには、令和8年度の業務改善助成金の申請受付は終了したと書かれています。国への申請が済んでいる事業者だけが、この記事の続きを使えます。
かがわ賃上げ環境整備応援補助金の要点まとめ
正式名:かがわ賃上げ環境整備応援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業等は対象外)
- 利用目的
- 業務改善助成金の自己負担分の軽減
- 対象地域
- 香川県内に事業場がある事業者
- 従業員数
- 国の業務改善助成金の中小企業事業者に当たること
いくら
- 補助上限額
- 最大100万円(賃上げ幅・人数・規模で決まる。表は本文)
- 補助率
- 業務改善助成金の自己負担分の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和9年3月17日必着(予算の上限で早く終わることがある)
自社は対象になるか
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 国の助成金をまだ申請していない
- ✕ 国や自治体が出資している事業者
- ✕ 接待飲食等営業・性風俗関連特殊営業
国の申請は令和8年9月1日以降の分が対象です。国の交付額確定・支給決定の通知が令和9年3月10日までに届かなければ、県には申請できません。厚生労働省のページによると、国の申請期間は9月1日から、地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日までです。県の補助金の受付開始日は、公式ページにも交付要綱にも書かれていませんでした。
中小企業事業者の範囲は、国の業務改善助成金の交付要綱の定義に従います。資本金や従業員数の基準は、香川労働局の業務改善助成金のページで確かめてください。
いくらもらえるか
いくらもらえるか計算する
補助率 業務改善助成金の自己負担分の1/2 / 上限 100万円
県の補助額は、次の式で決まります。
(国の助成対象経費の支出済額 − 国の助成金の確定額)× 1/2
この結果と、後述の上限額の表を比べて、少ないほうが補助額です。1,000円未満は切り捨てます。計算例を2つ挙げます。
- 上限に届かない例:対象経費80万円、国の確定額60万円(国の助成率3/4)なら、(80万円 − 60万円)× 1/2 = 10万円。4〜5人を50円以上引き上げた事業所規模30人未満の事業場は、上限が11.7万円なので10万円がそのまま出ます
- 上限に当たる例:1人を50円以上引き上げた事業所規模30人未満の事業場で、対象経費80万円、国の確定額が上限の40万円なら、(80万円 − 40万円)× 1/2 = 20万円。上限は6.7万円なので、補助額は6万7,000円です
上限額は、賃金の引上げ幅、引き上げる労働者数、事業所規模、国の助成率の4つで決まります。表は国の助成率が3/4の場合と4/5の場合を「3/4の場合/4/5の場合」の順に並べています。
| 引上げ額 | 引き上げる人数 | 事業所規模30人未満 | 事業所規模30人以上 |
|---|---|---|---|
| 50円以上 | 1人 | 67,000円/50,000円 | 50,000円/38,000円 |
| 50円以上 | 2〜3人 | 117,000円/88,000円 | 67,000円/50,000円 |
| 50円以上 | 4〜5人 | 117,000円/88,000円 | 117,000円/88,000円 |
| 50円以上 | 6〜7人 | 150,000円/113,000円 | 150,000円/113,000円 |
| 50円以上 | 8人以上 | 183,000円/138,000円 | 183,000円/138,000円 |
| 50円以上 | 10人以上※ | 217,000円/163,000円 | 217,000円/163,000円 |
| 70円以上 | 1人 | 83,000円/63,000円 | 67,000円/50,000円 |
| 70円以上 | 2〜3人 | 167,000円/125,000円 | 83,000円/63,000円 |
| 70円以上 | 4〜5人 | 217,000円/163,000円 | 217,000円/163,000円 |
| 70円以上 | 6〜7人 | 300,000円/225,000円 | 300,000円/225,000円 |
| 70円以上 | 8人以上 | 383,000円/288,000円 | 383,000円/288,000円 |
| 70円以上 | 10人以上※ | 500,000円/375,000円 | 500,000円/375,000円 |
| 90円以上 | 1人 | 167,000円/125,000円 | 150,000円/113,000円 |
| 90円以上 | 2〜3人 | 400,000円/300,000円 | 250,000円/188,000円 |
| 90円以上 | 4〜5人 | 450,000円/338,000円 | 450,000円/338,000円 |
| 90円以上 | 6〜7人 | 600,000円/450,000円 | 600,000円/450,000円 |
| 90円以上 | 8人以上 | 750,000円/563,000円 | 750,000円/563,000円 |
| 90円以上 | 10人以上※ | 1,000,000円/750,000円 | 1,000,000円/750,000円 |
※10人以上の区分は、国の定める特例事業者の要件を満たした場合だけ使えます。特例事業者は、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場の事業者か、原材料費の高騰などで直近6か月の利益率が前年同期より3ポイント以上下がった事業者です。10人以上の区分を使えない場合、最大は75万円になります。
国の助成率が3/4か4/5かは、引上げ前の事業場内最低賃金で決まります。事業所規模の数え方は、交付要綱に説明がありません。迷ったら香川県労働政策課(電話087-832-3366)に確かめてください。
どの経費が補助されるか
県が見るのは、国の助成金で認められた経費だけです。国の審査を通っていない経費は、県でも対象になりません。
| 対象にならないもの | 対象になるもの |
|---|---|
| 国の助成の対象にならなかった設備・経費 | 国の助成対象経費の支出済額 |
| 国の助成金が支払われた部分(国の確定額) | 国の確定額を引いた自己負担分 |
国の確定額を引くのは、国と県で同じ経費を二重に補助しないためです。対象経費の額は、国の実績報告書に付ける国庫補助金精算書の記載に基づきます。
申請の流れ
- 国に業務改善助成金を申請する(事業者→香川労働局。令和8年9月1日以降)
- 賃上げと設備投資を実施し、国に実績報告を出す(事業者→香川労働局)
- 国の交付額確定・支給決定の通知を受ける(香川労働局→事業者。令和9年3月10日まで)
- 県に申請書と書類を出す(事業者→香川県労働政策課。令和9年3月17日必着)
- 県の交付決定を受ける(県→事業者。請求に基づき速やかに支給)
国の確定通知が3月10日ぎりぎりに届くと、県の締切まで7日しかありません。県税納税証明書と口座の書類は、通知を待たずに先に用意しておくことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 8
要綱は、このほかに知事が必要と認める書類を求めることがあるとしています。提出は郵送です。宛先は〒760-8570 香川県高松市番町四丁目1番10号 香川県商工労働部労働政策課 総務・雇用労政グループで、封筒の表に「かがわ賃上げ環境整備応援補助金申請書類在中」と朱書きします。県の電子申請システムでの申請は、公式ページでは準備中とされています。
もらえなくなるとき
- 国の確定通知が間に合わない:令和9年3月10日までに通知を受けていないと、対象者の要件を満たしません。
- 賃上げの記録がない:労働者名簿や賃金台帳など、時間当たりの賃金の引上げが分かる書類を保管していないと、対象になりません。
- 予算が先に尽きた:知事は予算が不足するおそれがあると、受付を中止したり期限を繰り上げたりできます。3月17日より前に終わることがあります。
- 不正や違反が見つかった:偽りの申請などが分かると、交付決定が取り消され、交付済みの補助金は返還になります。過去3年以内に国や自治体の助成金で不正受給をした事業者も対象外です。
よく誤解されるポイント
「国の助成金とは別に、県が自由に使える補助金をくれる」という理解は誤りです。県が出すのは、国の助成金の自己負担分の半分だけで、国の助成金が先にないと使えません。
補助率1/2も、対象経費の半分ではありません。国の助成額を引いた残りの半分です。国の助成率が3/4なら、対象経費全体から見た県の補助は1/8にとどまります。
上限額は、国の助成額の大きさと連動しています。賃上げの幅が小さく、引き上げる人数が少ないほど、県の上限は低くなります。
消費税と財産の扱い
補助事業の完了後、消費税の申告で補助金に係る仕入控除税額が確定したら、報告書(様式5)で県に報告し、その額を返還します。補助事業で取得した財産を処分するときは、あらかじめ知事の承認が要ります。収支の帳簿と関係書類は、事業が完了した年度の終了後5年間保管します。
よくある質問
国の業務改善助成金を申請していなくても使えますか?
使えません。対象者の要件に、令和8年9月1日以降に香川労働局へ業務改善助成金の交付申請をし、令和9年3月10日までに交付額確定・支給決定の通知を受けていることが入っています。国への申請が先で、県の申請書類にも国の実績報告書や確定通知書の写しが必要です。香川労働局のページには、令和8年度の国の申請受付は終了したと書かれているため、未申請の事業者は進めません。
国の業務改善助成金は、いつまでに申請すればよいのですか?
厚生労働省のページでは、令和8年度の申請期間は9月1日から、地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日までとされています。香川労働局のページには、令和8年度の申請受付は終了したと書かれています。県の補助金の対象になるのは、この期間内に国へ申請を済ませた事業者です。国の手続きは、香川労働局助成金センター(電話087-823-0505)に確かめてください。
補助上限額はいくらですか?
賃金の引上げ幅、引き上げる人数、事業所規模、国の助成率の組み合わせで変わります。最大は100万円で、90円以上を10人以上引き上げる特例事業者の区分です。10人以上の区分を使えない場合の最大は75万円です。1人を50円以上引き上げる最小の区分では、事業所規模30人以上で国の助成率が4/5のとき、上限は3万8,000円になります。
補助率の1/2は、何の1/2ですか?
対象経費から国の助成金の確定額を引いた額の1/2です。たとえば対象経費が80万円で国の確定額が60万円なら、差額の20万円の半分で10万円になります。算出した額と上限額を比べ、少ないほうが補助額です。対象経費の額は、国の実績報告書に付けた国庫補助金精算書の記載に基づきます。
何の経費が対象になりますか?
国の業務改善助成金の助成対象経費の支出済額です。国が認めた設備投資やコンサルティングなどの経費が対象で、国の審査で外れた経費は県でも対象になりません。国の助成金として支払われた部分は差し引かれます。県独自に対象経費を追加することはありません。経費の可否は、まず国の助成金の交付要綱と香川労働局で確かめるのが確実です。
県への申請の締切はいつですか?
令和9年3月17日(水曜日)必着です。国の確定通知の期限は3月10日なので、通知が3月10日ぎりぎりに届くと、県の締切まで7日しかありません。ただし予算の範囲内で交付するため、期限前に受付を終了することがあります。書類のうち県税納税証明書と口座の書類は、通知前に準備しておくと間に合わせやすくなります。
申請書類はどこへ、どう出しますか?
郵送で、香川県商工労働部労働政策課の総務・雇用労政グループ宛てに出します。住所は〒760-8570 香川県高松市番町四丁目1番10号です。封筒の表に「かがわ賃上げ環境整備応援補助金申請書類在中」と朱書きします。香川県電子申請・届出システムからの申請も予定されていますが、公式ページでは準備中とされているため、郵送の準備を進めてください。
国の助成率の3/4と4/5は何が違いますか?
国の助成率は、申請する事業場の引上げ前の事業場内最低賃金で決まります。県の上限額の表も、3/4の事業場と4/5の事業場で分かれています。4/5のほうが国の助成が厚いため、自己負担が小さくなり、県の上限も低くなります。自社がどちらに当たるかは、国の交付決定通知や香川労働局の資料で確かめられます。
事業所規模30人の区分は、どう数えますか?
交付要綱の上限額の表に「事業所規模が30人以上/30人未満」の区分があります。数え方の説明は、交付要綱にも公式ページにも見当たりませんでした。国の業務改善助成金の申請で使った区分と同じと考えるのが自然ですが、断定できません。上限額に直接響くので、申請の前に香川県労働政策課(電話087-832-3366)に確かめてください。
10人以上の区分は誰でも使えますか?
使えません。国の定める特例事業者が、10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合だけです。特例事業者は、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業場の事業者か、原材料費の高騰などで直近6か月の利益率が前年同期より3ポイント以上下がった事業者です。後者で申請するときは、事業活動の状況に関する申出書を国に出します。
予算がなくなったらどうなりますか?
県は予算が不足するおそれがあると、交付申請の受付を中止したり、期限を繰り上げて終了したりできます。公式ページにも、申請期限前に受付を終了する場合があると書かれています。残りの予算額は公開されていません。国の確定通知が届いたら、できるだけ早く県へ申請するのが安全です。
消費税の返還は必要ですか?
補助事業の完了後に、消費税の申告で補助金に係る仕入控除税額が確定したときは、必要です。消費税等仕入控除税額確定報告書(様式5)で県に報告し、その額を返します。課税事業者かどうかや、仕入控除税額がいくらになるかは、顧問税理士や税務署に確かめてください。
問い合わせ先はどこですか?
県の補助金は、香川県商工労働部労働政策課(電話087-832-3366)が窓口です。国の業務改善助成金については、香川労働局助成金センター(電話087-823-0505。月〜金曜日8時30分〜17時15分、祝日・年末年始を除く)に聞きます。国の手続きの途中で止まっているときは、県より先に労働局へ相談してください。
