この補助金が直すのは、個々の店ではなく商店街の共同の設備です。アーケード、街路灯、防犯カメラ、駐車場などの復旧費を、県が1/2以内で補助します。上限額はありません。
申請には、所在の市町村が作る「支援表明書」が必ず要ります。市町村が書類を作る時間がかかるので、県の公募ページも早めの相談を呼びかけています。
被災商店街等再建支援事業の要点まとめ
正式名:被災商店街等再建支援事業費補助金(商店街災害復旧事業)
だれが
- 申請者
- 商店街等組織(商店街振興組合・事業協同組合・任意団体など)
- 対象業種
- 商店街・共同店舗・飲食店街・問屋街など(個店は対象外)
- 利用目的
- 地震で壊れた商店街の共同施設・設備の復旧
- 対象地域
- 熊本県全域
- 従業員数
- 規定なし(構成する店舗の多くが中小企業者であること)
いくら
- 補助上限額
- 上限額の定めなし(下限額もなし)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月28日〜2027年1月15日(当日消印有効)
- 事業の完了
- 交付決定日から2027年3月12日まで
この事業は、国の補助金を県が受けて商店街の組織に出す「間接補助」です。申請先は国ではなく県です。予算額に達すると、期限の前でも受付が終わります。
うちの商店街は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
「商店街等組織」は、商店街振興組合や事業協同組合などの法人を指します。法人でない任意団体も、規約で代表者を決め、財産を適正に管理できれば対象です。商店街の連合体や、一定の条件を満たす商工会・商工会議所も対象になり得ます。
構成する店舗の多くが「中小企業者」であることも要ります。業種ごとに従業員数か資本金の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。小売業は50人以下または5,000万円以下、サービス業は100人以下または5,000万円以下です。
任意団体の「1年以上」には例外があります。結成から1年に満たなくても、同等の前身組織があれば対象です。法人の場合は、設立して間もなくても申請できます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 個店の施設・設備の修繕
- ✕ 青年部・女性部などの内部組織
- ✕ 倒産手続きに入っている組織
地域で中心的な商機能を果たし、市町村のまちづくりでも維持される見込みがあることも、要件に入っています。民間事業者は、単独では対象になりません。個店の被害は、この事業では拾えません。公式資料に個店向けの代わりの制度は書かれていないので、市町村の商工担当に聞くのが近道です。
いくら補助される?
補助率は対象経費の1/2以内で、上限額も下限額もありません。経費は消費税を除いた額で申請します。
- 街路灯の建て替え(税抜800万円):800万円 × 1/2 = 400万円
- アーケードの改修(税抜1,200万円):1,200万円 × 1/2 = 600万円
保険金が出る場合は、先にその額を引きます。たとえば経費が税抜1,500万円で、保険金が300万円なら、基準は1,200万円です。補助額は1,200万円 × 1/2 = 600万円になります。
「以内」と書かれているので、申請額がそのまま交付されるとは限りません。経費の妥当性が審査され、交付決定や確定の段階で減ることがあります。見積もりは、必要な経費に絞って出してください。
免税事業者や簡易課税事業者などは、消費税を含めて算定できます。該当するかどうかは、県のQ&A(公募ページにあります)で確かめてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税等(原則)
- 仮設(一時的・暫定的な利用)の経費
- 手数料・保険料・通信費などの間接経費
- 基本設計費・測量試験費(実施設計は対象)
- 補助金の申請書を作るための費用
- 組合の事務所(共同店舗などの機能があれば対象になる場合あり)
対象になるもの
- アーケード、共同店舗、地域交流施設の復旧費
- 街路灯、防犯カメラ、路面舗装、駐車場、イベント広場の復旧費
- 来街の妨げになる障害物の撤去費
- 資材・工事費、設備の調達・移転設置費、取壊し・撤去費、整地・排土費
- 実施設計に係る費用
被災前に資産として台帳に載せていた備品・設備は、同等のものを買い直す場合に対象です。ただし50万円以上の物は、補助の目的以外に使うと財産処分の承認が要ります。補助金の一部を返す場合もあります。
建て替えや全部撤去には条件があります。原則として、全壊か大規模半壊の確認が必要です。半壊でも、建築士などが「改修では復旧できない」と評価すれば認められます。
改修で直せるのに建て替えた場合は、その経費がすべて対象外です。改修相当分だけ出る、という扱いはありません。復旧する面積も、被災前の面積までです。
申請から受け取りまでの流れ
- 市町村に支援表明書を相談する(組合→所在の市町村。書類作成に時間がかかるので最初に)
- 被災の証拠と見積書をそろえる(組合→罹災証明書、写真、2者以上の見積書)
- 申請書類を県へ出す(組合→県 商工振興金融課 経営支援班。2027年1月15日の当日消印有効)
- 交付決定を待つ(県→組合。随時審査で、決定の通知が来てから事業開始)
- 復旧工事を終える(組合→2027年3月12日までに完了)
- 実績報告を出す(組合→県。完了から30日後か3月12日の早いほうまで)
支払いは、額の確定後の精算払いが原則です。必要と認められた場合は、途中で概算払いになることもあります。
提出方法は、県の公募ページが「原則、郵便(簡易書留など追跡できる方法)」としています。申請要領には、電子メールか郵送とあります。メールで出す場合は、送信後に県へ受信確認の電話を入れます。
「交付決定」は、県が補助を認める通知です。通知の前に契約や発注をした費用は、原則として対象外です。ただし例外があるので、次の節で書きます。
必要な書類
準備できた 0 / 15
罹災証明書の入手先は、公式資料に書かれていません。一般には市町村が出す書類なので、支援表明書の相談とあわせて市町村に聞くのが近道です。取れないときは、被災の様子が分かる詳細な写真で代えられます。設備を入れ替えるなら、修理できない根拠の資料も要ります。地震で添付できない書類があれば、理由書で代えられます。
申請の前に着工している場合は、着手時の見積書、請負契約書、支払いの資料も加わります。完了していれば、完了届と完了写真です。県の「提出書類チェックシート」で、漏れがないか確かめてから出してください。書類はA4片面で、通しのページ番号を下部中央に手書きします。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 支援表明書がない:出さないと書類不備になり、対象になりません。
- 交付決定の前に契約や発注をした:原則として対象外です。例外は次の節を見てください。
- 改修で足りるのに建て替えた:その経費はすべて対象外です。
- 3月12日までに完了しない:年度内にすべて完了する必要があります。
- 補助の目的以外に使った:50万円以上の財産は承認が要り、補助金の返還を求められることがあります。
- 不正があった:交付決定が取り消され、返還と年10.95%の加算金を求められる場合があります。
交付決定の前に直してしまった場合は?
地震の発生は2026年7月28日以降とされています。交付要綱と申請要領は、その日以降で交付決定の前に行った復旧も、写真や書類で確認できて適正なら対象としています。
ただし、県のQ&Aは「原則対象外」と書き、これまで申請できなかった特殊な事例だけを例外にしています。国のチラシも「交付決定後に実施した復旧事業が対象」で、同じ例外を添えています。要綱・要領と、Q&A・チラシで強さに差があります。
公式に明記があるのはここまでです。先に着工した分が対象になるかは、県の判断になります。まだ契約していないなら、交付決定を待つのが安全です。すでに着工したなら、県か九州経済産業局に早めに相談してください。
市町村の補助と併用できる?
併用はできます。市町村が追加で補助する場合、同じ経費に重複して交付されなければ可能です。重複しない範囲は、自己負担分の中です。
たとえば経費の1/2を県が補助するなら、残る1/2のうちを市町村が補助する形です。支援表明書を出してもらう段階で、市町村の追加補助の有無も聞いておくと、資金計画が立てやすくなります。
よくある質問
商店街の組合でなくても申請できますか?
申請できるのは商店街等組織です。法人なら商店街振興組合や事業協同組合などで、法人でない任意団体も、規約で代表者を決め財産を適正に管理できれば対象です。スタンプ会やまちづくり協議会、商工会、商工会議所は、商店街組織としての役割を担っていると認められる場合に対象になります。判断は、これまでの取組や事業計画から行われます。個店や民間事業者の単独申請はできません。
個店の店舗が壊れた場合は対象になりますか?
対象になりません。個店や、組織化されていない有志の団体の施設・設備の改修費は、補助対象外と明記されています。この事業が対象にするのは、商店街の商機能とコミュニティ機能に欠かせない共同の施設・設備です。個店の被害に使える制度は、公式資料には書かれていません。所在の市町村の商工担当や商工会に、使える制度がないか聞いてみてください。
支援表明書とは何ですか?
地方公共団体、主に所在の市町村が、この復旧事業を支援する意思を示す書類です。申請書類の必須項目で、出さなければ書類不備になり、対象になりません。市町村が作るのに日数がかかるため、県は早めの相談を呼びかけています。様式は県の公募ページにあります。組合から市町村へ事業の内容を伝え、作成を依頼する流れです。申請の締切から逆算して動いてください。
補助額に上限はありますか?
上限額も下限額もありません。補助率は対象経費の1/2以内です。経費は消費税を除いて申請しますが、免税事業者や簡易課税事業者などは含めて算定できます。保険金が出る場合は、その額を引いた金額が基準になります。申請額がそのまま交付されるとは限らず、経費の妥当性の審査で減額されることがあります。見積もりは、被災した設備の復旧に必要なものに絞ってください。
申請はいつまでにすればいいですか?
2027年1月15日までで、当日消印有効です。受付期間中は、書類が出された順に随時審査と交付決定が行われます。予算額に達した場合は、予告なく期限の前に打ち切られることがあります。中小企業庁と県のホームページで知らされます。支援表明書や罹災証明書の準備に時間がかかるので、締切の直前ではなく、早めに出すほうが安全です。
どうやって申請書類を提出しますか?
県の公募ページは「原則、郵便」で、追跡できる簡易書留などを求めています。提出先は熊本県庁本館7階の商工振興金融課 経営支援班です。申請要領には、電子メールか郵送とあります。メールで出す場合は、ネットワーク障害の恐れがあるため余裕をもって送り、送信後に県へ受信確認の電話を入れてください。添付書類で持参が必要なときは、県に相談できます。
建て替えや全部撤去も対象になりますか?
対象になります。ただし原則、罹災証明書などで全壊か大規模半壊と確認できる場合に限ります。半壊などでも、建築士などの専門家が「改修では技術的に復旧できない」と評価すれば認められます。改修か一部撤去で復旧できるのに建て替えると、その経費はすべて対象外です。建て替えで広くした場合は、被災前の面積までが対象で、面積の比で案分されます。
保険金が出る場合はどうなりますか?
復旧する施設・設備に保険金などが支払われる場合は、その額を差し引いた金額が補助の対象になります。申請には、受領した、または受領見込みの保険金等についての誓約書(別紙4)が必要です。たとえば経費が税抜1,500万円で保険金が300万円なら、基準額は1,200万円です。そこに補助率の1/2以内がかかります。保険の請求の状況は、申請の前に整理しておいてください。
市町村の補助金と一緒に使えますか?
使えます。市町村が追加で補助する場合は、市町村の補助金と国・県の補助金が同じ経費に重複して交付されなければ可能です。重複しない範囲は、自己負担分の中です。たとえば経費の1/2を県が補助するなら、残る分のうちを市町村が補助する形になります。市町村の追加補助があるかどうかは、支援表明書をお願いする際にあわせて聞いておくと確実です。
補助金で買った設備を後から処分できますか?
取得価格または効用の増加価格が単価50万円以上の機械、器具、その他の財産は、処分が制限されます。制限期間は、国が定める期間に従います。この期間内に処分したり、補助の目的以外に使ったりする場合は、事前に県への申請と承認が要ります。承認の際に、補助金の一部を県に納めるよう求められることがあります。購入の際に、管理台帳へ記録しておく必要もあります。
問い合わせ先はどこですか?
県の窓口は、熊本県商工労働部商工雇用創生局 商工振興金融課 経営支援班(電話096-333-2326)です。事業の内容は、中小企業庁経営支援部商業課(電話03-3501-1929)や、九州経済産業局 流通・サービス産業課 商業振興室(電話092-482-5456)でも受け付けています。交付決定の前の着工など、判断が分かれる点は、申請前に相談してください。
