この補助金でつまずきやすいのは、金額よりも順番です。県の外国人材専門相談員への雇用相談を先に済ませること。交付決定の通知が来る前に費用を払わないこと。この2つを押さえないと、使えるはずの費用が対象から外れます。
長崎県内の宿泊事業者が、外国人材を新たに雇うための初期費用、外国人材の住居の賃借料と共益費、受入れの業務負担を減らすシステムなどの費用の2分の1を、上限50万円まで補助されます。交付決定より前に払った費用は対象になりません。
長崎県 宿泊業人材受入環境整備事業費補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度宿泊業人材受入環境整備事業費補助金
だれが
- 申請者
- 宿泊事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 宿泊業(旅館業法の営業許可を受けた施設)
- 利用目的
- 外国人材の採用の初期費用、住居費、業務負担の軽減
- 対象地域
- 長崎県内の宿泊施設
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月20日〜2026年12月24日
- 事業の完了
- 2027年1月31日まで
うちの施設は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
営業許可は、旅館業法第3条第1項に基づくものです。法人の所在地が県外でも、宿泊施設が長崎県内にあれば対象になります。1つの法人が複数の施設を持つ場合は、許可の単位で判断されるので、施設ごとに申請できます。
雇用相談は、県が実施する「宿泊業における人材確保支援事業」の窓口です。県は外国人材専門相談員への相談を業務委託しています。外国人材を雇った経験の有無にかかわらず、相談は必須です。窓口は株式会社アソウ・ヒューマニーセンター(電話 095-826-9800)です。補助金を使わずに相談だけ利用することもできます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 農林漁業体験民宿業の施設
- ✕ 国・県・市町村が所有や運営する施設
- ✕ 店舗型性風俗特殊営業の施設
- ✕ 外国人材を新たに雇わない
すでに採用した外国人材の受入環境を整える費用は、対象になりません。交付決定日以降に、新たに外国人材を雇う取組を行う場合が対象です。宗教活動や政治活動を主な目的とする団体も申請できません。
いくら戻ってくる?
補助額は、補助対象経費(税抜)の2分の1以内で、上限は50万円です。消費税と地方消費税は含みません。対象事業の下限額は定められていません。上限の50万円に届くのは、補助対象経費が100万円以上のときです。
次の金額は計算のための仮の数字で、公式ページに載っている費用ではありません。
- 温泉旅館が登録支援機関への初期委託費と在留資格の申請費に使う:60万円 × 1/2 = 30万円
- ビジネスホテルが就業規則の多言語化と求人広告と予約管理システムに使う:100万円 × 1/2 = 50万円(上限ちょうど)
- ゲストハウスが外国人材の住居の賃借料と共益費に使う(月5万円を3か月):15万円 × 1/2 = 7.5万円
- 大きめの旅館が初期費用とシステム導入を合わせて使う:150万円 × 1/2 = 75万円 → 上限の50万円
4つ目の例では、上限を超えた分の100万円は自己負担です。補助金は精算払いなので、いったん全額を立て替える前提で資金を組みます。
交付決定額は、補助金の上限を示す額です。申請した額と決定額が異なることもあります。事業が終わって実績報告を出したあとに、実際にかかった対象経費に補助率を掛けた額と決定額を比べ、低い方で確定します。千円未満は切り捨てです。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 外国人材に払う給料(継続的にかかる費用のため)
- 登録支援機関に毎月払うランニングコスト
- 住居の敷金、礼金、保証金、仲介手数料
- 住居の電気、ガス、水道、駐車場の料金
- 自社で持つ寮や社宅の維持管理費、改装費、取得費
- Wi-Fi機器、パソコン、清掃ロボット、自動チェックイン機、キャッシュレス決済端末
- 導入したシステムの月額費用などのランニングコスト
- 施設そのものの増改築や解体
Wi-Fi機器や自動チェックイン機が外れるのは、宿泊客向けのサービス向上の色合いが強いためです。パソコンは、受入れ以外にも使えて経費として切り分けにくいことが理由です。タブレットも、システム専用の機器でなく汎用のものは対象になりません。
対象になるのは次の3つの区分です。
- 採用の初期費用:登録支援機関や送り出し機関への初期費用、在留資格の申請を行政書士に頼む費用と手数料、雇用契約書や就業規則や業務マニュアルの多言語化、外国人材向けの求人広告の作成と配信
- 住居費:申請者が負担している外国人材の住居の賃借料と共益費(外国人材の負担分は除く)
- 業務負担の軽減:宿泊予約、会計管理、労務管理、顧客管理、在庫管理のシステム、通訳・翻訳のシステム、やさしい日本語の研修
登録支援機関は、特定技能の外国人材の受入れに必要な支援を担う機関です。求人広告は、外国人材の募集だと分かるものに限ります。システム導入に伴う既存設備の撤去費や運送費は、対象になり得ます。
申請の流れと期限
順番は、相談、申請、交付決定、事業の実施、実績報告です。
- 県の外国人材専門相談員に雇用相談をする(事業者→アソウ・ヒューマニーセンター。申請の前に)
- 見積書などを集めて申請書類を出す(事業者→長崎県 観光振興課。12月24日必着)
- 交付決定の通知を待つ(県→事業者。申請書の確認のあと随時)
- 交付決定のあとに発注して事業を進める(事業者。2027年1月31日まで)
- 事業を終えて実績報告を出す(事業者→県。事業終了後30日以内か1月31日の、早い方まで)
- 額の確定通知を受けて請求する(県→事業者。事業完了確認は2月から3月ごろが目安)
- 補助金が振り込まれる(県→事業者。請求書の口座へ)
提出方法はメールか郵送です。メールの件名は「【会社名等】令和8年度宿泊業人材受入環境整備事業費補助金」とします。郵送は12月24日の必着で、特定記録郵便やレターパックなど追跡できる方法で送ります。受付期間中でも、予算額に達した時点で受付が終わります。交付決定は先着順です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
事業計画書(様式第2号)には、従業員数と客室数、人材不足で生じている課題、取り組む内容、収入と支出の計画を書きます。誓約書(様式第3号)には、併用できない他の補助事業の経費を含めていないこと、暴力団と関係がないことのチェック欄があり、県が県警本部に照会することへの承諾も入っています。
県税の証明書は、施設を所管する地域の振興局などで準備します。法人税、消費税、地方消費税の証明書は税務署です。個人事業主が出す税の証明書の種類は、申請要領に細かい記載がありませんでした。観光振興課に聞いておくと確実です。
営業許可証の住所や施設名が古いままの場合は、保健所で変更の手続きをするか、同一施設と証明できる変更受理書などを付けます。事業を終えたあとは、実績報告書、実績書、収支精算書に加えて、領収書や振込明細、外国人材の雇用契約書か労働条件通知書か内定書の写しなどを出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注や支払いをした:交付決定日より前の事業は対象外です。発注書や契約書で、着手日が交付決定のあとだと示せる形にしておきます。
- 雇用相談をしていない:外国人材専門相談員への相談が済んでいないと、申請要件を満たしません。
- 採用に向けた取組が確認できなかった:登録支援機関や人材紹介事業者と契約していれば、採用に向けた取組とみなされます。確認できない場合は交付決定が取り消され、それまでの費用も精算されません。
- 期限までに終わらなかった:事業の完了、支払い、実績報告の提出まで、2027年1月31日に済ませる必要があります。実績報告は、事業が終わってから30日以内か1月31日の、早い方が締切です。
- 見積が1社分だった:1件100万円(税抜)以上の支払いは、原則2者以上の相見積が要ります。やむを得ない場合は選定理由書を出しますが、理由が不十分だと対象になりません。
- 自社名義で支払っていない:支払いは補助対象者の名義で行います。証拠として、銀行振込の明細などを残します。
事業の内容や経費の配分を変えるときは、変更申請書を出して県の承認を受けます。交付決定額より経費が高くなる変更は、原則として認められません。
よくある質問
法人の本社が県外でも申請できますか?
宿泊施設の所在地が長崎県内なら対象になります。判断の基準は法人の所在地ではなく、旅館業法の営業許可を受けて営業している施設の場所です。旅館業営業許可証の住所や施設名が古い場合は、保健所で変更の手続きをするか、同じ施設だと分かる変更受理書などを添付します。複数の施設で許可を受けているなら、許可の単位で施設ごとに申請できます。
雇用相談をしないと申請できませんか?
できません。県の「宿泊業における人材確保支援事業」で、外国人材専門相談員に雇用相談をすることが申請要件の1つです。実際の雇用につなげることを前提に、疑問や不安を専門家と解消する位置づけです。外国人材を雇った経験がある事業者も同じで、相談は必須です。窓口は株式会社アソウ・ヒューマニーセンター(電話 095-826-9800)です。相談だけの利用もできます。
すでに外国人材を雇っていても対象になりますか?
すでに採用した外国人材の受入環境を整える経費は、対象になりません。対象になるのは、交付決定日以降に、新たに外国人材を雇う取組を行う場合です。今いる外国人従業員のための住居費やシステム導入は外れ、新しく迎える人のための費用が補助されます。今回の補助の範囲に入るかは、事業計画書を書く前に観光振興課に聞いておくと安心です。
募集期間中に外国人材を確保できなかったらどうなりますか?
登録支援機関や人材紹介事業者と契約していれば、採用に向けた取組を行っているとみなされ、補助の対象になります。契約などの取組が確認できない場合は、交付決定が取り消され、それまでにかかった費用の精算も行われません。雇用が決まった場合は、雇用契約書、労働条件通知書、内定書の写しなど、在留資格に基づき就労することが分かる書類で確認します。
外国人材の給料は補助されますか?
補助されません。事業者が外国人材に支払う給与は、雇用に伴って継続的に発生する経費で、補助対象外です。登録支援機関に毎月払うランニングコストも同じ扱いです。対象になるのは、受入れの開始時に必要な初期費用です。登録支援機関への初期の委託費、在留資格の申請を行政書士に頼む費用、就業規則などの多言語化、外国人材向けの求人広告費などが入ります。
住居の敷金や礼金は対象になりますか?
対象になりません。住居費で補助されるのは、申請者が負担している外国人材の月額の賃借料と共益費だけです。不動産事業者への仲介手数料、敷金、礼金、保証金は外れます。電気、ガス、水道、駐車場の料金も対象外です。自社で持つ寮や社宅の維持管理費、改装費、取得費も同じです。外国人材本人が負担する分は、賃借料と共益費でも含まれません。
自動チェックイン機やパソコンは補助されますか?
補助されません。自動チェックイン機のシステムは、宿泊客向けのサービス向上の色合いが強く、対象外です。パソコンは、受入れ以外にも使えて経費として特定しにくいため外れます。Wi-Fi機器、清掃ロボット、キャッシュレス決済端末も対象外です。対象になるのは、宿泊予約、会計管理、労務管理、顧客管理、在庫管理、通訳・翻訳のシステムなど、受入れの業務負担を減らす仕組みです。
予算がなくなったらどうなりますか?
受付期間中でも、予算額に達した時点で受付が終わります。交付決定は先着順です。12月24日の締切に間に合えば必ず受け付けられるわけではないので、書類は早めにそろえて出す方が安全です。申請書を出すと、県が内容を確認して修正を依頼することがあります。確認と修正に時間がかかる点も考えて、締切の直前に出すのは避けます。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業が終わったあとの精算払いです。2027年1月31日までに事業の完了と実績報告を済ませると、県が完了を確認し、補助金の額を確定して通知します。県は1月31日を待たず、完了報告を受けた順に精算を進めるとしています。通知を受けてから請求書を出し、指定の口座に振り込まれます。事業の完了確認は2月から3月ごろが目安で、審査や進み具合で変わります。それまでの費用は、いったん自社で立て替えます。
見積書は何社分必要ですか?
1件100万円(税抜)以上の支払いを要するものは、原則2者以上の相見積が必要です。やむを得ず相見積を取れない場合は、その業者を選ぶ理由を書いた選定理由書を出します。様式は任意ですが、理由が不十分と判断されると対象になりません。100万円以上の工事を伴う契約では、契約書も作ります。
申請はどうやって出しますか?
メールか郵送です。メールは sjinzai@pref.nagasaki.lg.jp に送り、件名を「【会社名等】令和8年度宿泊業人材受入環境整備事業費補助金」にします。郵送は、長崎市尾上町3-1の長崎県 文化観光国際部 観光振興課 観光産業振興担当あてで、12月24日の必着です。特定記録郵便やレターパックなど、追跡できる方法で送ります。
問い合わせ先はどこですか?
補助金の内容は、長崎県 文化観光国際部 観光振興課 観光産業振興担当(電話 095-895-2644、受付は平日の9時から17時)です。雇用相談の窓口は、株式会社アソウ・ヒューマニーセンター(電話 095-826-9800)です。対象経費に当たるかや、事業計画の内容で迷ったときは、事業計画書を作る前に観光振興課へ聞いておくと、出し直しを防げます。
