静岡市の「中小企業DX人材等育成支援事業補助金」は、社員に受けさせる研修の受講料を最大10万円まで補助する制度です。対象はDX・デジタル関連の研修と、技能向上のための研修。市内に本社か工場がある中小企業が使えます。
静岡市中小企業DX人材等育成支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者・事業協同組合等) |
| 制度名 | 静岡市中小企業DX人材等育成支援事業補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 人材育成(DX・デジタル関連の研修、技能向上のための研修) |
| 対象地域 | 静岡県静岡市 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項の中小企業者(みなし大企業は対象外)(業種ごとに資本金・従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当) |
| 補助上限額 | 10万円 |
| 補助率 | DX・デジタル人材育成事業は2/3、技能・生産性向上事業は1/2 |
| 申請受付 | 公式ページでご確認ください(静岡市)(受付終了) |
| 公式サイト | https://www.city.shizuoka.lg.jp/s2746/s013081.html |

この補助金は静岡市独自の制度です(国の人材開発支援助成金とは別)
研修費用の支援では、国の「人材開発支援助成金」が有名です。ただしこの補助金は静岡市が独自に実施している市の制度で、申請窓口も別です。両方の対象になる研修なら、どちらを使うかを比べる余地があります(併用可否は各窓口に確認が必要です)。
国にも研修費用を支援する制度があります。あわせてこちらの記事で解説しています。
対象になる事業者は?
補助対象になるのは、次のいずれかに該当する事業者です。
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者で、静岡市内に本社または工場を保有するもの
- 中小企業等協同組合法に規定する事業協同組合・事業協同小組合・企業組合で、市内に主たる事業所を保有するもの(構成員の3分の2以上が中小企業者である団体を含む)
一方、「みなし大企業」は対象外です(みなし大企業とは、大企業が株式の一定割合を保有しているなどの理由で、規模の上では中小企業でも対象外になる会社のことです)(みなし大企業とは、大企業が株式の一定割合を保有しているなどの理由で、規模の上では中小企業でも対象外になる会社のことです)(みなし大企業とは、大企業が株式の一定割合を保有しているなどの理由で、規模の上では中小企業でも対象外になる会社のことです)。大企業が株式の一定割合を持つ場合や、大企業出身の役員が役員総数の過半を占める場合が該当します。最初に確認すべきは、本社か工場が静岡市内にあるかです。
対象になる研修・対象経費を具体例で見る
補助対象事業は2種類です。研修の目的でどちらに該当するかが変わります。
- DX・デジタル人材育成事業: デジタル技術による業務効率化・生産性向上・ビジネスモデル変革等を目的に、ソフトウェア技能を習得する研修
- 技能・生産性向上人材育成事業: 在職者の技術力向上や多能工化を目的に、工業製品等の加工技能等が向上する研修
研修の実施機関は、静岡県立工科短期大学校、ポリテクセンター静岡、ポリテクカレッジ浜松、静岡県立大学、公益財団法人静岡県産業振興財団など。民間教育事業者の研修も対象になり得ます。ただし民間の研修は、選んだ理由と得られる効果を具体的に書く必要があります。
補助対象経費は次のとおりです。
- 研修の受講料
- 研修の主催者の指示により購入した書籍代・教材費
一方で、次のものは補助対象外です。
- 公租公課・消費税および地方消費税
- 資格取得を目的とする研修
- 受講料を受講者本人が負担する研修
- 国や地方公共団体等から別途補助金を受けている研修
- 申請者や受講者が任意に購入した教材費・機器代金等

DX研修か、技能研修か。この振り分けで補助率が3分の2にも2分の1にもなります。同じ受講内容でも、目的をどう説明するかで区分が変わることがあります。
補助額のシミュレーション:業種別に3パターンで見る
補助率・補助上限額は事業区分によって異なります。
| 事業区分 | 補助率 | 補助限度額 |
|---|---|---|
| DX・デジタル人材育成事業 | 3分の2 | 10万円 |
| 技能・生産性向上人材育成事業 | 2分の1 | 5万円 |
| 両事業を同時に申請する場合 | 各事業ごとに算出し合算 | 10万円 |
補助を受けられるのは年度内1回で、複数の研修を受講させる場合はまとめて交付申請する仕組みです。業種の異なる3つのケースで試算してみます。
- 製造業(金属加工業)が技能研修を受けさせるケース: ポリテクセンター静岡の加工技術研修が受講料6万円。技能・生産性向上事業として補助率2分の1で、補助額は3万円
- IT・情報サービス業がDX研修を受けさせるケース: 民間のRPA・データ分析研修が受講料9万円。DX・デジタル人材育成事業として補助率3分の2で、補助額は6万円
- 卸売業が両方の研修をまとめて申請するケース: DX研修(受講料6万円・補助額4万円)と技能研修(受講料4万円・補助額2万円)を合算して、補助額は6万円
受講料20万円のクラウド活用研修なら、3分の2は13.3万円。しかし10万円で頭打ちです。DX研修は受講料15万円で上限に届く計算になります。超えた分は全額自己負担です。

申請の流れと必要な手続き
手続きは「交付申請」→「(変更申請)」→「実績報告」→「補助金請求」の順に進みます。原則オンライン申請(24時間受付)です。難しい場合のみ、清水庁舎の産業振興課経営支援係の窓口でも受け付けています。
- 交付申請: 必要書類チェックリストで確認のうえ、申請様式(様式第1号〜第5号)・補助金額算出補助様式を提出。研修を複数受講させる場合は、この時点でまとめて申請する
- (内容に変更が生じた場合)変更申請: 研修内容や経費に変更があれば、変更申請様式で届け出る
- 実績報告: 研修受講後、実績報告様式・受講料の支払を証する書類等を提出
- 補助金請求: 実績報告の確定後、補助金請求書様式を提出して補助金を受け取る
研修を申し込む前に、交付申請の準備を始めてください。公式ページに受講開始と交付決定の前後関係の明記はありません。ただし同種の補助金では交付決定を受ける前に研修を開始すると対象外という運用が一般的です。研修機関への申し込み前に産業振興課へ相談しておくと安全です。

似た名前の「デジタル活用事業補助金」との違いに注意
静岡市には「中小企業等デジタル活用事業補助金」という似た名前の制度もあります。本記事の人材等育成支援事業補助金は"研修費用"が対象。デジタル活用事業補助金は"ソフトウェア・機器導入等の設備投資"が対象です。
| 制度名 | 対象になる経費 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 中小企業DX人材等育成支援事業補助金(本記事) | 研修受講料・書籍代・教材費 | 補助率2分の1〜3分の2・上限10万円 |
| 中小企業等デジタル活用事業補助金 | 電子商取引導入・業務効率化・テレワーク環境整備等に使う備品・ソフトウェア・委託費等 | 補助率3分の2・上限50万円 |
「社員教育」か「ツール導入」かで使う制度が変わります。申請前にどちらの経費に当てはまるか整理しておくと、窓口相談がスムーズです。
ITツール導入も同時に検討しているなら、2つの制度をあわせて使えないか産業振興課に相談してみてください。研修費用でまかないきれない設備投資は、他に使える補助金がないか探しておくと選択肢が広がります。
よくある質問
静岡市中小企業DX人材等育成支援事業補助金はいくらもらえますか?
DX・デジタル人材育成事業は補助率3分の2・補助限度額10万円、技能・生産性向上人材育成事業は補助率2分の1・補助限度額5万円です。両方を同時に申請する場合は、各事業ごとに算出した金額を合算して上限10万円までとなります。
資格取得のための研修も対象になりますか?
対象になりません。公式ページでは「資格取得を目的とする研修」は補助対象外と明記されています。デジタル技術の活用や技能・生産性向上を目的とした研修が対象です。
国の人材開発支援助成金と併用できますか?
本補助金は静岡市独自の制度で、国の人材開発支援助成金とは別です。ただし「国や地方公共団体等から補助金を受けている研修」は対象外と明記されています。同じ研修費用で両方を受け取ることはできません。
