社員に受けさせる資格講座の受講料は、この補助金で出るのか。出ません。静岡市の補助金は研修の受講料を最大10万円まで補助しますが、資格の取得が目的の研修は対象外です。
対象になるのは、ソフトウェアの技能を身につけるDX・デジタル関連の研修と、工業製品の加工技能を高める研修の2種類です。市内に本社か工場がある中小企業が使えます。
静岡市 中小企業DX人材等育成支援事業補助金の要点まとめ
正式名:静岡市中小企業DX人材等育成支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(市内に本社か工場がある中小企業・協同組合等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 社員のDX・デジタル研修と技能研修の受講料
- 対象地域
- 静岡県静岡市
- 従業員数
- 中小企業者(業種別に資本金か従業員数の上限あり)
いくら
- 補助上限額
- DX研修10万円、技能研修5万円(両方で合計10万円)
- 補助率
- DX研修は2/3、技能研修は1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度分を受付(締切日の記載なし)
うちの会社と研修は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 資格取得が目的の研修
- ✕ 受講料を本人が負担する研修
- ✕ 他の補助金を受ける研修
- ✕ 同じ年度に2回目の申請
「中小企業者」は中小企業基本法で決まっています。資本金か従業員数のどちらか一方が上限以下なら当たります。上限は業種ごとに違います。
- 製造業・建設業・運輸業などは、資本金3億円以下か従業員300人以下
- 卸売業は、資本金1億円以下か従業員100人以下
- サービス業は、資本金5,000万円以下か従業員100人以下
- 小売業は、資本金5,000万円以下か従業員50人以下
事業協同組合などは、市内に主たる事業所があれば対象です。構成員の3分の2以上が中小企業者である団体も入ります。
「大企業の子会社などではない」は、みなし大企業を外す条件です。みなし大企業とは、数字の上では中小企業でも、大企業の影響が強いために対象外になる会社を指します。市の案内は次の3つを挙げています。
- 発行済株式の2分の1以上を、同じ大企業が持っている
- 発行済株式の3分の2以上を、複数の大企業が持っている
- 大企業の役員か職員を兼ねる人が、役員の総数の2分の1以上を占める
「本社か工場」の「保有」は、自社所有に限るのか賃借でもよいのかが、公式ページにも要綱にも書かれていません。賃借の工場や事務所が市内にある場合は、産業振興課への確認が確実です。
いくら補助される?
受講料の2/3か1/2が補助されます。1,000円未満は切り捨てです。上限に届くのは、DX研修なら受講料15万円、技能研修なら10万円からです。
- DX研修の受講料が9万円:9万円 × 2/3 = 6万円
- DX研修の受講料が20万円:20万円 × 2/3 = 13.3万円 → 上限の10万円
- 技能研修の受講料が6万円:6万円 × 1/2 = 3万円
- 技能研修の受講料が15万円:15万円 × 1/2 = 7.5万円 → 上限の5万円
- DX研修6万円と技能研修4万円:4万円 + 2万円 = 6万円
両方の研修を同時に申請するときは、それぞれ計算した額を足して、10万円と比べます。少ないほうが補助額です。DX研修で10万円、技能研修で5万円と計算できても、合計は10万円で止まります。
何に使える?
対象にならないもの
- 資格の取得が目的の研修の受講料
- 受講者本人が負担した受講料
- 国や地方公共団体などから、ほかの補助金を受けている研修
- 公租公課、消費税、地方消費税
- 会社や受講者が自分の判断で買った教材やパソコンなどの機器
対象になるもの
- 研修の受講料
- 研修の主催者の指示で買った書籍代と教材費
研修の実施機関は、市の案内に次の名前が挙がっています。
- 静岡県立工科短期大学校
- ポリテクセンター静岡、ポリテクカレッジ浜松
- 静岡県立大学
- 公益財団法人静岡県産業振興財団
これ以外の民間教育事業者の研修も、補助の対象にできます。その場合は申請書に、研修を受けさせる理由と見込む効果を具体的に書きます。
2つの事業区分は、研修の目的で分かれます。
- DX・デジタル人材育成事業:デジタル技術で業務を効率化するための、ソフトウェア技能の研修
- 技能・生産性向上人材育成事業:技術力の向上や多能工化のための、工業製品などの加工技能の研修
どの講座がどちらに当たるかは、市の対象研修一覧か窓口で確かめられます。公式ページに講座ごとの振り分けは書かれていません。
申請の流れ
申請は専用のオンラインフォームから出します。フォームは交付申請、変更申請、実績報告、補助金請求の4種類です。交付申請とは、補助金をもらうための最初の申請です。交付決定とは、市が補助を認めて通知することを指します。
- 研修を選ぶ(事業者。市の対象研修一覧か、民間の講座から。民間の講座は受講理由と効果を書けるものを)
- 交付申請を出す(事業者→静岡市 産業振興課。事業の着手前まで。複数の研修はまとめて1回)
- 交付決定の通知を受ける(静岡市→事業者)
- 研修を受講する(事業者。内容や経費が変わるときは、先に変更申請を出す)
- 実績報告を出す(事業者→静岡市。受講を終えたとき、または年度が終わったとき)
- 補助金を請求する(事業者→静岡市。交付確定の通知を受けてから30日以内)
要綱は、交付申請を「事業の着手前までに」出すと定めています。研修の申込みや受講料の支払いが「着手」に当たるかは、公式ページに書かれていません。交付決定の通知を待ってから申し込むのが安全です。
必要な書類
準備できた 0 / 8
登記事項証明書は法人だけです。個人は事業活動の実態が分かる書類、団体は構成員名簿を出します。実績報告では、様式第9号・第10号・第4号と、受講の完了が分かる領収証などが要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着手のあとに申請した:交付申請は事業の着手前までです。受講を始めてから出すと、対象外になるおそれがあります。
- 資格取得が目的の研修だった:目的が資格の取得と読める講座は、補助事業から除かれています。
- 受講料を本人が負担していた:会社が払う研修であることが前提です。
- ほかの補助金と重なった:国や地方公共団体などから補助金を受けている研修は対象外です。
- 市税を滞納していた:誓約書で、静岡市税に滞納がないことを確認します。
- 連絡が取れなかった:申請のとき入力したメールアドレスに、確認が届くことがあります。連絡が取れないと手続きが進みません。
似た名前の制度とどう違う?
静岡市には「中小企業等デジタル活用事業補助金」という似た名前の制度もあります。この記事の補助金は研修費用、デジタル活用事業補助金はITツールの導入費用が対象です。
| 比べる点 | DX人材等育成支援(この記事) | デジタル活用事業 |
|---|---|---|
| 対象になるもの | 社員が受ける研修の受講料 | 報償費、使用料、備品購入費、消耗品費、役務費・委託費 |
| 上限と率 | 10万円・2/3(技能研修は5万円・1/2) | 50万円・2/3 |
| 受付 | 令和8年度分を受付 | 令和8年度の募集は終了 |
デジタル活用事業補助金は、ソフトを使う社員の研修ではなく、ソフトや機器を買う費用に使う制度です。ほかの補助金を受ける費用は対象外という決まりも、デジタル活用事業側の案内にあります。同じ費用を2つの補助金に載せることはできません。
国の人材開発支援助成金も、社員研修の費用を助成します。窓口は労働局で、この記事の補助金とは別の制度です。同じ研修にどちらも使えるかは、公式ページに書かれていません。
よくある質問
資格取得のための研修は対象になりますか?
対象になりません。要綱は、資格の取得を目的とするものを補助事業から除いています。補助の対象は、デジタル技術で業務を効率化するためのソフトウェア技能の研修と、工業製品などの加工技能を高める研修です。目的が資格取得と読める講座は対象外になります。資格に直結する内容の講座を選ぶときは、申請の前に産業振興課へ相談してください。
本社がなく、工場だけが市内にある場合も申請できますか?
申請できます。要綱は、中小企業者で市内に「本社又は工場」を保有するものを対象にしており、どちらか一方で足ります。ただし「保有」が自社所有に限るのか、賃借でもよいのかは、公式ページにも要綱にも書かれていません。賃借の事務所や工場の場合は、申請の前に産業振興課経営支援係(054-354-2058)へ確認するのが確実です。
補助額はいくらになりますか?
DX・デジタル人材育成事業は受講料などの2/3で上限10万円、技能・生産性向上人材育成事業は1/2で上限5万円です。両方を同時に申請するときは、それぞれの額を足して10万円と比べ、少ないほうが補助額になります。1,000円未満は切り捨てです。たとえばDX研修6万円と技能研修4万円なら、4万円と2万円で合計6万円です。
研修の申込みは、申請の前と後のどちらですか?
要綱は、交付申請書を「事業の着手前までに」出すと定めています。研修の申込みや受講料の支払いがどの時点で「着手」に当たるのかは、公式ページに書かれていません。そのため、申込みの前に申請を出し、交付決定の通知を受けてから申し込むのが安全です。すでに申し込んだ研修がある場合は、産業振興課に相談してください。
民間の研修会社の講座も対象になりますか?
対象にできます。市の案内には県立工科短期大学校、ポリテクセンター静岡、ポリテクカレッジ浜松、静岡県立大学、静岡県産業振興財団が挙がっていますが、それ以外の民間教育事業者の研修も補助の対象にできます。ただし申請書に、その研修を受けさせる理由と見込む効果を具体的に書く必要があります。資格取得が目的の講座でないかも確認してください。
社員が受講料を立て替えた場合はどうなりますか?
受講料を受講者本人が負担している研修は対象外です。会社が払う研修であることが前提になります。社員が一度立て替えて、あとで会社が精算する場合の扱いは、公式ページに書かれていません。実績報告では受講の完了が分かる領収証などを出すため、支払いの名義と精算の方法を、申請の前に産業振興課へ確認しておくと安心です。
書籍代や教材費は補助されますか?
研修の主催者の指示で買った書籍代と教材費は、受講料と同じく対象です。会社や受講者が自分の判断で買った教材と、パソコンなどの機器代は対象になりません。公租公課と、消費税・地方消費税も対象外です。たとえば主催者が指定したテキストは対象で、自習用に買い足した参考書は対象外という分け方になります。
同じ年度に何回でも申請できますか?
申請できるのは、1つの事業者につき1年度に1回までです。複数の研修を受けさせる予定があるときは、まとめて1回の交付申請にします。受講の予定が固まってから申請するほうが安全です。申請のあとで内容や経費が変わるときは、変更申請の様式で、あらかじめ市の承認を受けます。
国の人材開発支援助成金と併用できますか?
併用できる前提では考えないでください。要綱は、国や地方公共団体その他の機関から補助金等を受けているものを補助事業から除いています。人材開発支援助成金がこの「補助金等」に含まれるかは、公式ページに書かれていません。同じ研修に両方を使いたいときは、産業振興課と助成金の窓口の両方に確認してから、申請の順番を決めてください。
申請はどこから出しますか?
原則はオンラインで、24時間受け付けています。交付申請、変更申請、実績報告、補助金の請求が、それぞれ専用のフォームです。オンラインが難しい場合に限り、清水区旭町の清水庁舎5階にある産業振興課経営支援係へ持参できます。フォームには確認用のメールアドレスを入力するので、連絡が取れないと手続きが止まります。
みなし大企業とは何ですか?
数字の上では中小企業でも、大企業の影響が強いために対象外になる会社です。市の案内は、発行済株式の2分の1以上を同じ大企業が持っている、3分の2以上を複数の大企業が持っている、大企業の役員か職員を兼ねる人が役員の総数の2分の1以上を占める、のいずれかを挙げています。申請のときは、誓約書でも該当しないことを確認します。
補助金はいつ振り込まれますか?
順番は、実績報告、市の審査、交付確定の通知、請求書の提出です。請求書は、交付確定の通知を受けた日から30日以内に出します。振込日の目安は、公式ページにも要綱にも書かれていません。研修の費用はいったん会社が全額を払う前提で、資金繰りを組んでください。
申請の締切はいつですか?
公式ページに、申請の締切日は書かれていません。要綱は「予算の範囲内において」交付すると定めているため、年度の途中でも予算に達すれば受付が止まる可能性があります。受講の前に申請を終える必要もあるので、受講の予定が決まった時点で早めに出してください。受付の状況は、産業振興課(054-354-2058)で確かめられます。
