DXの補助金は、システムや機器を買えば使えるのか。焼津市のこの補助金は、買うだけでは足りません。デジタル技術で製品やサービスを新しく開発するか、既存のシステムで業務や付加価値を見直し、市内中小企業のモデルケースになる事業が対象です。補助率は1/2、上限は250万円です。
令和5年度以降にこの補助金を受けた事業者は申請できません。過去に受けたことがないかを、最初に確かめてください。
焼津市 中小企業等DX促進モデル事業補助金の要点まとめ
正式名:焼津市中小企業等DX促進モデル事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(市内に事業所を持つ中小企業等)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- DX・IT導入(デジタル技術を使った新規開発・業務改善)
- 対象地域
- 静岡県焼津市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(中小企業等であること)
いくら
- 補助上限額
- 250万円(設備備品の購入費150万円+その他の経費100万円)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2027年1月29日まで(予算に達し次第終了)
- 事業の完了
- 実績報告の期限は2027年3月5日
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「中小企業等」とは、中小企業基本法の中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当します)と、一部の協同組合を指します。上限の数字は業種で変わるため、公式ページには載っていません。自社が当てはまるかは商工観光課で確かめられます。事業所は、事務所や店舗でも構いません。市税は、交付申請の日以前に納期限が来たものが対象で、徴収猶予を受けている場合も滞納扱いになりません。複数の事業者が共同体で申請するときは、市とのやり取りと補助金の受け取りを担う管理事業者を1社決めます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 令和5年度以降に交付を受けた
- ✕ 政治団体・宗教上の組織である
- ✕ 暴力団・その関係者である
- ✕ 市が適当でないと認めた
「DXならなんでも」ではない? 勘違いしやすい線引き
この補助金が見ているのは、買った機器の金額より、事業がモデルケースになるかです。要綱は、事業を次の2つのどちらかと定めています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 新規開発 | デジタル技術を使った製品・サービス・ビジネスモデルを新しく開発する |
| 既存システムの活用 | 既存のシステムやサービスで、業務プロセスの見直しや付加価値の創出につながる改善・変革をする |
システムを入れ替えるだけで業務が何も変わらない計画は、この線の外に出ます。公式ページには、対象外の機器や製品の一覧がありません。個別の機器が当てはまるかは、事前相談で聞くのが確実です。
市が公開している事業計画書の記載例は、自社だけの省力化で終わらせず、業界全体に広がる取組として書く形です。実施体制の欄には「スタートアップ企業との連携を図ること」という注記も付いています。
もう1つの取り違えは「過去に受けたか」です。令和5年度から7年度の各要綱と今回の要綱の、どれでも交付を受けていないことが条件です。補助金の名前は毎年同じなので、前の年に取った会社が気づかずに申請しがちです。
いくら戻ってくる?
補助額は、経費の区分ごとに「2分の1以内」で計算します。1,000円未満は切り捨てです。上限は設備備品の購入費が150万円、その他の経費が100万円で、合わせて最大250万円です。
- 設備備品の購入費だけ400万円:400万円 × 1/2 = 200万円 → 上限の150万円
- 設備備品の購入費100万円+委託費80万円:50万円 + 40万円 = 90万円
- 設備備品の購入費300万円+その他の経費200万円:150万円 + 100万円 = 250万円
上限の250万円に届くには、設備備品の購入費が300万円以上、その他の経費が200万円以上かかる計画が必要です。設備だけに偏った計画では、150万円で頭打ちになります。
設備備品のレンタルやリースは、費目としては設備備品費に入ります。ただ、150万円の上限が付くのは「購入に要する経費」で、どちらの上限側で数えるかは要綱に書かれていません。リースを使う計画は、申請前に商工観光課へ聞いてください。
何に使える?
対象にならないもの
- 2026年4月1日より前、または2027年3月5日より後に生じた経費
- 次の表にない費目(人件費は、表に見当たりません)
- カードやキャッシュレスの特典(ポイントなど)に当たる額
対象になるもの
| 費目 | 中身 |
|---|---|
| 設備備品費 | 取得価格1万円以上の設備備品の購入、レンタル、リース |
| 消耗品費 | 取得価格1万円未満の消耗品の購入 |
| 謝金 | DX人材を育てる講習会などの外部講師への謝金 |
| 委託費 | 開発設計費、データ分析費など |
| 通信運搬費 | 設備備品や消耗品の運搬費、データ通信費など |
| 広報活動費 | 広告宣伝費、Webページ制作費など |
| 交通費 | 国内の移動にかかる交通費 |
支払いにカードやキャッシュレス決済を使い、ポイントなどの特典がついた場合、その経費は対象外です。特典を現金に換算できるときは、その額を差し引いた残りが対象になります。
申請の流れ
- 商工観光課に事前相談する(事業者→焼津市 商工観光課。内容が合うかを先に確認)
- 交付申請を出す(事業者→商工観光課。事業を始める前に、2027年1月29日までに持参か郵送で)
- 審査と交付決定を待つ(焼津市→事業者。書類審査のあとに決定)
- 事業を実施し、実績報告を出す(事業者→商工観光課。2027年3月5日まで)
- 現地確認と交付確定を受ける(焼津市→事業者)
- 請求書を出す(事業者→商工観光課。交付確定の通知から30日後か2027年3月12日の、早い日まで)
お金が先に必要なときは、概算払を頼めます。交付決定額の5割が上限で、概算払請求書と資金状況調べを出します。
必要な書類
準備できた 0 / 6
事業計画書には、直近2期分(個人事業主は2年分)の営業利益と経常利益を書く欄があります。記載例も公開されています。実績報告のときは、成果報告会の開催報告書や、納品書・領収書・振込データ・通帳の写しなどが別に要ります。設備備品を買った場合は、購入や設置が確認できる写真も付けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 過去に受けていた:令和5年度以降に1度でも交付を受けていると、申請できません。
- 予算がなくなった:締切の前でも、申請が予算に達すると受付が終わります。
- 事業を始めたあとに申請した:市は交付申請を着工前の手続きと案内しています。始める前に相談してください。
- カードの特典を差し引かなかった:特典分は対象外です。実績報告で減額されます。
- 計画を大きく変えた:経費の配分を事業費の20%を超えて変えるときや、事業を中止するときは、事前に市長の承認が要ります。
- 取組をやめた:完了後も5年以上続ける条件があります。
交付後の義務と併用
交付を受けたあとにも、守る条件がつきます。補助事業の完了後も、その取組を5年以上続けることが条件です。購入した財産は完了後も大切に管理し、帳簿と領収書は交付を受けた年度の終了後5年間保管します。市が指定するイベントでは、進捗や成果を報告します。
国や他の自治体の補助制度との重複受給はできません。同じ経費に別の補助金を使う計画は、申請前に商工観光課へ伝えてください。
よくある質問
パソコンやタブレットを買うだけでも対象になりますか?
機器の購入だけでは足りません。要綱は、デジタル技術を使った製品・サービス・ビジネスモデルの新規開発か、既存のシステムを活用して業務の見直しや付加価値の創出につながる改善・変革を行う、市内中小企業のモデルケースになる事業を対象にしています。設備備品費は経費の1つなので、事業の中で必要な機器として計画に組み込みます。個別の機器が当てはまるかは、事前相談で確かめてください。
補助額はいくらまでですか?
最大250万円です。内訳は、設備備品の購入費が経費の2分の1以内で上限150万円、その他の経費が2分の1以内で上限100万円です。両方の上限に届くには、購入費300万円以上とその他の経費200万円以上が要ります。補助額は1,000円未満を切り捨てます。購入費だけで計画すると、補助は150万円で頭打ちになる点に注意してください。
去年この補助金を受けた会社でも申請できますか?
申請できません。令和5年度、6年度、7年度の各要綱と、今回の令和8年度の要綱のどれでも、交付を受けていないことが条件です。年度が変わっても名前が同じなので、見落としやすい条件です。過去に受けたかどうかが分からないときは、社内の記録を探したうえで、商工観光課に聞くのが確実です。
個人事業主も申請できますか?
申請できる見込みです。要綱の提出書類に「法人登記簿又は開業届等の写し」があり、事業計画書は資本金の欄が「個人事業主は記入不要」、誓約書は「個人事業主本人が自署」と書かれています。中小企業基本法の中小企業者に当たり、市内に事業所があって市税の滞納がないことが前提です。当てはまるかは、事前相談で確かめてください。
本社が市外でも、焼津市内に店舗があれば対象ですか?
要綱は、市内に事業所(事務所や店舗などを含む)を持つことを条件にしています。本社の所在地までは書かれていません。ただし、補助の対象になる経費は「市内の事業所で行う事業に要する経費」です。市内の店舗や事務所で行うDXの取組であることを、事業計画書で示せるようにしておきます。細かい扱いは商工観光課に確かめてください。
申請の締切と、そのあとの期限はいつですか?
交付申請の提出期限は2027年1月29日で、持参か郵送で出します。実績報告の期限は2027年3月5日、請求は交付確定の通知から30日後か3月12日の早い日までです。ただし、予算に達すると締切前でも受付が終わります。実際に事業を進める期間も考えると、締切ぎりぎりより、早めの相談と申請が安全です。
補助金はいつ振り込まれますか?
原則は、実績報告のあとの交付確定を経て、請求書を出してからの後払いです。先に資金が要るときは概算払を請求できます。上限は交付決定額の5割で、概算払請求書と資金状況調べを出します。振込の時期は、公式ページと要綱に書かれていません。資金繰りの計画を立てるときは、商工観光課に目安を聞いておくと安心です。
クレジットカードで支払うとポイントは差し引かれますか?
カードやキャッシュレス決済で支払い、ポイントなどの特典がついた場合、その経費は補助の対象になりません。特典を現金に換算できるときは、換算した額を経費から引いた残りが対象です。補助対象経費で特典がつきそうな支払いは、現金や振込に切り替えると、金額の計算が分かりやすくなります。
事前相談は必ず受けないといけませんか?
公式ページは、まず商工観光課に相談して、内容が合うかを確かめてから申請するよう案内しています。予算に限りがあり、申請状況によっては急に受付が終わることもあります。必ず事前に確認や相談をしてほしいとも書かれています。申請書類をそろえる前に、電話で相談して対象になるか確かめるのが早道です。
補助金で買った設備は、あとで売ってもいいですか?
自由には売れません。要綱は、補助事業で取得した財産を、完了後も善良な管理者の注意義務をもって管理し、効率的に運用するよう求めています。取組自体も、完了後5年以上続ける条件です。売却や廃棄、取組の中止を考えるときは、先に商工観光課に相談してください。売却時の手続きや返還の有無は、公式ページに書かれていません。
他の補助金と同じ経費で併用できますか?
できません。国または他の地方公共団体の補助制度と、重複して補助金を受けてはならないと、要綱の条件に書かれています。別の補助金を使うDXの計画は、経費を分けて整理する必要があります。どの経費にどの補助金を使うか迷うときは、申請の前に両方の窓口へ確かめると、後から返還を求められる心配が減ります。
問い合わせ先はどこですか?
焼津市 経済部 商工観光課(市役所本庁舎6階)です。電話は054-626-1175、所在地は〒425-8502 静岡県焼津市本町2丁目16番32号です。対象になるか、書類の書き方、経費の区分で迷うときに相談できます。事業計画書の記載例や活用事例は、市の案内ページで公開されているので、あわせて見ておくと計画を立てやすくなります。
