壊れたトラクターは直すのか、買い直すのか。ハウスは建て直すのか、まず撤去だけにするのか。見積を取る前に迷う農家は多いはずです。
八代市の「農業用機械・施設等復旧支援事業」は、令和8年熊本地震で被災した農業者の修繕・再取得・撤去に、費用の最大9/10(検討中)を補助します。受付は2026年12月28日までで、窓口は営農再開ワンストップ相談窓口です。被害を受けた7月28日以降の取組なら、申請前に動いていても対象になります。ただし写真と、着工の状況が分かる書類が要ります。
農業用機械・施設等復旧支援事業の要点まとめ
正式名:八代市農業用機械・施設等復旧支援事業(令和8年熊本地震)
だれが
- 申請者
- 被災した農業者
- 対象業種
- 農業
- 利用目的
- 被災した農業用機械・施設の修繕、再取得、補強、撤去
- 対象地域
- 熊本県八代市
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(農林水産政策課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 公式ページに記載なし(補強のみ国費300万円)
- 補助率
- 機械9/10、ハウス等7/10、撤去8/10以内(検討中)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年12月28日まで
補助率はいずれも「以内」で、市の案内に「検討中」と付いています。確定した率は窓口で確かめてください。
自分の被害は対象になる?
次の3つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
取組を始める時期にも条件があります。令和8年7月28日以降の着工であれば対象です。
申請する人は、成果目標も設定します。必須は「農業経営の維持」です。機械を取得する場合は、経営面積の拡大、農産物の価値向上、単位面積当たり収量の増加などから1つ選びます。
次のどれかに当たると、その部分は対象外です。
- ✕ 育苗箱・パレットなどの小物
- ✕ マルチ・燃料・肥料・農薬
- ✕ 生産・加工に使わない施設
小物や消耗品は、機械や施設の復旧と一緒に出しても補助されません。原型復旧(元の規模・性能に戻すこと)を超える部分も自己負担です。ただし複数の被災農家が共同で使う機械を買う場合だけは、元より大きい規模も取得できます。補助は、それぞれの農家の復旧費用を足した範囲までです。
いくら補助される?
補助率は、何を復旧するかで4通りに分かれます。市の案内に書かれている率はすべて「以内」で、「検討中」です。
| 区分 | 例 | 補助率(以内) |
|---|---|---|
| 農業用機械・畜舎等(共済の対象外) | トラクター、コンバイン、畜舎、農業用井戸、農業専用トラック | 9/10 |
| 農業用ハウス等(園芸施設共済の対象) | ハウス、暖房機、水耕栽培用ベンチ | 7/10 |
| 被災した営農施設等の補強 | ハウスへの補強材の追加 | 7/10 |
| 被災施設の撤去 | 農機具格納庫、ハウス、畜舎 | 8/10 |
ハウスは共済に入っていたかどうかで額が変わります。共済に入っていれば、共済金の国費相当額と合わせて最大9/10になります。入っていなければ最大7/10です。共済に入っていた場合、補助金と支払われた共済金を合わせて復旧額を埋める形です。
計算の例です。
- 共済対象外のコンバインを修繕する。見積が120万円:120万円 × 9/10 = 108万円(上限)
- 共済に入っていないハウスの暖房機を買い直す。見積が80万円:80万円 × 7/10 = 56万円(上限)
- ハウスの補強材を追加する。事業費が100万円:100万円 × 7/10 = 70万円(上限)
どれも「以内」の上限で計算した目安です。実際の額は、率が確定したあとに窓口で試算してもらってください。
補強には条件があります。成果目標に「付加価値額の拡大」を設定すること、事業費が50万円以上であること、国費の上限が300万円であること。チラシには県費200万円とも書かれています。事業費が50万円に届かない補強は使えません。
撤去の補助率は、ハウスなど共済の対象施設が共済に入っていなければ最大8/10です。共済に入っていれば、共済金の国費相当額と合わせて最大10/10になります。畜舎・加工施設など共済の対象外の施設は8/10以内です。
撤去は、国費の限度額が2つの額の低いほうで決まります。
- 助成単価 × 施設面積
- 実際の撤去費用をもとに算出した額
たとえば畜舎・農舎等の単価は1㎡あたり12,000円です(検討中)。100㎡なら120万円で、実際の撤去費用が150万円でも限度は120万円になります。ガラスハウスは3,200円、鉄骨+プラスチックは2,347円、非鉄骨+プラスチックは773円(いずれも1㎡あたり)です。単価は検討中なので、窓口で最新の値を確かめてください。
何が対象で、何が対象外?
先に対象外を挙げます。
- 農産物の生産・加工に必要な施設以外の施設
- 育苗箱、パレットなどの付帯・補完的な器具
- マルチ、燃料、肥料、農薬などの消耗品
- 原型復旧を超える部分
対象になるものは次のとおりです。
- 農業用機械の修繕・再取得(トラクター、コンバイン、農業用井戸など)
- 畜舎・農舎・農機具格納庫など、共済の対象外の施設の修繕・再取得
- ハウス、暖房機、水耕栽培用ベンチなど、園芸施設共済の対象施設の修繕・再取得
- 被災した営農施設等の補強
- 被災した施設の撤去、ハウス等に流入した土砂の撤去
- 農業専用トラックの修繕・再取得
農業専用トラックには追加の条件があります。被災時点で新車登録から14年以内であること。農業専用として使っていたこと。農作物や資材を運ぶ荷台があること。カーナビやリアカメラなどのオプション、自動車税、車検費用、登録手数料は対象外です。復旧後は、車体に法人名や農園名と補助金名を表示し、運行記録も整える必要があります。
申請の流れはどうなる?
迷ったら、被災した機械や施設の写真を撮り、見積書をそろえてから相談する順番を市が勧めています。
- 被災した機械・施設の写真を撮る(農業者→自分で。全景、被災箇所、型式プレートや製造番号プレート)
- 修繕か再取得かの見積書を取る(農業者→業者へ。宛名は申請者名にする)
- 営農再開ワンストップ相談窓口に相談する(農業者→千丁支所。必要書類の作り方の助言も受けられる)
- 必要書類を窓口に出す(農業者→窓口へ。2026年12月28日まで)
- 確定した補助率と、受付後の手順を確かめる(農業者→窓口へ。補助率は検討中のため)
窓口は八代市千丁支所1階の第1会議室で、平日の9時から12時、13時から16時に開いています。電話は0965-30-1671です。農業用機械や施設の修繕・再取得については、12月下旬まで要望を受け付けています。
事前着工は認められています。7月28日以降に修理や購入を始めていれば、申請前でも対象です。このとき、全景・被災箇所・能力が分かる写真と、見積書や契約書、納品書、請求書、領収書などの着工状況が分かる書類が必要になります。迷う前に動く場合は、書類を捨てずに残しておくことが条件です。
必要な書類
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修繕不能証明書は、壊れた機械や施設を直せず買い直し・建て替えをするときに要ります。機械はメーカー等、施設は建築士等が出します。図面は施設を建て直すときの書類です。比較見積書は、機能向上や規模拡大を伴うときに用意します。施設園芸共済の加入状況は、加入している場合だけ必要です。R7年の申告書は決算書と固定資産台帳で、消費税の申告書(本則課税・簡易課税)は、申告している事業者のみ付けます。
被災した機械や施設が複数あるときは、それぞれに写真と見積書が要ります。施設を建て直すなら、撤去だけの見積書、建て直す見積書、比較見積書の3つをそろえます。名称・能力・型式・装備内容と被災住所も書類に載せます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 原型復旧を超えた:元より大きく、高性能にした部分は自己負担です。共同で使う機械は例外ですが、補助は各農家の復旧費用の合計までです。
- 必要書類が欠けた:事前着工の分は、写真と着工状況が分かる書類がないと証明できません。見積書の宛名が申請者名でない場合も、直す必要があります。
- 保険に入り続けなかった:修繕・再取得した機械は、耐用年数のあいだ、気象災害などに備える保険への通年加入が必要です。
- 対象外のものを混ぜた:消耗品や育苗箱、パレットなどは補助されません。
保険の条件は見落としやすい点です。直した機械の耐用年数のあいだは、保険に通年で入り続けることが条件になります。補助金をもらったあとも続く義務なので、補助額だけでなく、毎年の保険料も含めて判断すると整理しやすくなります。
関連する事業との違い
八代市は、同じ地震の被災者向けに、ほかにも事業を出しています。公式ページの関連事業として、次の3つが載っています。
- 早期営農再開支援事業
- 梨産地復旧支援事業
- いぐさ畳表加工再開支援事業
この記事の事業は、機械・施設の物に対する補助です。追加防除や施肥のような生産の回復は別の事業です。同じ農家が複数の事業を使えるかどうかは、公式ページには書かれていません。窓口に確かめてください。
被災した施設を壊す場合、市は公費解体も行っています。撤去を補助にするか公費解体にするかは、窓口で相談できます。
よくある質問
申請前に修理や購入をしてしまいました。対象になりますか?
令和8年7月28日以降に始めた取組なら、申請前でも対象です。ただし次の書類が必要になります。全景、被災箇所、型式や製造番号のプレートなど能力が分かる写真と、見積書、契約書、納品書、請求書、領収書などの着工状況が分かる書類です。すでに支払いを済ませたものは領収書を残しておいてください。7月28日より前に始めた分は、公式ページに扱いの記載がありません。窓口で確かめてください。
補助率はいくらですか?
機械・畜舎等は9/10以内、ハウス等と営農施設の補強は7/10以内、撤去は8/10以内です。ただし市の案内に「検討中」と付いており、確定した率ではありません。ハウスは園芸施設共済に入っているかで変わり、共済金の国費相当額と合わせて最大9/10になります。共済に入っていなければ最大7/10です。実際の額は窓口で試算してもらうと確実です。
上限額はありますか?
公式ページに、全体の上限額の記載はありません。例外が補強で、事業費50万円以上、国費の上限300万円という条件が書かれています。チラシには県費200万円も載っています。撤去は、助成単価に面積をかけた額と実際の費用から算出した額の、低いほうが国費の限度です。単価は検討中なので、金額の見込みは窓口で確認してください。
共済に入っていないハウスは補助されませんか?
補助されます。園芸施設共済に入っていないハウスは、最大7/10です。共済に入っていれば、共済金の国費相当額と合わせて最大9/10になります。加入状況に応じて補助額を計算するので、加入状況が分かる書類も準備してください。共済に入っていた場合は、補助金と支払われた共済金を合わせて復旧額を補う仕組みです。
農業専用トラックは対象ですか?
条件を満たせば対象です。被災時点で新車登録から14年以内で、農業専用に使っていたことが条件です。荷台は軽トラックや2トントラックでも構いません。固定資産台帳への計上、車体への名前表示、運行記録、事業使用の保険などの確認があります。オプション品や自動車税、車検費用は対象外です。チェックリストは八代市の公式ページに載っています。
壊れた機械が直せないときは、どうすればいいですか?
買い直し(再取得)で申請できます。その場合は、メーカー等が出す修繕不能証明書を添えます。機械の場合、能力が分かるカタログと見積書も要ります。機能を上げる買い直しなら比較見積書も必要です。元の性能を超える部分は自己負担になります。直せるかどうかの判断が難しいときは、先に写真と見積書を持って窓口へ相談する順番を市は勧めています。
施設を建て直すとき、何を準備しますか?
撤去だけの見積書、建て直す見積書、比較見積書の3つが必要です。このほか、平面図・立面図などの図面と、建築士等が出す修繕不能証明書を用意します。規模を広げる場合も、比較見積書が必要です。元より広くした部分は原型復旧を超えるので、自己負担になります。被災した施設の写真は、4方向からの全景も撮っておきます。
保険への加入は必須ですか?
必須です。修繕や再取得した機械は、耐用年数のあいだ、気象災害などによる被災に備える保険に通年で加入する必要があります。補助金を受けたあとも続く条件です。農業専用トラックは、任意保険の使用目的が「事業使用」になっているかも確認されます。保険の掛け金を毎年の経営費に入れて考えておくと、あとで困りません。
複数の機械が壊れたとき、まとめて申請できますか?
申請はできますが、書類は機械・施設ごとに必要です。複数の機械や施設が被災している場合は、それぞれの写真と見積書をそろえます。見積書の宛名は申請者名にします。市の書類一覧には「提出前チェック」の欄があります。共通書類がすべてそろっているかを確かめてから窓口へ行くと、出し直しを減らせます。
申請の窓口と受付期間はどこですか?
窓口は営農再開ワンストップ相談窓口で、八代市千丁支所1階の第1会議室です。平日の9時から12時と13時から16時に開いていて、電話は0965-30-1671です。受付は令和8年12月28日までです。市の農林水産政策課(0965-33-4117)でも問い合わせを受けています。書類は早めに整えて、期限の前に窓口へ行くと安心です。
公費解体と、この事業の撤去は、どちらを使えばいいですか?
どちらを使えるかは、施設の種類や状況で変わります。市では公費解体も行っていて、公式ページにリンクがあります。この事業の撤去は、農産物の生産・加工に必要な施設が対象です。非住家の撤去も、市が実施する環境省の災害廃棄物処理事業の対象になる場合があります。条件が事業ごとに違うので、窓口で相談してください。
