LEDや空調の入れ替えに、上限1,000万円の原油価格高騰枠は使えるのか。使えません。照明・空調・給湯・冷凍冷蔵の更新は、上限600万円の通常枠の担当です。高騰枠が受け持つのは、ボイラや産業ヒートポンプなどの産業設備です。
もう一つ、申請の前に確かめることがあります。直近2か月のエネルギー関連経費が、前年の同じ2か月より5%以上増えていることが、高騰枠だけの条件です。通常枠との併願もできないためどちらで出すかを先に決めてください。
福井県 省エネ設備等導入支援事業補助金【原油価格高騰枠】の要点まとめ
正式名:企業における省エネ設備等導入支援事業補助金【原油価格高騰枠】(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 製造業、商業・サービス業
- 利用目的
- ボイラ・産業ヒートポンプ等の省エネ設備への更新
- 対象地域
- 福井県
- 従業員数
- 中小企業者(業種ごとに上限あり)
いくら
- 補助上限額
- 1,000万円(補助事業者あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月7日〜2026年11月30日(先着順・予算がなくなり次第終了)
- 事業の完了
- 2027年2月12日までに完了(報告は完了後1か月以内か2月26日の早い日)
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 通常枠にも申請している
- ✕ 照明・空調だけを入れ替える
- ✕ 社会福祉施設・医療機関
中小企業者は、中小企業等経営強化法で定める中小企業のことです。業種ごとに資本金か従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば足ります。製造業は3億円か300人、卸売業は1億円か100人、サービス業は5,000万円か100人、小売業は5,000万円か50人が目安です(ソフトウェア業・旅館業・ゴム製品製造業などは別の上限)。みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、大企業の影響が強い会社を指し、中小企業でも対象外です。条件は県の要領の別紙1に5つ挙がっています。
ふくい女性活躍推進企業の登録は、個人事業主なら不要です。未登録の法人は、登録申請書の写しでも申請できます。ただし交付決定は登録通知書を出したあとになります。
5%の増加は、更新する設備と同じ種類のエネルギーの経費で見ます。ボイラを更新するなら、そのボイラを置く事業所の燃料費やガス料金が対象で、水道料金は含みません。前年同じ2か月に80万円かかっていれば、84万円以上で条件を満たします。
「直近2か月」は、交付申請日の時点で請求書などから確認できる、いちばん新しい2か月です(県のQ&A)。燃料と電気で月がずれても構いません。2か月の合計で比べるので、1か月だけ5%を超えていなくても条件を満たせます。複数の事業所をまとめて申請するときは、全事業所の合計で比べます。
通常枠と何が違う?ここを取り違えると申請できません
同じ名前の補助金に、通常枠と原油価格高騰枠があります。県の案内では通常枠は令和8年5月末から、高騰枠は8月7日から受け付けています。両方の枠で申請することはできません。
| 比べる点 | 通常枠 | 原油価格高騰枠 |
|---|---|---|
| 補助上限額 | 600万円 | 1,000万円 |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| 照明(LED)・空調・給湯・冷凍冷蔵 | 対象 | 対象外 |
| ボイラ・産業ヒートポンプ・変圧器など | 要領の対象に挙がっていない | 対象 |
| 製造業の生産設備 | 対象 | 対象 |
| エネルギー費の増加の条件 | なし | 前年同期比5%以上 |
| 採択予定数 | 100件程度 | 20件程度 |
県の要領で通常枠の対象に挙がっているのは、LED、調光制御機能つきLED、空調、給湯、生産設備、冷凍冷蔵の6項目です。ボイラなどの産業設備を更新するなら、高騰枠が入り口になります。
生産設備は両方の枠で対象です。上限だけを見れば高騰枠が有利ですが、エネルギー費の増加を請求書で示せない場合は通常枠で出す選択肢が残ります。
社会福祉施設と医療機関は、この補助金の対象外です。風俗営業の事業者、政治団体、宗教上の団体も対象外です(実施細則)。別に「社会福祉施設および医療機関等における省エネ設備等導入支援補助金」が用意されています。
いくら戻ってくる?
補助率は対象経費の1/2以内、上限は1,000万円です。設備本体の購入費だけが対象で、設置工事費は含まれません。予算の都合で、補助金の額が申請どおりにならない場合もあります。
- 設備本体が1,200万円:1,200万円 × 1/2 = 600万円
- 設備本体が2,000万円:2,000万円 × 1/2 = 1,000万円(上限ちょうど)
- 設備本体が3,000万円:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円 → 上限の1,000万円
- 本体2,400万円に工事費300万円:対象は本体の2,400万円だけ。2,400万円 × 1/2 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
上限に届くのは、設備本体の購入費が2,000万円以上のときです。工事費を含めた見積書で計算すると、受け取れる額を多く見積もってしまいます。値引き分も対象外なので、値引き後の価格で考えてください。申請額は千円未満が切り捨てです。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- LED・空調・給湯・冷凍冷蔵設備の更新(通常枠の対象)
- 設備の新設・増設(既存設備を省エネ性能の高い設備へ更新する事業だけが対象)
- 設置工事費、撤去費、廃棄費、運搬費、調整費
- 中古設備、可搬型の設備、リースで入れる設備、複数の事業者での共同購入
- 非常灯や避難口誘導灯など、非常時のための設備
- 予備用・将来用の設備、省エネと関係のないオプション
- 消費税および地方消費税
対象になるのは、製造業か商業・サービス業で使っている既存の稼働設備を、次のどちらかの設備に更新する事業です。
- 既存設備に比べてCO2が30%以上減る、または年間5t以上減る設備(ボイラ、産業ヒートポンプ、変圧器、産業用モータ、コージェネレーション、工業炉などの更新)
- 既存の生産設備に比べてCO2が30%以上減る高効率の生産設備(製造業のみ。省エネ機能を付け足す場合も含む)
古い設備と新しい設備で、使う用途が同じことが条件です。能力や台数に差がある場合は理由書を付けます。ボイラから産業ヒートポンプへのように設備の種類が変わる更新は、県が個別に判断します。既存設備は原則撤去します。
申請の流れ
- 登録の有無を確かめる(事業者→県の女性活躍課。法人で未登録なら、先に登録を申請する)
- 書類をそろえる(事業者→メーカー・業者・税務署。参考見積書やエネルギー費の請求書を集める)
- 申請書を出す(事業者→補助金事務局。電子申請か郵送で、2026年11月30日まで)
- 交付決定を待つ(事務局→事業者。交付決定は、県が補助を出すと決めて通知することです)
- 見積書を2社以上から取って発注する(事業者→設備業者。交付決定のあと。事業の完了は2027年2月12日まで)
- 完了の報告を出す(事業者→事務局。完了から1か月以内か2027年2月26日の、早い日まで)
- 補助金を請求する(事業者→県。額が確定したあと)
郵送の宛先は、福井中央郵便局留めの「企業における省エネ設備等導入支援事業補助金事務局」です。先着順なので書類がそろいしだい出すのが安全です。
交付決定の前に着手した事業の支出は、補助の対象外です。県のQ&Aでは、設備業者への正式な見積書の徴収が「着手」にあたります。申請書に付ける見積書は参考見積で、交付決定のあとに改めて2社以上から正式な見積書を取ります。事業の期間は交付決定日から2027年2月12日までなので、納期の長い設備は申請前に業者へ確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 15
納税証明書は、地方消費税に滞納がないことを示す「その3 未納税額のない証明用」を出します。申請日から2か月以内に発行されたものに限ります。現行設備の写真は撮影日が入ったものを事業計画書に貼ります。室内機と室外機に分かれる設備は両方を撮ります。誓約書(別紙4)は、事業所が自社の所有する建物であることを誓う書式です。事業所が賃貸の場合は、誓約書を未記入で出し、建物所有者の設備設置承諾書を添えます。エネルギー費の請求書は、直近2か月分と前年同2か月分の両方が要ります。財務諸表は、法人なら貸借対照表と損益計算書、個人事業主なら青色の所得税申告書決算書などです。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算がなくなった:採択予定は20件程度で、先着順です。締切の11月30日より前でも、予算がなくなり次第終了します。
- 通常枠と重ねて申請した:同じ年度に通常枠と高騰枠の両方では申請できません。
- ほかの補助金と重ねた:この補助金の対象経費で、要領が定める補助金以外を受け取ることは認められていません。
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前に着手した事業の支出は、補助の対象外です。
- 変更や中止を黙って進めた:経費の配分や事業の内容を大きく変えるときや、中止するときは、先に知事の承認が要ります。
- 報告を出さなかった:完了の報告のほか、導入の効果を報告する書類を、完了した年度の翌々年度の4月30日までに出す必要があります。
- 設備を勝手に処分した:耐用年数に準じた期間内に売却や貸し付けをするときは、先に承認を受けます。
よくある質問
原油価格高騰枠と通常枠は同時に申請できますか?
同時には申請できません。県の案内に、通常枠と高騰枠の両方で申請することはできないと明記されています。同じ年度に同じ事業者が出せる交付申請も、1回に限られます。高騰枠は上限が1,000万円と大きい一方、エネルギー費が前年同期より5%以上増えていることが条件です。請求書でその増加を示せない場合は通常枠で出すかどうかを検討してください。
LED照明やエアコンの入れ替えは対象になりますか?
高騰枠では対象になりません。照明機器、空調機器、給湯機器、冷凍冷蔵設備の更新は、県の案内で通常枠の対象とされています。高騰枠が対象にするのは、ボイラ、産業ヒートポンプ、変圧器、産業用モータ、コージェネレーション、工業炉などの更新です。工場や店舗で空調と生産設備を一緒に更新したい場合は設備ごとにどちらの枠かを分けて考える必要があります。
エネルギー費が5%増えたことは、どう示せばよいですか?
直近2か月と前年の同じ2か月の、燃料費・電気料金・ガス料金などの請求書を出します。見るのは、更新する設備の稼働に使うエネルギーの種類に応じた経費だけです。電気で動く設備を更新するなら、燃料費は含めません。水道料金や下水道使用料も含みません。範囲は設備だけでなく、設備を置く事業所全体の使用分です。2か月分を足した額が前年より5%以上多ければ条件を満たします。「直近2か月」は交付申請日の時点で確認できる直近の2か月です。燃料や電気ごとに月がずれても構いません。重油や灯油を随時買っていて月ごとの請求書がないときは、領収書や納品書で月ごとの購入額を示します。
ふくい女性活躍推進企業の登録がまだです。申請できますか?
登録申請書の写しを出せば、申請はできます。ただし交付決定は登録通知書を事務局に出したあとになります。通知が届くまで交付決定が出ないため設備の発注も始められません。申請の時期が11月30日に近いと、先着順の予算が先になくなるおそれもあります。個人事業主は登録が要らないので法人かどうかで準備の順番が変わります。
設置工事費や撤去費は補助の対象ですか?
対象になりません。補助の対象は設備本体の購入費だけで、設置工事費、撤去費、廃棄費、運搬費、調整費などは含まれません。設備の値引き分も対象外です。見積書を取るときは設備本体と工事費を分けて書いてもらうと、補助の対象額を計算しやすくなります。工事費込みの金額で1/2を計算すると、実際に受け取れる額より多く見込んでしまいます。
中古の設備やリースで入れる設備は使えますか?
どちらも対象外です。県の要領では中古設備、リース契約で設置する設備、複数の事業者での共同購入、持ち運べる可搬型の設備は補助対象外とされています。設備を買って自社の資産にする場合が対象と考えてよいでしょう。リースを考えている場合は買い取りの契約に切り替えられるかを設備業者に確かめてから、申請の可否を事務局に問い合わせてください。
設備の発注は、いつすればよいですか?
県の案内では交付決定の通知を受けたあとに見積書の徴収と発注に進む流れです。交付決定の前に着手した事業の支出は補助の対象外で、正式な見積書の徴収も「着手」にあたります。申請書に付けるのは参考見積です。事業の期間は交付決定日から2027年2月12日までなので、納期が長い設備は、その期間に収まるかを申請の前に業者へ確かめておいてください。
補助金は、いつ受け取れますか?
設備の導入が終わり、完了の報告を出して額が確定したあとです。要領では確定後の支払いが原則とされ、必要なときは概算払も認められています。完了の報告は、事業が完了してから1か月以内か、2027年2月26日の、どちらか早い日までです。受け取りまでは設備の代金を自己資金や融資で立て替える形になるため資金の段取りも申請前に考えてください。
申請の受付はいつまでですか?
2026年8月7日から11月30日までです。ただし先着順で予算がなくなり次第終了する仕組みです。採択予定は20件程度と少なめなので締切の直前では間に合わないことがあります。受付の状況は、県の補助金事務局(電話 0776-53-5845、平日の午前9時から午後5時)で確かめられます。書類のうち、エネルギー費の請求書と登録通知書は用意に時間がかかります。
申請は電子申請と郵送のどちらがよいですか?
どちらでも受け付けています。電子申請では、書類を表計算ソフトやPDFでアップロードします。郵送では、作った書類を印刷してまとめ、福井中央郵便局留めで事務局に送ります。県は申請様式を表計算ソフト版で作るよう勧めています。先着順の受付なので郵送だと届く日数の分だけ後ろになります。急ぐ場合は電子申請が有利です。
申請した後に、設備の計画を変えたくなりました。どうすればよいですか?
事前に知事の承認を受ける必要があります。要領では経費の配分を大きく変えるとき、事業の内容を変えるとき、事業を中止するときは先に承認を受けるよう定めています。事業費の総額の20%以内の増減など、軽い変更は除かれます。判断に迷う場合は変更する前に事務局へ連絡してください。黙って進めると、交付決定が取り消されるおそれがあります。
補助金で入れた設備は、すぐに売却できますか?
すぐには売却できません。補助金で取得した設備は、法令で決まった耐用年数に準じた期間内に、売却・貸し付け・担保にするなどの処分をするとき先に県の承認が必要です。承認を受けても、残っている価額や得た収入の一部を県に納めることがあります。設備を更新する際に、将来の移転や事業の入れ替えを見込んでいる場合は申請の前に事務局へ相談しておくと安心です。
