道内の中小企業が、日本で出願した特許や商標を外国にも出す費用の半分を、北海道中小企業総合支援センターが補助します。特許は1出願150万円、1企業では年度内300万円までです。募集は2026年10月30日(金)17時必着の3次募集で、予算の残りは300万円程度と案内されています。
外国出願は交付決定のあとに行うため、出願の時期が決まっている案件は、申請の前にこの点を確かめてください。
北海道 海外出願支援事業の要点まとめ
正式名:海外出願支援事業(2026年度3次募集)
だれが
- 申請者
- 道内に事業所を持つ中小企業者等(法人・個人事業主・組合など)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 外国への特許・実用新案・意匠・商標の出願
- 対象地域
- 北海道(道内に事業所があること)
- 従業員数
- 業種別に上限あり(製造業等300人以下、小売業50人以下など)
いくら
- 補助上限額
- 1企業300万円(1出願は特許150万円、他は60万円・30万円)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月30日17時必着(受付は9月29日から)
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
EBPMとは、データなどの根拠にもとづいて政策を立てる取組のことです。申請時・報告時に出した情報が、経済産業省などの効果検証に使われる場合があります。
基礎出願とは、日本国特許庁に出した特許・実用新案・意匠・商標の出願です。外国出願は、この出願を土台にします。PCT出願(1回の出願で多くの国に出願できる仕組み)の国内移行など、基礎出願がなくても使える方法もあります。
中小企業者の範囲は、中小企業支援法の定めにより業種ごとに決まっています。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下です。サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、ゴム製造業は3億円以下または900人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下です。資本金と従業員数は、どちらか一方が基準以内なら中小企業者にあたります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 交付決定前に出願・支払をした
- ✕ 暴力団と関わりがある
- ✕ 事業を営まない個人
みなし大企業とは、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、中小企業でも対象から外れる会社のことです。募集要項は5つの場合を挙げ、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える会社も含めています。
いくら戻ってくる?
かかった外国出願費用の半分です。1出願ごとの上限は、特許が150万円、実用新案・意匠・商標が60万円、抜け駆け対策商標が30万円です。1企業では1事業年度に300万円までです。なお、以下の費用は仮の金額です。
- 機械メーカーが特許を1件、複数の国に出願する:200万円 × 1/2 = 100万円
- 食品メーカーが商品名の商標を海外で出願する:80万円 × 1/2 = 40万円
- 特許を米国・欧州・中国に出願する:400万円 × 1/2 = 200万円 → 上限の150万円
- 家具メーカーが意匠を出願する:140万円 × 1/2 = 70万円 → 上限の60万円
上限の150万円に届くのは、特許の外国出願費用が300万円以上のときです。特許を2件出して上限に当たると、150万円 × 2 = 300万円で、1企業の上限にも達します。3件目は補助されません。
共同出願のときは、持分割合と負担割合のうち低い方の割合で補助額が決まります。実施要領は、上限を「1企業に対する1会計年度内の総額」と定めています。すでに2026年度に交付を受けた企業は、その分を含めた残りが目安になると読めます。数え方は事務局に確認してください。
何に使える?
対象にならないもの
- 交付決定日より前に発生・支払った経費
- 2027年3月1日以降に発生・支払う経費
- 日本の消費税等、海外の付加価値税・サービス税
- 出願料の支払後に出願不備が出たときの補正費用
- 日本国特許庁に払う費用(PCTの国際段階の手数料を含む)
- 先行技術の調査費用
- 外国出願後に行う審査請求料
対象になるもの
- 外国特許庁への出願手数料
- 現地代理人費用
- 国内代理人(弁理士)費用
- 翻訳費用
- その他、特に必要と認められた経費
対象になるのは、外国特許庁に出願するときの費用です。交付決定日から2027年2月28日までに支払う経費が対象になります。審査請求は、出願と同じ日に行うときだけ、その費用も対象です(交付申請書の注記)。
申請の流れ
- 交付申請書と書類をそろえる(事業者→弁理士等。協力承諾書と見積書を依頼する)
- センターに郵送か持参で出す(事業者→企業振興部。10月30日17時必着、正本1部と副本1部)
- 審査と交付決定を待つ(審査委員会→事業者。審査は11月中旬、決定は11月下旬〜12月上旬)
- 外国出願をする(弁理士等・現地代理人。交付決定のあとに出願と支払をする)
- 実績報告を出す(事業者→センター。2027年2月28日までに完了し、3月10日までに報告)
- 請求して受け取る(事業者→センター。費用は先に自分で払い、補助金額の確定と支払は3月末まで)
実績報告は、完了から30日以内か2027年3月10日のどちらか早い日が期限です。外国出願は交付決定のあとになるため、出願の期限が11月末より前に来る案件は、この募集で補助を受けられない場合があります。募集要項には個別の扱いが書かれていません。出願の時期が決まっている場合は、申請の前に事務局へ確認してください。
必要な書類
準備できた 0 / 12
共同出願でなければ、契約書は要りません。個人事業主は、履歴事項全部証明書のかわりに住民票(マイナンバーの記載がないもの)と、直近2年分の確定申告書の控えを出します。抜け駆け対策商標の申請は、様式第1-2を使います。賃上げ加点を希望する場合は、別紙1「従業員への賃金引上げ計画の表明書」も出します。見積書には現地代理人費用の支出予定先と、出願国ごとの計算過程を書く必要があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に出願・支払をした:交付決定日より前に発生・支払った経費は対象外です。出願を急ぐ場合でも、先に支払うと補助は受けられません。
- 締切に間に合わなかった:10月30日17時必着です。期間内に届かない書類は受け付けられません。郵送の日数も見込んでください。
- 賃上げを約束して実行しなかった:加点を受けて賃上げを表明し、実行されなかった場合は、交付決定の取消しと補助金の返還になることがあります。
- 事業化状況の報告をしなかった:事業終了後5年間、毎年の事業化状況の報告などに協力する義務があります。
加点と審査のポイント
審査委員会は、次の3点を見ます。
- 先行技術調査の結果から、外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないこと
- 権利を使った事業展開の計画があること(商標は、抜け駆け出願への対策の意思でも可)
- 外国出願に必要な資金能力と資金計画があること
申請の書類は、この3点に答える形で書くと審査に対応しやすくなります。加点は3種類です。賃上げ(給与総額か1人あたり平均受給額が2.5%以上増える見込み)、ワーク・ライフ・バランスの認定(えるぼし・くるみん・ユースエールなど)、地域未来牽引企業の選定です。それぞれ別の書類を付けます。
採択されると、事業者名・所在地の市区町村・権利の種類と件数が公表されます。募集要項は、審査内容や結果への問い合わせには回答しないとしています。
よくある質問
日本で出願していなくても申請できますか?
原則として、日本国特許庁への基礎出願が必要です。ただしPCT出願の国内移行では、基礎出願がない場合、日本国特許庁に国内段階への移行手続をする予定があれば対象になります。ハーグ協定に基づく出願では、指定締約国に日本が含まれることが条件です。どの方法にあたるか迷うときは、弁理士に出願の経路を確かめてから申請してください。
商標も対象になりますか?
対象です。日本国特許庁に商標出願か商標登録を済ませた案件で、外国特許庁に直接出願する方法や、マドプロ出願(1つの出願で複数の国を指定する国際出願)が含まれます。商標は優先権の主張がなくても構いません。ただし日本国内に先行登録のない商標で、国内出願と同じ内容か、決められた範囲の変更にとどまる必要があります。
抜け駆け対策商標とは何ですか?
外国で第三者に先に商標を出願されることへの対策として、出願する商標のことです。申請は様式第1-2を使い、1出願あたりの補助限度額は30万円です。募集要項は、審査基準で「外国における抜け駆け出願対策の意思」を挙げています。外国出願予定の商標について、日本国内の先行登録調査の結果なども出します。国内出願から商標の表記や指定商品を変えて出願するときは、使用実態か使用予定が分かる書類も要ります。
弁理士に頼まないと申請できませんか?
弁理士への依頼が必須とは限りません。外国出願を国内の弁理士等に頼む場合は、その弁理士等の協力承諾書が必要です。自分で現地代理人に直接依頼する場合は、同等の書類を出せることが条件になります。見積書には現地代理人費用の支出予定先を書きます。翻訳を国内代理人が他者に頼むときも、支出予定先を書いてください。
交付決定の前に出願してもいいですか?
出願しても補助は受けられません。交付決定日より前に発生・支払った経費は対象外です。この募集では、交付決定は2026年11月下旬〜12月上旬の見込みです。出願の期限がそれより前に来る場合は、この募集の対象にならない可能性があります。事務局のメールか相談フォームで、申請の前に確認することを勧めます。
1企業で何件まで申請できますか?
複数件を申請できます。ただし案件ごとに申請書類を用意します。1企業の年度内上限は300万円で、特許は1出願150万円までです。予算の残りも300万円程度と案内されているため、複数件を出しても全額が補助されるとは限りません。優先度の高い案件から整理し、見積書の金額を上限に当てはめて計算しておいてください。
国内出願の名義が社長個人でも申請できますか?
申請はできますが、条件が付きます。交付決定のあと、外国出願をする前までに、国内出願の名義を申請する会社へ変更する必要があります。変更されないと対象外です。外国出願の出願人と国内出願の出願人は同じ名義でなければならないためです。出願の段取りに名義変更を入れておいてください。
特許の申請で、ほかに確認されることはありますか?
交付申請書に、経済安全保障推進法の確認欄があります。基礎となる特許出願を2024年5月1日以降にした場合、特定技術分野(国の安全に関わる分野)の発明が含まれていないことなどを確認します。センターの様式第1-1は、この確認がない特許の申請は受理できないとしています。心配なときは、先に弁理士へ聞いてください。
共同出願の場合は補助額がどうなりますか?
持分割合と負担割合のうち、低い方の割合で補助額が決まります。たとえば持分が50%、負担が30%なら、30%の割合で計算されます。共同出願の場合は、持分割合と費用負担割合を明記した契約書などの写しを出す必要があります。割合が決まっていない場合は、申請の前に共同出願人と取り決めておいてください。
賃上げ加点はどう受けますか?
申請書類に別紙1「従業員への賃金引上げ計画の表明書」を付けます。申請後の1事業年度か1年(暦年)で、給与総額か1人あたり平均受給額が2.5%以上増えたかで判断します。採択後は、法人事業概況説明書か給与所得の源泉徴収票合計表の写しで実績を示します。2.5%に満たない場合は理由書が要ります。実行されないと返還になることがあります。
採択されたあとに守ることはありますか?
事業終了後5年間、毎年の事業化状況の報告や、センター・国の調査(フォローアップ調査、ヒアリングなど)への協力が義務です。支出を明らかにした帳簿と証拠書類は、事業完了年度の終了後5年間保存します。途中の変更・中止・廃止は、やむを得ない場合以外は認められません。センターから求められたときは状況報告書も出します。
申請書の作成を専門家に頼めますか?
行政書士法第19条により、申請書類の作成を報酬を得て代理できるのは、行政書士か行政書士法人に限られます。募集要項はこの点を明記しています。弁理士等には出願の手続きを頼めますが、補助金の申請書そのものの作成代行は、依頼先が行政書士かどうかを確かめてください。内容の相談は、申請前に事務局へもできます。
提出は郵送でもよいですか?
郵送でも持参でも構いません。提出先は、札幌市中央区北1条西2丁目 経済センタービル9階の、公益財団法人北海道中小企業総合支援センター 企業振興部です。10月30日17時必着なので、消印ではなく到着日で判断されます。正本1部と副本1部をA4片面で出し、ホチキスは使わずクリップで留めます。提出書類は返却されません。
問い合わせ先はどこですか?
北海道中小企業総合支援センター 企業振興部 企業振興G(助成支援)の電話 011-232-2403です。センターの案内では、メール(jyoseishien@hsc.or.jp)と相談フォームも用意されています。事業計画が要件に合うか、経費をどう計上するかで迷う場合は、申請の前に確認するよう案内されています。書類は返却されないため、先に相談しておくと出し直しを防げます。
