社員が育休を取ったときに会社(事業主)がもらえる国の助成金は、厚生労働省の両立支援等助成金です。男性社員が子の出生後8週間以内に育休を取ると1人目20万円、育休復帰支援プランに沿って育休を取らせて職場に戻すと取得時と復帰時に30万円ずつ出ます。休む社員の仕事を引き受けた同僚に手当を払うと、1人あたり最大260万円です。
社員本人が受け取る育児休業給付金は雇用保険の給付で、会社がもらう助成金とは別の制度です。同じ育休について、会社は助成金、社員は給付金をそれぞれ受け取れます。
この記事では育休で使うコースの条件と金額、会社の規模による違いと申請先・期限を先に整理しました。そのあとに代表的な助成金の金額と締切の暦、申請でつまずきやすい点、都道府県と市区町村の独自の助成金の一覧を載せています。
育休の助成金の概要
育休で会社が使う助成金の中心は、国の両立支援等助成金です。そこに都道府県や市区町村の独自の奨励金が加わります。国の制度は全国どこの会社でも同じ条件で、自治体の制度はその地域に事業所がある会社だけが対象です。
会社がもらう助成金と、社員がもらう給付金の違い
「育休 助成金」で調べると、社員本人の給付金の説明と会社の助成金の説明が混ざって出てきます。受け取る人も窓口も違うので、最初に分けておきます。
| 比べる点 | 両立支援等助成金 | 育児休業等給付(育児休業給付金など) |
|---|---|---|
| 受け取る人 | 会社(事業主) | 育休を取った社員本人 |
| 目的 | 育休を取りやすい職場づくりや、休む人の仕事の穴埋めにかかる会社の負担を減らす | 育休中の社員の収入を支える |
| 申請先 | 本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室) | 事業所の所在地を管轄するハローワーク |
| 会社の規模 | 区分ごとに決まる(中小企業事業主・特定事業主・すべての事業主) | 問わない |
厚生労働省は、育児休業等給付として出生時育児休業給付金・育児休業給付金・出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の4つを挙げています。社員が受け取る額は育児休業給付金の計算方法の記事、男性の産後パパ育休は産後パパ育休の給付金の記事、上乗せの給付は出生後休業支援給付金の記事で確かめられます。この記事はここから先、会社が受け取る助成金だけを扱います。
両立支援等助成金の6コースと、育休で使う4コース
両立支援等助成金は、厚生労働省の「支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)」で6つのコースに分かれています。育休に関わるのは上の4つで、残りの2つは介護と不妊治療・女性の健康の両立を支えるコースです。
| コース | 何をしたら出るか | 金額(1人・1回あたり) | 対象の会社 |
|---|---|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | 男性社員が子の出生後8週間以内に育休を取る/男性の育休取得率が上がる | 1人目20万円(雇用環境整備の措置を4つ以上で30万円)、2・3人目10万円/取得率の上昇等60万円 | 取得は中小企業事業主、取得率の上昇等は特定事業主 |
| 育児休業等支援コース | 育休復帰支援プランに沿って育休を取らせ、職場に戻す | 育休取得時30万円、職場復帰時30万円 | 中小企業事業主 |
| 育休中等業務代替支援コース | 休む社員の仕事を代わる同僚に手当を払う/代わりの人を雇う | 手当支給等(育児休業)最大260万円、手当支給等(短時間勤務)最大128万円、新規雇用9万〜81万円 | 手当支給等はすべての事業主、新規雇用は特定事業主 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 3歳から小学校に入るまでの子を育てる社員が使える柔軟な働き方の制度を3つ以上入れ、社員が使う | 制度3つで20万円、4つ以上で25万円/子の看護等休暇の有給化30万円 | 中小企業事業主 |
| 介護離職防止支援コース | 介護休業の取得と復帰、介護と両立できる制度の利用を支える | 介護休業40万円など | 中小企業事業主 |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療・月経・更年期のための両立支援制度を社員が使う | 区分ごとに30万円 | 中小企業事業主 |
コースごとの細かい条件と書類は、両立支援等助成金の全体の記事と、この下で各コースから案内している制度記事にまとめています。
対象になる会社(中小企業・特定事業主・大企業)
両立支援等助成金の多くの区分は、中小企業事業主だけが対象です。ただし令和8年度は、育休中等業務代替支援コースの手当支給等で企業規模の条件が外れました。厚生労働省のWEBマガジンは、手当支給等(育児休業)と手当支給等(短時間勤務)について「労働者数に関係なく申請可能(大企業も可)」と案内しています。
手引きの175ページに、中小企業事業主と特定事業主の範囲が載っています。資本金(出資の総額)か常時雇用する労働者の数の、どちらかを満たせば当てはまります。
| 業種 | 資本金・出資の総額 | 中小企業事業主の労働者数 | 特定事業主の労働者数 |
|---|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 | 300人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | 300人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 | 300人以下 |
特定事業主は、労働者数の基準が業種を問わず300人以下に広がった区分です。たとえば労働者120人のサービス業の会社は、資本金が5,000万円を超えていれば中小企業事業主には当たりません。それでも特定事業主には当たるので、出生時両立支援コースの取得率の上昇等と、育休中等業務代替支援コースの新規雇用は使えます。資本金のない事業主は、労働者の数だけで決まります。
ここでの「常時雇用する労働者」は、2か月を超えて使われていて、週の所定労働時間が正社員とおおむね同じ人です。所定労働時間が正社員より大幅に短いパートは、この数に入りません。
個人事業主も、雇用保険の適用事業所の事業主であれば申請できます。手引きは、両立支援等助成金を事業所単位ではなく事業主単位(法人、個人事業主の場合はその個人)で支給するとしています。支店がいくつあっても、申請するのは会社として1つです。
社員が育休を取ったら、会社はいくらもらえるか
使えるコースは休む社員の性別と休む長さ、仕事の回し方で決まります。よくある場面ごとに並べると次のとおりです。
| 場面 | 使うコース・区分 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 男性社員が子の出生後8週間以内に育休を始め、連続5日以上休む | 出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得) | 1人目20万円(措置4つ以上で30万円) |
| 女性社員が産後休業から続けて育休を取り、産後休業を含めて連続3か月以上休んで元の仕事に戻る | 育児休業等支援コース | 取得時30万円+復帰時30万円=60万円 |
| 育休中の社員の仕事を同僚が引き受け、会社が手当を払う | 育休中等業務代替支援コース(手当支給等・育児休業) | 業務体制整備経費と手当の4分の3で、最大260万円(外部の社労士などに頼み、24か月分が上限に達した場合) |
| 育休中の社員の代わりに人を雇う、派遣を受け入れる | 育休中等業務代替支援コース(新規雇用) | 代わってもらった期間に応じて9万〜81万円 |
| 3歳未満の子を育てる社員が育児短時間勤務を1か月以上使い、同僚が仕事を引き受ける | 育休中等業務代替支援コース(手当支給等・短時間勤務) | 最大128万円 |
| 3歳から小学校に入るまでの子を育てる社員がテレワークや時差出勤などを使う | 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 20万円または25万円 |
1人の育休で、育休中等業務代替支援コースは出生時両立支援コースや育児休業等支援コースと一緒に受け取れます。一方で、同じ社員の同じ育休について、出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得)と育児休業等支援コースは重ねて受け取れません。男性社員が3か月以上の育休を取る場合は、どちらか一方を選びます。
産休(産前・産後休業)だけで出るコースはありません。育児休業等支援コースでは、産後休業から続けて育休を取ると産後休業の開始日から期間を数えます。女性社員の場合、育休復帰支援プランの作成と面談は産休に入る前に済ませておく必要があります。
男性社員の育休:出生時両立支援コース
出生時両立支援コースは、男性社員が子の出生後8週間以内に始める育休を取ったときの助成金です。「子育てパパ支援助成金」とも呼ばれます。支給要領(令和8年4月8日改正)の区分は「男性労働者の育児休業取得」と「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」の2つです。手引きには前者が旧第1種、後者が旧第2種と書かれています。古い記事で第1種・第2種と書かれているのは、この2つのことです。
男性労働者の育児休業取得は、中小企業事業主が対象です。育休の開始日の前日までに、次の準備を済ませておきます。
- 育児休業と育児のための所定労働時間の短縮措置を就業規則か労働協約に定める
- 雇用環境整備の措置(研修・相談体制・取得事例の提供・制度と方針の周知・業務の配分や人員配置の見直し)を必要な数だけ実施する
- 休む社員の仕事を代わる人の業務を見直す規定を作る
支給申請の日までには、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画を作って労働局に届け出ます。プラチナくるみん認定を受けた会社は、この届出がなくても対象です。
必要な措置の数と、育休の日数は何人目かで変わります。
| 何人目か | 必要な雇用環境整備の措置の数(産後パパ育休の申出期限が2週間前までの会社) | 必要な育休の日数 |
|---|---|---|
| 1人目 | 2つ以上 | 連続5日以上(うち所定労働日が4日以上) |
| 2人目 | 3つ以上 | 連続10日以上(うち所定労働日が8日以上) |
| 3人目 | 4つ以上 | 連続14日以上(うち所定労働日が11日以上) |
産後パパ育休の申出期限を「1か月前」のように2週間前より長くしている会社は、必要な措置の数がそれぞれ1つずつ増えます。支給は3人目までです。日数は休日を含めた暦日で数えます。
男性労働者の育児休業取得率の上昇等は、男性の育休取得率が前の事業年度より30ポイント以上上がり、50%以上になった場合などに60万円が出ます。特定事業主が対象で、1事業主1回限りです。申請の時点でプラチナくるみん認定を受けていると15万円が加わります。取得率の上昇等を受けたあとは、男性労働者の育児休業取得を申請できなくなります。人数ごとの取得の申請を先に済ませるか、取得率の上昇等に進むかは、男性社員の出産の予定を見て決めます。
詳しい書類と申請の手順は、出生時両立支援コースの記事にまとめています。
育休の取得と職場復帰:育児休業等支援コース
育児休業等支援コースは、育休復帰支援プランを作り、プランに沿って育休の取得と職場復帰を支えた中小企業事業主が対象です。プランは休む社員ごとに会社が作る計画で、休む前の仕事の棚卸しや引き継ぎのやり方、休業中の職場の情報の伝え方などを盛り込みます。男性社員も対象ですが、連続3か月以上の育休が条件なので、産休から続けて長く休む女性社員の育休で使いやすいコースです。
育休取得時(30万円)の主な条件は次のとおりです。
- 育児休業の取得と職場復帰を支える方針を社内に周知する
- 社員と面談してプランを作り、育休(産休から続く場合は産休)の開始日の前日までに引き継ぎを済ませる
- 社員が連続3か月以上の育休(産後休業を含む場合がある)を取る
職場復帰時(30万円)は、育休中に仕事の情報や資料を渡し、育休が終わる前に上司か人事労務の担当者が面談して記録を残します。そのうえで社員を原則として元の職務に戻し、6か月以上続けて雇います。支給は1事業主につき無期雇用の社員1人と有期雇用の社員1人の、合わせて2回までです。
元の職務とは、休む前と同じ部署で同じ仕事であることを指します。手引きは、「主任手当」や「管理職手当」のような職制上の地位に係る手当が復帰後に払われていない場合は、地位が同等とは言えないとしています。詳しくは育児休業等支援コースの記事で確かめられます。
休む社員の仕事の穴埋め:育休中等業務代替支援コース
育休中等業務代替支援コースは、休む社員の仕事を同僚に引き受けてもらうときや、代わりの人を雇うときに使います。区分は3つあります。
手当支給等(育児休業)は、業務体制整備経費と業務代替手当の合計です。業務体制整備経費は6万円で、育休が1か月未満なら2万円です。労務のコンサルティングを外部に頼んだ場合は20万円になります。頼む相手は、社会保険労務士や弁護士など国家資格を持ち、会社から独立した人です。以前から結んでいる包括的な顧問契約の範囲の相談は対象になりません。業務代替手当は、同僚に払った手当の総額の4分の3(プラチナくるみん認定事業主は5分の4)です。1か月10万円が上限で、24か月分まで対象です。外部への委託で20万円、手当が上限の24か月分で240万円となり、合計が最大260万円になります。
手当支給等(短時間勤務)は、育児のための短時間勤務を使う社員の仕事を同僚が引き受ける場合です。業務体制整備経費3万円(外部に頼むと20万円)に、手当の4分の3を足します。手当の助成は1か月3万円が上限で、子が3歳になるまでが対象です。
新規雇用(育児休業)は、代わりの人を雇うか派遣を受け入れた場合で、特定事業主が対象です。代わってもらった期間で額が決まります。
| 代わってもらった期間 | 支給額 | プラチナくるみん認定事業主 |
|---|---|---|
| 7日以上14日未満 | 9万円 | 11万円 |
| 14日以上1か月未満 | 13.5万円 | 16.5万円 |
| 1か月以上3か月未満 | 27万円 | 33万円 |
| 3か月以上6か月未満 | 45万円 | 55万円 |
| 6か月以上1年未満 | 67.5万円 | 82.5万円 |
| 1年以上 | 81万円 | 99万円 |
同じ社員の同じ子の育休では、手当支給等と新規雇用のどちらか一方しか受け取れません。3区分を合わせて1年度10人まで、初めて対象者が出てから5年間が支給の期間です。
手当支給等で特につまずきやすいのは、手当の決め方です。手当は「業務代替手当」「応援手当」のような名前で就業規則か労働協約に定め、引き受ける仕事の中身を評価して払うものにします。働いた時間に応じて払う手当は当てはまりません。同僚に払う手当の増額は、引き受けた人全員の総額で1万円以上(代わる期間が1か月未満なら1日500円で計算した額と比べて低いほう)が必要です。手当の規定と仕事の見直し(業務の一部の休止・手順の見直し・マニュアルづくりのいずれか)は、同僚が仕事を引き受け始める日までに済ませます。
詳しい計算と書類は育休中等業務代替支援コースの記事にまとめています。
育児期の働き方:柔軟な働き方選択制度等支援コース
柔軟な働き方選択制度等支援コースは、3歳から小学校に入るまでの子を育てる社員が使える制度を3つ以上入れ、社員が使ったときに出ます。3歳未満の子の社員にも使えると就業規則に定めておけば、その社員の利用も対象です。育休から戻った社員に限った制度ではありません。中小企業事業主が対象で、1事業主5人までです。対象の制度は次の5つです。
- フレックスタイム制度、時差出勤制度
- 育児のためのテレワーク等
- 柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度
- 保育サービスの手配と費用の補助
- 養育両立支援休暇制度
制度を3つ入れて社員が使うと20万円、4つ以上なら25万円です。社員と面談して育児に係る柔軟な働き方支援プランを作り、制度を使い始めてから6か月の間に決まった基準以上使われることが条件です。子の看護等休暇を法律より手厚く有給にし、社員が使った場合は30万円(1事業主1回限り)が別に出ます。制度を中学校修了前の子を育てる社員まで使えるようにした場合の制度利用期間延長加算と、障害児等要配慮支援加算(各20万円、1事業主1回限り)もあります。詳しくは柔軟な働き方選択制度等支援コースの記事をご覧ください。
介護離職防止支援コースと不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは育休とは目的が違うので、それぞれ介護離職防止支援コースの記事と不妊治療・女性の健康課題対応コースの記事にまとめています。
金額に足される加算(情報公表加算・くるみん)
育休の取得状況などを厚生労働省の「両立支援のひろば」で公表すると、育児休業等に関する情報公表加算として2万円が足されます。出生時両立支援コース・育児休業等支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースで、それぞれ1回限りです。加算だけを受け取ることはできません。
育休中等業務代替支援コースには、有期雇用労働者加算の10万円もあります。育休を取る社員(短時間勤務の社員も同じ)が、育休の開始前の6か月間に期間の定めのない社員として雇われていなかった場合の加算です。代わりの業務を引き受けた期間が1か月以上のときに限り、1事業主につき1回です。上の最大260万円には含まれていません。
くるみん認定とプラチナくるみん認定は、どのコースでも申請の条件ではありません。プラチナくるみん認定があると、出生時両立支援コースの取得率の上昇等に15万円が加わります。育休中等業務代替支援コースでは手当の助成が4分の3から5分の4になり、新規雇用の額も上がります。くるみん認定を受けた会社は、育休中等業務代替支援コースを令和12年度まで延べ50人を限度に受けられます。
申請先・申請方法と、申請の期限
申請先は、本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。本社等とは人事労務の管理をしている部署がある事業所のことで、登記上の本店と違う場合があります。申請は厚生労働省の雇用関係助成金ポータルからの電子申請か、郵送・持参で出します。郵送は簡易書留など配達の記録が残る方法で送り、期限の日までに労働局に届いている必要があります。消印が期限内でも、届くのが遅れれば受け付けられません。
申請の期限は区分ごとに違い、多くは条件を満たした日のあとの2か月の間です。
| コース・区分 | 申請の期限 |
|---|---|
| 出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得) | 育休が終わった日の翌日から2か月以内 |
| 出生時両立支援コース(取得率の上昇等) | 取得率が上がった事業年度の翌事業年度の開始日から6か月以内 |
| 育児休業等支援コース(育休取得時) | 育休の開始日(産休から続く場合は産後休業の開始日)から3か月を過ぎた日の翌日から2か月以内 |
| 育児休業等支援コース(職場復帰時) | 育休が終わった日の翌日から6か月を過ぎた日の翌日から2か月以内 |
| 育休中等業務代替支援コース(手当支給等・育児休業) | 育休が1か月未満なら育休が終わった日の翌日から2か月以内。1か月以上なら、育休の初日から1か月を過ぎたあとと、復帰から3か月を過ぎたあとの2回に分けて出せる |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 6か月の制度利用期間の翌日から2か月以内 |
育児休業等支援コースの育休取得時は、育休が終わる前に期限が来ることがあります。長い育休だと「復帰してからまとめて出す」つもりでいると間に合いません。社員の育休が決まった時点で、使うコースの申請の時期を暦に入れておくことを勧めます。
申請のたびに、共通の様式の「支給要件確認申立書」と役員等の一覧を出します。出した書類の写しは、支給が決まってから5年間保存します。申請から支給決定までにかかる日数の目安は、手引きにも共通事項の資料にも書かれていませんでした。資金繰りに組み込むときは、管轄の労働局に聞いておくと安心です。
都道府県・市区町村の独自の助成金(東京都など)
国の両立支援等助成金とは別に、都道府県や市区町村が男性の育休や育休を取りやすい職場づくりに奨励金を出している例があります。額は数万円から数百万円まで幅があり、国の助成金と条件が重なる部分もあれば、自治体独自の上乗せもあります。
東京都は令和8年度、新しい事業として「働く人の育業応援奨励金」を始めました。都の報道発表によると、対象は都内の中堅・中小企業等(従業員数2人以上999人以下)です。基本支給は125万円で、加算を含めると最大420万円です。社員が一定期間以上の育業(東京都が使う育休の愛称)をして、原職などに復帰したことが条件です。女性は産後休業と1か月以上の育業で通算86日以上、男性は産後パパ育休と1か月以上の育業にあたる通算58日以上が必要です。中小企業(従業員数300人以下)の男性は通算45日以上です。
そのうえで、有給の子の看護等休暇の導入など7つの取組のうち3つ以上を、新たに行います。募集要項では、令和8年6月22日以降に就業規則を改めて労働基準監督署に届け出た取組が対象で、すでに規定している取組は対象になりません。都内の事業所に勤める常時雇用の従業員(雇用保険の被保険者)が、2人以上いて6か月以上継続して雇われていることも条件です。申請の前に東京しごと財団の専用フォームから事前エントリーをする仕組みで、応募が予定の社数を超えると抽選になります。東京しごと財団の募集要項は、令和7年度までの「働くパパママ育業応援奨励金」などを過去に受給した会社を対象外にしています。受付の回と期間も募集要項で確かめます。
ほかの道府県と市区町村の制度は、この記事の下の全国一覧で地域ごとに並べています。自治体の制度は、その地域に本社や事業所があることが条件のものがほとんどです。国の助成金と同じ育休で両方を受けられるかは、制度ごとに違います。東京都の募集要項は、同じ事由で要件を満たす国・都・区市町村の補助金などを申請または受給した場合は支給しないと定めています。徳島県の「共働き・共育て」応援奨励金のチラシは、男性育休の取得促進と不妊治療の区分について、厚生労働省の両立支援等助成金と併給できると書いています。
「働き方改革 助成金」との違い
「働き方改革 助成金」で探すと出てくる働き方改革推進支援助成金は、両立支援等助成金とは別の制度です。中小企業事業主が残業を減らしたり、年次有給休暇や特別休暇を取りやすくしたりするための設備や研修の費用を助成します。目的は育休でなく労働時間の見直しで、事前に交付申請を出してから取り組む点も両立支援等助成金と違います。コースと上限額は働き方改革推進支援助成金の記事にまとめています。
育休・両立支援の助成金の代表的な金額
国の制度と、上限の大きい都道府県の制度を上限額で比べた表です(制度名を押すと下の全国一覧のその制度へ移ります)。
