更衣室を作り直したい。トイレを増やしたい。子どもを連れてきた従業員が使えるスペースも欲しい。見積もりを取ったら思ったより大きな金額で、そこで手が止まる企業は少なくありません。宮崎県の女性にやさしい職場づくり応援事業は、そうした整備費の2分の1(最大60万円)を補助します。
この制度の対象は、宮崎県内に本社がある従業員10〜300人の企業です。整備のほかに、えるぼし認定を取った企業への100万円、女性活躍の取組を達成した企業への最大100万円の奨励金もあります。先着順で、予算に届く見込みになると申請期限の前でも受付が終わります。
女性にやさしい職場づくり応援事業の要点まとめ
正式名:女性にやさしい職場づくり応援事業(奨励金・補助金)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種指定なし
- 利用目的
- 女性の採用・育成・管理職登用、職場環境の整備
- 対象地域
- 宮崎県内(本社または本店が県内)
- 従業員数
- 常時雇用する労働者が10人以上300人以下
いくら
- 補助上限額
- タイプA:100万円/B:最大100万円/C:最大60万円
- 補助率
- タイプA・B:定額/タイプC:1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日(タイプCは2月26日まで)
どのタイプが自社に合う?
県の支援は3つに分かれています。やりたいことで選ぶと整理しやすくなります。
- タイプA(トップランナー型):えるぼし認定(厚生労働大臣が女性活躍の取組を認める制度)を新たに取った企業、または認定の段階が上がった企業に、定額100万円
- タイプB(取組推進型):採用・配置育成・管理職登用・多様な働き方の4項目から1つ以上を選び、項目ごとに目標を決めて新しい取組を2つ以上行った企業に、15万円から最大100万円
- タイプC(環境整備型):トイレ、更衣室、シャワー室、休憩室の増設やキッズスペースの新設などの整備費に、1/2以内で10万円から60万円
タイプAは、令和7年4月以降に認定を受けた企業が対象で、認定を取ってから申請します。以前から認定を持っている企業は、段階が上がったときだけタイプAに当てはまります。
タイプA〜Cは併用できます。ただし、タイプAとBを合わせた奨励金の上限は100万円です。先にどちらかで100万円を受けると、もう一方は使えません。タイプCは別枠なので、タイプA(またはタイプBの4項目すべてで目標達成)とタイプCの60万円を合わせると、最大160万円になります。
うちの会社は対象になる?
次の条件にすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
推進会議とは、みやざき女性の活躍推進会議のことです。入会の期限は、タイプAが申請まで、タイプBが事業の完了か目標判定の日まで、タイプCが事業の完了の日までです。法人で個人住民税の特別徴収義務者に当たる場合は、県内に住む従業員の特別徴収をしているか、開始する誓約が要ります。暴力団との関係がないことも条件です。タイプBは、目標と取組内容を自社のホームページなどに載せることも求められます。
従業員(常時雇用する労働者)には、パート、契約社員、アルバイトも含まれます。数えるのは、期間の定めなく雇われている人と、期間を定めて雇われていて過去1年以上続けて雇われている人(雇入れから1年以上続く見込みの人を含む)です。派遣社員は含みません。親会社が300人を超えていても、子会社は別の企業として数えます。社会福祉法人、医療法人、NPO法人、社団法人、財団法人も、要件を満たせば対象です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 従業員が9人以下、または301人以上
- ✕ えるぼし認定を受けている(タイプBのみ)
- ✕ 同じ事業で国・県・市町村の補助金を受けた
タイプBでは、えるぼし認定の基準を既に満たしている項目も対象外です。女性の割合が4割を超えている企業は、採用・配置育成・管理職登用の3項目が対象外になり、多様な働き方の項目が残ります。
いくら受け取れる?
タイプごとに、金額の決まり方が違います。
- タイプA:100万円(定額)
- タイプB:1項目あたり15万円。目標を達成すると10万円が上乗せされ、25万円。上限は100万円
- タイプC:整備費 × 1/2。下限10万円、上限60万円
計算してみます。
- 更衣室とシャワー室の整備に80万円かかった:80万円 × 1/2 = 40万円
- 休憩室とキッズスペースの整備に130万円かかった:130万円 × 1/2 = 65万円 → 上限の60万円
- 採用と管理職登用の2項目で目標を達成した:25万円 × 2項目 = 50万円
- タイプBで25万円を受け取った後に、えるぼし認定を取った:100万円 − 25万円 = 75万円
最後の例は、タイプAとタイプBの合計が100万円を超えないための調整です。タイプCの整備費が20万円に満たないと、補助額が下限の10万円に届きません。タイプCの補助対象経費は税抜きで書き、補助額は千円未満を切り捨てます。
何に使える?(タイプC)
整備費の補助は、新築、増改築、改修、物品や器具の購入が対象です。先に、対象にならないものです。
対象にならないもの
- 国・県・市町村の補助金などを受けた事業
- 交付決定の日より前に契約や着工をした経費
- 本社が県内でも、県外にある事務所の整備
対象になるもの
- トイレ、更衣室、シャワー室、休憩室の増設や、トイレ・洗面台のリフォーム
- 子どものお世話を支えるキッズスペースの新設、リフレッシュスペースの設置
- 女性が働きやすいオフィス家具(椅子や机)の購入
- 安全確保のための防犯カメラや屋外照明設備の設置
整備費の見積書は、2者以上から取ります。補助の上限60万円に届くまで、複数回に分けて申請することもできます。分けた分もすべて、申請から実績報告まで期限内に終えます。
申請の流れ
- みやざき女性の活躍推進会議に入会する(企業→推進会議。すぐに入会できます。タイプAは申請までに)
- 見積書を2者以上から取る(タイプCのみ。企業→施工業者)
- 申請書類を県に出す(企業→県の女性活躍推進室。郵送か持参。2026年4月1日から。タイプCは2027年2月26日まで)
- 交付決定を待つ(県→企業。決定の前に契約や着工をしない)
- 事業を終えて実績報告を出す(企業→県。事業完了の日から30日以内、または年度末のいずれか早い日まで。タイプCの年度末は2月26日)
交付決定の日より前に契約や着工をした経費は、対象外です。郵送は、簡易書留など追跡できる方法で送ります。封筒には「女性にやさしい職場づくり応援事業奨励金等」と赤字で書きます。タイプAは、申請が実績報告を兼ねるので、実績報告は要りません。
タイプBは、交付決定の日から30日以内に、目標と取組内容を公表します。目標の判定は令和8年度内(2027年3月31日まで)に済ませます。年度の途中で達成したら、年度末を待たずに実績報告を出せます。
必要な書類
準備できた 0 / 9
収支予算書と見積書、施工前の写真と図面はタイプCだけです。入会誓約書は、タイプBとCで、まだ会員でない企業が出します。タイプAは申請までに入会するので、誓約書は要りません。
法人は上の表の履歴事項全部証明書(現在事項全部証明書でも、写しでも可)のほかに、特別徴収実施確認・開始誓約書(様式第4号)を出します。様式第4号には、6か月以内の領収証書の写しを付けるか、市町村の確認印をもらいます。個人事業者は、履歴事項全部証明書の代わりに住民票の写し(発行から3か月以内)と、直近1期分の確定申告書の写しです。納税証明書は原則として申請日から3か月以内のもので、写しで構いません。タイプBは、女性活躍推進状況確認書(様式第6号)も出します。
タイプごとにそろえる書類が変わるので、県の交付申請書類チェックリストで確かめると抜けを防げます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約や着工をした:交付決定の日より前に始めた経費は、対象外です(タイプAを除く)。
- 予算に届いて受付が終わった:先着順です。総額が予算に届きそうになると、期限の前でも受付が終わります。
- ほかの補助金と重ねた:国・県・市町村の補助金などを受けていない事業に限ります。
- 上限を超えて申請した:過去の交付額と今回の申請額の合計が、種類ごとの上限を超えないようにします。
- 県外の事務所を整備した:本社が県内でも、県外事務所の整備はタイプCの対象外です。
- 入会が間に合わなかった:入会は、タイプごとの期限までに済ませる必要があります。
申請したあとに気をつけること
タイプBは、事業を実施した翌年度末の時点の取組状況を、6月末日までに報告する必要があります。タイプCは、利用した企業名と取組内容が県のホームページで公表されます。取得価格が1件50万円以上の財産は、耐用年数にあたる期間、処分するときに県の承認が要ります。
取組の内容をホームページに載せる準備や、公表されることの社内了承は、申請の前に済ませておくと動きやすくなります。編集部としては、タイプBを考える企業は、目標の数字を決める前に自社の女性の割合を確かめておくことを勧めます。
よくある質問
タイプAからCは同時に申請できますか?
併用できます。ただし、タイプAとBを合わせた上限は100万円で、タイプAの額はタイプBで受け取った分を差し引いて計算します。たとえばタイプBで25万円を受け取った後にえるぼし認定を取ると、タイプAは75万円です。先にどちらかで100万円を受けると、もう一方は使えません。タイプCは別枠です。迷う組み合わせは、申請の前に女性活躍推進室(0985-26-7040)で確かめてください。
従業員が9人以下でも対象になりますか?
対象外です。対象は、常時雇用する労働者が10人以上300人以下の企業です。パート、契約社員、アルバイトも、期間の定めなく雇われているか、過去1年以上続けて雇われていれば人数に入ります(雇入れから1年以上続く見込みの人も同じです)。派遣社員は入りません。9人以下の場合は、市町村や商工団体など、別の窓口の支援を探すことになります。
みやざき女性の活躍推進会議の会員でないと申請できませんか?
会員企業であることが条件です。県の案内ページには「すぐに入会可能」と書かれています。入会の期限は、タイプAが申請まで、タイプBが事業の完了か目標判定の日まで、タイプCが事業の完了の日までです。タイプBとCでは、まだ会員でなければ入会誓約書(様式第3号)を申請書類に付けます。準備を始める時点で会員かどうかを確かめ、先に入会しておくと動きやすくなります。
えるぼし認定を持っていると、タイプBは使えませんか?
使えません。タイプBは、えるぼし認定を受けている企業は対象外です。認定を持つ企業が狙えるのは、認定の段階が上がったときのタイプAです。令和7年4月以降に新たに認定を受けたか、段階が上がった場合が対象で、以前から持っている段階のままでは当てはまりません。
タイプBで、女性の割合が高い会社は使えますか?
女性の割合が4割を超えている会社は、採用・配置育成・管理職登用の3項目が対象外です。女性を優遇する措置を設けると、かえって男女雇用機会均等法に違反するおそれがあるためです。残るのは多様な働き方の項目だけなので、自社の女性の割合は、タイプBを選ぶ前に確かめておきます。
見積もりを取る前に契約してしまいました。対象になりますか?
交付決定の日より前に契約や着手をした経費は、対象外です(タイプAを除く)。契約の前に申請を済ませて、交付決定を待つ順番にします。見積書を取るだけなら問題ありません。タイプCでは見積書を2者以上出すので、先に見積もりを取り、契約は交付決定の後にします。
タイプCで補助されるのはどんな工事ですか?
女性が働きやすい職場環境を整えるための、新築、増改築、改修、物品や器具の購入です。例は、トイレ、更衣室、シャワー室、休憩室の増設、トイレや洗面台のリフォーム、キッズスペースの新設、オフィス家具の購入、防犯カメラや屋外照明設備の設置です。個別の工事が当てはまるかは、図面や見積書を用意して、女性活躍推進室に聞くと確実です。
タイプCの補助額に下限はありますか?
あります。補助額の下限は10万円、上限は60万円で、千円未満の端数は切り捨てです。補助率が1/2なので、補助額10万円に届くのは、整備費がおよそ20万円からです。小さな整備をいくつかに分けて出す場合の扱いは案内ページに書かれていないため、女性活躍推進室に確認してください。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。県の案内ページは「法人格不問」とし、個人事業者向けの提出書類として、住民票の写し(発行から3か月以内)と直近1期分の確定申告書の写しを定めています。県のよくある質問は、交付要綱の要件を満たせば個人事業主も対象としています。県内に本店があるか、従業員が10〜300人かは、個人事業主も同じ基準で見られます。
申請はいつまでにすればいいですか?
受付は2026年4月1日からで、タイプAとBは2027年3月31日、タイプCは2027年2月26日までです。この期限は、事業を終える期限でもあります。先着順で、総額が予算に届く見込みになると期限の前でも受付が終わります。交付決定まで約1か月かかるので、早めに申請します。受付終了は県の案内ページで知らされます。
以前に交付を受けたことがあります。もう一度使えますか?
使えます。ただし、過去に受けた額と今回の申請額の合計が、奨励金や補助金の種類ごとの上限を超えないようにします。たとえばタイプCで過去に40万円を受けた企業は、同じタイプCで受け取れるのは残りの20万円までです。種類が違うタイプなら、別の上限で数えます。
利用した企業名は公表されますか?
タイプCは、補助金を利用した企業名と取組内容が県のホームページで公表されます。タイプBも、設定した目標と取組内容を、自社のホームページや厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」などに載せる必要があります。公表の範囲は、社内で確かめてから申請します。
本社は県内で、県外の事務所を整備する場合は使えますか?
タイプCは使えません。本社や本店が宮崎県内にある企業でも、県外の事務所などの設備整備に、この制度は使えません。整備する場所が県内にあることが前提です。県内の事業所の整備なら、トイレや更衣室の増設など、通常のタイプCの対象になり得ます。県外事務所かどうかで迷うときは、見積書を用意して女性活躍推進室に聞いてください。
タイプBの目標は、いつまでに判定すればいいですか?
令和8年度内、つまり2027年3月31日までです。年度の途中で達成したら、年度末を待たずに実績報告を出せます。目標と取組内容は、交付決定の日から30日以内に公表します。実績報告は、事業の完了か目標判定の日から30日以内、または年度末のどちらか早い日までです。事業の翌年度末の状況も報告します。
問い合わせ先はどこですか?
宮崎県の総合政策部 生活・協働・男女参画課 女性活躍推進室です。電話は0985-26-7040、受付は平日(土日祝日を除く)の午前9時から午後5時までです。申請書類は同じ窓口に、郵送か持参で出します。タイプの選び方や併用で迷うときは、申請の前に聞いておくと安心です。
