脱炭素の研究開発に補助金が出るなら、大学と組まないと使えないのか。枠によって違います。調査にあたる「事業可能性調査」は県内企業が単独でも出せますが、「研究開発」は大学や公設試験研究機関(県などの公的な試験研究機関)を含む共同研究グループが必須です。
もうひとつ見落とされやすい条件があります。同じテーマで国や県の支援事業に採択された経歴があると、この補助金には応募できません。
脱炭素化技術研究開発支援事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度脱炭素化技術研究開発支援事業補助金(二次募集)
だれが
- 申請者
- 事業者(宮崎県内に拠点のある企業)
- 対象業種
- 業種の指定なし(新エネルギー活用の研究開発)
- 利用目的
- 新エネルギー活用の調査研究・研究開発・実用化
- 対象地域
- 宮崎県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし
いくら
- 補助上限額
- 700万円(事業可能性調査は200万円)
- 補助率
- 事業可能性調査10/10以内・研究開発と実用化研究2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年11月26日(午後5時必着)まで。開始日の記載なし
- 事業の完了
- 交付決定日から12か月以内(調査)・24か月以内(研究開発・実用化)
自分の会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 拠点が宮崎県内にない
- ✕ 同じテーマで国・県の採択歴がある
- ✕ 基礎的な研究だけの計画
新エネルギーとは、風力、バイオマス、太陽光、地熱、水素、燃料アンモニアなどを指します。法人登記簿謄本などで県内の拠点が確認できないときは、追加の資料を求められることがあります。
個人住民税の特別徴収義務者とされている法人は、宮崎県内に住む従業員等の個人住民税について、特別徴収をしているか、始めると誓約している必要があります。
研究開発の枠に出す場合は、さらに共同研究グループを組みます。大学・高等専門学校・公設試験研究機関などのうち1つ以上が加わり、その機関が土台となる研究成果(特許や論文など)を持っていることが条件です。応募者の企業が代表事業者となり、運営管理と構成員の調整を担います。
3つの枠は、何が違う?
どの枠で出すかで、補助率も、必要な体制も変わります。
| 事業可能性調査(F/S) | 研究開発(R&D) | 実用化研究 | |
|---|---|---|---|
| 中身 | 技術動向調査・市場調査・予備的実験を中心とする調査研究 | 共同研究グループが行う研究開発で、早期の事業化が可能なもの | 研究開発の成果を実用化する技術開発 |
| 補助限度額 | 200万円 | 700万円 | 700万円 |
| 補助率 | 10/10以内 | 2/3以内 | 2/3以内 |
| 期間 | 交付決定日から12か月以内 | 交付決定日から24か月以内 | 交付決定日から24か月以内 |
| 共同研究グループ | 任意(県内企業単独でも可) | 必須 | 公募要領に定めなし |
F/Sは事業可能性調査の略で、R&Dは研究開発の略です。
補助限度額の700万円が、事業全体の合計か年度ごとの額かは、公募要領に書かれていません。公募要領は、交付手続きを事業の実施年度ごとに行い、採択時に認められた各年度の金額の範囲で交付申請をすると定めています。実施要領は、各年度の完了時期を交付決定日の属する年度の3月31日までとしています。24か月の事業なら、どう配分するかを企業振興課に確かめてから提案書の予算を組んでください。
いくら出る?
補助率は枠で違います。事業可能性調査は費用の全額(10/10以内)、研究開発と実用化研究は費用の2/3以内です。
- 事業可能性調査で費用180万円:180万円 × 10/10 = 180万円(自己負担なし)
- 事業可能性調査で費用250万円:250万円 × 10/10 = 250万円 → 上限の200万円(50万円は自己負担)
- 研究開発で費用600万円:600万円 × 2/3 = 400万円(200万円は自己負担)
- 実用化研究で費用1,200万円:1,200万円 × 2/3 = 800万円 → 上限の700万円
上限の700万円に届くのは、費用が1,050万円のときです。補助率が2/3の枠では、上限に届いても費用の3分の1は自己負担になるので、先に資金の手当てを決めておきます。
採択されても、予算の都合で提案書に書いた金額がそのまま認められず、減額されることがあります。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税と地方消費税
- 振込手数料
- 交付決定日より前に発注・購入・契約したもの
- 事業期間の終了後に納品・検収したもの
- 生産を目的とした機械装置の導入(研究開発と併用する場合も含む)
- パソコン・デジタルカメラなど汎用性の高い機械や工具
- 他の研究開発にかかる経費
営利活動のための設備が対象外なのは、この補助金が研究開発の支援だからです。実用機(生産・製造設備)の開発も、F/Sと実用化研究の対象から除かれます。
対象になるもの
- 設備備品費(耐用年数1年以上かつ取得価格10万円以上の機械装置・工具器具)
- 消耗品費(原材料・部品など。耐用年数1年未満か10万円未満)
- 謝金(アドバイザーや有識者による技術指導)
- 旅費
- 外注費(設計・分析・試験・調査などを外部に頼む費用)
- 光熱水費・通信運搬費・マーケティング調査費・賃貸借費と使用料
- 研究連携費(共同研究グループの大学などに支払う費用)
設備備品費には上限があります。研究連携費に入れる設備も含めて、補助金総額の20%以内です。試作品として作る場合や、技術開発の過程で必要な評価・実証装置を作る場合は、この20%の枠の外です(実施要領)。
研究連携費には、大学などとの共同研究契約の直接経費の30%まで、間接経費(一般管理費)を含められます。ソフトウェアは、機器や設備に組み込まれて一体で機能するものが設備備品費になります。
応募の流れ
- 企業振興課に事前相談する(企業→宮崎県 企業振興課 技術支援担当。締切直前では間に合わないことがある)
- 事業提案書などを作る(企業。宮崎県産業振興機構のコーディネーターの支援を受けられる)
- 書類を提出する(企業→企業振興課。2026年11月26日午後5時必着。持参か郵送で、電子データもメールで送る)
- 審査会でヒアリングを受ける(12月に予定)
- 採否の通知を受け、交付申請書を出す(企業→企業振興課。登記簿謄本・定款・決算書に加え、県税の納税証明書と暴力団でないことの誓約書が要る)
- 研究を進め、進捗を報告する(企業。交付決定日より前の発注は対象外)
- 実績報告書を出し、完了検査を受ける(企業。年度ごとに、事業完了日から30日後か翌年度の4月10日の早い方まで)
納税証明書は、原則として申請日から3か月以内のものです。写しでも構いません。採択後は、交付決定のあった年度の11月30日時点の状況を、12月10日までに報告します。帳簿などの書類は、事業完了の年度が終わってから10年間保存します。
採択後も、事業完了の翌年度から5年間、毎年度の終了後30日以内に事業化状況等報告書を出します。
必要な書類
準備できた 0 / 6
事業提案書の様式は、F/S・研究開発・実用化研究の3種類があります。応募する枠の様式を使ってください。共同研究に係る確認書は、連携する機関ごとに1部ずつ必要で、研究開発に応募するときなど連携先があるときだけ出します。
個人で応募する場合は、法人登記簿謄本の代わりに住民票の写しと個人事業の開業・廃業等届出書の控えの写しを出します。
ここを取り違えると応募できません
- 国・県の採択歴があるテーマは出せない:同じテーマで採択されたことがある、または採択されている場合は応募できません。迷うときは事前相談で確認します。
- 拠点が県内にない会社は出せない:本社が県外でも、県内に工場や事業所があって、そこで事業化するなら対象になります。
- 基礎研究と生産設備は対象外:研究開発の枠は早期に事業化できるものに限り、基礎的な研究は除かれます。
- 共同研究グループが必要なのは研究開発だけ:事業可能性調査は県内企業が単独でも応募できます。
一次募集に応募した企業が二次募集にも出せるかは、公式ページに書かれていないため、企業振興課への確認が確実です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前の発注・購入・契約は補助対象外です。採択の通知だけで発注せず、交付決定を待ちます。
- 事業期間の終了後に納品した:納品や検収が期間のあとになった経費は対象外です。
- 取得した物品や帳簿を確認できない:完了検査で確認できない、または計画が履行されないと、その経費は対象外になります。
- 採択後に予算の都合で減額された:提案書の金額がそのまま認められないことがあります。減額後の額で資金計画を組み直します。
- 報告を出さない:事業化状況等報告書や、産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権)の届出書の提出が求められます。
審査で見られる点と優遇措置
審査会では、応募者へのヒアリングが行われます。事業可能性調査では、社会的背景とニーズ、技術的な開発要素、調査研究の方法、競合に対する優位性、実施体制などが基準です。研究開発と実用化研究では、開発成果の新規性、事業化の可能性、県の産業振興への貢献が加わります。
次のどちらかに当たると、審査で優遇されます。
- パートナーシップ構築宣言を行い、公表している企業が取り組む事業
- 産学官による共同研究グループを組んでいる事業
実用化研究では、開発製品の売上見込みが開発コストに見合うかも見られます。
よくある質問
大学と組まないと応募できませんか?
枠によります。事業可能性調査は、県内企業が単独で応募できます。研究開発は、大学・高等専門学校・公設試験研究機関などのうち1つ以上が参加する共同研究グループが必須で、その機関が土台となる研究成果を持っている必要があります。実用化研究は、公募要領に共同研究グループの要件は定められていません。
本社が県外でも応募できますか?
県内に工場か事業所があり、そこでの技術開発成果の事業化を計画しているなら対象です。工場や事業所などの拠点が宮崎県内にない場合は、対象になりません。法人登記簿謄本などで県内の拠点が確認できないときは、追加の資料を求められることがあります。本社の所在地そのものは、公募要領で条件にされていません。
同じテーマで国の補助を受けたことがあります。応募できますか?
応募できません。同様のテーマで、国や県などの支援事業に採択されたことがある、または採択されている場合は、この補助金に応募できないと公募要領に書かれています。テーマが同じかどうか判断に迷うときは、応募の前に企業振興課へ必ず相談してください。締切直前の相談では、提案期限に間に合わないことがあります。
補助率は枠でどう違いますか?
事業可能性調査は10/10以内で、費用の全額まで補助されます。研究開発と実用化研究は2/3以内で、費用の3分の1は自己負担です。限度額は事業可能性調査が200万円、研究開発と実用化研究が700万円です。県のページには実用化研究の補助率が「2分の3以内」と書かれていますが、公募要領は「2/3以内」とあり、こちらに従って書いています。
パソコンや生産設備は買えますか?
買えません。パソコンやデジタルカメラなど汎用性の高い機械や工具は対象外です。生産を目的とした機械装置の導入も、研究開発と併用するものを含めて対象外になります。対象になるのは、耐用年数1年以上かつ取得価格10万円以上の研究用の機械装置と工具器具などです。実用機の開発も、事業可能性調査と実用化研究では除かれます。
消費税は補助されますか?
補助されません。消費税と地方消費税は、補助対象外の経費です。振込手数料も対象外です。補助金額を計算するときは、税抜きの金額で見積もりを取ると、補助対象の額を数えやすくなります。提案書の予算書には、対象になる経費だけを書き、対象外の経費と区別しておいてください。
事前相談は必要ですか?
応募を予定している方は、事前に企業振興課へ必ず相談する必要があります。公募要領には、計画の作成段階から、宮崎県産業振興機構のコーディネーターの支援を受けられるとも書かれています。締切直前の相談では、提案期限に間に合わないことがあるので、早めに連絡してください。電話は0985-26-7114です。
補助金はいつ支払われますか?
支払いは原則として精算払いです。事業が終わったあとに実績報告書を出し、完了検査を受けて補助金額が確定してから支払われます。交付要綱には、知事が特に必要と認めたときは概算払にするとあります。どんなときに認められるかは書かれていないので、必要なら企業振興課に相談してください。年度ごとに交付手続きを行う必要があるので、基本は自己資金で立て替える前提で資金計画を組みます。
採択されたあとにやることはありますか?
あります。事業の実施中は進捗の報告書を出し、11月30日時点の状況を12月10日までに報告します。完了後は、事業完了日から30日後か翌年度の4月10日の早い方までに実績報告書を出し、完了検査を受けます。事業完了の翌年度から5年間は、毎年度の終了後30日以内に事業化状況等報告書も提出します。成果発表会での発表や県の普及活動への協力を求められることもあります。
知的財産権は誰のものになりますか?
事業で得た知的財産権は、事業者に帰属します。ただし、特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権を出願・取得したり、譲渡や実施権の設定をしたりしたときは、事業完了の翌年度から5年以内の範囲で、その年度の終了後30日以内に届出書を出します。取得した物品は、事業のあとも善良な管理者の注意をもって管理します。
応募の締切はいつですか?
2026年11月26日(木)午後5時までで、必着です。持参か郵送で出し、あわせて電子データをメールで送ります。審査会は12月に予定されています。二次募集の開始日は、公式ページに書かれていません。一次募集の応募状況や採択の件数も、公式ページに載っていません。応募の可否や日程に迷うときは、企業振興課に電話で確かめてください。
優遇措置はありますか?
あります。パートナーシップ構築宣言を行い、公表している企業が取り組む事業は、審査で優遇されます。産学官による共同研究グループを組んでいる事業も同じです。優遇の具体的な加点の方法は、公募要領に書かれていません。応募の前に、宣言の公表状況と共同研究グループの構成を見直し、提案書にどう書くかを決めておくと安心です。
