滋賀県の事業所に太陽光パネルを付けたいが、県の補助金は使えるのか。使えるのは市町が「促進区域」に決めた場所にある事業所だけです。同じ市の中でも区域の外なら申請できません。申請の時点で区域に入っていなければ、あとから区域に指定される見込みがあっても対象外です。まず事業所の住所が区域に当たるかを、市役所に確かめてください。
促進区域内再エネ導入促進補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度 促進区域内再エネ導入促進補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(大企業も対象)
- 利用目的
- 自家消費型太陽光発電設備(蓄電池は付帯のみ)
- 対象地域
- 滋賀県内の促進区域(米原市・草津市・湖南市・長浜市)
- 従業員数
- 規定なし(大企業も対象)
いくら
- 補助上限額
- 500万円(太陽光は1kWあたり5万円)
- 補助率
- 太陽光は定額、蓄電池は価格の1/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月20日〜2026年12月10日17時必着
- 事業の完了
- 2027年2月10日まで(実績報告も含む)
この補助金を実施しているのは、県の事業を受けた公益財団法人滋賀県産業支援プラザです。予算額は1,020万円で、2026年8月20日の時点で交付決定済みの額は0円でした。上限の500万円を満額で申請する案件が2件あれば、枠はほぼ埋まります。
うちの会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
対象外になるのは、次のような場合です。
- ✕ 促進区域の外にある事業所
- ✕ 蓄電池だけを入れる
- ✕ 買取制度(FIT・FIP)で売電する
- ✕ 滋賀県の別の補助金を使う設備
大企業も対象で、本社が県外でも構いません。設備を付ける事業所が、県内の促進区域にあればよいという扱いです。自宅兼事業所の場合は、店舗や工場など事業に使う部分だけが対象になります。
促進区域は、どこからどこまでか
「促進区域」とは、市町が再エネ設備を置くのに向くと決めた区域のことです。令和8年4月1日時点の設定は4市で、範囲はそれぞれ違います。
| 市 | 促進区域の範囲 |
|---|---|
| 米原市 | 米原地区の一部(近隣商業地域)、梅ヶ原地区の一部(準工業地域・近隣商業地域) |
| 草津市 | 災害時の拠点になる市の施設・高校・大学、または市と協定を結んだ事業者・団体の施設 |
| 湖南市 | 住宅と住宅以外の建物の屋根の上 |
| 長浜市 | 市内全域の建物の屋上 |
区域内でも「脱炭素先行地域」のエリアは対象外です。申請書の確認欄は、湖南市と米原市に先行地域があると書き、とくに湖南市に設置するときは先行地域かどうかを市に確かめるよう求めています。土地の一部だけが区域のときは、区域の面積の割合などで補助対象の費用を分けます。県のQ&Aは市町の担当部署に確かめるよう案内しています。
いくらもらえる?
太陽光は1kWあたり5万円です。かかった費用の割合ではなく、発電出力で決まります。出力は、パネルの合計出力とパワーコンディショナー(発電した電気を使える形に変える機器)の合計出力の低い方です。
蓄電池を足すと、蓄電池の分が加わります。蓄電池は1kWhあたりの価格と上限単価(家庭用15.5万円・業務用19万円、工事費込み・税抜き)の低い方を3分の1にして、蓄電容量(kWh)をかけます。蓄電池だけの申請はできません。
合計の上限は500万円で、千円未満は切り捨てます。
- 事務所の屋根に太陽光30kW:30kW × 5万円 = 150万円
- 工場の屋根に太陽光60kWと家庭用蓄電池40kWh(蓄電池の経費540万円):300万円 + 180万円 = 480万円
- 倉庫の屋根に太陽光80kWと業務用蓄電池40kWh(蓄電池の経費600万円):400万円 + 200万円 = 600万円 → 上限の500万円
2つ目と3つ目は、事務局の手引きにある計算例です。蓄電池の経費540万円は1kWhあたり13.5万円で、その3分の1の4.5万円に40kWhをかけて180万円になります。
補助対象の経費の合計が30万円を下回る事業は、補助の対象になりません。補助金は1つの事業者に年度内で1回限りです。
何に使える?
対象にならないもの
- 建物そのもの
- 生産設備や、再エネに直接関係しない設備工事
- 調査費・設計費
- 土地の取得費や賃借料、リース代
- 土地の造成・整地・地盤改良に当たる基礎工事
- 電力会社や消防署への申請・届出の費用
- 消費税と地方消費税
対象になるもの
- 太陽光発電設備の本工事費、付帯工事費、設備費
- 蓄電池の設備費と工事費(太陽光の付帯設備として)
- 機械の基礎で、なくてはならない工事
既存設備の撤去費は、資料によって書き方が違います。交付要領は「既存設備の撤去費は対象外。ただし対象設備の導入に直接必要な経費を除く」とし、手引きは「太陽光の更新に必ず必要な撤去工事費」を対象に挙げています。一方で手引きの対象外の例には、撤去・移設・廃棄・処分費があり、Q&Aは「既存設備の撤去費や処分費は対象外」と答えています。処分費は対象外と見ておき、撤去が絡む工事は産業支援プラザ(電話077-511-1424)に先に聞いてください。
発注先は、県内に本社か支店などの事業所がある事業者で、施工も県内の事業所が行うことが条件です。県内の事業所が県外の業者に施工を任せると対象外になります。リースやオンサイトPPA(設備の所有者が設置し、電気を事業者に売る方式)の場合と、県内に施工できる業者がいない場合は例外です。
申請の流れ
- 見積もりを2者以上から取る(事業者→県内の工事業者。有効期限内のものを使う)
- 申請書類をメールで送る(事業者→産業支援プラザ。12月10日(木)17時必着)
- 交付決定を待つ(産業支援プラザ→事業者。書類が届いてから30日以内が目安)
- 発注・契約して工事をし、2027年2月10日までに支払いまで終える(事業者・工事業者)
- 実績報告書を送る(事業者→産業支援プラザ。完了から30日以内か2027年2月10日の早い方)
- 額が確定し、補助金が振り込まれる(産業支援プラザ→事業者。報告から30日以内に確定通知)
交付決定とは、補助を認める通知のことです。交付決定の前に発注や契約をした設備には、補助金が出ません。 見積もりを取るのは構いませんが、契約書に判を押す前に通知を待ってください。
受付は先着順です。予算に達した日で受付が終わり、その日に届いた申請は抽選になります。書類に不備があると審査が止まり、ほかの申請が先に進みます。
支払いは振込で、現金渡しは認められません。振込手数料は申請者の負担です。実績報告では、型式が分かるラベルの写真と、パネルの枚数が数えられる写真が要ります。パネルは設置前に写真を撮る必要があるので、工事の前に業者へ伝えておきます。
必要な書類
準備できた 0 / 14
納税証明書、履歴事項全部証明書、住民票は、提出日の前3か月以内の発行が条件です。納税証明書は、税目で「県税に未納がないこと」を選んで取ります。個人事業主は、前年の確定申告書など事業を行っている証明も出します。
太陽光では、発電量と自家消費量の算定資料、毎月の電気料金の請求書、電力系統図も要ります。設置場所の土地や建物が申請者のものでないときは設置承諾書が必要です。書類は、ExcelやPDFにして専用のメールアドレスに送ります。メールが難しい場合は、産業支援プラザに相談できます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:発注や契約の日が着手日です。決定より前だと対象外になります。
- 2027年2月10日までに完了しなかった:支払いと実績報告まで含めた期限です。申請が締切に近いと、この期限に間に合わないことがあります。
- 自家消費の要件を満たさなかった:発電した電気の使い方が条件に合わないと、交付決定を取り消されることがあります。
- 効果報告で条件を割り込んだ:事業完了の翌々年度の6月30日まで(令和8年度分は2028年6月30日)に、発電量と自家消費量を報告します。大きく下回ると、補助金の返還を求められる場合があります。
太陽光は17年、蓄電池は6年の法定耐用年数のあいだ、50万円以上の設備を勝手に売ったり貸したりできません。処分するときは事前に承認を受けます。
取り違えやすい点
「促進区域」は、市町全域のことではありません。 長浜市は市内全域の建物の屋上ですが、米原市は地区の一部に限られます。市の名前だけで対象と決めず、住所で確かめます。
似た名前の「省エネ・再エネ等設備導入加速化事業」とは別の制度です。 促進区域の外でも使える別の補助金があり、こちらは中小企業者等のみが対象で、大企業は申請できません。原則として省エネ診断の受診が必要で、パワーコンディショナーの自立運転機能も必須です。促進区域のこの補助金は、大企業も申請でき、省エネ診断も自立運転機能も要りません。
県内業者への発注は、見積もりの段階から求められます。 見積書は県内の事業者のものを2者以上出します。県外の業者に見積もりを頼んでから気づいても、使えないことがあります。
国と県の補助金は重ねられません。 滋賀県の他の補助金を受けたことがある、または受けようとする設備は対象外です。県の省エネ・再エネ関係の補助金で入れた設備の更新も、法定耐用年数が過ぎるまでは使えません。市町の補助金は国のお金が財源でなければ併用できますが、補助対象の経費からその補助額を引きます。
よくある質問
促進区域に入っているかは、どこで調べられますか?
公式ページに、令和8年4月1日時点の米原市・草津市・湖南市・長浜市の区域の範囲が載っています。ただし市町の全域が区域とは限らないため、細かい線引きは事業所の所在地の市役所に確かめてください。公式のQ&Aも、各市町が定める計画か担当部署の確認を案内しています。申請の時点で区域に入っている必要があるので、住所を伝えて区域に当たるかを聞くのが確実です。
大企業や、本社が県外の会社でも申請できますか?
どちらも申請できます。県のQ&Aには、大企業も補助対象になると書かれています。また設備を付ける事業所が滋賀県内の促進区域にあれば、本社が県外でも対象です。国や地方公共団体、それらが出資する法人や団体は対象外です。ファイナンスリースやオンサイトPPAで入れる場合は、リース事業者やPPA事業者が申請者になります。別の制度の「省エネ・再エネ等設備導入加速化事業」は大企業が申請できないため、取り違えないようにしてください。
蓄電池だけを入れる場合も補助されますか?
蓄電池だけの導入は対象外です。蓄電池はこの補助金で入れる太陽光発電設備の付帯設備として入れる場合に限り、補助されます。しかも平時に充電と放電を繰り返す用途のもので、停電のときだけ使う非常用の電源は対象になりません。仕様にも家庭用・業務用ごとの基準があるため、メーカーや工事業者に交付要領の要件を満たすかを確かめてください。
余った電気を売ってもいいですか?
余剰電力の売電は差し支えありません。ただしFIT(国が一定価格で電気を買い取る制度)やFIP制度の認定を取った設備は対象外です。また設備で発電した電力量の30%以上を需要家が敷地内で消費することなど、自家消費に関する要件があります。業務用は、需要家が使う分を含めて県内で50%以上を消費する決まりです。手引きは、売電などの営利目的が明らかになると対象外にする場合があるとも書いています。売電計画があるときは、申請前に要件を満たすかを工事業者と確かめてください。
県内の業者でないと、本当にだめですか?
発注先の事業者と施工する事業者は、県内に本社か支店などの事業所がある業者であることが条件です。県内の事業所が県外の業者に施工を委託すると、補助対象外になります。例外はファイナンスリースかオンサイトPPAで導入する場合と、設備の取り扱いが県内で極端に少なく、発注も施工もできる業者がいない場合です。例外を使いたいときは、事前に産業支援プラザへ相談してください。
見積書は何社分、どんな内容が必要ですか?
見積書は2者(社)以上のコピーが必要で、最終的に最も安い業者に発注します。申請者名、品名、品番、販売店名と住所が分かるもので、交付申請の時点で有効期限内でなければなりません。経費の内訳は「数量×単価」で書き、「○○工事一式」のようにまとめないでください。補助対象の経費と対象外の経費が見分けられないと、審査が進みません。
申請はどう出しますか? 郵送もできますか?
公式ページと手引きでは専用のメールアドレス(sokushin2026@shigaplaza.or.jp)に、申請書のExcelとPDFなどのデータを送る方法が案内されています。郵送での受付の記載は、確認した資料にありませんでした。メール送信が難しい場合やメールの容量に収まらない場合は、産業支援プラザに相談できます。受付は12月10日(木)17時必着で、締切間際は混み合います。
太陽光を2回に分けて入れても、2回申請できますか?
同じ系統で電気を供給する設備を2つの年度に分けて入れた場合でも、補助金が出るのは最初の年度だけです。県のQ&Aに、初年度と次年度で別々に申請しても交付は初年度のみとあります。また補助金は1つの事業者に年度内で1回限りの交付です。段階的に増設する予定があるなら、最初の申請で、出力をどこまで含めるかを考えておいてください。
市町の補助金と併用できますか?
市町の補助金が国のお金を財源にしていなければ、併用できます。ただし併用するときは、補助対象の経費から市町の補助額を引いて計算します。市町の制度で併用が認められない場合もあるため、事前に各市町の担当者に確かめてください。国のお金を財源にした補助金や、県の別の補助金との重複は認められません。
工事の期限に間に合わないおそれがあるときは?
完了の期限は2027年2月10日で、支払いと実績報告まで含みます。公式ページは締切間際の申請だと実績報告の締切に間に合わないケースが出ると注意しています。交付決定は申請から30日以内が目安で、工事の日程も機器の納期もかかります。余裕がなければ、早めに申請するか、内容を変更する場合は事前に変更承認申請書を出して承認を受けてください。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 CO2ネットゼロ支援課です。電話は077-511-1424で、メールはsokushin2026@shigaplaza.or.jpです。住所は大津市打出浜2番1号(コラボしが21の2階)です。区域に当たるかの確認は、事業所のある市町の担当部署に聞くのが近道です。
補助金が出たあと、やることはありますか?
あります。設備の法定耐用年数(太陽光17年、蓄電池6年)のあいだ取得価格50万円以上の設備は、転用・譲渡・貸し付けなどをする前に知事の承認が必要です。事業完了の翌々年度の6月30日までに、発電量や自家消費量を事業効果報告書で提出します。帳簿と証拠書類は完了後5年間保存し、事業の内容や効果は産業支援プラザのホームページなどで公表される場合があります。
