求人広告の掲載料と、社員の資格取得費。台東区の事業団は、どちらも助成します。ただし一度に申請できるのは片方だけで、採用活動と人材定着は、どちらか一方の区分しか選べません。
台東区 人材確保支援助成金の要点まとめ
正式名:人材確保支援
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(農林漁業・不動産賃貸業などは対象外)
- 利用目的
- 採用活動/従業員の資格取得(人材定着)
- 対象地域
- 東京都台東区
- 従業員数
- 中小企業基本法の中小企業(業種で50〜300人以下)
いくら
- 補助上限額
- 20万円(1企業・年1回まで)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月1日
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで
- 公式サイト
- 台東区産業振興事業団「人材確保支援」
受付は予算がなくなり次第終わります。申請の前に、エントリーフォームの入力が要ります。入力の締切は2027年1月29日17時です。
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「中小企業」は中小企業基本法の定義で見ます。資本金と従業員数の上限は、製造業・建設業・運輸業が3億円以下で300人以下、卸売業が1億円以下で100人以下、小売業が5,000万円以下で50人以下、サービス業が5,000万円以下で100人以下です。同じ会社グループで複数の会社が申請することは認められず、いずれか1社のみになります。
面談の相手は中小企業診断士で、場所は台東区中小企業振興センター(花川戸1-14-16)です。申請書を出す前に、この面談を済ませます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 本拠がバーチャルオフィス
- ✕ 本業が農林漁業・金融業・不動産賃貸業
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 社団・財団法人やNPO法人
みなし大企業とは、同じ大企業が発行済株式の2分の1以上を持つなど、大企業が実質的に加わっている会社のことです。ほかに、駐車場業・風俗営業・住宅宿泊事業が本業の会社、フランチャイズ契約で事業所を運営する会社、宗教法人も対象になりません。
「区内の会社なら使える」とは限らない点
住所が区内でも、使えない形があります。登記だけ区内に置いて、実際の営業の本拠がレンタルオフィスやバーチャルオフィスの場合は対象外です。賃貸借契約書の写しなどで、区内に本拠があると示せることが必要です。
親会社・子会社・グループ会社との取引は、対象経費になりません。国や都が実施する同種の助成と重ねて受けることもできません。
いくら戻ってくる?
対象経費の半分で、上限は20万円です。上限の20万円に届くのは、対象経費が40万円以上のときです。消費税は対象外なので、税抜の金額で見ます。交付申請額は千円未満が切り捨てです。
- 求人サイトの掲載費が24万円:24万円 × 1/2 = 12万円
- 就職説明会の出展小間料10万円と採用パンフレット30万円:40万円 × 1/2 = 20万円
- 資格の受験料とテキスト代が8万円:8万円 × 1/2 = 4万円
- 採用パンフレットの制作が60万円:60万円 × 1/2 = 30万円 → 上限の20万円
最後の例では、40万円を超えた分は助成が増えません。申請は1企業・年1回までなので、複数回に分けて上限まで受け取ることもできません。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 人材紹介サービスの費用、成功報酬
- 業務委託契約で人を使う場合の経費
- 無料の広告を有料版に切り替える費用
- 就職説明会の人件費、運営の委託費
- 採用ページ以外のホームページの構築・改修費
- 外国人採用に関する顧問料
- 社会保険労務士の費用のうち日常業務に当たるもの
- 親族の雇用に関する経費
- 資格の登録料、資格更新にかかる費用
- 租税公課、消費税
対象になるのは、次の2区分の経費です。
- 採用活動:求人広告・求人サイトの掲載費、就職説明会の出展小間料、採用ホームページの構築・改修費、採用パンフレットのデザイン料と印刷費、外国人雇用の採用手続きにかかる謝金
- 人材定着:従業員の資格取得にかかる教材費、受験料、受験手数料、受講料、テキスト代
資格は、公式ページの一覧にあるものに限ります。弁護士・税理士・社会保険労務士などの士業、施工管理技士、電気工事士、消防設備士、ITパスポートから情報処理安全確保支援士までのIT系試験、警備業務、キャリアコンサルタントなどが載っています。自社の従業員が受ける資格が一覧にあるか、申請前に確かめてください。
区分をまたぐ組み合わせは申請できません。求人サイトの掲載と就職説明会の出展は、どちらも「採用活動」なので同時に申請できます。求人サイトの掲載と資格取得の費用は区分が違うため、どちらかに絞ります。
申請の流れ
- エントリーフォームを入力する(申請者→事業団。2027年1月29日17時まで)
- 面談日の連絡を受ける(事業団→申請者。電話かメールで、要件と事業内容を確認)
- 中小企業診断士と面談する(申請者→中小企業振興センター)
- 申請書類を出す(申請者→事業団。郵送か窓口。書類がそろわないと受理されません)
- 助成決定通知を受け取る(事業団→申請者。受理から約1週間)
- 事業を実施して支払う(申請者。決定後から2027年2月28日までに完了。会社名か個人事業主名で支払い)
- 実績報告書を出す(申請者→事業団。2027年3月1日17時まで。郵送は必着。期限を過ぎると助成金は出ません)
- 助成金を受け取る(事業団→申請者。審査完了から概ね1か月)
内容や金額を変えるときは、変更する事業の実施前に事業団(03-6701-8794)へ連絡して、変更届を出します。実施したあとでは、助成金が出なくなる場合があります。
必要な書類
準備できた 0 / 8
見積書などは3か月以内に取得したもので、税抜の金額が分かるものにします。商業登記簿謄本は法人だけ、発行後3か月以内で台東区に本店登記があるものです。納税証明書は3か月以内に取得し、未納税額が0であることが条件です。法人は法人税(その1)か法人事業税、個人事業主は所得税(その1)か個人事業税のどちらかです。個人事業税が0円の場合は証明書が出ないため、所得税(その1)を取ります。領収書や確定申告書では代わりになりません。
申請書類は「採用活動」と「人材定着」で様式が分かれています。申請前確認リストには、実印の押印と、「今年度初めての申請であること」「同じ経費で国や都などの補助金・助成金を申請していないこと」のチェックがあります。提出した書類は返却されません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定の前に払った:助成決定前に導入・支払をした経費は対象外です。申請前確認リストにも、申請の時点で事業に未着手で、対象経費を払っていないことというチェックがあります。見積もりを取るところまでにとどめ、契約や支払いは決定通知を受けてからにします。
- 区分を混ぜた:採用活動と人材定着の両方の経費を1回の申請に入れると、受理されません。どちらか一方に絞ります。
- 変更を届けなかった:事業内容や金額が変わったのに連絡しないと、助成金が出ないか、返納になることがあります。
- 個人払いやリボ払いにした:会社名義でない支払い、リボ払いの支払いは対象外です。支払いは会社名か個人事業主名で行います。
台東区の人材確保支援でよくある勘違い
「事業団の助成金だから、区に申請するのでは」と考える人がいますが、窓口は公益財団法人台東区産業振興事業団(経営支援課 企業・人材育成担当)です。区役所ではありません。
「エントリーすれば申請したことになる」も誤りです。エントリーは要件確認の入口で、そのあとに診断士との面談と申請書の提出が要ります。エントリーの締切(2027年1月29日)と、書類提出の締切(2027年3月1日)は別です。
事業が終わったあとに、事業団の職員か中小企業診断士が事業所に状況を聞きに来る場合があると案内されています。日程は事前に調整されます。
もうひとつ、事業の完了は2027年2月28日までです。書類提出の締切が3月1日でも、事業と支払いをその前に終えられなければ対象になりません。実際には、ぎりぎりまで待たず、早めに動くのが確実です。
よくある質問
求人広告と資格取得を同時に申請できますか?
できません。助成の区分は「採用活動」と「人材定着」の2つで、1回の申請ではどちらか一方しか選べません。求人サイトの掲載と就職説明会の出展のように、同じ採用活動の区分に入る経費なら一緒に申請できます。求人サイトの掲載費と従業員の資格取得費のように区分が違う場合は、どちらかに絞ります。申請は1企業・年1回までなので、どちらの区分を選ぶかは最初に決めておきます。
助成決定の前に払った費用は対象になりますか?
対象になりません。公式ページに、助成決定前に導入や支払いをした場合は助成対象外と書かれています。対象経費の期間として2026年4月1日からの請求・支払いと書かれた箇所もありますが、これは対象になる期間の枠です。同じページの別の箇所には、決定後から2027年2月28日までに支払いが完了する経費が対象と書かれ、申請前確認リストにも、申請の時点で対象経費を払っていないことというチェックがあります。決定前の支払いを認める記載はありません。見積書を取るところまでを決定前に済ませ、契約と支払いは決定通知のあとにするのが安全です。迷うときは事業団に確かめてください。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。区内に事業所があり、営業の本拠が区内にあって、就業規則を作っていれば対象です。必要書類は法人と少し違い、商業登記簿謄本は要りません。納税証明書は所得税(その1)か個人事業税のものを3か月以内に取り、未納税額が0であることを示します。見積書などは、屋号か事業主本人の名義のものを用意します。支払いも個人名義ではなく、屋号か事業主名で行います。
就業規則がない会社は申請できますか?
申請できません。就業規則が策定されていることは、対象者の4つの条件のひとつです。申請書類にも就業規則の写しが入っています。申請前確認リストにも、就業規則が策定されていることというチェックがあります。申請を考えたら、早めに社内の規則があるかを確かめます。これから作る場合は、エントリーの締切や事業の完了日に間に合うかを、事業団に聞いてから進めると安全です。
中小企業診断士の面談では何をしますか?
申請内容について専門家と面談します。公式ページには、申請内容について専門家と面談すると書かれ、案内のチラシには、助成金以外も含めた事業課題の解決方法を検討すると書かれています。要件や事業内容の確認は、面談の前に事業団の担当から電話かメールで入ります。面談は台東区中小企業振興センターで行い、日時はエントリーフォームの入力後に事業団から連絡があります。面談の細かい進め方や準備するものは、公式ページに記載がありません。事前に何を持っていくかは、連絡を受けたときに事業団へ聞いておくと安心です。
資格の登録料や更新費用は対象ですか?
対象になりません。人材定着で助成されるのは、資格取得にかかる教材費、受験料、受験手数料、受講料、テキスト代です。資格の登録料と、資格更新にともなう費用は対象外と書かれています。また、取る資格が公式ページの対象資格の一覧に載っていることも必要です。一覧にない資格の費用は助成されない可能性が高いので、申請前に確かめてください。
求人サイトの掲載費は有料プランへの切り替えでも対象ですか?
対象になりません。掲載中の無料版の広告を有償版に切り替える費用は、対象外と書かれています。新たに有料の求人広告を掲載する費用は対象です。人材紹介サービスの費用や成功報酬も対象外です。求人サイトを選ぶときは、掲載料がかかる料金体系か、成功報酬型かを見積書で確かめておきます。成功報酬型のサービスだけを使う場合は、この助成の対象になりません。
採用パンフレットの制作費はいくらまで対象ですか?
金額の個別の上限は、公式ページに記載がありません。採用パンフレットの作成や改訂にともなうデザイン料と印刷費が、対象経費の例として挙がっています。助成は対象経費の1/2以内で、1企業の上限は20万円です。たとえば制作費が60万円でも、助成は上限の20万円までです。採用ページ以外のホームページの構築・改修費は対象外なので、見積書でパンフレットと分けておきます。
実績報告ではどんな書類を出しますか?
実績報告書、事業実施報告書、請求書に加えて、支払った経費の請求書と領収書の写し、成果物を出します。成果物の例は、広告掲載の画面のハードコピー、就職説明会の写真、採用ページの画面、作成した採用パンフレット、購入した教材の写真、受講修了書などです。支払い方法によって必要な書類が変わるため、事業団の「支払い方法別 必要書類」を事前に見ておきます。
問い合わせ先はどこですか?
台東区産業振興事業団の経営支援課 企業・人材育成担当(電話 03-6701-8794)です。所在地は台東区花川戸1-14-16の台東区中小企業振興センター内です。対象経費に当たるかどうか、内容を変えたい場合、予算の残りなどは、実施の前に事業団へ聞いておきます。予算が尽きたあとも取下げで追加募集が出ることがあり、お知らせは事業団の公式Xで行うと書かれています。
