福島県のこの補助金は、国の業務改善助成金に上乗せする制度です。単独では申請できません。国の手続きを終えた事業者だけが、県に進めます。
国への申請は令和8年(2026年)10月15日で締め切られています。県の受付は2027年2月26日まで続きますが、入口にあたる国の締切が先に来る順番です。この日までに国へ申請した事業者が、この記事の読者です。
福島県 業務改善応援補助金の要点まとめ
正式名:福島県中小企業等業務改善応援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業・小規模事業者・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 賃上げに伴う設備投資(国の業務改善助成金の上乗せ)、社労士報酬
- 対象地域
- 福島県内(県内に事業所がある事業者)
- 従業員数
- 県の公式ページに記載なし(国の助成金の対象であること)
いくら
- 補助上限額
- 150万円(国の助成金への上乗せ分)
- 補助率
- 国の助成額の1/4か3/16。社労士報酬は3/4
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2027年2月26日まで(郵送は消印有効、持参も可)
- 公式サイト
- 福島県「福島県 業務改善応援補助金」
うちの会社は対象になる?
福島県の補助要件と要綱の第3条から、次の6つを拾いました。国への申請と支給決定が絡むので、順に確かめてください。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
「国の助成金の対象事業者」は、国の交付要綱第2条に該当することを指します。県の要綱がこの条文を引いているため、業種ごとの資本金や従業員数の基準は国の側で決まります。詳しくは福島労働局でご確認ください。県の公式Q&Aは、令和8年度の支給決定を受けた事業所が対象で、労働関係法令を守っていること、過去3年間に違反がないことも要るとしています。県税の未納は、一部ではなく全ての県税について問われます。
「支給決定通知」は、社労士報酬だけを申請する場合は要りません。この場合は、国への申請が受理されていれば足ります。
「パートナーシップ構築宣言」は、取引先との共存共栄と望ましい取引慣行を、代表者の名前で宣言する国の仕組みです。県への申請日までにしておく必要があります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 令和8年9月より前に国へ申請した
- ✕ 国の助成金を申請していない
「みなし大企業」は、大企業が株式の一定割合を持つなどして、中小企業でも対象外になる会社のことです。
いくら戻ってくる?
県の補助は2つに分かれます。どちらか一方だけの申請もできます。
1つめは、国の助成金に対する上乗せです。国が確定した支給額に、引上げ前の事業場内最低賃金(事業場でいちばん低い時間給)で決まる率をかけます。1,050円未満なら3/16、1,050円以上なら1/4です。算出した額に千円未満の端数があれば切り捨てます。
- 国の支給額100万円、引上げ前が1,050円未満:100万円 × 3/16 = 18万7,500円 → 切り捨てて18万7,000円
- 国の支給額100万円、引上げ前が1,050円以上:100万円 × 1/4 = 25万円
2つめは、社労士に払った報酬です。3/4を補助します。上限は10万円です。
- 報酬が8万円:8万円 × 3/4 = 6万円
- 報酬が20万円:20万円 × 3/4 = 15万円 → 上限の10万円
上乗せ分の天井は150万円です。県の公式Q&Aによると、国の助成上限が最大になる区分(90円コースで10人以上を引き上げる場合、上限600万円)で、国の助成率が3/4のとき、600万円 × 1/4 = 150万円が補助額の上限になります。社労士報酬の補助は、これとは別に上限10万円です。
何に使える?
対象にならないもの
- 国の助成金の対象経費に入らない支出
- まだ支払っていない社労士報酬
- 社労士との顧問契約の日常的な顧問料
対象になるもの
- 国の助成金の対象経費(国の交付要綱第4条にある設備投資等)
- 国の助成金の申請や手続きを頼んだ社労士への報酬
上乗せは、国が認めた経費をもとに計算されます。県が設備投資の内容や業種で条件を足すことはありません。社労士報酬は、支出済みのものに限ります。
社労士報酬の対象は、国の助成金の申請書類の作成、賃金引上げ時の就業規則の変更や整備、着手金、手続き報酬などです。顧問契約をしていても、国の助成金の書類作成を頼んだことで追加で発生した報酬は対象になります。社労士に頼んでいない場合は、報酬に関する書類は要りません。
申請の流れ
県の手続きは最後の2段です。前半は国の手続きなので、国の期限が先に来ます。国への申請時、交付決定時、事業実績報告の時点では、県への手続きは要りません。
- 国へ申請する(事業者→福島労働局。令和8年9月以降、10月15日まで)
- パートナーシップ構築宣言を登録する(事業者→宣言のポータルサイト。県への申請日まで)
- 設備投資と賃上げを実施する(事業者。国の交付決定のあと)
- 国へ実績報告をして、支給決定通知を受ける(事業者→福島労働局)
- 県へ交付申請兼請求書を出す(事業者→福島県雇用労政課。2027年2月26日まで)
- 県が交付決定を出し、補助金を支払う(福島県→事業者)
国の事業完了期限は、令和8年度の申請なら交付決定の属する年度の1月31日です。納品、支払い、賃金引上げのすべてをその日までに終えます。県の期限は2月26日なので、1月31日に完了すると、残りは約4週間です。この間に国の確定通知が届くかは、公式ページに書かれていません。余裕を持って動くことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 7
上乗せ分を申請するときは、交付申請書から国庫補助金精算書までの4つと通帳のコピーが要ります。社労士報酬を申請するときは、交付申請書、領収書、国の申請書の控え、通帳のコピーが要ります。交付決定通知書は県の様式の添付欄にあり、国の申請書の控えは要綱が社労士報酬の申請に求めています。公式ページの一覧にはこの2つがないため、提出前に雇用労政課へ確かめると安心です。
電子申請はできません。書類は一式そろえてから、郵送(消印有効)か持参で出します。足りない書類を後から出すことはできず、追加が必要になったときは県から個別に連絡があります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 国の確定通知が間に合わない:国の交付額確定と支給決定通知が2月26日までに届かないと、上乗せ分は県に書類を出せません。国の手続きが延びても県の期限は延びません。社労士報酬分だけなら、国へ出した交付申請書の写しを付けて申請できます。
- 構築宣言が申請日までにない:県のQ&Aでは、登録から公開まで10日から2週間ほどかかります。県は公開ページで確かめるため、公開前に申請するなら宣言したことが分かる画面のコピーを付けます。
- 国への申請が9月より前:要件は令和8年9月以降の申請です。
- 社労士報酬を払っていない:対象は支出済みの報酬です。領収書の写しが要ります。
- 決定後に条件へ違反した:交付決定の取消しと返還を命じられることがあります。返還には年10.95%の加算金がかかります。
今年度の変更点・併用・税金
財源は国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」です。予算の範囲内で交付されます。
税金の扱いも要綱にあります。補助額を計算するとき、仕入れにかかる消費税として控除できる額(消費税等仕入控除税額)に補助率をかけた額を減らします。申請時点でこの額が分からないときは、減らさずに申請できます。補助事業のあとで額が確定したら、様式で県に報告します。その額の全部または一部の返還を命じられることがあります。
他の補助金との併用は、同じ経費を対象にしているかで決まります。国や自治体、商工会議所などの支援団体の他の補助金と対象が同じ経費は、この補助金の対象外です。国の業務改善助成金との併用は問題ありません。
取得した設備の管理にも決まりがあります。取得価格が単価50万円を超える設備は、知事の承認なしに目的外で使ったり、売ったり、貸したり、廃棄したりできません。減価償却資産の耐用年数の期間が過ぎれば、この制限は外れます。帳簿と証拠書類は、補助事業を終えた年度の翌年度から5年間保管します。
よくある質問
国の助成金を申請していなくても使えますか?
使えません。この補助金は、国の業務改善助成金を活用した事業者への上乗せ補助で、要件に「令和8年9月以降に福島労働局へ国の助成金を申請したこと」があります。社労士報酬だけの申請でも、国への申請が受理されている必要があります。県への申請だけでは受け付けてもらえないので、まず国の制度の対象になるかを福島労働局で確かめてください。
国への申請は10月15日で終わったと聞きました。いまからでは遅いですか?
県の公式ページには、国への申請の締切が令和8年10月15日と書かれています。この日までに国へ申請していない場合、要件を満たせません。すでに申請を済ませた事業者は、国の支給決定を待って、県に2027年2月26日までに申請できます。来年度の実施については、公式ページに記載がありません。実施されるかは県の雇用労政課に問い合わせてください。
社労士報酬だけを申請することはできますか?
できます。県の公式ページに、両方でもいずれか一方だけでも申請できると書かれています。社労士報酬の補助は、国の申請が受理されていれば足りるので、支給決定を待たずに進められる場合があります。報酬は支出済みのものに限り、補助は報酬の3/4で上限は10万円です。領収書の写しを用意してください。国の助成金が不交付になったときや、期限までに支給決定が出なかったときも、社労士報酬分だけは申請できます。その場合は、国へ出した交付申請書(様式第1号)の写しを付けます。
上乗せの補助額はどう決まりますか?
国が確定した助成金の額に、率をかけて決まります。引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満で、国の助成率が4/5の場合は、国の助成額の3/16です。1,050円以上で国の助成率が3/4の場合は、1/4です。千円未満の端数は切り捨てます。国の助成額が取消しや減額になったときは、変更後の額が基準になります。上乗せ分の天井は150万円です。国の助成上限が600万円の区分で、助成率が3/4のときに当たります。
パートナーシップ構築宣言はいつまでにすればよいですか?
県への申請日までに、宣言企業になっている必要があります。宣言は代表者の名前で行い、登録後は企業名と代表者名を含む宣言文がポータルサイトに公開されます。ポータルサイトへの公開は、通常は登録から約10日後です。補助金の申請に合わせて登録が集中する時期は、さらに数日かかります。県のQ&Aでは、公開まで10日から2週間ほどかかるとされています。公開前に県へ申請するなら、宣言したことが分かる画面のコピーを付けます。国への申請と並行して登録しておくと安心です。内容に県の指定はありません。法人単位で1回行えば、事業場が複数あっても足ります。
個人事業主でも申請できますか?
できます。県の公式ページは、対象者を「福島県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者・個人事業主(みなし大企業を除く)」としています。ただし国の助成金は、従業員の賃金を引き上げる支援なので、従業員がいない場合は対象になりません。パートナーシップ構築宣言も必要です。個人事業主は氏名だけでなく、屋号と役職名を入れて宣言文を作ります。
県への申請はいつまでに、どう出しますか?
受付期限は2027年2月26日です。郵送は消印有効で、持参もできます。宛先は福島県商工労働部の雇用労政課です。国の手続きが延びても、県の期限は2月26日のままです。期限までに国の交付額確定と支給決定通知を受けられないと、上乗せ分は県に書類を出せず、補助の対象外になります。国の事業完了期限の1月31日から逆算して、早めに動いてください。電子申請には対応していません。書類は一式そろえてから出し、足りない分を後から足すことはできません。追加書類が必要になったときは県から連絡があります。持参先は福島県庁西庁舎12階の雇用労政課です。
補助金はいつ支払われますか?
要綱では、県が交付を決定した日に、申請者から請求があったものとみなして支払います。申請書は「交付申請書兼請求書」で、請求書を兼ねているためです。県のQ&Aでは、書類に不備がなくそろった状態で受理された場合、申請から振込まで概ね40日程度としています。申請が集中すると、さらに時間がかかることがあります。口座が分かる通帳のコピーを添えて出すので、名義や口座番号に誤りがないか申請前に確かめておくと安心です。
消費税の扱いはどうなりますか?
補助額の計算のとき、仕入れにかかる消費税として控除できる額(消費税等仕入控除税額)に補助率をかけた額を減らします。申請の時点でこの額が明らかでないときは、減らさずに申請できます。事業のあとで消費税の申告をして額が確定したら、様式で速やかに県へ報告します。報告のあと、全部または一部の返還を命じられることがあります。
買った設備はすぐ売ったり処分したりできますか?
取得価格が単価50万円を超える設備は、知事の承認を受けずに、補助の目的に反して使ったり、売ったり、交換したり、貸したり、廃棄したりできません。減価償却資産の耐用年数の期間が過ぎれば、この制限はなくなります。台帳での管理も求められます。売却や入れ替えを考えているときは、先に取得財産処分承認申請書を出す必要があります。
交付が決まったあとに取り消されることはありますか?
あります。交付決定の内容や条件に違反すると、決定の全部または一部が取り消されます。取り消されると期限を定めて返還を命じられ、受け取った日から納付の日までの日数に応じて、年10.95%の加算金がかかります。納期限までに払わなければ、年10.95%の延滞金も加わります。帳簿は5年間保管し、検査や質問に応じる条件も付きます。
申請をやめたい場合はどうしますか?
交付決定の通知を受け取った日から数えて10日を経過した日までは、申請を取り下げられます。要綱の第8条に書かれた期日です。取り下げの手続きの様式や方法は、公式ページに記載がありません。取り下げを考えるときは、10日の期限が過ぎる前に、雇用労政課へ電話かメールで確かめてください。
複数の事業場で国の支給決定を受けたときは、どう申請しますか?
国の助成金が事業場ごとに支給決定されている場合は、事業場ごとに県へ申請できます。法人の場合は、代表権を持つ方が、申請する事業場ごとに交付申請書を出します。パートナーシップ構築宣言は法人単位で行うので、事業場の数だけ登録する必要はありません。上乗せの率は、事業場ごとの国の助成率で決まります。事業場内最低賃金が1,050円未満なら3/16、1,050円以上なら1/4です。申請書には、事業場ごとの国の支給決定額を書き入れます。
問い合わせ先はどこですか?
福島県商工労働部の雇用労政課(電話 024-521-7289)です。受付は平日の8時30分から17時15分までです。メールは gyomu_kaizen@pref.fukushima.lg.jp で受け付けています。内容によっては回答に時間がかかります。国の助成金の手続きについては、福島労働局の雇用環境・均等室が窓口です。
