賃上げ支援金は、手当や賞与を増やしても出るのでしょうか。出ません。対象は基本給だけで、賃上げ月の前月より5%以上引き上げた従業員1人につき5万円が支給されます(小規模な事業者は3%以上で1人3万円)。
2026年10月6日時点で受け付けているのは第2期(2026年9月1日〜12月31日の賃上げ分)で、申請は2027年1月31日までです。特設サイトには「予算13.2億円のうち、申請受付が9億円を超えました!」と出ているため期限より前に終わる可能性があります。第1期(2026年1月1日〜8月31日の賃上げ分)は受付が終わりました。
ぐんま賃上げ促進支援金の要点まとめ
正式名:令和8年度ぐんま賃上げ促進支援金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 従業員の基本給の賃上げ
- 対象地域
- 群馬県内に事業所がある事業者
- 従業員数
- 中小企業者の範囲内(上限は業種ごとに異なる)
いくら
- 補助上限額
- 1期あたり200万円(5万円×40人分。小規模特例は3万円×20人分)
- 補助率
- 定額(1人5万円。小規模特例は1人3万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月15日〜2027年1月31日(第2期は9月1日〜)
うちの会社と従業員は対象になる?
次にすべて当てはまれば、事業者として対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
常時使用する従業員は1人以上要ります。会社役員、日々雇い入れる人、2か月以内の契約で使う人、季節的業務で4か月以内の契約の人は数えません。パートナーシップ構築宣言は、取引先との共存共栄を目指すと自社で宣言し、ポータルサイトに登録する制度です。
中小企業者は業種ごとに資本金か従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。医療法人・社会福祉法人・事業協同組合などは、従業員300人以下が条件です。資本金と従業員数の上限は、製造業その他が3億円以下または300人以下、卸売業が1億円以下または100人以下、サービス業が5,000万円以下または100人以下、小売業が5,000万円以下または50人以下です。募集要項の表では、宿泊業・娯楽業はサービス業と同じ欄にまとめられています。みなし大企業(大企業が出資して実質的に支配している会社)かどうかは問われません。事務局のQ&Aでは、中小企業基本法の定義に合えば対象と答えています。
次に当てはまると対象外です。
- ✕ 賃上げ目的の他の助成金等を受給
- ✕ 廃業予定や破産手続き中の事業者
- ✕ 民事再生・会社更生の手続き中
- ✕ 同窓会・後援会・法人格のない任意団体
- ✕ 政治団体・宗教団体
- ✕ 群馬県が設立した法人
- ✕ 大規模な公益法人・協同組合など
- ✕ 性風俗関連特殊営業を行っている
- ✕ 暴力団の構成員などの統制下にある
他の助成金等は、受給する予定がある場合も対象外です。大規模な公益法人・協同組合などは、資本金3億円超かつ従業員300人超のものを指します。
過去に不正受給で不支給や取り消しを受けた事業者と、過去5年間に重大な法律違反がある事業者も申請できません。
賃金・従業員の線引き
事業者の条件を満たしても、賃上げの中身と従業員で対象が分かれます。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 基本給の引き上げ(定期昇給でもベースアップでも可) | 役職手当などの固定的な手当、賞与 |
| 雇用契約を結んでいる従業員(管理監督者・外国人労働者・障害のある従業員も可) | 役員(雇用契約を結んでいれば従業員として対象)、専従者、申請時点で退職している人 |
| 県内の事業所で働く人(住所が県外でも可) | 県外の事業所で働く人(派遣先が県外の派遣社員も) |
| 正規雇用、または週所定労働時間が20時間以上の非正規雇用 | 週所定労働時間が20時間未満の非正規雇用 |
| 正社員になって、正社員としての以前の賃金より5%以上上がった人 | 非正規から正社員になっただけで賃金が上がった人 |
| 基本給に当たる単価が上がった歩合制の従業員 | 仕事量が増えて歩合の収入が増えただけの人 |
基本給だけを対象にするのは、支援金が基本給の賃上げを後押しする制度だからです。日勤と夜勤で時給が2種類ある場合は、片方だけ5%以上上げても対象になりません。
賃上げ率は、賃上げ月の前月の基本給と比べて計算します。 たとえば基本給20万円の人は21万円以上、時給1,100円の人は1,155円以上にすると5%です。
いくらもらえる?
支給額は、賃上げ率を満たした従業員の人数で決まります。1人5万円で、1期あたり40人分の最大200万円です。
- 従業員12人の製造業が全員の基本給を5%以上上げる:5万円 × 12人 = 60万円
- 従業員45人の小売業が全員の基本給を5%以上上げる:5万円 × 45人 = 225万円 → 上限の40人分で200万円
- 従業員8人の飲食店(小規模な事業者)が全員の基本給を3%以上5%未満上げる:3万円 × 8人 = 24万円
- 小規模な事業者で、5人全員が5%以上上がった:5万円 × 5人 = 25万円
全員を上げる必要はありません。賃上げ率を満たした従業員が1人だけでも、その1人分を申請できます。上限は法人番号単位(個人事業主は本人単位)で、複数の店舗や事業所を持っていても合算されます。第1期と第2期で別枠のため、通常の申請なら2期合計で最大400万円(のべ80人分)です。
「小規模な事業者」は、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律で定める小規模事業者を指します。常時使用する従業員が、製造業その他と宿泊業・娯楽業で20人以下、卸売業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外)・小売業で5人以下です。法律に定めのない医療法人や社会福祉法人などは、従業員20人以下であれば対象です。小規模特例は1期あたり20人分、最大60万円までです。
申請の流れ
- 基本給を引き上げる(事業者→従業員。2026年9月1日〜12月31日の間に。賃上げ月の前月と比べて5%以上、小規模特例は3%以上)
- パートナーシップ構築宣言を登録する(法人の事業者→ポータルサイト。申請までに。宣言の時期が賃上げ月より前でも構いません)
- 引き上げ後の賃金を1か月分以上支払う(事業者→従業員。支払い実績が申請の条件です)
- 書類をそろえて申請する(事業者→特設サイトの申請フォーム。2027年1月31日まで。事業所ごとに申請)
- 審査を受ける(事務局・県→事業者。不備があれば電話かメールで連絡が入ります。支給決定通知のあと県が振り込みます)
賃上げ後の賃金を1か月分払ってから申請するので、12月に賃上げした場合は締切の1月31日まで時間がありません。書類が不足したまま先に申請する「申請の予約」はできず、不備が直るまで審査も始まりません。
1回の申請に入れられるのは20人分までです。21人目以降は、申請が完了したあとに「この申請をもとに新規申請」で追加します。申請フォームは2つに分かれています。賃金を5%以上上げた分は特設サイト、3%以上の小規模特例は別の特設サイトです。県の支援金を申請するときに、沼田市・渋川市・東吾妻町・大泉町にある事業所分は同じフォームで各市町の上乗せ支給にも同時に申請できます。
必要な書類
準備できた 0 / 5
労働条件通知書等は、対象従業員の最新の労働条件通知書か雇用契約書の写しです。賃金台帳等は、賃上げ月とその前月の基本給を比べられるものを出します。通帳は表紙と見開きの写しで、申請者本人名義の口座(法人は法人口座)に限ります。
取引照合表(取引部分は黒塗り)や口座照会画面のスクリーンショットは、ネットバンキングの場合に、カナ名義が分かるものを出します。パートナーシップ構築宣言の受付完了メールは、登録を申し込んだ事務局から届いたもので、申請時点で会社名が公開されていない法人だけが出します。
最新の労働条件通知書や雇用契約書が出せないときは過去のものに加えて、就業場所・正規か非正規か・週所定労働時間・最新の基本給が分かる書類を出します。就業規則・雇用保険被保険者証・労働条件変更通知書・給与明細などが想定されています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 引き上げ後の賃金を下げた:事業活動の縮小など事業主の都合で、1年間続けられなくなると対象外です。支給後なら返還を求められます。
- ほかの賃上げ助成金を受けた・受ける予定がある:賃上げを目的にした助成金は重複の扱いになります。人件費ではなく設備投資を補助する制度は、重複としません。
- 書類の不備を放置した:事務局が最初に連絡した日から1か月たつと、申請は取り下げられたものとみなされます。
- 予算がなくなった:申請の受付は、予算の上限に達すると1月31日より前でも終わります。
支給を受けたあとも、賃金台帳などの証拠書類は、事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間保存します。
市町の上乗せ・ほかの制度との併用
沼田市・渋川市・東吾妻町・大泉町は、県の支援金に上乗せして支給します。上乗せの審査状況や振込時期は、各市町に問い合わせます。県と市町では入金時期が異なります。
中小企業向けの賃上げ促進税制を使っていても、それだけで対象外にはなりません。ただし税制の計算で給与の補塡額を差し引く扱いがあるため、税務署に確かめてください。キャリアアップ助成金の正社員化コースは賃上げが目的ではないので、重複とは扱われません。令和7年度以前の賃上げを対象にした助成金を受けていても、今回の賃上げが対象期間内なら申請できます。
支給金の税金上の扱いは、群馬県の公式ページでは確認できませんでした。税理士か税務署に聞くのが確実です。
よくある質問
パートやアルバイトも対象になりますか?
対象になります。ただし非正規雇用は、週所定労働時間が20時間以上であることが条件です。事務局は、最新の雇用契約書か労働条件通知書に書かれた週所定労働時間で確かめます。外国人労働者や障害のある従業員も、雇用契約があり引き上げ後の賃金を1年間続ける見込みがあれば対象です。週20時間未満の人は、基本給が5%以上上がっていても支給対象になりません。
賞与や手当を増やした場合も対象になりますか?
対象になりません。賃上げの対象は基本給で、役職手当のような固定的な手当も含まれません。定期昇給かベースアップかは問われないため、昇給で基本給が5%以上上がれば対象です。歩合制の従業員は、仕事が増えて収入が増えただけでは対象になりません。基本給に当たる単価が上がった場合は対象です。
全従業員の賃上げが必要ですか?
必要ありません。5%以上(小規模な事業者は3%以上)上がった従業員が1人いれば、その1人分から申請できます。賃上げ額の確認も、申請した従業員についてだけ行われます。20人の事業所で5人の基本給をそれぞれ5%以上上げたなら、5人分の支援金を申請できます。残りの15人の賃金は審査されません。
数回に分けて上げた合計が5%になる場合は?
合計が5%以上になった時点で対象になります。基本給20万円の人に4月に8,000円、8月に2,000円を足した場合、4月だけでは対象外です。8月に5%に届いた段階で対象になります。ただし2026年1月1日より前や12月31日より後の賃上げを含めて5%になる場合は、対象期間の外なので対象になりません。
パートナーシップ構築宣言はいつまでにすればよいですか?
申請までに宣言を申し込みます。募集要項では、法人の場合の要件として定められています。申請時点で会社名がポータルサイトに公開されていなくても、事務局からの受付完了メールを添付すれば申請できます。宣言の時期が賃上げ月より前でも構いません。個人事業主がこの宣言を必要とするかは、募集要項に法人の要件としてしか書かれていないので事務局に確かめると確実です。
他の助成金と併用できますか?
賃上げを目的に人件費を補助する助成金は重複になり、併用できません。設備投資を補助する制度は重複としません。診療報酬や介護報酬の処遇改善加算は、同じ目的なので重複になり得ます。ただし賃上げ月から1年間の賃上げ額の合計から加算額を差し引いて5万円以上(小規模な事業者は3万円以上)残るなど、賃上げの区分けがはっきりしていれば重複とみなされません。
賃上げ後に従業員が退職したら返還ですか?
事務局のQ&Aでは、原則として自主退職なら返還は不要で、会社都合なら返還を求める可能性があります。産休・育休やけがで休業して給与が支払われない月ができた場合も、やむを得ないと認められて返還は不要です。ただし申請時点で休業が決まっている人や休業期間を含む遡り申請の人は対象外です。賃上げ月の前月以前に産休・育休などでおおむね1年、給与の支払い実績がない人も、対象にならない場合があります。
第1期の賃上げ分は今から申請できますか?
第1期(2026年1月1日〜8月31日の賃上げ分)は、2026年9月30日で受付が終わっています。第1期の受付終了後に遅れて申請できるかどうかは、公式ページに書かれていません。該当する場合は、事務局(050-6892-9990)に確認してください。同じ従業員の同じ給与算定期間の賃上げについて、支援金を二重に受け取ることはできません。
小規模な事業者の特例とは何ですか?
賃上げ率が3%以上5%未満でも、1人3万円が支給される特例です。1期あたり20人分、最大60万円までです。従業員ごとに賃上げ率が違う場合は、5%以上の人は5万円、3%以上5%未満の人は3万円で申請できます。ただし1人の従業員について両方で申請することはできず、どちらか一方を選びます。
申請から振り込みまでどのくらいかかりますか?
書類が受理されてから、およそ4週間を予定しています。書類の不備や申請が集中している時期には、もっと時間がかかることがあります。県の支給と市町の上乗せでは、入金の時期も異なります。申請内容に不備があると事務局から電話かメールで連絡が来るため、平日の昼間に連絡が取れる電話番号を入れておくと安心です。
第2期の締切より前に終わることはありますか?
あります。群馬県の公式ページに、予算上限に達した場合は前倒しで終了すると書かれています。特設サイトには、予算13.2億円のうち申請受付が9億円を超えたと出ています。掲載日の記載はなく、2期分の予算かどうかも書かれていません。締切の1月31日(日曜日)を待たずに、書類がそろい次第早めに申請するのが安全です。
賃上げ前に申請して、あとで書類を出すことはできますか?
できません。申請の予約は受け付けておらず、必要書類がすべてそろった段階で申請します。不備がある状態で申請すると、不備が解消されるまで審査に進めません。賃上げ後の賃金を1か月分支払った実績も要るため、賃上げと同じ月に申請することはできません。賃金台帳と労働条件通知書は、賃上げ月とその前月の分をそろえておきます。
問い合わせ先はどこですか?
申請や書類の書き方は、ぐんま賃上げ促進支援金事業事務局(電話 050-6892-9990)が窓口です。受付は平日の9時〜17時です。制度そのものについては、群馬県の労働政策課(電話 027-226-3402)が窓口です。上乗せ支給の審査状況や振込時期は、沼田市・渋川市・東吾妻町・大泉町の各担当課に聞きます。
