2,000万円の機械を入れ替えると、翌年度から固定資産税(事業用の機械などにも毎年かかる市の税)の負担が増えます。今治市の設備投資奨励金は、この設備に課された固定資産税の収納額を、市が奨励金として3年度分交付する仕組みです。
対象は中小企業者で、設備更新の投資が2,000万円以上、しかも更新後も雇用が維持される場合に限ります。1年度あたりの交付額は1,000万円が上限です。
今治市 設備投資奨励金の要点まとめ
正式名:今治市企業立地促進条例に基づく設備投資奨励金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者)
- 対象業種
- 製造業、情報通信業、卸売業、医療・福祉など(区域で異なる)
- 利用目的
- 設備更新(機械・装置の入れ替え、設置)
- 対象地域
- 愛媛県今治市
- 従業員数
- 中小企業者に当たる規模
いくら
- 補助上限額
- 各年度1,000万円(3年度分)
- 補助率
- 設備更新に伴う固定資産税の収納額に相当する額
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年3月31日
- 事業の完了
- 設備更新は同じ年の1月1日〜12月31日に行うもの
うちの設備更新は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 設備更新の投資が2,000万円未満
- ✕ 雇用が維持されない更新
- ✕ 国や地方公共団体
中小企業者は、中小企業基本法で業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当します。上限額は業種で異なるため、自社が当たるかは産業振興課で確かめられます。
設備更新とは、生産の増強・高付加価値化・環境負荷の軽減のために、機械や装置を入れ替えたり設置したりすることです。入れ替えだけでなく設置も条例の定義に入っています。ただし、対象は1月1日から同じ年の12月31日までの間に行う更新です。
対象業種は、公式ページに製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業の一部、卸売業、医療・福祉、学術研究や専門・技術サービス業などと載っています。施行規則の別表を見ると、小売業は入っていません。医療は産科と小児科に限られ、デザイン業などは情報通信の技術を使う事業に限られます。市長が特に必要と認めた業種も対象になるので、迷うときは産業振興課で確かめられます。今治新都市区域(指定区域)で更新する場合は、運輸業・郵便業、教育・学習支援業も加わります。どちらの区域でも、設備投資の条件(2,000万円以上、各年度上限1,000万円)は同じです。
いくら戻ってくる?
交付額は、設備更新に伴う固定資産税の収納額に相当する額です。補助率の計算ではなく、市に納めた固定資産税がそのまま奨励金の額の目安になります。1年度あたりの上限は1,000万円です。
税額は設備の評価によって決まり、公式ページに計算式はありません。次の数字は、仕組みをつかむための仮定です。
- その年度の固定資産税の収納額が300万円:300万円 → 奨励金は300万円
- その年度の固定資産税の収納額が1,500万円:1,500万円 → 上限の1,000万円
- 3年度とも毎年300万円を納めた場合:300万円 × 3年度 = 900万円
交付されるのは、納めた税額を上限までです。税額が年度ごとに変われば、奨励金も年度ごとに変わります。上限を3年度ぶん使い切ったときの最大は、1,000万円 × 3年度 = 3,000万円です。
いつからいつまで受け取れる?
交付の対象になるのは、基準年度とそれに続く2年度の合計3年度です。基準年度とは、設備更新が完了した日の属する年の翌年度のことです。
2026年中に更新を終えたなら、基準年度は2027年度になります。対象は2027年度、2028年度、2029年度の3年度です。
申請は3回に分かれます。1回目は、更新の要件を満たした日以降で、基準年度の固定資産税を完納した日以降です。2回目以降は、各年度の固定資産税を完納した日以降に申請します。
申請の流れはこの順番
- 適用事業者の指定を申請する(事業者→今治市 産業振興課。設備更新に着手するまで)
- 設備更新を行う(事業者。同じ年の1月1日〜12月31日の間に行う)
- 更新の完了を市に届け出る(事業者→産業振興課。完了した日から14日以内に操業開始届)
- 基準年度の固定資産税を納める(事業者→今治市。完納してから次へ)
- 1回目の交付申請を出す(事業者→産業振興課)
- 2回目・3回目の申請を出す(事業者→産業振興課。各年度の税を完納したあと)
施行規則は、設備更新の奨励金の指定申請を「設備更新に着手するまで」と定めています。指定の通知を待たずに着手すると対象から外れるおそれがあるため、発注や契約の前に産業振興課(0898-36-1540)へ相談してください。何をもって着手とするかは規則に書かれていません。指定を受けたあとに申請の内容を変えるときは、変更の承認も要ります。
必要な書類
準備できた 0 / 11
上の表は施行規則の定めです。指定の申請には、このほかに印鑑証明書、定款、直近1期の決算書類、土地の登記事項証明書、配置図・設計図などが挙がっていますが、市長は不要と認めた書類を省略させることがあります。法人は登記事項証明書、個人は住民票抄本です。交付申請には、事業実施報告書、市税の完納証明書、交付年度の固定資産記載事項証明書、投下固定資産総額を証明できる書類を添えます。複数の申請を同時に出すときは、重なる書類を省略できます。様式の入手先は市のページに案内がないため、産業振興課に確かめてください。変更申請書は、指定の内容を変えるときだけ要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 雇用が維持されなくなった:設備更新の定義に「雇用が維持される場合に限る」とあります。更新後に雇用を減らすと、対象から外れるおそれがあります。
- 事業所を休止・廃止した:事業所の事業を休止または廃止したときや、これと同様の状態になったときは、指定の取り消しの対象です。休止・廃止は、その日から14日以内に届出書を出します。
- 市税を滞納した:市税の滞納も取り消しの理由に挙がっています。固定資産税を期限内に納めることが前提です。
- ほかの奨励金や補助金と重なった:設備投資奨励金は、ほかの奨励金と重ねて受け取れません。市の他の補助金等の対象になっている経費も交付されません。
指定が取り消されると、すでに交付された奨励金の全部または一部を返す命令が出ることがあります。
併用できる?
設備投資奨励金は、企業立地促進奨励金や雇用促進奨励金など、ほかの奨励金と重ねて受け取れません。指定区域の同種の奨励金も同じ扱いです。
新しい事業所の立地や新規雇用が目的なら、別の奨励金が合うことがあります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
条例は、企業を「物の生産やサービスの提供を目的に事業を営む者」と定めていて、個人を除く書き方はありません。ただし中小企業者に当たるか、業種が対象かは条件になります。公式ページに個人事業主の扱いの記載はないので、申請を考えている場合は、産業振興課(0898-36-1540)に事前に確認すると安心です。
新しく今治市に工場を建てる場合も使えますか?
設備投資奨励金は、すでに今治市に事業所を持つ企業が、生産の増強などのために機械や装置を入れ替えたり設置したりする場合の制度です。市外から新しく進出する場合や、新しく事業所を設ける場合は、投下固定資産総額で見る企業立地促進奨励金のほうが関係します。どちらに当たるかは、産業振興課に相談できます。
投資額の2,000万円には、何が含まれますか?
条例は「設備更新に係る投資が2,000万円以上」と定めています。税込か税抜か、据え付け工事費や運搬費を含めるかは、公式ページと条例に書かれていません。複数の機械を同じ年に更新して合計で2,000万円を超えるときの扱いもあわせて、指定の申請の前に産業振興課へ確かめておくと間違いがありません。
中古の設備でも対象ですか?
公式ページと条例には、新品か中古かを分ける記載がありません。条例の定義は、機械や装置を「入れ替え、又は設置する」ことです。中古設備の導入を考えている場合は、2,000万円以上の投資に数えられるか、固定資産税の収納額がどうなるかを、発注の前に産業振興課へ聞いておくことを勧めます。
リースやレンタルの設備でも使えますか?
奨励金の額は、設備更新に伴う固定資産税の収納額に相当する額です。固定資産税が自分に課されているかが分かれ目になります。リース契約の場合は、税を負担するのが事業者かリース会社か、契約によって変わることがあります。公式ページには記載がないため、契約の前に産業振興課へ確認してください。
1年度にいくらまで受け取れますか?
各年度の交付額は、1,000万円が上限です。その年度の固定資産税の収納額が1,000万円を超える場合でも、交付されるのは1,000万円までです。3年度とも上限に当たれば最大3,000万円になります。収納額が上限を下回る年度は、その額がそのまま交付額になります。
申請はいつまでに出せばいいですか?
公式ページに、申請の締切日の記載はありません。条例では、交付の申請を、要件を満たした日以降かつ基準年度の固定資産税を完納した日以降に出す決まりです。つまり更新が終わったあと、税を納めてからの申請になります。受付期間の記載は市のページ・条例・規則のどれにもありません。ただし先に受ける指定の申請は、設備更新に着手するまでと規則が定めています。計画ができた段階で産業振興課に聞いてください。
雇用を増やす必要はありますか?
設備投資奨励金の要件は、中小企業者であることと、投資が2,000万円以上であることです。新規雇用の人数は要件にありません。ただし、設備更新の定義に「雇用が維持される場合に限る」とあります。人員を減らす計画があるなら、対象になるかを事前に確認したほうが安全です。
カーボンニュートラル枠は設備投資奨励金にも付きますか?
カーボンニュートラル実現に資する企業の交付期間を2年度延ばす上乗せは、企業立地促進奨励金の説明に書かれています。設備投資奨励金の欄には、同様の記載がありません。設備投資奨励金は、基準年度とそれに続く2年度の3年度分で考えるのが公式ページに沿った読み方です。
指定区域とそれ以外で、条件は変わりますか?
設備投資の条件は同じです。投資が2,000万円以上、各年度の交付額の上限が1,000万円で、3年度分という点も変わりません。違うのは対象業種で、今治新都市区域(指定区域)では運輸業・郵便業と教育・学習支援業が加わります。自社の事業所が指定区域に当たるかは、産業振興課で確かめられます。
税金はかかりますか?
奨励金が税務上どう扱われるかは、公式ページと条例に記載がありません。受け取った奨励金を、法人税や所得税の計算でどう扱うかは、顧問の税理士や税務署に確認するのが確実です。固定資産税そのものは、奨励金の有無にかかわらず、いったん全額を納める必要があります。
問い合わせ先はどこですか?
今治市役所 産業振興課(本庁第1別館7階)です。電話は0898-36-1540、メールは sangyou@imabari-city.jp です。開庁時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までで、土日祝日と年末年始は閉まっています。指定の申請は設備更新に着手するまでなので、計画の段階で問い合わせると流れをつかめます。
