小規模事業者持続化補助金でホームページを作る費用は、「ウェブサイト関連費」という経費区分で出ます。第20回公募(一般型・通常枠)では補助金は30万円までで、ホームページだけの申請はできません。チラシ・展示会出展・店舗改装などほかの経費と一緒に申請します。補助率は2/3なので、補助対象経費が45万円(税抜)で補助金は上限の30万円に届きます。
もう一つ、順番があります。制作会社への発注や契約は、交付決定通知書に書かれた交付決定日より前にはできません。第20回の申請受付は2026年11月5日から12月15日までで、採択発表は2027年3月頃の予定です。交付決定はその1〜2か月後が目安なので、ホームページの制作に入れるのは2027年の春以降になります。申請の前に作ってしまった分は対象外です。
検索で見つかる解説の中には、ウェブサイト関連費を申請額の1/4(基本枠で12.5万円)と書いたものがあります。これは第19回までのルールです。第20回で30万円に変わり、広報費の扱いも変わりました。この記事は第20回の公募要領と事務局の新旧対照表を読み、ホームページに関わる部分だけを取り出しています。持続化補助金そのものの説明は小規模事業者持続化補助金の内容と申請のコツに、ホームページ制作に使える制度全体の選び方はホームページ制作に補助金は使える?に譲ります。
持続化補助金のホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」で出る
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)は、販路開拓にかかる経費を8つの区分に分けて補助します。区分は機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費です。ホームページの制作費はウェブサイト関連費に入ります。
公募要領14ページは、ウェブサイト関連費を次のように定めています。
販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費
新規制作だけでなく、更新や改修も同じ区分です。
制作会社に外注しても、区分は変わりません。公募要領の12ページ・16ページ・17ページに、ウェブサイトやシステム開発の外注費は委託・外注費でなくウェブサイト関連費に計上すると繰り返し書かれています。外注費の区分に入れて30万円の上限を避けることはできません。
申請できるのは小規模事業者です。小規模事業者とは、常時使用する従業員の数が一定以下の事業者のことです。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下で、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。会社役員と同居の親族は従業員に数えません。法人と個人事業主のどちらも対象で、個人事業主は商工業者であることが条件です。個人事業主の細かい条件は持続化補助金は個人事業主も使える?で扱っています。
第20回(一般型・通常枠)のホームページに関わるルールを、先に一覧にしておきます。
| ルール | 中身 |
|---|---|
| 経費の区分 | ウェブサイト関連費 |
| この区分の補助金の上限 | 30万円(税込) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 単独申請 | できない(ほかの経費と一緒に申請) |
| 申請全体の補助上限 | 基本50万円(特例の上乗せで最大250万円) |
| 申請受付 | 2026年11月5日から12月15日17:00まで |
| 発注・契約ができる時期 | 交付決定日から |
ウェブサイト関連費の上限と補助率:第19回までと何が変わったか
第20回の公募要領(第8版)は、ウェブサイト関連費について「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。」と書いています。「補助金交付申請額」は、補助金として申請する額のことです。30万円はホームページの費用の上限ではなく、ウェブサイト関連費から受け取る補助金の上限を指します。
補助率2/3で上限の30万円に届くのは、補助対象経費が45万円のときです。45万円を超えた分は補助されません。この上限は、賃金引上げ特例やインボイス特例で申請全体の補助上限が上がっても変わりません。参考資料にも「各経費区分の上限は、賃金引上げ特例等により補助上限額が引き上がる場合でも変更されません。」とあります。
第19回までは違いました。事務局が公表した新旧対照表(第6版・第7版から第8版への変更点)によると、第19回の公募要領には次の文がありました。
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)が、当経費の申請額の上限です。
申請全体の補助金が基本の上限50万円なら、ホームページに回せる補助金は1/4の12.5万円です。250万円の枠でも最大50万円でした。第20回は30万円の固定なので、基本枠でホームページに回せる額は増えています。
| 比べる点 | 第19回(公募要領 第6版・第7版) | 第20回(公募要領 第8版) |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の1/4(最大50万円) | 30万円(税込) |
| 広報費の上限 | 区分ごとの上限の記載なし | 30万円(税込) |
| 広報費だけの申請 | 記載なし | できない |
| インターネット広告・SNS広告・プレスリリース配信・電子パンフレット | ウェブサイト関連費の例 | 広報費の例 |
| 相見積が要る金額 | 1件100万円(税込)超 | 1件50万円(税込)超 |
広告類が広報費に移ったことで、ホームページと広告で上限の枠が別々になりました。ホームページに30万円、広告やチラシに30万円という使い分けが第20回の仕組みです。
回が変わるとルールも変わります。第20回の締切以降の公募は、事務局が追って案内するとされています。次の回に申請するときは、その回の公募要領で上限と区分を確かめてください。
ホームページだけでは申請できない:単独申請不可と組み合わせ方
公募要領14ページには、「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」とあります。ホームページの制作費だけを並べた申請書は受け付けられません。
広報費にも同じ決まりがあります。そのうえで、参考資料6ページは次のように整理しています。
広報費のみ、またはウェブサイト関連費のみでの申請はできませんが、両経費を組み合わせた申請は可能です。
ホームページとチラシ・広告の2つだけの申請でも、形のうえでは成り立ちます。経費が広報費だけ、ウェブサイト関連費だけになった場合は不採択になると、同じページに書かれています。
組み合わせる経費は、ホームページと同じ販路開拓の流れにつながるものを選びます。計上した経費の大半が補助対象外だと不採択や採択取消になる、と公募要領18ページにあります。ホームページのためだけに関係のない経費を足しても、審査で見られます。
業態ごとの組み合わせ方の例です。補助金額や採否を約束するものではなく、計画の組み立て方の例として読んでください。
| 業態 | ホームページでやること | 組み合わせる経費の例 |
|---|---|---|
| 飲食店 | テイクアウトのネット注文を受ける | 新メニュー用の厨房機器(機械装置等費)、新メニューの試作(新商品開発費) |
| 整体院・美容室 | 予約機能をつけて問い合わせ窓口を電話以外に増やす | 施術スペースの改装(委託・外注費)、新規客向けのチラシ(広報費) |
| 雑貨店・食品メーカー | ECサイトで商圏の外から注文を受ける | 展示会への出展(展示会等出展費)、パッケージのデザイン(新商品開発費) |
| 工務店・建設業 | 施工事例を見せて見積依頼を増やす | 現場見学会のチラシ(広報費)、会場の借料(借料) |
業種ごとの使い道は、飲食店・美容室・小売店・整体・建設業の記事にあります。
補助事業は、販路開拓の取組が中心になる仕組みです。業務効率化だけを書いた計画は申請できず、販路開拓の内容が必要だと参考資料5ページに書かれています。ホームページも「売上につながる販路をどう増やすか」の中に置きます。
ホームページ制作費はいくら戻る?自己負担額の計算例
ウェブサイト関連費の補助金は、補助対象経費に補助率を掛け、30万円で頭打ちにして出します。補助率2/3のときの早見は次のとおりです。
| ホームページの補助対象経費(税抜) | 補助金 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 30万円 | 20万円 | 10万円 |
| 45万円 | 30万円 | 15万円 |
| 60万円 | 30万円(上限) | 30万円 |
| 90万円 | 30万円(上限) | 60万円 |
賃金引上げ特例の赤字事業者は補助率が3/4になります。この場合は40万円で上限の30万円に届きます。
消費税の扱いは事業者で分かれます。公募要領25ページによると、課税事業者は消費税と地方消費税の相当額をあらかじめ補助対象経費から引いて申請します。同20ページによると、免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の事業者は、消費税を含めて申請して交付決定を受ければ含められます。上の表の「税抜」は課税事業者を想定した数字です。
次の3例は、計算の仕方を見るための仮の金額です。相場ではありません。
例1 雑貨店がECサイトを作り、展示会に出る(基本枠・補助率2/3)
実店舗だけで売ってきた雑貨店が、ECサイトで商圏の外から注文を受ける計画です。EC構築に60万円、展示会の出展に30万円で、合計90万円を使います。
- ウェブサイト関連費:60万円の2/3は40万円ですが、上限で30万円
- 展示会等出展費:30万円の2/3で20万円
- 補助金の合計:50万円(基本の上限50万円ちょうど)
- 自己負担:40万円
ECの構築費は、45万円を超えた15万円分が補助の外に出ます。
例2 工務店がホームページと広告に使う(インボイス特例・補助率2/3)
インボイス特例の対象で、申請全体の上限が100万円になる工務店の例です。施工事例を載せたホームページのリニューアルに60万円、チラシとポスティングの外注に60万円で、合計120万円です。
- ウェブサイト関連費:60万円の2/3は40万円ですが、上限で30万円
- 広報費:60万円の2/3は40万円ですが、上限で30万円
- 補助金の合計:60万円
- 自己負担:60万円
特例のない基本枠で同じ計画を出すと、2区分の計算は60万円ですが、申請全体の上限50万円で止まります。自己負担は70万円です。ホームページと広報費は区分ごとの上限が別に効き、そのうえで申請全体の上限がかぶさります。
例3 整体院が予約機能つきのホームページと改装に使う(基本枠・補助率2/3)
電話だけで受けていた予約を、ホームページから24時間受けられるようにする計画です。予約機能つきのホームページに40万円、施術スペースの改装に30万円で、合計70万円です。
- ウェブサイト関連費:40万円の2/3で約26.7万円(上限30万円の手前)
- 委託・外注費(店舗改装):30万円の2/3で20万円
- 補助金の合計:約46.7万円(基本の上限50万円以内)
- 自己負担:約23.3万円
補助金は、審査や実績報告のあとに交付決定時の額から減ることがあります。採択されても希望した額が出るとは限らないので、資金計画は余裕を持たせてください。
ウェブサイト関連費になるもの・ならないもの
何がどの区分に入るかは、公募要領14〜15ページの例示と参考資料6ページの「ウェブサイト関連費となる経費例等」で決まります。この節では、ホームページを作る人が迷いやすい費用を区分ごとに並べます。
ホームページの新規制作・リニューアル・改修
新規制作・リニューアル・改修・更新はいずれもウェブサイト関連費の対象です。公募要領の例示には「商品販売のためのウェブサイト作成や更新」があります。第19回までと違い、リニューアルや改修を別扱いにする記載はありません。
古いホームページを作り直す場合は、「作り直して何を売るのか」を計画に書きます。デザインを新しくするだけでは、補助事業の目的である販路開拓の説明になりません。予約や問い合わせの導線を変える、商品ページを増やす、多言語に対応するなど売上に結びつく変更を書いてください。
ECサイト・予約システム・顧客管理
ECサイトの構築は、公募要領14ページの定義にあるウェブサイト関連費です。参考資料6ページは、ECモールへの出店にかかる初期費用と、ECモールやホームページの写真の制作費・構築費を例に挙げています。
システムの開発も同じ区分です。公募要領14ページには、オフラインを含むシステム開発・顧客管理システムの構築・アプリケーション開発・販路開拓のための特定業務用ソフトウェアが対象例として並んでいます。予約システムという語は公募要領と参考資料に出てきません。ただし事務局のよくあるご質問(Q3-11)は、販路開拓や業務効率化のために導入するシステム・アプリケーション・ソフトウェアを、オンライン・オフラインを問わずウェブサイト関連費で計上すると答えています。予約システムもこの区分で扱われる前提で計画を書くことになりますが、個別の可否は商工会・商工会議所への事前確認で確かめてください。
SEO対策・写真・動画・ロゴ・翻訳
公募要領15ページは、「効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策」を対象例に挙げています。作業内容と効果が説明できない月額のSEO契約は、この例に当たるかどうかが分かりません。契約前に、何をいつまでにするのかを書面で分けてもらうことが先です。
次の費用も、参考資料6ページでウェブサイト関連費に入るとされています。
- ホームページに載せるロゴのデザイン費(ホームページとチラシの両方に同じロゴを使う場合もウェブサイト関連費)
- ホームページの翻訳、動画の字幕の翻訳
- ホームページに載せる写真、動画の制作費
- 動画共有サービスに載せる動画
広報費に入るもの:Web広告・SNS広告の分け方
Web広告やSNS広告は、第20回では広報費です。公募要領14ページは、インターネット広告・バナー広告・SNS広告と運用代行費・プレスリリースのネット配信・電子パンフレットの作成・郵送やネットを介したDMの発送を広報費の例にしています。
分け方で迷いやすいのは画像と動画です。参考資料6ページは、SNS広告やインターネット広告だけに使う画像・動画を広報費としています。ホームページなどウェブ上で公開するものと広告の両方に使う場合はウェブサイト関連費です。1本の動画をホームページと広告で使い回すと、ウェブサイト関連費に入って30万円の枠を使います。
対象にならない費用
ウェブサイト関連費の対象外として、公募要領14〜15ページには次の例が載っています。
- ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング、アドバイスの費用
- 販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発
- 家庭用や一般事務用のソフトウェア
- すでに導入しているソフトウェアの更新料
- 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ
- 有料で配信する動画の制作費、有料の講座で使う動画や電子教材の作成
- ウェブサイトに使う画像の被写体や商品の購入費
補助対象経費全般の対象外(公募要領19〜20ページ)にも、ホームページに関わるものがあります。インターネットの利用料などの通信費・売上や販売数量に応じて課金される経費や成功報酬型の費用・内訳の分からない「諸経費」・インターネットショッピングの決済手数料です。ECサイトを作る場合は、決済手数料が補助されないことを資金計画に入れてください。
保守・運用費、ドメイン・サーバー代
公募要領14ページの定義には「運用」の語があります。一方、公募要領と参考資料を全文で読んでも、保守契約・ドメイン代・サーバー代を名指しした記述は見つかりませんでした。機械装置等費の対象外の例にある「サーバー」は、購入する機器の話です。
周辺のルールから、次のことは言えます。
- 契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェア使用権は、補助事業期間の分だけが対象(14ページ)
- すでに導入しているソフトウェアの更新料は対象外(14ページ)
- インターネットの利用料などの通信費は対象外(19ページ)
- 経費は交付決定日以降に発生し、補助事業期間内に支払いが終わったものに限る(12ページ)
編集部としては、保守・ドメイン・サーバーの契約を制作費と別の見積にして、商工会・商工会議所に事前に確かめることを勧めます。公募要領に書かれていない線引きは、制作会社の説明でなく窓口の回答で決めるほうが安全です。
会社案内・採用サイト
会社案内や採用のためのサイトは、公募要領のウェブサイト関連費の欄に名指しの対象外はありません。事務局のよくあるご質問(Q3-4)は、「単なる会社案内のホームページではなく、新商品の広報など、販路開拓を目的としたものであれば、補助対象となり得ます」と答えています。補助事業は、事業の終了後およそ1年以内に売上につながる販路開拓の取組であることが条件です。公募要領7ページにあります。広報費の欄では、商品やサービスの宣伝を目的としない会社案内パンフレットや求人広告が対象外です。公募要領13ページにあります。
この答えと上の条件から読むと、採用だけを目的にしたサイトや事業内容を載せるだけの名刺代わりのサイトは、計画に載せにくい経費です。商品やサービスの販売・予約・問い合わせにつながるページを軸にします。採用ページを同じサイトに足す場合は、その部分を分けて見積もると整理しやすくなります。
ホームページを公開できるのはいつ?交付決定前の発注と後払い
ホームページの制作は、交付決定日以降にしか始められません。公募要領24ページは、採択通知書だけでは補助事業を始められないと定めています。交付決定日より前の発注・契約・支出は補助対象外です。19ページには、前払いを含む支払いも対象外とあります。展示会の出展申込みだけは交付決定前でも構いませんが、ホームページに例外はありません。
交付決定とは、事務局が補助金を交付すると決めて通知することです。採択とは別の通知で、採択のあとに見積書などを出して審査を経ると届きます。公募要領には、見積書がすぐ出ても採択発表から交付決定までおよそ1〜2か月かかると書かれています。第20回の採択発表は2027年3月頃の予定なので、交付決定は2027年4〜5月頃が目安です。
制作には終わりの期限もあります。補助事業期間は交付決定日から2028年3月31日までで、期間内に公開して運用まで進めないと対象外です。公募要領21ページは、受注システムつきのホームページを作っても、補助事業の終了までに公開して販路開拓の取組を行っていなければ補助対象外になると書いています。制作が遅れた場合に備え、公開の予定日は期限の数か月前に置いてください。
補助金は後払いです。注意事項に「補助金は後払いです。」とあり、制作会社への支払いは先に自分で済ませます。実績報告の後に金額が確定し、請求して入金されます。支払いの方法にも決まりがあります。
- 銀行振込が原則。1取引10万円(税抜)を超える現金払いは認められない
- クレジットカード払いは事業者名義で、引き落としが補助事業期間内に終わっていること
- 代表者や従業員が個人のカードで払った立替払いは、帳簿で確認できなければ対象外
ホームページの制作費は金額が大きくなりやすいので、入金までの資金繰りを先に決めてください。たとえば制作費が60万円(税抜)なら、補助金の30万円が入るまで60万円を自分で立て替えます。
第20回のスケジュールと申請の手順:ホームページ制作の目線で
第20回の日程です。予定は変更されることがあります。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2026年5月27日 | 公募要領の公開 |
| 2026年11月5日 | 申請受付の開始 |
| 2026年12月4日(金) | 事業支援計画書(様式4)の発行依頼の受付締切 |
| 2026年12月15日(火)17:00 | 申請受付の締切 |
| 2027年3月頃(予定) | 採択発表 |
| 採択発表のおよそ1〜2か月後(目安) | 交付決定 |
| 2028年2月29日(火) | 見積書等の提出期限 |
| 2028年3月31日(金) | 補助事業の実施期限 |
| 2028年4月10日(月) | 実績報告書の提出期限 |
手順は次の順です。申請書類の細かい作り方は持続化補助金第20回の申請のコツにまとめています。ここでは、ホームページの制作と重なる場面だけを書きます。
- 事業所が商工会の地区か、商工会議所の地区かを調べる。問い合わせ先が地区で違う
- GビズIDプライムのアカウントを取る。GビズIDプライムは、国の電子申請に共通で使うIDで、発行に数週間かかる
- 電子申請システムに経営計画と補助事業計画(様式2・3)を入力する。ホームページの目的と経費の金額もここに書く
- 商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を頼む。受付の締切は2026年12月4日で、これを過ぎた依頼は理由を問わず受け付けられない
- 2026年12月15日17:00までに電子申請を送る
- 採択後に、計上した経費の見積書を事務局へ出す。発注先の相見積が要る場合は、このときに添える
- 交付決定を受けてから、制作会社に発注して契約する
- 制作して、期限内に公開し、銀行振込で支払う
- 実績報告書を出す。補助事業が早く終わった場合は、終了から30日以内か提出期限のどちらか早い日まで。賃金引上げ特例か賃上げ加点を選んだ場合は、補助事業の実施期限日(2028年3月31日)より前に実績報告はできない
- 金額の確定を受けて請求し、補助金が入る
事業支援計画書(様式4)は、地域の商工会・商工会議所が事業計画の内容を確認して発行する書類です。発行を受けないと申請を完了できません。公募要領22ページによると、確認は申請者本人が受けるもので、社外の代理人だけが相談や発行依頼をすることはできません。制作会社が申請の準備を手伝う場合も、窓口に行くのは事業者本人です。
公募要領1ページによると、GビズIDのIDとパスワードを制作会社など第三者に渡すことは規約違反です。計画の下書きを頼む場合も、ログインは事業者本人が行ってください。
事業計画書にホームページをどう書くか:審査の見方と準備
採択は、提出書類を審査委員会が見て評価の高い順に決めます。ヒアリングはありません。公募要領32〜33ページの審査の観点を、ホームページの計画に当てはめると次のようになります。
| 審査の観点(公募要領) | ホームページの計画で書くこと |
|---|---|
| 自社の経営状況分析の妥当性 | 今の顧客と売上の内訳、集客の経路。ホームページが無い、または古いことで困っている実際の数字 |
| 経営方針・目標と今後のプランの適切性 | 狙う顧客と商圏。売上高と売上総利益を伸ばす筋道 |
| 補助事業計画の有効性 | ホームページで何ができるようになるか。売上の増加を客観的な事実で見込めるか。デジタル技術を有効に使う取組か。作ったサイトを事業終了後も使い続けるか |
| 積算の透明・適切性 | 見積の内訳が明確で、必要な金額だけが入っているか |
売上高と売上総利益が増える見込みの事業であることは、補助対象事業の条件にもなっています。公募要領7ページにあります。ホームページなら問い合わせ・予約・EC注文の件数を測る数字に置き、事業終了後に確かめられる形にします。
計画は事業者自身が考えたものでなければなりません。注意事項には、事業者自らが検討している記載が見られない場合や自らが検討していなかったことが分かった場合に、評価にかかわらず不採択・交付決定取消になるとあります。制作会社から計画の助言を受けた場合は、確認事項入力(様式2)に相手と金額を書く決まりです。書かずに第三者の支援を受けていたと分かれば、虚偽の報告として不採択・取消になります。
加点は、重点政策加点と政策加点からそれぞれ1種類まで選べます。それぞれの区分から2種類以上を選ぶと、加点審査の対象になりません。賃金引上げ特例を選ぶと賃金引上げ加点が自動で付きます。加点の種類は多いので、一覧は第20回の申請のコツで確かめてください。
採択率の数字は、他のサイトには載っています。事務局の採択者一覧のページでは申請件数と採択件数から出せる率を確認できなかったため、この記事には書きません。
制作会社に頼む前に確かめること:見積書・相見積・契約
制作会社を選ぶ前の段階で、公募要領が定めている点を並べます。特定の会社の紹介や比較はここでは扱いません。
- 見積書の費目:ホームページ、広告、そのほかを分けて依頼する。「一式」や「諸経費」は内訳不明で対象外
- 契約日:交付決定日以降にする。見積書の日付と契約書・発注書の日付を取り違えない
- 見積の数:1件の発注が50万円(税込)を超えるときは2者以上から取り、安いほうを選ぶ。見積は事業者自身が別々の会社から取る(公募要領21〜22ページ)
- 納期:公開日が補助事業期間内に収まる日程にする
- 料金の形:売上や契約数に応じて課金される形や成功報酬型は対象外
- 契約書の中身:委託内容と金額が詳しく書かれ、成果物が補助事業者のものになると分かる形にする(17ページ)
- 公開後の確認:公開されたことを示す画面や資料を、実績報告で出せるようにしておく
- 保守・ドメイン・サーバー:制作費と別の見積にしてもらう(前の節のとおり)
業者の勧誘で気をつけたい点もあります。公募要領20ページは、購入額の一部または全額を口座振込・現金・ポイントなどで申請者に払い戻し、実質の負担を減らしたり無償にしたりする販売方法を補助対象外にしています。キャッシュバックを含み、一部の関係者に不当な利益が回る行為は補助金の目的に反するとされています。「実質無料でホームページが作れる」という話がこの払い戻しにあたるなら、対象外では済みません。
不正が見つかれば、交付決定の取消・返還命令・不正の内容の公表があり、5年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金に処せられることがあると注意事項に書かれています。補助金の応募書類を作るための費用は補助対象外です。申請の代行を勧める話や高額なアドバイス料を請求される話には慎重になってください。
制作したウェブサイトを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新した場合は、「処分制限財産」になります。処分制限財産とは、補助金の支払いのあとも一定の期間(通常は取得日から5年間)、目的外の使用・譲渡・担保提供・廃棄が制限される財産のことです。この期間にサイトを閉じたり手放したりするときは、事務局の承認が要ります。承認を得ずに処分すると、交付の取消と返還命令(加算金つき)の対象です。補助の目的を続けるためのホームページの改良や機能強化は、この「処分」に当たりません。公募要領14ページにあります。
創業型(第4回)でホームページを作る場合
創業して間もない事業者向けの創業型(第4回)にも、同じ経費の区分があります。ウェブサイト関連費の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけの申請はできない点も通常枠と同じです。広報費にも同じ30万円の上限があります。
違いは、補助上限と申請できる事業者です。
| 比べる点 | 通常枠(第20回) | 創業型(第4回) |
|---|---|---|
| 補助上限 | 基本50万円(特例で最大250万円) | 200万円(インボイス特例で50万円上乗せ) |
| 補助率 | 2/3(赤字の賃金引上げ特例は3/4) | 2/3 |
| 申請できる事業者 | 小規模事業者 | 創業後1年以内で、特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者 |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日 | 同じ |
| 様式4の依頼の締切 | 2026年12月4日 | 同じ |
特定創業支援等事業とは、産業競争力強化法にもとづく認定を受けた市区町村などが行う創業支援のことです。この支援を受けた日と開業日が、公募締切から1年以内であることが条件です。詳しくは持続化補助金〈創業型〉第4回の申請のコツで扱っています。
創業型と通常枠は同時に申請できません。通常枠に申請中か採択を受けている事業者は創業型に申請できず、その逆も同じです。創業間もない事業者は、店舗の開業準備中やECモールへの出店準備中でも対象になり得ます。ただし、補助事業の終了までに商品やサービスの提供を始めることが条件です。
IT導入補助金・自治体の補助金との使い分け
持続化補助金は、同じ取組について国の他の補助金と重複して受け取れません。公募要領7ページは、国が助成する他の制度と同一または類似の内容の事業を補助対象外としています。国以外の機関が国から受けた補助金で実施する場合も含みます。
そのため、ホームページを作る費用を2つの国の制度に重ねて出すことはできません。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は登録されたITツールを導入する制度で、持続化補助金とは対象の考え方が違います。ツールの導入とホームページの制作が混ざる計画では、どちらにどの費用を入れるかをそれぞれの公募要領で分けて確かめる必要があります。制度の違いはIT導入補助金は何に使える?に、ホームページ制作に使える制度の比較はホームページ制作に補助金は使える?にあります。
都道府県や市区町村にも、ホームページの作成費を補助する独自の制度があります。自治体の制度が国の補助金を財源にしている場合は、上の重複の決まりに引っかかる可能性があります。併用できるかどうかは、自治体の要綱と持続化補助金の窓口の両方で確かめてください。
不採択・返還になりやすい落とし穴
ホームページの制作で起きやすい失敗を、これまでの内容から並べます。
- ホームページだけ、または広報費だけで申請した。経費がウェブサイト関連費のみ、広報費のみだと不採択になる
- 交付決定の前に制作会社へ発注した。前払いも含め、補助対象外になる
- 第19回までの「申請額の1/4・12.5万円」で資金計画を立てた。第20回の上限は30万円で、ずれる
- 公開が補助事業期間内に終わらなかった。公開と運用に至らなかったホームページは対象外
- 見積書が「一式」や「諸経費」になっていた。内訳が不明な経費は対象外
- 成功報酬型や売上連動の料金を契約した。対象外で、返還の原因にもなる
- 「実質無料」の勧誘を受けた。払い戻しで負担を減らした分は、不正とみなされるおそれがある
- 自社の計画を制作会社に任せきりにした。事業者自らの検討が見えないと、不採択や取消になる
- 制作したサイトを5年以内に閉じた。承認なしの処分は取消と返還の対象
公募要領25ページによると、実績報告のときに要件を満たしていないと分かった場合は、交付決定の額より少なくなったり交付が取り消されたりします。ホームページの制作は金額が大きくなりやすいので、見積の段階で上の項目を一つずつ確かめてください。
よくある質問
ホームページの制作費だけで持続化補助金に申請できますか?
できません。公募要領14ページに「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」とあります。ほかの経費とは、展示会出展費・機械装置等費・新商品開発費・委託・外注費・広報費などです。参考資料6ページでは、ウェブサイト関連費と広報費の2つを組み合わせた申請は可能とされています。ただし、組み合わせる経費も同じ販路開拓の流れにつながる内容にしてください。
ウェブサイト関連費の上限30万円は、経費の額ですか、補助金の額ですか?
補助金の額です。公募要領の文言は「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。」で、補助金として申請する額の上限を指します。補助率2/3なら、補助対象経費が45万円で補助金が30万円に届きます。ホームページの費用が60万円なら補助金は30万円で、残りの30万円は自己負担です。経費が30万円までという意味ではありません。
第19回までと第20回で、ホームページの扱いはどう変わりましたか?
上限が変わりました。第19回の公募要領は、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)を上限としていました。第20回は30万円(税込)の固定です。あわせて、インターネット広告・SNS広告・プレスリリース配信が広報費に移り、広報費にも30万円の上限と単独申請不可の決まりが入りました。相見積が要る金額も、1件100万円超から50万円超に下がっています。
ホームページのリニューアルや改修も補助の対象になりますか?
対象になります。公募要領14ページは、ウェブサイト関連費を開発・構築・更新・改修・運用にかかる経費と定めています。新規制作に限りません。ただし、デザインを新しくするだけでは販路開拓の説明が弱くなります。予約の導線を変える、商品ページを増やす、多言語に対応するなど売上につながる変更を計画に書いてください。
ECサイトやネットショップの構築費は対象になりますか?
対象です。ECサイトの構築費は、ウェブサイト関連費に入ります。参考資料6ページには、ECモールへの出店の初期費用と、ECモールやホームページに掲載する写真の制作費も例に挙がっています。上限は30万円で、ホームページと合わせた額です。インターネットショッピングの決済手数料は対象外なので、ECを始める場合は資金計画に入れてください。
SEO対策やWeb広告の費用は対象になりますか?
SEO対策は「効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策」が対象例です。作業内容と効果を説明できる範囲に限られます。Web広告やSNS広告は第20回では広報費の対象で、運用代行費も例に入っています。ホームページ用と広告用の両方に使う画像や動画は、ウェブサイト関連費になります。区分で上限の枠が別になるので、見積書で分けてもらってください。
保守費、ドメイン代、サーバー代は対象になりますか?
公募要領と参考資料には、保守契約・ドメイン・サーバーの費用を名指しした記述が見つかりませんでした。契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェア使用権は補助事業期間の分だけが対象になり、インターネットの利用料などの通信費は対象外です。制作費と別の見積にして、商工会・商工会議所に事前に確認することを勧めます。
すでに作ったホームページの費用は補助されますか?
補助されません。公募要領の19ページと24ページに、交付決定日より前に発注・契約・支払いをした経費は補助対象外とあります。申請より前に完成したサイトはもちろん、採択のあと交付決定の前に発注した制作費も対象になりません。作り直しを考えている場合は、交付決定通知書の日付を待ってから制作会社と契約してください。
個人事業主でもホームページ制作費で申請できますか?
できます。補助対象者は小規模事業者で、法人と個人事業主のどちらも含まれます。個人事業主は商工業者であることが条件です。常時使用する従業員の数が商業・サービス業で5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下という基準も同じです。開業届を出しただけで、申請の時点で事業を始めていない人は対象外です。
採用サイトや会社案内のホームページは対象になりますか?
ウェブサイト関連費の欄に名指しの対象外はありません。ただし事務局のよくあるご質問(Q3-4)は、単なる会社案内のホームページではなく、新商品の広報など販路開拓を目的としたものが補助対象になり得ると答えています。補助事業は、事業の終了後およそ1年以内に売上につながる販路開拓の取組であることも条件です。広報費では、宣伝を目的としない会社案内パンフレットや求人広告が対象外とされています。採用だけが目的のサイトは計画に載せにくいため、販売・予約・問い合わせにつながるページを軸にしてください。
補助金はいつ入金されますか?
ホームページを公開して支払いを終え、実績報告を出したあとに補助金額が確定して入金されます。公募要領の注意事項に「補助金は後払いです。」とあり、制作費はいったん全額を自分で払います。第20回の補助事業の実施期限は2028年3月31日で、実績報告書の提出期限は2028年4月10日です。入金の時期は事務局の審査の進み方で変わります。
制作会社から「実質無料で作れる」と言われました。問題ありませんか?
問題になるおそれがあります。購入額の一部や全額を口座振込・現金・ポイントなどで申請者に払い戻し、実質の負担を減らしたり無償にしたりする方法は補助対象外です。補助金を不当に引き上げて関係者に報酬を回す行為は、補助金の目的に反するとされています。見積書の金額と実際の支払額が一致しない取引は、契約の前に断ってください。
創業型の補助金でもホームページ制作費は出ますか?
出ます。創業型(第4回)にも同じ経費の区分があり、ウェブサイト関連費の上限は30万円(税込)で、単独申請不可も通常枠と同じです。補助上限は200万円で、インボイス特例で50万円が上乗せされます。創業後1年以内で、特定創業支援等事業の支援を受けた事業者が対象です。通常枠とは同時に申請できません。
IT導入補助金と持続化補助金を、同じホームページに両方使えますか?
同じ取組に、国の補助金を重ねて使うことはできません。公募要領7ページは、国が助成する他の制度と同一または類似の内容の事業を補助対象外としています。国から受けた補助金で他機関が実施する場合も含みます。ホームページの制作費をどちらの制度で出すかは、それぞれの公募要領で対象経費を確かめ、費用を分けて計画してください。
