この補助金を受け取るのは、住宅の所有者ではありません。初期費用0円で太陽光発電を付けるサービスを出す、事業者です。県が事業者に払うことで、住民が払う設置費やリース料を下げる狙いがあります。個人では申請できませんが、補助は県民に還元される仕組みだと県は説明しています。
事業者側は、補助枠の1億2,700万円に先着で入れるかどうかが勝負です。住宅の所有者側は、契約先の事業者がこの補助を使っているかを確かめると、料金の比較がしやすくなります。
神奈川県 太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度神奈川県太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人または青色申告の個人事業主)
- 対象業種
- 指定なし(0円ソーラーを提供する事業者)
- 利用目的
- 住宅用の太陽光発電・蓄電システムの設置
- 対象地域
- 神奈川県(県内の住宅に設置するもの)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(審査事務局へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 太陽光は1kWあたり7万円/蓄電は1台あたり15万円
- 補助率
- 定額(算出額が補助対象経費を超えない範囲)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月11日〜2026年12月28日(枠に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
0円ソーラーとは何か。どんな事業者が対象か
0円ソーラーは、住宅所有者が初期費用を払わずに太陽光発電を付けるサービスです。要綱は、次の3つの方式を0円ソーラーと定めています。
- 電力販売:事業者が自費でパネルを付け、発電した電気を住宅所有者に売る
- リース:事業者がパネルを貸し、住宅所有者が使用料を払う。契約期間中の途中解約は原則できない
- 自己所有モデル:事業者の費用で設置するが、設備の所有権は契約期間中も住宅所有者に置く。売電の権利は事業者が譲り受ける
電力販売とリースは、契約が終わると設備が住宅所有者に原則として無償譲渡されます。割賦販売(代金の分割払い)と屋根借りは、0円ソーラーに含まれません。
契約の相手は住宅所有者です。建売住宅で入居者が決まる前にディベロッパーと結んだ契約では、その段階で申請できません。入居者と0円ソーラーの契約を結んだあとに申請します。
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 8
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 住宅所有者本人(個人)の申請
- ✕ 割賦販売・屋根借りの方式
- ✕ 交付決定の前に着工した工事
- ✕ 同じ設備で県の別の補助を申請
青色申告は、税務署に届け出て帳簿をつける申告方法です。個人事業主はこれを使っている場合だけ対象になります。国や公共法人は、法人でも対象外です。
登録システムは「かながわソーラーバンクシステム」です。登録した日から年度末までに結んだ契約が対象です。1kWあたりの価格は、設備費と設置工事費の合計を発電出力で割った額を指します。基準の29万円は、国の委員会が示した住宅用太陽光の平均値です。
要綱には、ほかにも条件があります。過去2年以内に銀行取引停止処分を受けた事業者は対象外です。過去6か月以内に不渡手形を出した場合や、県の指名停止期間中の場合、破産などの申立てがある場合も同じです。詳しくは交付要綱の第3条をご覧ください。
いくら補助される?
補助額は、太陽光と蓄電で別々に決まります。
- 太陽光発電設備:発電出力 × 7万円
- 蓄電システム等:導入する台数 × 15万円
発電出力は、パネルの公称最大出力の合計と、パワーコンディショナー(発電した電気を家庭用に変える機器)の定格出力の合計の、低い方です。小数点第3位以下は切り捨てます。算出した額が補助対象経費を超えるときは、経費が上限です。消費税は経費に含めません。
- パネル4.5kW、パワコン4.5kW:4.5kW × 7万円 = 31.5万円
- 同じ住宅に蓄電システム1台を足す:31.5万円 + 15万円 = 46.5万円
- パネル6kW、パワコン5kW:低い方の5kWで 5kW × 7万円 = 35万円
- 発電出力が10kW未満の上限に近い9.99kW:9.99kW × 7万円 = 69.93万円 → 千円未満を切り捨てて69.9万円
パネルを増やしても、パワコンの定格出力が低ければ補助額は増えません。 機器の組み合わせは、契約の前に確かめます。
蓄電システムは、蓄電池ユニットの数ではなく、登録システム(パッケージ型番)の台数で数えます。
国や他の自治体の補助も受ける場合は、その額と県の補助額の合計が補助対象経費を超えない範囲で交付されます。
補助は、住宅所有者のリース料や電気料金を下げる形で還元する決まりです。リース料金等減額計算書には、補助がない場合とある場合の料金総額の差額が、交付申請額を上回らないと補助対象外という注意が書かれています。キャッシュバックでの還元は認められていません。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税相当額
- 設置する設備と関係のない工事
- 自社や関係会社から調達した分の利益相当額
対象になるもの
- 設備費(太陽光発電設備、蓄電システム等の購入・製造)
- 設置工事費(設計費、工事費、諸経費)
自社調達や関係会社からの調達がある場合は、利益等を除いた原価で経費を計算します。関係会社の範囲は要綱の第5条に定めがあります。屋根の修繕費は、補助の対象にはなっても、補助対象経費には入れられません。
設備には仕様の条件があります。
- 太陽光:固定価格買取制度の認定基準を満たす。未使用品。地絡検知機能がある。停電時にも電力供給を続けられる。国外メーカーなら日本法人がある
- 蓄電システム:太陽光と併せて設置する。新しい太陽光の電気を充電して、その施設で使える。国の令和7年度か8年度の補助対象機器として、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されている。停電時に操作なしで充電と給電ができる
蓄電システムの条件には、住宅所有者の初期費用がかからないリース等で設置することも含まれます。
申請の流れ
- 0円ソーラーを県の登録システムに登録する(事業者→県。登録まで2週間〜1か月かかる)
- 住宅所有者と0円ソーラーの契約を結ぶ(事業者。登録した日から年度末までに。申請に契約書の写しが要る)
- 交付申請書と必要書類を出す(事業者→審査事務局。郵送か電子申請で12月28日まで。審査に1か月ほどかかる)
- 交付決定の通知を受ける(県→事業者。通知書は郵送で届く。交付決定は、県が申請を認めて補助額を通知すること)
- 交付決定のあとに着工する(事業者。建売住宅は住宅の引渡日が着手日)
- 設置を終え、支払いまで済ませる(事業者。2027年3月31日まで)
- 実績報告書を出す(事業者→審査事務局。完了から2か月以内、遅くとも4月30日まで)
- 補助金が振り込まれる(県→事業者。実績報告に書いた口座へ)
交付決定の前に着工した工事は、補助対象外になります。 契約は交付申請の前に結び、工事は交付決定のあとです。着手予定日の1か月以上前に申請します。実績報告が期限を過ぎると、補助対象外です。
持込みでの提出は受け付けません。郵送は郵便のみで、宅配便は使えません。受付状況により、郵送を止めて電子申請だけにすることがあります。
必要な書類
交付申請のときに出す書類です。
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契約書は、住宅所有者との0円ソーラーの契約に関するものです。経費の内訳書類は、契約書に補助事業の経費が書いていないときに要ります。他の補助の通知書は、国や他の自治体の補助を受けるときだけです。受領前なら実績報告のときに出せます。受電地点特定番号は、電気の供給地点ごとに付く番号です。その資料は、二世帯住宅などで2件目以降を申請するときだけ要ります。
実績報告のときは、通帳の写し(補助事業者名義の口座)、支出を示す書類、設置後の完成写真(設置状況と型番が分かるもの)などを出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定前の着工:着工日が交付決定より前だと、補助対象外になります。
- 枠の超過:提出期限の前でも、補助枠を超える申請があった時点で受付が終わります。
- 契約の解除:太陽光の設置から10年が過ぎる前に住宅所有者との契約が解除されると、補助金の返還が必要になります。補助の趣旨に反しない場合は不要になる可能性があるため、早めに相談します。
- 設備の処分:県の承認なしに売却・廃棄・貸付などをすると、補助金の納付を求められることがあります。制限期間は太陽光発電設備が10年、蓄電システム等が6年です。
- 自己所有モデルの契約解除:契約から10年以内に解除するときは、県の承認が要ります。承認の際に補助金の納付を求められることがあります。
- 不正や条件違反:交付決定が取り消されると、補助金を返す義務が生じます。受け取った日からの日数に応じて、年10.95%の加算金も付きます。
令和8年度版の変更点と併用の注意
令和8年5月8日に、申請が予算を上回ったときの扱いが追記されました。予算額に達した時点で複数の申請があれば、「締切日の申請」を対象に、抽選で交付対象を選ぶことがあります。
併用で気をつけるのは、県の別の補助です。「神奈川県家庭部門脱炭素推進事業費補助金」の一部(要綱は第3条第1項第1号と第3号を指定)を同じ設備で同じ年度に申請している場合は、この補助金を申請できません。同じ設置場所からの申請も、同じ年度は1回までです。ただし受電地点特定番号が違えば別に申請できます。
前年度までの要綱は「なお効力を有する」と定められています。令和7年度以前に交付決定した案件は、当時の要綱に従います。
よくある質問
住宅の所有者は申請できますか?
申請できません。補助の対象は0円ソーラーを提供する事業者です。法人か、青色申告をしている個人事業主が申請者になります。住宅の所有者にとっては、補助によって初期費用が0円になったり、リース料金が安くなったりする形で還元されます。契約を考えるときは、事業者が県の登録システムに登録した0円ソーラーかどうかを、先に確かめておくと安心です。
0円ソーラーの方式は何を選べばよいですか?
要綱の対象は電力販売、リース、自己所有モデルの3方式です。どれが得かは、契約期間と月々の支払い、契約終了後の設備の扱いで変わります。電力販売とリースは、契約終了後に設備が住宅所有者に原則として無償譲渡されます。リースは中途解約が原則できません。比較は契約書の条件で行い、判断に迷うときは複数の事業者から説明を受けてください。
蓄電池だけでも補助されますか?
蓄電システム等は、0円ソーラーで設置する太陽光発電設備と併せて設置する場合が対象です。蓄電池だけの導入は、この要綱の対象になりません。蓄電システムにも、住宅所有者の初期費用が不要なリース等で設置されることや、新しい太陽光の電気を充電して施設で使えることなどの条件があります。製品は、国の令和7年度か8年度の補助対象機器としてSIIに登録されたものに限られます。停電時に操作なしで充電と給電ができることも条件です。
補助額はどう計算されますか?
太陽光は、発電出力に1kWあたり7万円をかけた額です。蓄電システム等は、台数に1台あたり15万円をかけた額です。どちらも補助対象経費が上限で、千円未満は切り捨てになります。発電出力は、パネルの公称最大出力の合計とパワコンの定格出力の合計の低い方で、小数点第3位以下は切り捨てです。たとえばパネルが6kWでパワコンが5kWなら、5kWで計算します。
申請はいつまでにすればよいですか?
申請の受付は2026年5月11日から12月28日までです。ただし期限前でも、補助枠の1億2,700万円を超える申請があった時点で受付は終わります。申請は先着順で、予算に達した時点で複数の申請があれば、締切日の申請から抽選で選ぶことがあります。受付状況は県のページに掲示されるため、書類の準備は早めに進め、申請前にも公式ページを開いて確かめてください。
電子申請の画面が「完了」になれば交付決定ですか?
交付決定ではありません。電子申請システムの処理状況が「完了」と表示されても、それは県が申請を受け付けたという意味です。審査と補助金の支払いは別に行います。着工してよいのは、交付決定通知書が郵送で届いたあとです。実績報告のときも同じで、「完了」は審査が終わった印ではありません。
交付決定の前に工事を始めてもよいですか?
始めないでください。補助事業は交付決定のあとに着手する決まりで、事業の着手は設備の設置工事を始める日です。交付決定の前に着手した場合は補助対象外になります。建売住宅で0円ソーラーを使う場合は、新しい住宅所有者が引渡しを受けて住宅を取得する日が着手日です。工事業者の予定が先に決まっていても、着工日は交付決定のあとにそろえます。
実績報告はいつまでにしますか?
補助事業は2027年3月31日までに完了させます。実績報告書は、完了の日から2か月を過ぎた日か、2027年4月30日の、どちらか早い日までに出します。事業は終わっても3月31日までに報告書を出せないときは、実施状況報告書を3月31日必着で出す決まりです。完了の日は、設置工事が終わった日と、全額の支払いが終わった日の、遅い方です。
国や市町村の補助金と併用できますか?
併用の可否は補助金ごとに決まるため、それぞれの要綱で確かめます。県の要綱では、国や他の自治体の補助がある場合、その額と県の補助額の合計が補助対象経費を超えない範囲で交付します。他の補助の交付決定通知書の写しも、申請か実績報告のときに出します。県の家庭部門脱炭素推進事業費補助金の一部とは、同じ設備で重ねて申請できません。
設置した設備を売ったり壊したりしてもよいですか?
制限期間内は、県の承認なしにはできません。処分制限期間は、太陽光発電設備が10年、蓄電システム等が6年です。承認を受けずに売却、貸付け、担保提供、廃棄をすると、補助金の全部または一部の納付を求められることがあります。契約の途中で設備を入れ替えたり撤去したりする可能性があるときは、事前に審査事務局へ相談してください。
申請書類はどう出しますか?
郵送か、神奈川県電子申請システムのどちらかで、1部を出します。持込みは受け付けません。郵送は郵便に限り、宅配便は使えません。提出書類にはインデックスを付け、2穴を開けます。県から問い合わせがあるときのために、写しを手元に残します。受付状況により、郵送を止めて電子申請だけにすることがあります。その場合は県のページでお知らせがあります。
問い合わせ先はどこですか?
神奈川県脱炭素戦略本部室の補助金審査事務局、太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助担当です。電話は050-1784-5835で、月曜から金曜の8時45分から17時までです。祝日、年末年始、12時から13時は受け付けていません。申請の前に、方式や機器の要件で迷う点を確かめておくと、書類の出し直しを防げます。
