子連れ出勤のスペースをつくる。育休中の期間も昇給の計算に入れる。テレワークを始める。京都府は、こうした働き方の見直しにかかる費用の1/2(最大100万円)を補助します。
申請の前に、府の「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を出しておく必要があります。行動宣言を出していない会社は、申請そのものができません。
多様な働き方推進事業費補助金の要点まとめ
正式名:多様な働き方推進事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)、組合、医療法人など
- 対象業種
- 業種の指定なし(業種ごとに資本金・従業員数の上限あり)
- 利用目的
- 両立支援の社内制度整備・託児スペース・テレワークなど
- 対象地域
- 京都府内
- 従業員数
- 業種により300人以下・100人以下・50人以下など
いくら
- 補助上限額
- 最大100万円(通常は50万円)
- 補助率
- 1/2以内(拡充枠・北部コースは2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月1日〜2026年12月25日(17時必着)
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで
- 公式サイト
- 京都府「多様な働き方推進事業費補助金」
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 国や自治体から出資を受けている
- ✕ 法律で義務の水準を整えるだけ
- ✕ 同じ目的で他の補助金を受けた
- ✕ テレワークを既に実施している
「中小企業」とは、業種ごとに資本金か従業員数のどちらか一方が上限以下の会社です。製造業・建設業・運輸業は3億円以下か300人以下です。卸売業は1億円以下か100人以下です。サービス業は5,000万円以下か100人以下です。小売業は5,000万円以下か50人以下です。ほかの業種の基準は、募集要項に書かれています。
みなし大企業とは、中小企業でも大企業の影響が強い会社のことです。大企業が議決権の2分の1以上を持つ会社や、大企業の役員・職員が役員の半数以上を占める会社などが当たります。
すでに実施している取組は、補助の対象になりません。募集要項は「新たに実施する」事業に限ると書いています。テレワークコースは、過去にテレワークを実施した事業者も申請できません。
就業規則などの整備は、法律が義務づけている水準を上回る内容が要ります。風俗営業(飲食が主目的の料理旅館などを除く)や暴力団員は対象外です。
過去にこの補助金などで労働生産性を上げる機器を入れた事業者は、同じ目的の事業を出せません。
いくらもらえる?
基本は、かかった費用の1/2です。上限は50万円です。上限に届くのは、費用が100万円のときです。
- 就業規則の改正と社内研修(通常枠):60万円 × 1/2 = 30万円
- 子連れ出勤のスペースを整える:80万円 × 1/2 = 40万円
- 研修やテレワーク機器など:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- ベビーシッター派遣(病児保育コース):30万円 × 1/2 = 15万円 → 上限の10万円
育休などを取った期間を、昇給・昇格・賞与・退職金の算定期間に含める制度をつくる場合は、枠が広がります。補助率は2/3以内、上限は100万円です。
- 同じ制度づくりと研修(拡充枠):60万円 × 2/3 = 40万円
通常枠なら30万円だったので、10万円多く戻ります。この差額で、取組を発信するPRグッズの作成などに回せます。
病児保育コースは、取組ごとに上限が違います。ベビーシッター派遣は10万円、病児対応のスペース整備は100万円、子の看護休暇の制度整備は15万円です。ベビーシッターは、都道府県か市区町村に届出をしている事業者に限ります。
複数の事業者が共同で実施する場合は、誰もが働きやすい職場づくり・病児保育・育児休業取得促進の3コースで、通常枠の上限が100万円になります。テレワークコースは対象外です。
何に使える?
対象にならないもの
- 経常的な経費、人件費、通信費、運搬費
- 振込手数料、飲食・接待費、消費税
- 中古品、同種の機器への取り替え、機器の修理・保守契約
- 個人向けの給付的な経費
- コンサルティングが主な目的の経費
対象になるもの
- 就業規則・賃金規程の作成・改正費(上限20万円。病児保育コースは30万円)
- 講師謝金・研修費・セミナー参加費(上限40万円)
- 子連れ出勤スペースなどの施設整備費、勤怠管理システムの導入費
- 労働生産性を上げる機器・ソフトウェアの導入費
- 就業規則や業務マニュアルの翻訳費、日本語学習サービスの費用(それぞれ上限20万円)
- 取組を発信する費用(HP作成、求人媒体、企業説明会の出展費。通常は上限20万円)
取組発信経費は、複数のコースに同時に申請しても、1つのコースでしか使えません。講師謝金には1時間あたりの上限があります。大学教授・弁護士・公認会計士は5万円、中小企業診断士・社会保険労務士などは4万円です。テレワークコースは別の基準で、診断士・社労士などが1時間3万円(合計10万円まで)、それ以外が1万5千円(合計5万円まで)です。
テレワークコースでは、パソコンやWi-Fiルーターなどの機器、設定作業費、サテライトオフィスの賃料も対象です。品目ごとに上限額があり、たとえば1人あたりの端末機器は1台までです。
申請の流れ
- 行動宣言を出す(事業者→府の特設サイト。申請より前に)
- 府に電話で相談する(事業者→労働政策室 075-682-8925。テレワークコースは京都企業人材確保センター 075-682-8948)
- スーパーバイザーの訪問を受ける(府→事業者。申請のアドバイスをもらう)
- 申請書類を出す(事業者→府。12月25日17時必着。メール・持参・郵送のいずれか)
- 交付決定を待つ(府→事業者。決定の前に契約・発注をしない)
- 取組を実施する(事業者。2027年2月1日までに完了し、1か月以上の効果測定をする)
- 実績報告を出す(事業者→府。完了から30日後か2027年3月10日の早いほうまで)
交付決定とは、採択とは別に府が出す正式な通知です。交付決定の前に契約・発注・支払をした経費は、原則として対象外です。早く動く必要があるときは、事前着手届を出します。届を出した日以降の契約・発注・支払が対象になります。
審査は4回に分けて行われます。受付期日が9月30日の分は10月30日、10月30日の分は11月30日、11月30日の分は12月25日、12月25日の分は2027年1月29日に結果が出る予定です。予算の範囲内で、点数の高い順に交付が決まります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
事前着手届は、交付決定の前に契約・発注が要るときだけ出します。既存の就業規則の写しは、規則を改正する場合に出します。複数の事業者で共同実施する場合は、共同事業者の概要(別紙1-2)も要ります。通帳の写しは、口座振替依頼書の内容がわかるページを出します。見積書は、有効期限内のものか、期限の記載がなければ発行から3か月以内のものです。
テレワークコースは様式が別で、事業計画書(別紙2-1・2-2)、補助対象経費一覧表(別紙5)、対象従業員ごとの雇用保険の被保険者資格の確認書類などが要ります。実施内容によって、カタログ、施設の写真・配置図、研修の計画書なども加わります。労働生産性の機器を入れる場合は、目標を書く別紙5も要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定前の契約・発注:事前着手届を出さずに交付決定の前に契約すると、その経費は対象外になります。
- 2月までに終わらない取組:効果測定に1か月以上かかります。取組は2027年2月1日までに終える計画にします。
- 不交付・減額:予算の範囲内の審査です。申請額より少なくなることがあります。一度不交付になった内容は、同じ年度は再び受け付けられません。
- 目的外の使用・不正:交付決定の全部または一部が取り消されます。出た補助金は返還になります。
- 財産の無断処分:1件50万円(税抜)以上の取得財産は、耐用年数(最長で交付決定から10年)の間、譲渡や貸付に府の承認が要ります。
- 帳簿の保存漏れ:支出の根拠となる書類を、事業が完了した年度の終了後5年間残します。
併用・税金の注意
同じ目的で、過年度または本年度に他の補助金を受けて行う事業は対象外です。ただし、京都府内の市町村が、この補助金の交付決定を前提に出す補助金は例外です。
補助金で固定資産を取得した場合、圧縮記帳の対象になるかどうかは、募集要項で税務署か税理士に確認するよう案内されています。
編集部の判断として、複数のコースを組み合わせる会社は、申請の前にスーパーバイザーへ相談することを勧めます。コースを同時に申請できる点は公式に書かれていますが、コースをまたいだ合計の上限額は、公式に記載がありませんでした。
よくある質問
行動宣言とは何ですか。出さないと申請できませんか。
行動宣言は、子育てにやさしい職場づくりに向けて、会社が従業員に発信する行動計画のことです。府の特設サイトの専用フォームに必要事項を書いて出します。補助の対象者は、この宣言を行った会社と決まっているため、申請より前に出しておく必要があります。宣言を出していない会社は申請できないので、最初の手続きとして済ませておくと安心です。
京都府外に本社がある会社でも申請できますか。
京都府内に事業所があり、その事業所に勤める従業員に対して取組を行うなら、対象になる可能性があります。募集要項は、補助対象者を「京都府内に事業所を有する者」と定めています。申請者概要の様式には、京都府外の事業所に勤務する従業員を対象にする場合は補助対象外、という注記があります。本社が府外にあることだけで外れるかは、公式ページに明記がありません。判断に迷う場合は労働政策室に電話で確かめてください。
すでに社内でやっている制度を拡充する場合は対象になりますか。
すでに実施している取組は対象外です。募集要項は、従業員に対して「新たに実施する」事業を対象と定めています。既存の制度を見直して新しい内容を加える場合でも、新しい部分が過去の事業と同様と判断されると対象になりません。どこまでが新しい取組にあたるかは、事前相談でスーパーバイザーに具体的に説明して、確かめるのが確実です。
申請は何回でも受け付けてもらえますか。
申請期間は2026年9月1日から12月25日までです。審査は4回に分かれて行われ、受付期日は9月30日、10月30日、11月30日、12月25日です。ただし、一度不交付になった申請内容は、同じ年度は受け付けられません。事業計画書は、1通で1つのコースにしか申し込めません。複数のコースを使うときは、コースごとに書類を分けます。申請の前に、スーパーバイザーなどから十分なアドバイスを受けておくと、不交付になる可能性を減らせます。
締切より前に受付が終わることはありますか。
あります。予算の範囲内で交付する制度なので、募集期間内でも、早めに募集を終了する場合があります。申請額より少ない金額で交付が決まる場合もあります。12月25日の17時が最終ですが、予算の残りは公式に示されていません。取り組みたい内容が決まっているなら、早い受付期日を狙って準備を進めるほうが安全です。
交付決定の前に機器を買っても補助されますか。
原則として対象外です。対象になる経費は、交付決定日以降の契約・発注で生じたものです。例外として、交付申請日以降に事前着手届(別紙3)を出し、その理由が正当と認められた場合は、届を出した日以降の契約・発注・支払が対象になります。届を出す前に買ったものは、対象になりません。
補助金はいつ振り込まれますか。
補助金は、取組が終わって実績報告を出し、府の完了検査を受けたあとに支払われます。実績報告から確定・交付までは、1か月程度かかります。内容によっては、さらに延びることがあります。原則として事業の実施期間中には支払われません。完了前に補助金が必要な事情があるときは、事前に相談したうえで概算払を申請できる場合があります。
消費税は補助の対象ですか。
対象になりません。補助対象額は、すべて消費税を含まない金額です。交付申請書の経費の明細も、消費税を除いた金額で書きます。たとえば税込33万円の見積書なら、補助の計算に使うのは税抜の30万円です。見積書の金額をそのまま使うと、補助額が多すぎる計算になります。
テレワークコースは、ほかのコースと申請先が違いますか。
違います。誰もが働きやすい職場づくり、病児保育、育児休業取得促進、北部地域人材確保の4コースは、府の労働政策室が窓口です。テレワークコースだけは、京都企業人材確保センターが窓口で、電話は075-682-8948です。申請書類は、まずセンターにメールで送ってチェックを受け、そのうえで正式に提出します。
テレワークコースで補助を受けられる従業員の条件はありますか。
新たにテレワークを始める従業員で、雇用保険に加入していることが条件です。会社役員や個人事業主は、対象になりません。テレワークは1か月に4回以上実施する必要があります。また、従業員の仕事と生活の両立を目的にしていることも求められます。対象の従業員ごとに事業計画書を書くため、誰を対象にするかを先に決めておきます。
補助金をもらったあとにやることはありますか。
あります。取得した財産は、善良な管理者の注意をもって管理します。1件50万円(税抜)以上のものは、取得財産管理台帳に記録します。帳簿と証拠書類は、事業が完了した年度の終了後5年間、保存します。補助事業が終わってから5年間は、府の職員が事務所や店舗に立ち入って帳簿を調べることもあります。
