この補助金は、令和5年度から続いて今回が8回目の公募です。過去に交付を受けた人は、上限の1,000万円を過去の交付額と合わせて数えます。
対象は、令和6年能登半島地震などで使えなくなった設備や原材料を、買い直す費用です。受付は新潟・石川・富山・福井の被災事業者が対象で、締切は10月9日の17時です。
伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)の要点まとめ
正式名:令和8年度第2回 伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)
だれが
- 申請者
- 伝産法に基づき指定された伝統的工芸品の製造事業者・組合
- 対象業種
- 伝統的工芸品の製造業
- 利用目的
- 被災した生産設備・道具の購入や修繕、原材料の確保、試作品・型の製作
- 対象地域
- 新潟県・石川県・富山県・福井県(被災県)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(製造事業者は中小企業者であること)
いくら
- 補助上限額
- 原則1,000万円(過去の交付額と合算)
- 補助率
- 対象経費の3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年8月28日〜2026年10月9日(17時必着)
- 事業の完了
- 令和9年3月31日まで
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
4県は石川・新潟・富山・福井で、被災したのは事業所でも工房でも構いません。伝統的工芸品は、伝産法(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)に基づき指定されたものです。中小企業者は、製造業なら資本金3億円以下か従業員300人以下のどちらか一方を満たせば該当します。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 設備や原材料に被害がない
- ✕ 大企業・みなし大企業
- ✕ 借りた工房・設備だけが被災した
- ✕ 公募要領の災害以外による被害
- ✕ 同じ経費が国の別の補助金等の対象
大企業は原則対象外で、みなし大企業は大企業の出資が一定以上ある会社です。補助対象は所有者に限られ、取引先から預かっていた道具の被災も対象外です。災害は能登半島地震と令和6年9月の大雨で、国の別の補助金等には委託費も含みます。
石川・新潟・富山・福井の4県内の事業所なら、市町村の限定はなく県下全域が対象です。組合に入っていない製造事業者や個人事業主も対象になります。ただし組合などが取りまとめて代理で申請することはできず、申請は被災した本人が行います。
組合の場合は、産地を代表する特定製造協同組合等と、その構成員が対象です。それ以外の製造協同組合やグループも申請できます。共有する設備を買うときは、代表者が申請し、共有者全員の同意書をつけます。
大雨の被災地域は、石川県の七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町です。大雨の被害を受けた場合は、公的機関の罹災証明書が要ります。
いくら補助される?
補助率は3/4以内で、上限は原則1,000万円です。対象経費が約1,333万円を超えると、上限に当たります。
- 窯の部品や工具などを100万円分買い直す:100万円 × 3/4 = 75万円(公募要領の例と同じ)
- 漆などの原材料を600万円分買う:600万円 × 3/4 = 450万円
- 過去に道具400万円で300万円の交付を受け、原材料600万円を追加:400万円 × 3/4 + 600万円 × 3/4 = 750万円(上限の1,000万円に届かない)
自己負担は、残りの1/4です。支払いは補助事業が終わったあとの精算払で、概算払は認められていません。立て替える資金が先に要ります。
過去分との合算には、数量の制限もあります。累計で、被災した量と、原材料なら被災前1年間の使用量を超えてはいけません。
何に使える?
対象にならないもの
- 不動産の購入、建物の建設費
- 被災して壊れた設備・機器の撤去費、処分費
- パソコンやサーバの購入費、事務所の家賃、保証金、敷金、仲介手数料
- 陳列していた商品や在庫品が落ちて壊れた分の買い直しや廃棄費用
- 風評被害による逸失利益
- 振込手数料
- 外国からのバイヤーなどの招聘旅費
- 出荷用の化粧箱や段ボール、デザイン用のパソコン、自社で修繕したときの労務費
- 工房が復旧するまでに他者の施設や設備を借りる費用
- 消費税・地方消費税(非課税・免税事業者などは対象にできる場合があります。詳しくは窓口へ)
対象になるもの
- 生産設備等整備事業:塗師風呂、仕掛品収納庫、窯、ろくろ、刷毛、工具などの購入費(設置費を含む)と修繕費
- 原材料確保・試作品製作事業:被災前1年間の使用量までの原材料費、型などの試作・製作費
- 原材料の確保に必要な企画会議や調査の費用(通信連絡費、専門家謝金、調査旅費、会場費など)
単に代わりの商品を作るための会議や調査は、対象外です。原材料の確保や試作品の製作につながる事業にかかる費用だけが対象になります。
最低購入単位が1年分の使用量を超える原材料は、申請書に両方の数量を書けば、全量が対象になる場合があります。
申請の流れ
- 被害の資料をそろえる(事業者。工房の写真、罹災証明書、または宣誓書。締切の前に)
- 事業計画書を作る(事業者。表紙、別紙1の事業計画書、別紙2の経費計画書)
- 管轄の経済産業局へ出す(事業者→経済産業局。10月9日17時までに、電子メール・郵送・Jグランツのどれか)
- 審査と採択の通知を待つ(経済産業局→事業者。審査委員会が審査し、後日通知)
- 交付申請をして、交付決定を受ける(事業者→経済産業局。交付決定のあとに見積・発注へ進む)
- 実績報告を出して、確定検査を受ける(事業者→経済産業局。事業が終わって30日以内か翌年度4月10日の早い日まで)
- 補助金を請求して受け取る(事業者。精算払)
交付決定とは、採択とは別に届く通知です。交付決定の日より前に発注や契約をした経費は、対象外になります。
提出先は、公募要領の12ページに、所轄地域ごとに書かれています。
| 所轄地域 | 受付先 | 電話 |
|---|---|---|
| 新潟県 | 関東経済産業局 産業部 流通・サービス産業課 地域ブランド展開支援室 | 048-600-0314 |
| 富山県・石川県 | 中部経済産業局 産業部 流通・サービス産業課 | 052-951-0597 |
| 福井県 | 近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課 サービス・コンテンツ産業室 | 06-6966-6053 |
Jグランツで出すには、GビズIDが要ります。GビズIDの発行には2〜3週間かかると書かれています。今から取るなら、10月9日の締切には間に合わない可能性が高いので、電子メールか郵送が現実的です。郵送は17時必着で、持参はできません。公募要領では、受付時間は月曜から金曜の10時から12時と13時から17時とされています。10月9日は金曜日です。メールの件名は、公募ページでは「【伝産支援補助金(災害復興事業)】事業計画書(申請者名)」ですが、公募要領の本文には「災害枠」と書かれた箇所もあります。迷うときは、受付先に電話で確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 10
事業計画書は表紙・別紙1・別紙2経費計画書からなり、様式は中部経済産業局の公募ページにあります。組合は定款か登記事項証明書と構成員の名簿を、個人事業主・企業は事業概要と生業の資料を出します。
被害は、工房の写真と説明か罹災証明書で示します。大雨の被害を受けたときは罹災証明書が要り、これらで個々の被害が分からないときは宣誓書を出します。旅費・謝金の規程は、旅費・謝金が出るときだけです。
提出部数は1部です。用紙はA4で、ホチキス止めはできません。左上を1か所、クリップで留めます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前の発注・購入・契約は対象外です。見積を取るだけなら問題ありませんが、契約はしないでください。
- 現金で払った:支払いは銀行などへの振込が原則です。やむを得ない場合は、事前に経済産業局へ相談して理由書を出します。
- 原材料を買いすぎた:被災した量と、被災前1年間の使用量が上限です。受払簿で購入、使用、在庫を日付つきで管理します。
- 他の国の補助金と重なった:同じ経費に、国の別の補助金は使えません。自己負担分を補う自治体独自の補助金は、併用できます。
- 締切に1分でも遅れた:宛先やメールアドレスの間違いがあっても、17時を過ぎた受付はありません。
今回の審査で見られる点と、併用・事後の決まり
審査委員会は、次の3点で審査します。被災で設備や原材料が毀損したか、事業の内容が目的に合っているか、経費が過大でないかです。
採択では、能登半島地震と大雨の両方で被災した事業者や、初めて申請する事業者を優先する場合があると書かれています。公式に書かれているのはここまでで、実際の優先の度合いは公表されていません。
単価50万円(税抜き)以上の取得財産には、処分制限があります。期間内に処分するときは、経済産業局長の承認が先に要ります。帳簿や証拠書類は、事業が終わってから5年間、保存します。
自社で調達する場合は、調達価格から利益を除きます。試作を組合の中で行うときは、労務費を除いた製造原価だけが対象です。
よくある質問
被害がなかった工房でも申請できますか?
申請できません。対象は、公募要領に書かれた災害で、生産設備などが被害を受けた事業者です。設備、道具、原材料、商品、仕掛品のどれかに被害があり、それが写真や罹災証明書などで分かることが必要です。風評被害による売上の減少や、在庫品が落ちて壊れたものの買い直しは、対象外です。被害の有無で迷うときは、受付先の経済産業局へ先に相談してください。
伝統的工芸品に指定されていない工芸は対象ですか?
対象になりません。伝産法に基づいて指定された伝統的工芸品を製造する事業者や組合が対象です。指定された品目かどうかは、事業計画書の別紙1に品目名を書く欄があるため、申請の前に確かめておく必要があります。県が独自に指定した伝統工芸品は、この補助金の対象かどうかを県の担当課に聞く必要があります。自社の品目が指定されているか分からないときは、受付先の経済産業局か、申請サポートの窓口に確認してください。
補助率と上限額はいくらですか?
補助率は対象経費の3/4以内で、補助金の上限は原則1,000万円です。公募要領の例では、100万円の経費に対して75万円が交付されます。上限に届くのは、対象経費が約1,333万円のときです。ただし、過去の同じ補助金で交付を受けている場合は、過去分と今回分の合計が上限を超えない範囲だけが対象になります。
過去に交付を受けた事業者は、また申請できますか?
申請できます。過去の災害復興事業で交付を受けたり採択されたりした事業者は、今回分との合計額が上限を超えない範囲で、追加の経費が対象になります。事業計画書には、令和5年度から令和8年度第1回までの交付済み、または申請済みの金額を書く欄があります。採択では、初めて申請する事業者が優先される場合があると書かれています。
設備はどこまで対象になりますか?
災害で使えなくなった設備、機器、道具の購入費と修繕費が対象です。例として、塗師風呂、仕掛品収納庫、窯、ろくろ、刷毛、工具が挙がっています。設置にかかる費用も含まれます。建物の建設費や不動産の購入費、パソコンやサーバの購入費は対象外です。被災して壊れた設備の撤去費や処分費も、対象になりません。
原材料は、どれだけ買えますか?
被災した量の範囲で、かつ被災前1年間の使用量が限度です。たとえば漆の年間使用量が100kgなら、過去の交付分と今回の申請分を足して100kgまでが目安です。購入した原材料は、受払簿で数量を日付つきで管理します。最低購入単位が1年分を超えるときは、最低購入単位と1年分の使用見込量を申請書に書くと、全量が対象になる場合があります。
交付決定の前に買ってしまった物は対象になりますか?
対象になりません。交付決定の日より前に発注、購入、契約をした経費は、補助の対象外です。補助事業の期間は、交付決定日から令和9年3月31日までです。この期間のなかで、見積、発注、納品、検収、設置、請求、支払いまで終える必要があります。見積を取る段階までは進めても構いませんが、契約や発注は交付決定を待ってください。
どうやって申請しますか?
電子メール、郵送、Jグランツの3つから選びます。持参は受け付けていません。メールの件名は「【伝産支援補助金(災害復興事業)】事業計画書(申請者名)」の形にして、添付は合計10MBまでです。2営業日以内に返信がなければ、電話で確認します。Jグランツは、GビズIDの発行に2〜3週間かかるため、締切まで日がないときは向きません。
提出先はどこですか?
事業所の所在地を管轄する経済産業局です。公募要領の12ページでは、新潟県が関東経済産業局、富山県と石川県が中部経済産業局、福井県が近畿経済産業局になっています。電話番号は、関東が048-600-0314、中部が052-951-0597、近畿が06-6966-6053です。宛先やアドレスを間違えると、締切後は受け付けられません。
補助金はいつ振り込まれますか?
補助事業が終わったあとの精算払です。事業が終わってから30日以内、または翌年度の4月10日のいずれか早い日までに実績報告書を出します。そのあと、確定検査で補助金額が決まり、請求書を出して支払いを受けます。Q&Aには、報告書の審査が終わってから概ね2か月程度かかり、報告が集中する時期はもっと延びることがあると書かれています。振込の具体的な日は、公募要領に書かれていません。それまでの支払いは、先に自己資金や借入で立て替える必要があります。
消費税は補助の対象ですか?
消費税と地方消費税は、補助対象外です。ただし、非課税や免税の事業者、消費税法の規定で控除の特例が適用される事業者は、対象にできます。課税売上割合が低いなどの理由で、仕入控除税額の確定後に報告して返還する方法を選ぶ事業者も、対象にできます。どれに当たるかは、受付先の経済産業局の窓口に確かめてください。
申請の相談はどこにできますか?
一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が、無料で相談と申請のサポートをしています。補助金の概要が分からない、申請の方法が分からないといった相談から、具体的な書類づくりまで対応しています。連絡先は、中部経済産業局の公募ページに、担当者の電話番号とメールアドレスが載っています。締切が近いので、早めに連絡してください。
