新商品の試作を始めようと見積を並べたら、原材料、専門家への謝金、パッケージのデザイン料で300万円になりました。ここから先の資金計画が、最初の関門です。
大分県産業創造機構の「おおいた中小企業活力創出基金助成金(商品開発支援事業)」(愛称かがやき)は、この開発・改良の費用の3分の2を、上限200万円まで助成します。第18回の受付は2026年11月4日(水)17時必着です。ただし助成金が入るのは事業が終わってからで、それまでの費用は先に全額を自分で払います。
活力創出基金助成金(商品開発支援事業)の要点まとめ
正式名:おおいた中小企業活力創出基金助成金(商品開発支援事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)、県内で創業を希望する人
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 新商品の開発、既存商品の改良、市場調査
- 対象地域
- 大分県
- 従業員数
- 業種ごとに上限あり(製造業は300人以下など)
いくら
- 補助上限額
- 200万円(1件あたり)
- 補助率
- 対象経費の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年9月9日〜2026年11月4日(水)17時必着
- 事業の完了
- 交付決定の日から1年6か月以内
採択は4〜5件程度の予定です。応募は10月26日(月)までに事前相談をするよう案内されています。
自分の会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 機械装置を買って導入する
- ✕ 社員の人件費を充てる
- ✕ 国や県の補助と同じ事業
- ✕ HP改修やパンフ作成
事前相談は条件ではなく、10月26日までにお願いする旨の案内です。
対象は、大分県内で主たる事業を営む中小企業者、大分県内で創業を希望する人、大分県内に事業所がある有限責任事業組合(LLP)と特定非営利活動法人(NPO法人)です。
中小企業者は、中小企業支援法で決まっています。資本金(または出資額)と常時使用する従業員数のどちらか一方が上限以内なら該当します。上限は業種で変わります。
| 業種 | 資本金・出資額 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
ゴム製品製造業(3億円以下・900人以下)、ソフトウェア業・情報処理サービス業(3億円以下・300人以下)、旅館業(5千万円以下・200人以下)は別の上限です。事業協同組合などの組合も対象に含まれます。
「伴走してくれる支援機関」は、認定経営革新等支援機関のことです。中小企業等経営強化法にもとづいて国が認定した支援機関で、計画づくりから実績報告・請求までの執行管理に付き添う役目を負います。探し方は募集案内に九州経済産業局のページが案内されています。
国や県の補助金の対象事業は、この助成金の対象になりません。交付要領の第3条に定めがあります。国・県の補助を使う予定がある事業は、先に機構へ相談しておく手があります。
何に使える?どこまで助成される?
先に、対象にならないものを確認します。
- 自社の社員の人件費
- 過度に高額な旅費・宿泊費
- 機械装置の購入(借用は可)
- 販売するための原材料(試作に使う分だけが対象)
- ホームページの改修費、パンフレットの作成費(販路開拓にあたるため。募集チラシに明記されています)
- 交付決定の前に払った経費
次が対象です。
- 謝金(専門家への謝金)
- 旅費(専門家旅費、役職員旅費、調査旅費など)
- 庁費(会議費、会場借料、資料費、印刷費、原稿料、通信運搬費、消耗品費)
- 原材料費(商品開発に直接使う主要原料・主要材料・副資材)
- 機械装置の借用費(助成期間内のリース・レンタル料)
- 外注費(加工費、市場調査・分析費、コンサルタントの技術指導費、パッケージのデザイン料)
- 雑役務費(臨時に雇うパート・アルバイトの賃金、交通費)
- 知的財産権の取得費(特許・実用新案・意匠・商標の出願料、弁理士の手続代行費)
機械は買えませんが、助成期間内のリース・レンタル料は対象です。助成期間が始まる前にリースやレンタルで入れていた機械の費用は対象外になります。また、この助成金で借りた機械は、試験・試作以外の本生産には使えません。
交付決定とは、機構が「この計画に助成金を出す」と正式に通知することです。採択や内示とは別の通知で、交付決定より前に払った経費は対象外になります。
いくら戻る?自己負担はいくら?
助成率は対象経費の2/3以内、上限は200万円です。対象経費は消費税を除いた額で数えます(申請様式の経費内訳が税抜で計算する作りです)。以下の金額は税抜の対象経費です。対象経費が300万円なら2/3でちょうど200万円になり、上限の200万円に届くのは、対象経費が300万円以上のときです。
- 食品メーカーが新商品の試作と包材のデザインに300万円かける:300万円 × 2/3 = 200万円(自己負担100万円)
- 部品メーカーが既存製品の改良試験に150万円かける:150万円 × 2/3 = 100万円(自己負担50万円)
- サービス業が新サービスの調査と開発に450万円かける:450万円 × 2/3 = 300万円 → 上限の200万円(自己負担250万円)
3つ目のように、対象経費が300万円を超えた分は助成の額が増えません。大きな計画ほど、自己負担の割合が上がります。
さらに、助成金の交付額は予算の範囲内で減額されることがあります。金額は審査と交付決定のあとに決まるので、資金計画は上限いっぱいではなく、少し控えめに見ておくと安全です。
資金面の注意がもう1つあります。この助成金は、事業の進み具合に応じて一部を先に払う「概算払」がありません。事業が完了して、機構の検査を受けたあとに支払われる「精算払」です。上の食品メーカーの例なら、300万円を先に払い、200万円が戻るのは事業が終わってからになります。
申請の流れとスケジュール
読者が動く順に並べると、次のとおりです。
- 募集案内・交付要領・様式を入手する(事業者→機構のサイト。第1〜5号様式はサイトにあります)
- 事前相談をする(事業者→機構 地域産業育成課。10月26日(月)まで)
- 伴走してくれる支援機関に第4号様式を書いてもらう(事業者→認定経営革新等支援機関。提出前に)
- 書類を出す(事業者→機構。メールか持込、郵送は不可。11月4日(水)17時必着)
- 書類審査とプレゼンテーション審査を受ける(11月初旬から書類審査、12月上旬〜中旬にプレゼン審査の予定)
- 事業計画の認定を受け、助成金の交付申請をして、交付決定を待つ(12月中旬に認定、12月下旬に交付申請、1月上旬に交付決定の予定)
- 開発を進め、終わったら30日以内に実績報告を出す(事業者→機構。事業期間は交付決定から1年6か月以内)
書類に不備や不足があると受付してもらえません。締切の直前でなく、余裕をもって出せる日程を組んでおくと安心です。
必要な書類
準備できた 0 / 7
履歴事項全部証明書は法人のみで、3か月以内の発行なら写しでかまいません。決算書の代わりに確定申告書(写し)でも出せます。決算書は表紙から個別注記表まで1セットにします。事業計画書の「商品開発の概要」は、(1)(2)それぞれ2頁程度までです。様式には、ほかに申請中の補助制度や、この助成金への過去の応募・採択歴を書く欄もあります。誓約書(第5号様式)は、暴力団などに該当しないことを誓う書類です。
審査で見られるのはどこ?
審査は書類審査とプレゼンテーション審査の2段階です。書類審査でプレゼンの対象に選ばれた場合、プレゼンへの参加は必須になります。見られる項目は5つです。
- 新規性・革新性(内容が新しい、独自性やストーリー性がある)
- 市場性(市場が見込める)
- 成長性(県外市場への進出など、伸びる見込みがある)
- 実現可能性(売上につなげるまでの具体的な計画と、人・組織・資金の体制がある)
- 地域経済への波及効果(雇用創出など)
過去の採択率や配点は、募集案内に記載がありませんでした。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に払った:交付決定より前に執行した経費は対象外です。発注や契約は交付決定のあとにします。
- 販売を始めてしまった:対象期間は商品開発が完了するまでです。正式な販売・サービス提供の開始日以前に、事業終了の報告が要ります。
- 目的以外に使った:助成金を他の用途に使うなど条件に違反すると、交付の決定が取り消されます。すでに交付されていれば返還を命じられ、年10.95%の加算金が付くことがあります。
- 経費を証明できない:助成金の支払い前に検査があり、証拠書類で確認できる経費だけが対象です。この事業の経費と明確に区分できない支出は認められません。
- 報告を忘れた:実績報告は事業完了の翌日から30日以内です。事業化の状況も、完了した年度の終了から令和10年度まで、毎年度終了後20日以内に報告します。
採択後に待っていること
認定された事業者は、認定事業者説明会(2027年1月上旬の予定)に出席します。代表者か実務担当者と、経理担当者が対象です。
交付決定のあとは、書類整備の確認が3か月に1回程度あります。経理書類や申請書類の事務作業は相当量になるため、実施体制を先に整えておくよう募集案内が求めています。すべての認定事業は、会計検査院の実地検査の対象です。
事業が終わった後も、事業化の状況について5年度分の実績報告が要ります。
よくある質問
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。中小企業者の要件は「会社及び個人」に適用され、資本金(出資額)か常時使用する従業員数のどちらかが業種ごとの上限以内であれば該当します。たとえば小売業なら資本金5千万円以下または従業員50人以下です。個人事業主には資本金がないので、従業員数で判断することになります。県内で主たる事業を営んでいることも条件です。迷う場合は、事前相談で確かめられます。
まだ創業していなくても応募できますか?
応募できます。募集対象者には「大分県内で創業を希望する者」が含まれています。ただし書類のうち、直近2期分の決算書または確定申告書は求められているため、創業前で用意できない場合の扱いは募集案内に書かれていません。この点は、10月26日までの事前相談で機構に確認しておくと確実です。
助成金はいつ入金されますか?
事業が完了して、実績報告と機構の検査を終えたあとです。この助成金は、進み具合に応じて一部を先に払う「概算払」がなく、完了後に払う「精算払」だけです。1年6か月までの事業期間中、必要な費用は自社で立て替えます。たとえば対象経費300万円で200万円が助成される計画でも、その300万円は先に払う資金が必要です。入金の具体的な時期は、募集案内に書かれていませんでした。
機械装置を買って使えますか?
購入はできません。この事業の対象は、商品開発用の機械装置の借用費、つまり助成期間内のリース・レンタル料です。助成期間が始まる前にリース・レンタルで導入した機械の費用も対象外になります。また、この事業で導入した機械は、試験・試作などの目的以外、つまり本生産には使えません。量産設備の購入を考えている場合は、別の制度を探す必要があります。
社員の人件費は助成の対象になりますか?
自社の社員の人件費は対象外です。一方、助成事業に必要な業務を補助するために臨時で雇うパート・アルバイトの賃金と交通費は、雑役務費として対象になります。専門家への謝金や、コンサルタントの技術指導費は別の区分で対象です。自社の人手がかかる計画では、その分が助成されないので、自己負担の見積りに入れておきます。
交付決定の前に買った原材料は対象になりますか?
対象になりません。交付決定の前に執行した経費は助成の対象外です。交付決定は2027年1月上旬の予定なので、それまでに発注や支払いをした原材料やデザイン、外注の費用は助成されません。事業計画が認められても、すぐに動き出せない期間があります。開発の日程は、交付決定の予定日から逆算して組みます。
事前相談は必ず受ける必要がありますか?
募集案内には「応募については、10月26日(月)までに事前相談をお願いします」とあります。受けなかった場合の扱いは明記されていません。問い合わせは、土日祝日を除く8時30分から17時まで、機構の地域産業育成課(電話097-537-2424)で受け付けています。計画の内容を説明して、対象かどうかを確かめられます。
認定経営革新等支援機関は、どうやって見つけますか?
募集案内には、九州経済産業局のホームページで確認するよう案内されています。この助成金では、事業計画の作成から実行、実績報告・請求までの執行管理について、認定経営革新等支援機関の伴走支援が必要で、確認書(第4号様式)を出します。支援機関に頼むには時間がかかる場合があるため、書類の締切の前に早めに相談しておくと間に合いやすくなります。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ事業での併用は難しいと考えるのが安全です。交付要領は、国と県の補助金の対象事業はこの助成金の対象にならないと定めています。募集案内にも、国や地方公共団体の補助事業・委託事業と重複する場合は、助成対象外とする場合があると書かれています。別の補助金を検討している場合は、経費が重ならないよう、事前相談で確認します。
採択されたあとの報告義務はありますか?
あります。事業が完了した翌日から30日以内に実績報告を出します。さらに、事業が完了した年度の終了から令和10年度まで、毎年度終了後20日以内に事業化の状況を報告します。募集案内では、事業終了後に5年度分の実績報告が必要とされています。帳簿と証拠書類は、事業完了年度の翌年度から5年間保管します。事務の負担は軽くないので、採択前に担当者を決めておくと安心です。
申請書類は郵送で出せますか?
出せません。提出方法はメールまたは持込で、郵送は受け付けていません。メールの場合は、ファイルを分割せずに送ります。ファイルが大きくて送れないときは、ファイル転送サービスを使うよう案内されています。持込の場合、提出した書類は返却されません。11月4日(水)17時必着なので、持込でも時間に注意します。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人 大分県産業創造機構の地域産業育成課(担当は和田さん・上野さん)です。住所は大分市東春日町17番20号 ソフトパークセンタービル内、電話は097-537-2424、メールはs-wada@columbus.or.jpです。受付は土日祝日を除く8時30分から17時までです。最新の募集内容は、機構のサイトでも確かめられます。
