この補助金でつまずきやすいのは、金額よりも順番です。設備の見積を取る前に、先に済ませる手続きが2つあります。
大阪府内に工場や事業場を持つ中小事業者が、省エネ設備や太陽光パネルの購入費の3分の1(1法人あたり上限200万円)を受けられます。3次公募の応募は令和8年11月25日の午後6時までです。対策計画書の届出と脱炭素経営宣言が済んでいないと、応募できません。
大阪府 脱炭素化自主的取組支援補助金の要点まとめ
正式名:中小事業者の脱炭素化に係る自主的取組支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし(府内に工場・事業場がある中小事業者)
- 利用目的
- 省エネルギー設備・太陽光パネルの購入
- 対象地域
- 大阪府
- 従業員数
- 中小事業者の範囲に該当(業種ごとの基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 200万円(1法人あたり。1次・2次の交付決定額を含む)
- 補助率
- 対象経費の1/3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月16日〜2026年11月25日(3次公募)
- 事業の完了
- 完了の翌日から30日以内か2027年2月26日の早い日まで
補助の対象は、設備本体の購入費と運搬費です。工事費や据付費は含まれません。照明器具、空調機、蓄電池は、この補助金の対象事業から外れています。
まず、うちが対象か確かめる
次の6つにすべて当てはまると、応募の対象です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
最後の項目は、設備を入れ替える前後で、事業所全体の年間エネルギー使用量を1%以上減らすか、二酸化炭素の排出量を年に1トン以上減らすことです。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 特定事業者に当たる
- ✕ 開業して1年たっていない
- ✕ 新しい設備を増やすだけ
- ✕ 照明・空調・蓄電池だけを更新する
- ✕ 売電する太陽光パネルを入れる
- ✕ 交付決定の前に発注した設備
中小事業者の範囲は、中小企業基本法の中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば該当)に加え、次のとおりです。大企業が株式の一定割合を持つ「みなし大企業」は除かれます。
- 医療法人・社会福祉法人・学校法人で、常時使用する従業員が300人以下
- 財団・社団法人、特別の法律による組合・連合会で、中小企業基本法の従業員規模以下
- 個人事業主
本社が府外でも、府内の工場・事業場の設備なら対象です。逆に、本社が府内でも工場・事業場が府外なら対象外です。
開業して1年がたっていない事業者は、対策計画書の基準年度を決められず、計画書を出せないため対象外です。補助の対象は既存設備を高効率の設備へ更新するもので、新しい設備を増やすだけの導入は対象になりません。
個人事業主は、公募要領には「個人事業主」とだけあります。一方、交付要綱では「青色申告を行っている個人事業主」と定められています。白色申告の方は、応募の前に窓口へ確かめてください。
特定事業者は、府内の事業所全体で使う年間エネルギー量が原油換算で1,500キロリットル以上の事業者などです。自動車を30台以上(タクシー事業者は75台以上)使う事業者や、一定規模の連鎖化事業者も含まれます。該当すると応募できません。
先に済ませる2つの手続き
応募書類を作る前に、次の2つが要ります。どちらも、この補助金の申請とは別の窓口です。
対策計画書は、大阪府の条例にもとづき、事業者が自主的に省エネや再エネの取組を府に届け出る書類です。特定事業者以外の事業者は任意で届け出られます。届出は電子申請が基本で、先に大阪府行政オンラインシステムの利用者登録をします。問い合わせ先は、府の脱炭素・エネルギー政策課(電話 06-6210-9553)です。
脱炭素経営宣言は、府の登録制度に宣言を登録するものです。登録申請書のExcelを、大阪府地球温暖化防止活動推進センター(電話 06-6266-1271)にメールで送ります。補助金の交付申請書には「宣言日」(登録申請書の右上の日付)を書く欄があります。
対策計画書の届出に何日かかるかは、府のページに書かれていませんでした。脱炭素経営宣言のほうは、府のページに、登録証の発行に1か月以上かかる可能性があると書かれています。ただし補助金の応募に登録証は要らず、交付申請書に宣言日を書けば足ります。締切から逆算して、早めに動いてください。
いくら戻ってくる?
対象経費の3分の1です。千円未満は切り捨てになります。上限は1法人あたり200万円で、1次公募・2次公募で交付決定を受けた額も含みます。仮の金額で計算してみます。
- 工場のコンプレッサーを高効率の機種に更新する(本体360万円):360万円 × 1/3 = 120万円
- 自家消費する太陽光パネルを屋根に載せる(パネル購入費450万円):450万円 × 1/3 = 150万円
- 設備本体300万円に、据付工事50万円を足した見積:対象は本体の300万円だけ。300万円 × 1/3 = 100万円
- 生産設備の入れ替えで、設備費が720万円:720万円 × 1/3 = 240万円 → 上限の200万円
設備費が600万円以上になると、上限の200万円に届きます。工事費・据付費・撤去費は対象外なので、見積書では設備本体と工事費を分けて書いてもらうと、対象になる額を読み取りやすくなります。
1次公募で交付決定を受けた法人は、その額を差し引いた残りが3次公募の上限です。たとえば1次で120万円の交付決定を受けていれば、3次で受けられるのは80万円までになります。
補助金は、事業が終わったあとにまとめて支払われる精算払いです。実施期間中の支払いは、全額を自己負担で先に立て替えます。
何に使える?
対象にならないもの
- 工事費、付帯工事費、据付費、調整費、撤去・処分費
- 消費税・地方消費税、振込手数料
- 中古品の購入費、消耗品費、雑材料費
- 交付決定の日より前に発注・契約した設備の費用
- 親会社・子会社・グループ会社など、資本関係のある会社との取引
対象になるもの
- 既存設備を高効率にする省エネルギー設備の購入費(照明器具、空調機、蓄電池を除く)。例はコンプレッサー、変圧器、冷凍冷蔵設備、ボイラー、工作機械や印刷機などの生産設備
- 太陽光パネルの購入費(架台などの固定材料費を含む)
- 購入した設備を設置場所まで運ぶ運搬費
外壁塗装、蓄電池として使うEV車やハイブリッド車、太陽光に伴うキュービクルの改造費も対象外です。国や市町村の補助金とは併用できます。ただし、物価高騰対応の臨時交付金が充てられている補助金は除き、合計が総事業費(税抜)を超えない範囲です。
リースや、オンサイトPPAモデル(事業所の屋根などに設置した太陽光の電気を購入する契約)でも応募できます。リースの場合は、設備を使う事業者とリース事業者が共同で申請します。リース料から補助金相当分を引いたことを示す書類が必要です。この場合の脱炭素経営宣言は、設備を使う事業者に加えて、リース事業者とPPA事業者も登録が必要です。
申込の流れ
- 対策計画書を府に届け出る(事業者→大阪府 脱炭素・エネルギー政策課。電子申請)
- 脱炭素経営宣言を登録する(事業者→大阪府地球温暖化防止活動推進センター。メールで申請書を送る)
- 同一仕様の見積を2社以上から取る(事業者→設備の販売業者。有効期限内のもの)
- 応募書類を大阪府行政オンラインシステムで出す(事業者→大阪府。令和8年11月25日の午後6時まで)
- 選定結果の通知を待つ(大阪府→事業者。12月に郵送の予定)
- 交付決定のあとに発注し、設備を入れて支払いを終える(事業者→販売業者)
- 実績報告書を出す(事業者→大阪府。完了の翌日から30日以内か、令和9年2月26日の早い日まで)
選定結果の通知は12月の予定です。そのあとに発注して、令和9年2月26日までに支払いまで終える日程になります。納期が長い設備は、見積の段階で納品の時期を販売業者に確かめておく手があります。
選定は先着順ではありません。応募書類に不足がないものから、補助金額あたりのCO2削減量が多い事業を優先して、予算の範囲内で選ばれます。
必要な書類
準備できた 0 / 12
納税証明書と履歴事項全部証明書は、発行から3か月以内のものです。国税は「その3の3」(個人事業主は「その3の2」)、府税は「未納のない証明書」を出します。
仕様書・カタログと配置図面は、更新前と更新後の両方が必要です。賃貸の物件で工事をする場合は、賃貸借契約書と建物所有者の承諾書も出します。法人の履歴事項全部証明書は法人だけ、個人事業主は本人確認書類が代わりです。リースとPPAでは、料金の設定根拠と契約書案が加わります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定の日より前に発注・契約・導入した設備は、対象外です。見積を取るのは先でも、契約は交付決定のあとにします。
- 現金や手形で支払った:支払いは普通預金・当座預金からの振込に限られます。現金、手形、小切手、為替、電子マネーで払った経費は対象になりません。
- 対策計画書か宣言が未了のまま応募した:2つとも応募の前提です。応募書類を受け付けてもらえても、要件を満たさなければ選定されません。
- 交付決定後に機種を変えた:原則として、機種や型式の変更はできません。やむを得ない場合は、先に府へ相談して承認を得ます。
よくある質問
対策計画書とは何ですか。出さないと応募できませんか。
対策計画書は、大阪府の条例にもとづいて、事業者が省エネや再エネの取組を府に届け出る書類です。この補助金は、届け出た計画書に位置づけた設備の更新や導入が対象なので、届出が済んでいないと応募できません。特定事業者以外の事業者は任意で届け出られます。電子申請が基本で、事前に利用者登録が要ります。窓口は府の脱炭素・エネルギー政策課(電話 06-6210-9553)です。
脱炭素経営宣言は、どうやって登録しますか。
府の登録制度に宣言を登録します。登録申請書のExcelに必要事項を書き、大阪府地球温暖化防止活動推進センター(大阪府みどり公社)へメールで送ります。宣言には、従業員と脱炭素経営に取り組むことなどの必須項目と、5つ以上選ぶ任意項目があります。補助金の交付申請書には、登録申請書の右上の日付を「宣言日」として書きます。登録の問い合わせは06-6266-1271です。
照明やエアコンの入れ替えにも使えますか。
この補助金では使えません。照明器具、空調機、蓄電池は、対象事業から除かれています。空調機については、大阪府のページに「中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金」という別の補助金が掲載されています。照明と空調だけを更新する予定なら、そちらの内容を確かめてください。この補助金は、それ以外の省エネ設備と太陽光パネルが対象です。
設置工事の費用は補助されますか。
されません。補助対象は設備本体の購入費と、設置場所までの運搬費です。工事費、付帯工事費、据付費、調整費、撤去・処分費は、対象外と書かれています。見積書では設備本体と工事費を分けて書いてもらうと、対象になる額がわかりやすくなります。工事費込みの一括金額のままだと、補助の計算で扱いにくくなるので、販売業者に内訳を頼んでおくと安心です。
太陽光パネルで電気を売る場合は対象ですか。
売電する場合は対象外です。この補助金で対象になる太陽光は、売電せずに自家消費するものです。オンサイトPPAモデルで申請する場合も、自家消費を目的とした太陽光発電が対象になります。パネルを入れて余った電気を売る計画なら、対象になるかどうかを、応募の前に府のスマートエネルギーセンター(電話 06-6210-9254)へ確かめてください。
リースでも応募できますか。
応募できます。ただし条件があります。設備を使う事業者とリース事業者が共同で申請し、リース事業者が代表になります。リース料から補助金相当分が引かれていることを示す書類が要ります。同じ事業で、購入とリースを併用することはできません。残価設定付きのリースや割賦契約と判断される場合は対象外で、設備を法定耐用年数のあいだ使い続ける契約にします。
先着順ですか。
先着順ではありません。受付期間中に応募書類に不足がなく受理されたもののうち、要件を満たしたものについて、補助金額あたりのCO2排出削減量が多い事業を優先します。予算の範囲内で選ばれるので、最終日にまとめて出しても、期間内なら順番だけで不利にはなりません。ただし書類に不足があると受理されないので、余裕をもって準備してください。
1次公募・2次公募で交付決定を受けていますが、また応募できますか。
上限額の計算に、1次・2次の交付決定額が含まれます。上限は1法人あたり200万円で、3次公募の公募要領には「1次及び2次公募の交付決定額を含む」とあります。たとえば1次で120万円の交付決定を受けていれば、3次で受けられるのは残りの80万円までです。複数の事業所や設備は、1つの申請書にまとめて出します。
補助金はいつ受け取れますか。
事業が終わったあとです。補助金は精算払いで、実績報告書を審査して額が確定してから支払われます。実施期間中の支払いは、全額を自己負担で先に立て替えます。実績報告書は、完了の翌日から30日以内か、令和9年2月26日の早い日までに出します。審査で交付決定額が減ることもありますが、交付決定額を超えて支払われることはありません。
個人事業主でも応募できますか。
応募できます。ただし、府内の工場・事業場に係る対策計画書を届け出て、脱炭素経営宣言も済ませていることが条件です。中小事業者であることを示す資料として、商号・屋号、事務所の所在地、代表者名、業種がわかる書類を出します。免許証の両面などの本人確認書類の写しも要ります。公募要領のほかに、よくある質問には開業届等の写しも挙げられているので、念のため窓口に確かめてください。青色申告の条件は、交付要綱に定められています。国税の納税証明書は、個人事業主は「その3の2」です。
問い合わせ先はどこですか。
補助金そのものは、おおさかスマートエネルギーセンター(脱炭素・エネルギー政策課内、電話 06-6210-9254)です。土・日・祝日を除く午前9時から午後6時まで受け付けています。対策計画書と脱炭素経営宣言の手続きは、脱炭素・エネルギー政策課の気候変動緩和・適応策推進グループ(電話 06-6210-9553)が窓口です。
