新築エコキュート補助金の中心は、国の「給湯省エネ2026事業」から出る1台7万円の補助です。省エネ性能の高い機種なら性能加算の3万円が付いて1台10万円になり、戸建てで2台入れると上限は20万円です。対象は注文住宅の新築と新築分譲住宅の購入で、世帯の人数や年齢の条件はありません。
見落とされやすい決まりが1つあります。同じ新築住宅で「みらいエコ住宅2026事業」の補助を受けるときは、給湯省エネ2026事業とは併用できません。住宅の性能が基準に届く家は、先に住宅のほうの補助を確かめます。
エコキュートの補助金を最大14万円と案内するページもあります。この14万円には電気温水器などを撤去したときの加算が入っていて、撤去加算の対象は既存住宅のリフォームだけです。新築のエコキュートは、基本額と性能加算を合わせて1台最大10万円です。
この記事では、新築で使える補助の仕組み、金額、対象になる機種と家、みらいエコ住宅2026事業との選び方、自治体の補助との関係を整理しました。そのあとに申請の進み方と期限、よくある注意点、全国の一覧を載せています。買い替えの補助はエコキュートの補助金の記事に、住宅そのものの補助は新築の補助金の記事にまとめています。
新築のエコキュートで使える補助金の概要
新築のエコキュートに直接出る補助は、国の給湯省エネ2026事業です。このほかに、住宅の性能に出る補助(みらいエコ住宅2026事業)、自治体の補助、リースを使う方法があります。順に見ていきます。
国は2つの事業が新築に関わる
国土交通省・経済産業省・環境省の「住宅省エネ2026キャンペーン」は、新築とリフォームを対象にした4つの事業でできています。新築に関わるのは、次の2つです。
| 事業 | 何に出るか | 新築での補助額 | 所管 |
|---|---|---|---|
| 給湯省エネ2026事業 | 高効率給湯器(エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファーム) | エコキュート7万円/台(性能加算+3万円)、ハイブリッド給湯機10万円/台(+2万円)、エネファーム17万円/台 | 経済産業省 |
| みらいエコ住宅2026事業 | 住宅の省エネ性能(GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅) | GX志向型住宅は1戸125万円または110万円、長期優良住宅は80万円または75万円、ZEH水準住宅は40万円または35万円 | 国土交通省・環境省 |
みらいエコ住宅2026事業の額は、省エネ基準の地域区分で決まります。1〜4地域(寒い地域)は高いほうの額、5〜8地域は低いほうの額です。
エコキュートを含む給湯器だけを見るなら給湯省エネ2026事業を使います。住宅全体の性能に補助が出る家では、給湯器は住宅の補助に含まれる形になり、2つの事業は新築では併用できません。
新築のエコキュートの補助額
給湯省エネ2026事業の補助額は、基本額と性能加算の合計です。新築のエコキュートの場合は次のとおりです。
| 内容 | 1台あたりの額 |
|---|---|
| 基本額(対象機器として登録された、性能要件を満たすエコキュート) | 7万円 |
| 性能加算(基本の機種よりCO2排出量が5%以上少なく、目標基準値+0.2以上の性能値がある機種) | +3万円 |
| 基本額と性能加算を合わせた最大 | 10万円 |
台数の上限は、戸建てが1戸につき2台、共同住宅が1戸につき1台です。エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームのどれかを組み合わせた台数で数えます。
計算例を3つ挙げます。
| 家の種類 | 入れる機種 | 補助額 |
|---|---|---|
| 戸建て | 性能加算の対象外のエコキュート1台 | 7万円 |
| 戸建て | 性能加算の対象のエコキュート1台 | 7万円+3万円=10万円 |
| 戸建て | 性能加算の対象のエコキュート2台(階ごとに1台ずつなど) | 10万円×2台=20万円 |
2台入れるには、タンクを2つ置く場所が要ります。補助の上限が2台でも、台数は家族の人数と湯の使い方で決め、その台数に補助が付くかを確かめる順番です。
共同住宅は1戸につき1台までです。二世帯住宅は、公式の区分では共同住宅に入ります。1戸あたりの台数をどう数えるかは、公式の表記が「共同住宅は1台/戸」とあるだけで、二世帯住宅の数え方までは確認できませんでした。二世帯住宅で2台を考えているときは、建築会社に事前に確かめてもらうほうが安全です。
最大14万円は新築には当てはまらない
エコキュートの補助金を扱うページの多くが、最大14万円を見出しにしています。14万円は、次の3つを足した最大額です。
| 内訳 | 額 |
|---|---|
| 基本額 | 7万円 |
| 性能加算 | 3万円 |
| 撤去加算(電気蓄熱暖房機を撤去する場合) | 4万円 |
撤去加算は、公式の事業概要に「リフォーム工事で、高効率給湯器の設置に伴い2025年11月28日以降に撤去するものに限ります」と書かれています。新築の住宅には撤去する古い給湯器がありません。キャンペーンの新築のページで、エコキュートの加算の欄に載っているのは性能加算の3万円だけです。
つまり、新築のエコキュートで補助額の上限は1台10万円です。最大14万円や最大12万円と案内された金額を、新築の見積もりにそのまま当てはめないよう注意します。「1台最大17万円」という表記もありますが、これはエネファームの基本額で、エコキュートの額ではありません。
対象になる機種の条件
補助の対象になるのは、事務局に「補助対象製品」として登録された機種です。同じエコキュートでも、登録がない型番は補助の対象になりません。給湯省エネ2026事業の公式ページが示す性能要件は、次のとおりです。
- 省エネ法のトップランナー制度で定める2025年度目標基準値以上の性能であること
- インターネットに接続できる機種であること
- 翌日の天気予報や日射量予報と連動して、昼間に沸き上げをずらす機能があること
3つめまでを満たす機種のほか、次に述べる「おひさまエコキュート」も対象です。
一部の機種は、追加の部品を付けると性能要件を満たします。公式ページは、台所リモコンまたは無線LANアダプターの設置を例に挙げています。追加部品を使う場合は、交付申請の際に部品の写真の提出が必要です。見積もりの機種に追加部品が要るかどうかは、建築会社に確かめます。
目標基準値は貯湯容量と仕様で変わり、公式ページに区分の表があります。標準的な320L以上550L未満の一般地仕様は3.5、寒冷地仕様は2.9です。型番ごとの合否は表と照らすのではなく、後述する「補助対象製品の検索」で確かめるほうが確実です。
おひさまエコキュートは基準が別になる
「おひさまエコキュート」は、太陽光発電の余った電気を昼間の沸き上げに使うヒートポンプ給湯機です。公式ページは、おひさまエコキュートに限って、2025年度の目標基準値を満たしていない機種も対象にすると書いています。
新築で太陽光パネルを載せる家は、候補に入る機種です。公式ページには、条件によっては太陽光パネルの貸与も可能と説明があります。電力会社がおひさまエコキュート専用の料金プランを出している地域もあるため、機種選びと電気契約は同じ相談の中で決めます。
補助額は通常のエコキュートと同じ基本額7万円で、性能加算の3万円が付くかは、機種が加算の要件を満たすかで決まります。おひさまエコキュートだから加算が付く、という仕組みではありません。
補助対象製品の探し方
型番が対象かどうかは、給湯省エネ2026事業の公式サイトにある「補助対象製品の検索」で、メーカーと型番から調べられます。建築会社の見積書や仕様書に型番が書かれていれば、それを控えて自分でも検索してみます。
事業者のほうも、あらかじめ登録が必要です。公式サイトには「給湯省エネ事業者の検索」があり、登録のない事業者との契約は補助の対象になりません。ハウスメーカーや工務店の名前で検索し、登録が出てくるかを契約の前に確かめておきます。ただし、検索サイトに載せるかどうかは事業者が選べる任意の設定です。検索に出てこない事業者が未登録とは限らないため、出てこないときは建築会社に登録の有無を直接聞きます。
家の取得方法で、補助を受ける人と時期が変わる
新築の取得方法は、注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、賃貸住宅の新築の3つに分かれ、補助の対象者と動き出す時期が違います。公式の事業概要とキャンペーンの新築ページをまとめました。
| 取得方法 | 補助の対象者 | 申請する事業者 | 予約ができる時期 | 交付申請ができる時期 |
|---|---|---|---|---|
| 注文住宅の新築 | 建築主 | 注文住宅の建築事業者 | 建築着工日以降 | 工事完了・住宅の引渡し以降 |
| 新築分譲住宅の購入 | 購入者 | 分譲住宅の販売事業者(販売代理を含む) | 不動産売買契約の締結以降 | 住宅の引渡し以降 |
| 賃貸住宅の新築 | 建築主(賃貸オーナー) | 賃貸住宅の建築事業者 | 注文住宅の新築と同じ | 注文住宅の新築と同じ |
新築分譲住宅は、「着工日」にあたるのが住宅の引渡日です。引渡日が2025年11月28日以降の物件が対象になります。
販売目的で住宅を所有する新築分譲事業者は、補助の対象者になりません。補助を受けるのは、家を買って住む人です。
既存住宅を買う場合は、新築とは別の区分です。販売者が給湯器の交換を条件にして売る既存住宅を買うときに限り、購入者が対象です。未使用の対象機器が付いている既存住宅を買っても対象になりません。この区分は買い替えの扱いに近く、エコキュートの補助金の記事で詳しく見られます。
「新築」の定義
給湯省エネ2026事業の公式ページでは、新築住宅は「1年以内に建築された住宅で、かつ居住実績がない住宅」と決められています。建築日は原則として検査済証が発行された日です。
完成して1年が過ぎた住宅や、一度でも人が住んだ住宅は既存住宅の扱いです。建売住宅が売れ残って1年を超えた場合などは、新築ではなく既存住宅として扱われます。購入の時期が完成から1年に近い物件では、販売事業者に区分を確かめます。
リースでエコキュートを入れる方法
初期費用を抑えるために、エコキュートをリースで入れる選択もあります。給湯省エネ2026事業には、購入・工事タイプとは別に「リース利用タイプ」があり、新築注文住宅も対象に入っています。
補助の対象になるリースは、法定耐用年数(6年間)以上のリース期間を設けたファイナンスリースです。自社割賦(分割販売)やレンタルは対象になりません。クレジットを使った分割払いは、リース利用タイプには当たらず、購入・工事タイプとして申請される扱いです。リースでは、補助の申請をするのはリース事業者で、借りる人が補助対象者になります。
法定耐用年数のうちにリース契約を解除すると、補助金の返還を含む財産処分の手続きが必要になることがあります。契約期間の途中で家を手放す可能性があるときは、契約前にこの点を確かめます。
賃貸住宅を新築するオーナーの場合
アパートや賃貸併用住宅を建てるオーナーも、給湯省エネ2026事業の対象です。公式の新築のページでは「賃貸住宅の新築」が申請タイプの1つに入っていて、補助を受けるのは建築主かつ賃貸オーナーです。エコキュートの額は注文住宅と同じ基本額7万円に性能加算3万円で、共同住宅は1戸につき1台までが上限です。
賃貸併用住宅では、申請タイプが住戸ごとに分かれます。オーナーが自分で住む住戸は「注文住宅の新築」で、賃貸に出す住戸は「賃貸住宅の新築」で申請する決まりです。賃貸住宅の購入は補助の対象になりません。設計の段階で、どの住戸にどの給湯器を付けるかを建築会社と整理しておくと、申請の漏れを防げます。
ハイブリッド給湯機・エネファームとの違い
給湯省エネ2026事業の対象は、エコキュートのほかに2種類あります。額と性能加算は次のとおりです。
| 給湯器 | 基本額 | 性能加算 |
|---|---|---|
| エコキュート(ヒートポンプ給湯機) | 7万円/台 | +3万円/台 |
| ハイブリッド給湯機(電気ヒートポンプとガス瞬間式の併用) | 10万円/台 | +2万円/台 |
| エネファーム(家庭用燃料電池) | 17万円/台 | なし |
エコキュートの基本額は3機種のなかで最も小さい額です。ただ、補助額の大きさだけで機種を選ぶのは順番が逆で、都市ガスの有無、電気料金のプラン、設置場所の広さで先に機種が絞られます。エコキュートに決まったあとで、その機種に補助が付くかを確かめます。
みらいエコ住宅2026事業と併用できない。どちらを使うか
新築のエコキュートの補助で最も判断が分かれるのは、みらいエコ住宅2026事業との関係です。
併用できないのは、同じ新築住宅の2つの補助
キャンペーンの新築のページには、「新築住宅において、みらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業は、併用できません」とあります。交付申請の欄にも、2つの事業に重複して交付申請を行うことはできないと書かれています。
一方の事業で補助を受けると、もう一方は同じ住宅では使えません。どちらかを選ぶ形になります。
選ぶ順番は、住宅の性能と世帯の条件から
みらいエコ住宅2026事業の補助は、家の性能と世帯の条件が合えば、給湯器の補助より額が大きくなります。公式の額から、選ぶ順番を表にしました。
| 家の状況 | 使える補助 | 補助の目安 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅で、建てる事業者がGXへの協力を表明している(どの世帯でも可) | みらいエコ住宅2026事業 | 1戸125万円または110万円 |
| 長期優良住宅で、子育て世帯または若者夫婦世帯 | みらいエコ住宅2026事業 | 1戸80万円または75万円 |
| ZEH水準住宅で、子育て世帯または若者夫婦世帯(注文住宅は交付申請が遅くとも9月30日まで) | みらいエコ住宅2026事業 | 1戸40万円または35万円 |
| 上のどれにも当たらない新築 | 給湯省エネ2026事業 | エコキュート1台7万円(+性能加算3万円)、戸建ては2台まで |
エコキュートを2台入れて性能加算も付く最大の20万円でも、ZEH水準住宅の35万円や40万円より小さい額です。住宅の性能が基準に届き、世帯の条件も満たすなら、金額の面ではみらいエコ住宅2026事業のほうが有利です。
編集部の判断としては、住宅の補助を先に確かめて、使えない家だけを給湯省エネ2026事業の対象として考えることを勧めます。どちらの補助も建築会社が申請するため、建築会社が登録事業者かどうかを契約の前に確かめることが、最初の一手になります。
3つの家で選び方を当てはめる
条件の違う3つの家で、どちらの補助になるかを考えます。額は公式の表から出した値で、地域区分は5〜8地域(比較的暖かい地域)とします。
| 家の例 | 世帯 | 使える補助 | 補助の額 |
|---|---|---|---|
| 断熱等級6以上で、再生可能エネルギーを除いて35%以上、含めて100%以上の一次エネルギー消費量削減を満たし、HEMSも入れるGX志向型住宅。建築会社はGXへの協力を表明済み | 夫婦と子どもなし、どちらも令和7年4月1日時点で40歳以上 | みらいエコ住宅2026事業 | 110万円 |
| 長期優良住宅 | 小学生の子どもがいる4人家族 | みらいエコ住宅2026事業 | 75万円 |
| 省エネ基準は満たすが、ZEH水準住宅には届かない住宅 | 夫婦と子どもなし、どちらも令和7年4月1日時点で40歳以上 | 給湯省エネ2026事業 | エコキュート1台で最大10万円 |
1つめの家は、世帯の条件がないGX志向型住宅なので、夫婦のみでも住宅の補助が使えます。2つめの家は、子育て世帯の条件を満たすため、長期優良住宅で補助が受けられます。3つめの家は、住宅の補助の対象にならないので、エコキュートの補助が唯一の国の補助になります。
同じ性能の住宅でも、夫婦のみでどちらも40歳以上の世帯が長期優良住宅やZEH水準住宅を建てると、世帯の条件に当たらず住宅の補助は使えません。この組み合わせでは、給湯省エネ2026事業が候補になります。住宅の性能が同じでも、世帯の条件で使える補助が変わる点は、見積もりの前に確かめておきます。
みらいエコ住宅2026事業の主な条件
みらいエコ住宅2026事業の新築は、給湯省エネ2026事業より条件が多くあります。注文住宅の新築について、公式ページが示す条件は次のとおりです。
- 子育て世帯または若者夫婦世帯の条件:長期優良住宅とZEH水準住宅は、申請の時点で子を有する世帯または夫婦のどちらかが若者の世帯に限る(GX志向型住宅は世帯を問わない)
- 建築主が自分で居住する住宅であること
- 住戸の床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 住宅の立地が、公式ページの定める除外要件に当たらないこと
- 2025年11月28日以降に基礎工事に着手していること
- みらいエコ住宅事業者と工事請負契約を結んで建てること
子育て世帯の「子」は令和7年4月1日時点で18歳未満(平成19年4月2日以降の生まれ)、若者夫婦世帯の「若者」は令和7年4月1日時点で39歳以下(昭和60年4月2日以降の生まれ)と、公式ページが定めています。令和8年3月末までに工事に着手する場合は、基準日がさらに1年前の令和6年4月1日になります。
給湯省エネ2026事業のエコキュートには、居住や床面積の条件がありません。公式ページの比較表でも、その他の要件の欄が「要件なし」です。世帯の条件が合わない家や、床面積が240㎡を超える家は、給湯省エネ2026事業が使える可能性があります。
受付の期限が性能ごとに違う
みらいエコ住宅2026事業の交付申請の期限は、住宅の性能で違います。事業サイトの手続き期間には、注文住宅の新築のZEH水準住宅だけ、交付申請の予約が遅くとも2026年8月17日、交付申請が遅くとも2026年9月30日までと書かれています。長期優良住宅を含むほかの性能の住宅は、予約が11月16日、交付申請が12月31日までです。キャンペーンの新築のページの表でも、長期優良住宅はGX志向型住宅と同じ欄に入っています。新築分譲住宅の購入は、ZEH水準住宅も12月31日までです。
住宅の補助の詳しい金額と申請の流れは、みらいエコ住宅2026事業の記事にまとめています。
自治体の補助との併用
国の補助のほかに、自治体が独自にエコキュートへ補助を出していることがあります。国と自治体の補助が重なるかは、自治体の制度ごとに違います。
国費が入った自治体の制度は、国の事業と併用できない
キャンペーンの公式サイトには、「掲載している支援制度であっても、国費が充当されている制度は、本キャンペーンの各事業と併用できません」と注意書きがあります。自治体の補助の財源に国のお金が入っているかは、自治体ごとに違います。詳しくは各自治体に問い合わせるよう、公式サイトも案内しています。
国費の入っていない自治体の補助は、国の補助と重ねられる場合があります。「併用できる」と説明するページが多いのは、こちらの場合です。
福岡市の例:エコキュートに定額2万円
福岡市の「住宅用エネルギーシステム導入支援事業」は、新築にも使える自治体の例です。エコキュートの補助額は定額2万円で、福岡市の公式ページは国など他機関の補助金との併用が可能と書いています。
条件がいくつかあります。エコキュートの補助は、太陽光発電システムとHEMS(家庭の電気の使用量を見える化する機器)が、新設か既設かを問わず必要です。エコキュートだけを単体で入れても補助の対象になりません。機種は、CO2を冷媒に使う空気熱源式のヒートポンプ給湯器で、2025年度の目標基準値に0.2を加えた性能値以上のものに限られます。
申請は工事の着手前に出し、交付対象の決定が出る前に工事を始めると資格を失います。建売住宅は入居前に申請する決まりです。受付は令和9年1月29日までですが、予算がなくなり次第終わります。詳細は福岡市の記事にまとめています。
東京都の例:太陽光で沸き上げるエコキュート
東京都の「熱と電気の有効利用促進事業」では、太陽光発電の電力を使って日中に沸き上げる機能があるエコキュート等に、1台14万円の助成があります。再生可能エネルギー100%の電力メニューの契約や、デマンドレスポンス(電力の需給に合わせて使い方を調整する仕組み)の実証への参加で額が変わる区分もあります。どの条件でいくらになるかは、事業ページの助成金額フローチャートで確かめます。
対象は「都内の住宅に新規に設置された設備」で、設置の期間は令和8年4月1日から令和11年3月30日までです。新築の家が対象に入るかについては、編集部が読んだ事業ページに、新築を認める文も外す文も見当たりませんでした。新築で使えるかは、クール・ネット東京の手引きか窓口で確かめるのが確実です。
同じ設備に、都や公社の同種の助成(東京ゼロエミポイント、東京ゼロエミ住宅の事業など)を重ねて受けることはできません。東京都の住宅の側の補助は新築の補助金の記事で、買い替えのときの東京都の助成はエコキュートの補助金の記事で扱っています。
自分の自治体の制度の探し方
自治体の補助は、自治体の公式サイトで「エコキュート」「給湯器」「脱炭素」などと検索すると見つかります。住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトからは、住宅リフォーム推進協議会の支援制度の検索サイトにも進めます。リフォーム向けの検索サイトですが、新築の制度が載っている自治体もあります。
見つけたら、次の3点を要綱で確かめます。
- 新築が対象に入っているか(既存住宅への設置だけを対象にする制度も多くあります)
- 太陽光発電やHEMSなどの条件が付いているか
- 国の補助との併用について、どう書かれているか
この記事の下にある全国の一覧にも、新築とエコキュートに関わる募集中の制度を並べています。
2024年度・2025年度の記事に書かれた金額は、2026年度には当てはまらない
「新築 エコキュート 補助金 2025」「2024」と検索すると、前の年度の記事が出てきます。年度ごとに、事業の名前も補助額も違います。
2026年度の新築は、給湯省エネ2026事業とみらいエコ住宅2026事業の2つです。前の年度の住宅の事業は、2026年度の事業ではありません。前の年度の記事に書かれた基本額や住宅の補助額を、2026年度の見積もりに使わないでください。
公式サイトに載っているのは2026年度の額だけで、前の年度の額はこの記事でも書いていません。確認できる範囲で言うと、2026年度のエコキュートは基本額7万円と性能加算3万円です。前の年度の記事には「基本額8万円」「最大13万円」といった金額が書かれていることがありますが、2026年度の公式の額とは一致しません。
給湯省エネ2025事業で補助を受けた事業は、給湯省エネ2026事業の対象から除かれます。同じ住宅で前の年度の補助を受けていないかは、既存の住宅を買ってから入れ替える場合に確かめます。
新築のエコキュートの補助金の申請方法
エコキュートの補助金は、施主が国に直接申請するものではありません。給湯省エネ2026事業の公式サイトは、「補助対象者である一般消費者が直接申請をすることはできません」と書いています。
申請するのは登録事業者、施主は共同事業者
申請の手続きと補助金の受け取り、施主への還元は、「給湯省エネ事業者」が行います。新築注文住宅では建築事業者、新築分譲住宅では販売事業者が、あらかじめ登録した事業者になります。
施主は、事業者と「共同事業実施規約」を結びます。規約には、補助金の受取方法、補助金が受けられなかったときの負担の範囲、申請の事務手数料の有無などを、あらかじめ決めておく項目が入っています。
施主が個人の場合は、J-クレジット制度への参加意思の表明も規約で求められます。事務局が指定する団体への入会を選べば、入会の手続きは事務局が行うと公式ページにあります。自分で別のプログラムに入る形も選べます。
申請の進み方(新築注文住宅)
新築注文住宅の流れを、施主の側から見た時間の順に並べます。
| 順 | 動き | 誰が |
|---|---|---|
| 1 | 給湯省エネ事業者として登録された建築会社と、工事請負契約を結ぶ | 施主と建築会社 |
| 2 | 共同事業実施規約を結ぶ(補助金の受取方法もここで決める) | 施主と建築会社 |
| 3 | 建築に着工する(着工前の写真を撮る) | 建築会社 |
| 4 | 交付申請の予約を出す(任意。着工日以降、遅くとも2026年11月16日まで) | 建築会社 |
| 5 | 工事が完了し、住宅が引き渡される | 建築会社と施主 |
| 6 | 交付申請を出す(引渡し以降、遅くとも2026年12月31日まで) | 建築会社 |
| 7 | 交付が決まり、補助金が建築会社に交付される(決定から1〜2か月後) | 事務局から建築会社へ |
| 8 | 契約代金への充当、または現金で施主に還元される | 建築会社から施主へ |
予約は任意です。公式ページには「予算の執行状況を踏まえて、給湯省エネ事業者の責任において判断してください」とあり、予約するかどうかを決めるのは事業者です。
補助金が自分の手元に入る時期
国の補助金は、まず事業者に交付されます。公式ページの表では、エコキュートの交付時期は「交付決定後、1〜2か月後」です。
事業者は、予め施主と合意した方法で補助金を還元します。契約代金に充当する方法と、現金で支払う方法のどちらかです。現金の場合、還元の時期は事前に両者で合意しますが、補助金の交付から遅くとも2か月以内に還元を終える決まりです。
新築注文住宅の交付申請は引渡しのあとなので、補助金は住宅の引渡し時の支払いに間に合いません。住宅ローンの借入額や引渡し時の支払いに補助金を見込まず、あとから戻る金額として資金計画を立てます。契約代金に充当する形にするか現金にするかは、規約を結ぶ前に建築会社と決めておきます。
自分で申請したい、自分でエコキュートを買いたいとき
施主が自分で申請することはできません。エコキュートを施主が自分で買い、建築会社に取り付けだけを頼む形(施主支給)も、公式ページがリフォームの対象外の例として挙げています。新築の場合も、補助を受けるには建築事業者との工事請負契約に機器の設置が含まれていることが前提です。施主支給が新築でも同じ扱いになるかは、公式に書かれた文が見当たらなかったため、建築会社を通じて事務局に確かめてもらいます。
新築のエコキュートの補助金はいつまで?
給湯省エネ2026事業の公式ページで、期限は次のように定められています。
| 内容 | 期限 |
|---|---|
| 交付申請の予約の受付 | 予算上限に達するまで(遅くとも2026年11月16日まで) |
| 交付申請の受付 | 予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで) |
| 着工日の期間(新築注文住宅) | 2025年11月28日から、予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで) |
| 交付申請の予約の有効期間 | 提出から3か月または2026年12月31日のいずれか早い日まで |
予算の上限に達すると、期限より前に受付が終わります。公式サイトには、補助金の申請額が予算に対して何%に達したかを毎日示すページがあり、予算の残りは公式サイトで見られます。この記事では消化率を書きません。数字が日ごとに変わるためです。
新築注文住宅の交付申請は引渡しのあとです。受付の最終日は遅くとも2026年12月31日、予約の有効期間も12月31日までです。この2つの日付から、住宅の引渡しが2027年になる家は、交付申請が受付の最終日に間に合わない計算になります。この場合の特例の扱いは公式に書かれていなかったので、引渡しの時期が年末前後の家は、早めに建築会社へ確かめてもらいます。
分譲住宅は、「着工日」にあたる引渡日が2026年12月31日までの物件が対象です。引渡し予定日が年をまたぐ物件を検討している人は、販売事業者に予約の可否を確かめます。
引渡しの時期ごとに、公式の日付から読める状況を表にしました。表は編集部が日付を並べて読んだもので、公式が個別のケースを示したものではありません。
| 引渡しの時期 | 予約 | 日付から読める状況 |
|---|---|---|
| 2026年11月16日までに予約を入れ、12月31日までに引渡しを終える | あり | 予約で予算が確保され、引渡しのあとに交付申請を出せる通常の流れ |
| 12月に入ってから引渡しを終える | なし | 予約の受付は終わっていて、引渡し後に交付申請を出す。予算が先に尽きると間に合わない |
| 2027年に引渡しとなる | 予約の有効期間は12月31日まで | 交付申請の受付が先に終わる計算。特例の記載は公式に見つからなかった |
着工が遅れて引渡しが年をまたぎそうなときは、補助を前提にした資金計画を組み直し、建築会社に引渡しの見通しを確かめてもらいます。
新築エコキュートの代表的な補助金の金額
新築の住宅とエコキュートに使える募集中の制度を、上限額で比べた表です(制度名を押すと下の全国一覧のその制度へ移ります)。住宅そのものの補助(ZEHなど)は上限が桁違いに大きく、エコキュートの補助額とは別の話です。給湯省エネ2026事業の行にある「最大17万円」は、エネファームの基本額です。エコキュートは基本額7万円に性能加算3万円で、最大10万円です。
