この補助金には2つの枠があり、受付期間が違います。スタートアップ枠は2026年10月30日に締め切りました。学生起業家AI等導入枠は、2027年1月29日の午後5時(必着)まで受け付けます。
AI導入枠は、県内の高専・大学の学生起業家等が開発したAIを導入する事業が対象です。補助率は2/3以内で、上限は区分により300万円か500万円です。交付は先着順なので、期限より前に予算が尽きる場合があります。
新時代スタートアップ成長支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:新時代スタートアップ成長支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- AI等の導入・実証、スタートアップの新事業創出
- 対象地域
- 徳島県
- 従業員数
- 中小企業者の範囲内(業種別。本文で説明)
いくら
- 補助上限額
- 上限2,000万円(枠により300万・500万・2,000万円)
- 補助率
- 補助対象経費の2/3以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年10月8日〜2027年1月29日(AI導入枠)
- 事業の完了
- 交付決定日〜2027年2月26日
上限の内訳は、AI導入枠のバックオフィス型が300万円、工場・機械設備型が500万円です。スタートアップ枠は2,000万円で、受付は終了しています。
2つの枠の違いはどこにある?
読む前に、自社がどちらの話なのかを分けておきます。
| 区分 | AI導入枠 | スタートアップ枠 |
|---|---|---|
| 誰が使うか | 県内の中小企業 | 県内のスタートアップ等 |
| 何をするか | 学生起業家等のAIを導入して検証 | 先端技術の開発・実証・事業拡大 |
| 上限 | 300万円または500万円 | 2,000万円 |
| 受付 | 2027年1月29日午後5時必着まで | 2026年10月30日で終了 |
| 決め方 | 先着順 | 審査委員会で評価(3件程度の予定) |
「スタートアップ補助金」という名前でも、中小企業がAIを入れるための枠はAI導入枠のほうです。この記事は主にAI導入枠を扱います。
うちの会社は対象になる?
AI導入枠は、次の4つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
中小企業者とは、中小企業基本法で決まる規模の会社のことです。資本金か従業員数のどちらか一方が基準以下なら該当します。製造業・建設業・運輸業などは資本金3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。
対象になる主体は、個人事業主(商工業者)と、株式会社・合同会社などの営利法人です。医療法人、社会福祉法人、一般社団法人、学校法人、農事組合法人、任意団体などは対象になりません。
学生起業家等とは、県内の高等専門学校・大学の在校生、卒業・修了者、教員が設立した法人等を指します。35歳未満が始めた事業(開始から7年以内)か、教員が研究成果の事業化のために設立した法人が該当します。事業を始める予定の人も含まれます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 連携先が県内の学生起業家等でない
- ✕ 県税を滞納している
- ✕ 同じ内容で他の補助金の交付決定を受けた
- ✕ 設備やシステムを県外に置く
申請は1事業者につき1回で、複数の申請は受け付けません。
勘違いしやすいのは「誰がスタートアップなのか」
AI導入枠の「スタートアップ」は、申請する側ではありません。申請するのは中小企業で、スタートアップや学生起業家は連携先(AIの提供元)です。
一方、スタートアップ枠の申請者には厳しい条件がありました。法人設立から15年を経過していない未上場の会社で、県内の高等教育機関に大学発ベンチャー等として認定されているか、経済産業省の「J-Startup」「J-Startup WEST」の選定事業者であることが要件です。知事が同等と認める場合もあります。
過去に県の「新時代イノベーション創出支援費補助金」等で採択された事業者は、スタートアップ枠では対象外でした。同じ名前の補助金でも、枠が違えば申請者がまったく違います。
いくら戻ってくる?
補助額は、対象経費に2/3を掛けた額です。千円未満は切り捨てます。上限に届くのは、バックオフィス型で対象経費が450万円以上、工場・機械設備型で750万円以上のときです。
- 帳票処理のAIを入れる(バックオフィス型):90万円 × 2/3 = 60万円
- 検品用のセンサーと画像認識AIを入れる(工場・機械設備型):600万円 × 2/3 = 400万円
- 同じ工場型で経費が900万円:900万円 × 2/3 = 600万円 → 上限の500万円
対象経費は消費税抜きで考えます。ただし免税事業者と簡易課税事業者は、消費税込みで申請できます。精算払なので、先に自社で全額を支払うことになります。
何に使える?
対象にならないもの
- 申請する中小企業自身の人件費(AI導入枠)
- 役員・従業員や、連携先の学生起業家等への報償費
- エアコンなど職場環境の改善、一般照明のLED化
- 一般的な乗用車、軽トラック、バンなどの車両
- 家庭用・一般事務用のソフトウェア
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費
- 徳島県外に設置する機械装置やシステム
- 文房具、名刺などの事務用消耗品
汎用性の高いパソコンやタブレットは、事業に必要な最小限で、AIのシステムと一体で使うものに限り対象になります。
対象になるもの
- 学生起業家等・大学・研究機関への委託費(調査、開発、システム構築、試験など)
- 機械装置等費(センサー、制御装置、専用ソフト、据付工事)
- 物品費(検証に必要な部品や消耗品。1件10万円未満のもの)
- 外部アドバイザーへの報償費(AI導入枠のみ)
- 自社の役員・従業員の出張にかかる旅費
- 学生起業家等の現地訪問にかかる費用弁償
- AIサービス、API、クラウドサーバーの利用料
- 印刷製本費、広報費、会議費、通信運搬費
リースは原則として対象外です。ただしSaaS、AIサービス、クラウド利用料のようなサービス利用料は、補助事業期間中の分に限り対象になります。委託先が買う単価50万円以上の機械は、所有権が補助事業者に帰属します。
申請の流れ
- 連携先の学生起業家等を決め、見積書をもらう(事業者→学生起業家等。見積書の取得は交付決定の前でも対象です)
- 申請書類を県に出す(事業者→産業成長推進課。2027年1月29日午後5時必着。持参か書留などの郵送)
- 審査を受け、交付決定を待つ(徳島県→事業者。専門アドバイザーの意見を聞いて先着順に決まります)
- 交付決定のあとに発注・契約し、導入する(事業者。2027年2月26日までに支払いまで終える)
- 実績報告書を出す(事業者→県。事業の完了から30日後か2月26日のいずれか早い日まで)
- 県が額を確定し、請求書を出して受け取る(徳島県→事業者。確定の通知を受けたら、請求書(様式第5号)を出します)
提出は正1部と写し8部の計9部です。申請書、事業計画書、経費明細表は電子データもメールで送ります。
必要な書類
準備できた 0 / 10
見積書は「一式」でなく内訳が分かるものにします。図面と写真、仕様書は、機械装置等を導入や改造する場合の書類です。登記簿謄本と決算書(直近1期分)は法人、確定申告書は個人事業主の書類です。開業前の人は、事業の完了までに開業届の写しを出します。
県税の納税証明書は400円分の県収入証紙が要り、受付から交付まで15分ほどかかります。窓口で受け取るので、申請の直前に慌てないよう早めに動いてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:見積書の取得は構いませんが、発注・契約・支払いは交付決定日より前だと対象外です。前払いも含みます。
- 予算が先になくなった:AI導入枠は先着順で、期限の前に枠が尽きることがあります。早めに出すのが安全です。
- 支払い方法が認められない:1取引10万円超(税抜)の現金払い、電子マネー、手形、相殺は認められません。原則は銀行振込です。
- 期間内に支払いが終わらなかった:2027年2月26日までに支払いまで完了しない経費は対象外です。クレジットカードは期間中に引き落としまで終わる場合だけ認められます。
- 実績報告が遅れた:合理的な理由を示せないと、交付決定を取り消されることがあります。
補助金で買った物と、ほかの補助金の扱い
単価50万円(税抜)以上の機械・装置は、完了後も管理する義務があります。売却や貸付、担保にしたいときは、事前に県の承認が要ります。
同じ経費に、県以外の国や自治体の補助金を使うことはできません。同一内容の事業で、ほかの公的補助金の交付決定や内定を受けている場合も申請できません。
AI導入枠には、成果物とAIモデルの権利の帰属を学生起業家等と事前に取り決める義務と、守秘義務があります。連携先との契約書に入れておきます。
編集部としては、締切の2027年1月29日を待たずに、見積書の取得と連携先との契約条件のすり合わせを先に進めることを勧めます。先着順で、交付決定のあとにしか発注できないためです。
よくある質問
スタートアップ枠にも申請できますか?
スタートアップ枠の受付は2026年10月8日から10月30日の午後5時(必着)までで、終了しています。2027年1月29日まで受け付けているのは、学生起業家AI等導入枠だけです。今回と同じ形での次の募集があるかは、公式ページに記載がありません。徳島県経済産業部の産業成長推進課に問い合わせて確かめてください。
学生起業家等とは、どんな人や会社ですか?
県内の高等専門学校・大学の在校生、卒業・修了者、教員が設立した法人等です。35歳未満の人が新たに始めた個人事業か設立した法人で、開始・設立から7年以内のものが対象です。教員が研究成果の事業化のために設立した法人も含まれます。事業開始や会社設立を予定している人も入ります。連携先がこの範囲に入るかは、申請前に必ず確かめてください。
県外の学生起業家のAIを導入しても対象になりますか?
対象外と読めます。申請者の要件が「県内の学生起業家等からAI等先端技術を導入し、事業成長のシナジー効果を図る者」で、学生起業家等の定義も県内の高専・大学の関係者だからです。県外の企業が開発したAIを入れたい場合も、この枠の趣旨とは合いません。個別の判断は産業成長推進課への確認が確実です。
自社の従業員の人件費は補助されますか?
AI導入枠では、申請する中小企業自身の人件費は対象外です。ただし委託費の中に含まれる学生起業家等の実質的な人件費やシステム開発費は対象になります。外部アドバイザーへの報償費は対象ですが、自社の役員・従業員や連携先の学生起業家等本人への支払いは対象外です。契約書の書き方で区分が変わるため、見積書の内訳を細かく分けておくと安心です。
パソコンやエアコン、車は買えますか?
エアコンの導入や入れ替え、一般照明のLED化は、職場環境の改善にあたり対象外です。一般的な乗用車、軽トラック、バンも対象外になります。パソコンとタブレットは、事業に必要な最小限で、AIのシステムや設備と一体で使うものに限って対象です。フォークリフトのように機械装置に区分されるものは、車両でも対象になる場合があります。
見積書を取るのは交付決定の前でもいいですか?
見積書の取得は、交付決定日より前でも補助の対象です。一方で発注、契約、購入、支払い(前払いを含む)は、交付決定日より前だと対象外になります。クラウドやSaaSの利用契約も、交付決定の前に結んだものは対象外です。見積書を早めに集めておき、契約は交付決定の通知を受けてからにします。
先着順とは、申請が早ければ必ず通るという意味ですか?
そうとは限りません。AI導入枠は、県が専門アドバイザーの意見を聞いて審査し、予算の範囲内で先着順に交付を決めます。つまり審査は通る必要があり、そのうえで早い申請から枠が埋まります。書類に不備があると出し直しになり、順番が遅れます。課題とAI導入の目的、成果目標を具体的に書いて、早めに出してください。
申請書類はどこへ、何部出しますか?
徳島県庁5階の経済産業部 産業成長推進課に、持参か郵送で出します。郵送は書留など配達記録が残る方法にします。部数は正1部と写し8部の9部で、申請書・事業計画書・経費明細表は電子データもメールで送ります。受付時間は午前9時から午後5時まで(土日祝を除く)で、期限は午後5時必着です。
補助金はいつ、どうやって受け取りますか?
事業の完了後に実績報告書を出し、県が補助金額を確定して通知します。そのあとに請求書(様式第5号)を出すと支払われる精算払です。先に自社で全額を支払う資金が要ります。公式ページの日程では、補助金の支払いは2027年3月31日までです。支払いの根拠になる見積書、契約書、納品書、請求書、振込受領書などは、補助事業が完了した年度の終了後5年間、保存します。
ほかの補助金と併用できますか?
同じ経費に、徳島県以外の国や自治体の補助金を使うことはできません。同一内容の事業で他の公的補助金の交付決定や内定を受けている場合も、申請できません。ただし、補助事業と別の経費であれば、ほかの制度を使えるかは個別の判断になります。区分経理が求められるので、経費を分けて管理し、不安があれば県に問い合わせてください。
問い合わせ先はどこですか?
徳島県 経済産業部 産業成長推進課(電話 088-621-2147)です。受付は午前9時から午後5時まで、土日祝を除きます。連携先が学生起業家等に当たるか、経費が対象になるか、受付状況に残りの枠があるかなど、公式ページに書かれていない点は申請の前に確かめておくと、出し直しを防げます。
