営業担当に生成AIを使えるようになってほしい。経理をクラウド会計に移したいが、社内に分かる人がいない。外部研修に出そうと調べたら、1人あたり30万円と言われた。
社員5人を出せば150万円です。この費用を国や自治体が肩代わりする制度があります。国の人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースは、中小企業なら訓練経費の75%が助成され、さらに訓練中の賃金も1人1時間あたり960円が出ます。
つまり研修費だけでなく、「研修に出している間、その社員が現場にいない」という機会損失の一部まで補填される設計です。にもかかわらず、この制度を知らずに全額自己負担で研修を発注している会社は少なくありません。
この記事では、リスキリングに使える制度を国・都道府県・市区町村の3層で並べ、どれをどう組み合わせるかを整理します。
リスキリングで使える補助金・助成金の全体像
リスキリング支援は3層構造ですが、層によって性格がまったく違います。
| 層 | 代表的な制度 | 性格 | 上限の幅 |
|---|---|---|---|
| 国 | 人材開発支援助成金(厚生労働省・複数コース) | 要件を満たせば原則として支給される「助成金」 | 1事業所1年度あたり1億円 |
| 都道府県 | DXリスキリング助成金、リスキリング応援補助金など | 予算枠の中で審査される「補助金」 | 20万〜100万円 |
| 市区町村 | 人材育成補助金、研修費補助金など | 同上。金額は小さいが手続きが軽い | 5万〜60万円 |
国の助成金と自治体の補助金は、性格が根本的に違います。助成金は要件を満たせば原則として支給されます(予算の範囲内という条件は付きます)。一方、補助金は審査があり、要件を満たしても不採択になり得ます。
だから順番は国が先です。 確実性の高い国の助成金を押さえたうえで、自治体の上乗せを探すのが合理的な進め方になります。
先に用語を押さえます
- リスキリング… 事業展開や技術変化に対応するため、従業員に新しい分野の知識・技能を身につけさせることです。国の制度では「事業展開等リスキリング」という名前で定義されています。
- 助成金と補助金の違い… 助成金(主に厚生労働省)は要件を満たせば原則支給、補助金(主に経済産業省・自治体)は審査で採択が決まります。
- 計画届… 訓練を始める前に労働局へ出す書類です。訓練開始日から起算して1か月前までに提出する必要があります。ここを逃すと助成を受けられません。
- 認定経営革新等支援機関… 国が認定した支援機関(商工会議所・金融機関・税理士など)のことです。2026年の制度改正で、リスキリング支援コースにこの機関の確認が必要になりました。
【国の制度】人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
リスキリングで最初に検討すべき制度がこれです。 厚生労働省の制度で、窓口は都道府県労働局です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。雇用保険適用事業所であること) |
| 対象の訓練 | ①事業展開にあたり新分野で必要となる専門的な知識・技能の訓練/②事業展開は行わないが、企業内のDX化・GX(グリーン・カーボンニュートラル)化を進めるうえで必要な訓練 |
| 経費助成率 | 中小企業75%/大企業60% |
| 賃金助成額 | 中小企業960円/大企業480円(1人1時間あたり) |
| 1事業所1年度あたりの助成限度額 | 1億円 |
| 公式サイト | 厚生労働省「人材開発支援助成金」 |
受講者1人あたりの経費助成の上限
助成率75%といっても、1人あたりの上限があります。訓練時間で3段階に分かれます。
| 訓練時間 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 10時間以上100時間未満 | 30万円 | 20万円 |
| 100時間以上200時間未満 | 40万円 | 25万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
実際にいくら戻るか
具体例で見てください。従業員10名のサービス業が、営業担当3名を生成AI活用の研修に出すとします。
- 研修費は1人あたり24万円(受講時間は40時間)
- 3名で合計72万円
- 経費助成は75%なので 54万円
- ただし受講者1人あたりの上限は、40時間なので30万円。1人18万円(24万円×75%)は上限内なので、そのまま54万円が出ます
- さらに賃金助成が960円 × 40時間 × 3名 = 11万5,200円
- 合計 約65万5,200円が助成されます
72万円の投資に対して65万円が戻る計算です。 自己負担は実質7万円弱になります。これは補助金の中でもかなり手厚い水準です。
気をつけるべき2つの手続き
1つめ。計画届を訓練開始の1か月前までに出す必要があります。 これが最大の落とし穴です。研修を申し込んで、開講日が2週間後だと間に合いません。研修を探し始めた段階で、労働局への提出スケジュールを逆算してください。
2つめ。「事業展開等実施計画」(様式第2号)を作ります。 訓練実施計画届と一緒に提出する書類で、どんな事業展開のために、どの分野の知識・技能が必要なのかを具体的に書きます。
事業展開は「訓練開始日から起算して3年以内に実施する予定のもの、または6か月以内に実施したもの」である必要があります。「いつか役に立つから」では要件を満たしません。
ただし②のDX化・GX化を進める訓練であれば、事業展開そのものは不要です。社内の業務をデジタル化するための研修なら、この②の枠で申請できます。
2026年の制度改正で確認手続きが増えました
制度改正により、認定経営革新等支援機関の確認が必要になったという情報があります。 認定経営革新等支援機関とは、国が認定した支援機関(商工会議所・金融機関・税理士など)のことです。申請前に、管轄の都道府県労働局に最新の必要書類を確認してください。
【国の制度】人材開発支援助成金のその他のコース
リスキリング支援コースだけが選択肢ではありません。目的によって、より条件の良いコースがあります。
| コース | 何に使うか | 助成の水準 | 参考記事 |
|---|---|---|---|
| 人材育成支援コース | 一般的な職務に関する訓練、有期契約社員の正社員化を伴う訓練 | 経費助成率45%〜85%(訓練の種類・雇用形態・企業規模で変動) | 人材育成支援コースの記事 |
| 人への投資促進コース | 高度デジタル人材の育成、自発的な訓練の支援、定額制訓練(サブスク型のeラーニング) | 経費助成率45〜75%+賃金助成 | — |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練休暇制度を導入する | 上限30万円(定額支給) | 教育訓練休暇等付与コースの記事 |
| 建設労働者技能実習コース | 建設業の技能実習 | 上限500万円 | — |
| 建設労働者認定訓練コース | 建設業の認定訓練 | 上限3,800円(定額・按分) | — |
「人への投資促進コース」の定額制訓練は見落とされがちです。 サブスク型のeラーニングサービスを導入する費用が対象になります。年間契約のオンライン学習サービスを社員全員に開放する、という使い方ができます。
制度全体の解説は人材開発支援助成金の記事にまとめています。
どのコースを使うかで、助成率も上限も変わります。 「リスキリング」という言葉に引きずられず、自社がやりたい訓練に一番合うコースを選んでください。
【都道府県の制度】県レベルのリスキリング補助金
国の助成金とは別に、都道府県が独自にリスキリング補助を用意しています。
| 都道府県 | 制度名 | 上限額 | 補助率 | 申請期限 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 令和8年度DXリスキリング助成金 | 100万円 | 対象経費の3/4(上限75,000円/人/研修) | 2027-08-31 |
| 熊本県 | リスキリング応援補助金 | 50万円 | 補助対象経費の75%以内 | 2027-02-15 |
| 広島県 | 人材開発支援助成金活用支援補助金 | 50万円 | 4/5(80%) | 2027-03-31 |
| 愛媛県 | 令和8年度地域産業リスキリング実践支援補助金 | 30万円 | 対象経費の1/2 | 2026-10-30 |
| 愛媛県 | RX研修費補助金 | 20万円 | 補助対象経費の2/3以内 | 2027-01-29 |
| 埼玉県 | DX人材育成講座補助金 | 20万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 秋田県 | 令和8年度価格転嫁推進研修等事業費補助金 | 30万円 | 3/4以内 | 2027-01-29 |
| 北海道 | 産業人材育成支援事業(派遣) | 50万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 宮崎県 | 半導体人材育成サポート事業補助金 | 100万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 静岡県 | 航空機産業高度人材育成補助金 | 公式ページで確認 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
広島県の制度は名前が示すとおり、国の人材開発支援助成金を使う会社を支援する制度です。 補助率4/5・上限50万円で、国の助成金の申請にかかる手間や自己負担部分を県が支える設計になっています。広島県の事業者は、国と県の両方を使える可能性があります。
東京都のDXリスキリング助成金は「上限75,000円/人/研修」という細かい制限があります。 総額100万円まで出ますが、1人1研修あたりは7万5,000円が上限です。10万円の研修に出すと、7万5,000円までしか対象になりません。研修の単価と人数の組み合わせを事前に計算してください。
業種特化の枠に注目してください。 宮崎県の半導体、静岡県の航空機産業のように、地域の主力産業に特化した人材育成補助があります。該当する業種なら、一般枠より条件が良いことがあります。
【市区町村の制度】市区町村レベルの研修費補助
金額は小さいですが、手続きが軽く、国の制度と組み合わせやすいのが利点です。
| 市区町村 | 都道府県 | 制度名 | 上限額 | 補助率 | 申請期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 葛飾区 | 東京都 | 物流・建設の人材育成補助 | 60万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 新潟市 | 新潟県 | 人材育成助成金 | 100万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 大分市 | 大分県 | 中小企業者経営力強化促進補助金(人材育成応援事業) | 30万円 | 1/2(DX研修は2/3) | 公式ページで確認 |
| 堺市 | 大阪府 | 中小企業DXリスキリング補助金 | 20万円 | 1/2以内 | 2027-01-29 |
| 岸和田市 | 大阪府 | 人材育成補助金 | 10万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 宇治市 | 京都府 | 中小企業人材育成支援事業 | 10万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 中央区 | 東京都 | 中小企業技術者高度研修受講助成 | 10万円 | 1/2(千円未満切り捨て) | 2027-01-29 |
| 鯖江市 | 福井県 | 人材育成支援補助金 | 10万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 茅野市 | 長野県 | 中小企業の人材育成等に対する補助金 | 10万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 大垣市 | 岐阜県 | リスキリング推進事業助成金 | 4万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 高松市 | 香川県 | 人材育成事業補助金 | 5万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 岩手町 | 岩手県 | 新規雇用等研修費補助金 | 15万円 | 補助対象経費の1/3以内 | 公式ページで確認 |
大分市が「DX研修は2/3」と率を上げているのが典型例です。 自治体はデジタル人材の育成に力を入れているため、DX関連の研修は率が優遇される傾向があります。
どれを選ぶべきか
自社の状況から逆算できるよう整理します。
| あなたの状況 | 主軸にする制度 | 期待できる助成 | 手続きの重さ |
|---|---|---|---|
| 事業展開に必要な新分野の研修(3年以内の展開予定あり) | 国の事業展開等リスキリング支援コース | 経費75%+賃金960円/時 | 重い(計画届が1か月前) |
| 社内のDX化・GX化のための研修(事業展開なし) | 国の事業展開等リスキリング支援コース(②の枠) | 同上 | 同上 |
| 一般的な職務の訓練、正社員化を伴う訓練 | 国の人材育成支援コース | 経費45〜85% | 重い |
| eラーニングをサブスクで導入したい | 国の人への投資促進コース(定額制訓練) | 経費45〜75% | 重い |
| 有給の教育訓練休暇制度を作りたい | 国の教育訓練休暇等付与コース | 上限30万円(定額) | 中程度 |
| 東京都でDX研修に出したい | 東京都DXリスキリング助成金 | 3/4(上限7.5万円/人/研修) | 中程度 |
| 広島県で国の助成金を使いたい | 広島県の活用支援補助金 | 4/5(上限50万円) | 中程度 |
| 数万円の研修に1〜2人出すだけ | 市区町村の研修費補助 | 5万〜20万円 | 軽い |
| 建設業の技能実習 | 国の建設労働者技能実習コース | 上限500万円 | 重い |
| 半導体・航空機など特定産業の人材育成 | 都道府県の業種特化枠 | 制度による | 中程度 |
判断の分かれ目は3つです
分かれ目1:訓練開始まで1か月以上あるか。 国の人材開発支援助成金は、訓練開始日の1か月前までに計画届が必要です。来週から始まる研修には使えません。今すぐ受けたい研修があるなら、自治体の補助金のほうが現実的です。
分かれ目2:訓練時間が10時間以上あるか。 リスキリング支援コースの経費助成の上限は「10時間以上100時間未満で30万円」からです。半日のセミナー1回では要件を満たしません。 まとまった時間の訓練が対象です。
分かれ目3:雇用保険の適用事業所か。 厚生労働省の助成金は、雇用保険適用事業所であることが前提です。役員だけの会社、従業員がいない個人事業主は対象になりません。 その場合は自治体の補助金を探してください。
併用できるか
国の助成金と自治体の補助金は、同じ経費に対しては原則として重ねられません。 ただし例外的な設計があります。
| 組み合わせ | 可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 国の人材開発支援助成金 + 広島県の活用支援補助金 | 併用を前提にした設計 | 県の制度が「国の助成金の活用」を支援する目的で作られている |
| 国の助成金 + 都道府県の一般的なリスキリング補助 | 原則不可 | 同じ研修費を二重に助成できない |
| 国の助成金 + 市区町村の研修費補助 | 自治体ごとに確認が必要 | 交付要綱の「他の補助金等との調整」を確認 |
| 人材開発支援助成金の複数コース(同じ訓練) | 不可 | 1つの訓練に複数コースを適用できない |
| 人材開発支援助成金の複数コース(別の訓練) | 可能 | ただし1事業所1年度あたりの限度額(1億円)が通算される |
| リスキリング補助 + 設備投資の補助金 | 可能 | 対象経費が別なので競合しない |
「1事業所1年度あたり1億円」という限度額は通算です。 複数のコースを使う場合、合計でこの枠に収まる必要があります。中小企業でこの枠を使い切るケースは稀ですが、大規模な訓練を計画している場合は確認してください。
併用するときの順番
- 国の人材開発支援助成金の要件を確認する。 対象になるなら、これが最も金額が大きい
- 訓練開始の1か月前までに計画届を提出する
- 自治体の制度で、国との併用が認められているものを探す
- 併用が不可なら、金額を計算して有利なほうを選ぶ
申請の流れ(共通)
国の人材開発支援助成金を例に、標準的な流れを示します。
- どのコースを使うかを決める。 事業展開等リスキリング支援コース、人材育成支援コース、人への投資促進コースなど、訓練の内容で選びます
- 訓練内容と実施機関を決める。 対象になる訓練の要件(時間数、実施形態)を満たすかを確認します
- 「事業展開等実施計画」(様式第2号)を作る。 どんな事業展開のために、どの分野の知識・技能が必要かを書きます
- 訓練実施計画届を作る。 訓練の内容、受講者、時間数、費用を記載します
- 訓練開始日の1か月前までに、事業所所在地を管轄する都道府県労働局へ提出する
- 訓練を実施する。 出勤簿、受講記録、訓練内容が分かる資料を保存します
- 訓練終了後、支給申請を行う。 領収書、受講証明、賃金台帳などを添付します
- 支給決定を受け、入金される
自治体の補助金の場合
自治体の補助金は、交付申請 → 交付決定 → 研修受講 → 実績報告 → 入金という流れになります。交付決定より前に研修を申し込むと対象外になる自治体があります。国の助成金と同様、先に手続きを済ませてください。
落ちる・返還になる要因
1. 計画届の提出が間に合わなかった
最も多い失敗です。 訓練開始日から起算して1か月前までという期限は厳格です。研修の開講日が近い場合、その研修では助成を受けられません。次の開講回に回すか、別の研修を探すことになります。
2. 事業展開との関連を説明できなかった
「事業展開等実施計画」で、訓練内容と事業展開のつながりを示せないと不支給になり得ます。「社員のスキルアップのため」だけでは足りません。 どんな新事業・新分野に進むために、その知識・技能が必要なのかを具体的に書いてください。
なお、DX化・GX化のための訓練であれば、事業展開そのものは不要です。その場合は「社内のどの業務をどうデジタル化するのか」を書きます。
3. 訓練時間が要件を満たさなかった
経費助成の区分は10時間以上から始まります。短時間のセミナーは対象外です。 受講予定の研修が何時間かを事前に確認してください。
4. 受講記録が不十分だった
出勤簿、受講証明、訓練の実施記録が求められます。オンライン研修の場合、受講ログが必要になることがあります。 研修提供事業者に「助成金の申請に使うので、受講記録を発行してもらえるか」を事前に確認してください。
5. 雇用保険の適用事業所でなかった
厚生労働省の助成金は、雇用保険適用事業所であることが前提です。役員のみの会社は対象になりません。
6. 対象外の経費を計上した
次のようなものは対象外になりがちです。
- 交通費・宿泊費(コースによっては一部対象)
- 資格の受験料(訓練経費とは別扱い)
- 教材の中で汎用性の高いもの(一般的な書籍など)
- 訓練とは無関係の飲食費
7. 訓練内容が変更になった
計画届で出した内容と実際の訓練が違うと、支給されないことがあります。やむを得ず変更する場合は、事前に労働局へ相談してください。
よくある質問
リスキリング補助金で一番金額が大きいのはどれですか?
国の人材開発支援助成金です。 1事業所1年度あたりの助成限度額が1億円で、経費助成率は中小企業75%、さらに訓練中の賃金も1人1時間あたり960円が助成されます。自治体の制度は上限20万〜100万円程度なので、桁が違います。ただし訓練開始の1か月前までに計画届が必要という手続きの制約があります。
1人あたりいくらまで出ますか?
事業展開等リスキリング支援コースの場合、訓練時間で3段階に分かれます。 中小企業で10時間以上100時間未満なら30万円、100時間以上200時間未満なら40万円、200時間以上なら50万円が受講者1人あたりの経費助成の上限です。これに加えて賃金助成が1人1時間あたり960円出ます。
事業展開の予定がなくても使えますか?
使えます。 事業展開等リスキリング支援コースには2つの枠があり、②の枠は「事業展開は行わないが、企業内のDX化・GX化を進めるにあたり必要な訓練」を対象にしています。社内の業務をデジタル化するための研修なら、この枠で申請できます。
オンライン研修やeラーニングでも対象になりますか?
対象になります。 ただしeラーニング・通信制の訓練については、受講者1人あたりの経費助成の上限が別に設定されています(中小企業15万円、大企業10万円という改定情報があります)。集合研修とオンライン研修で上限が違う点に注意してください。詳しくは最新のパンフレットで確認してください。
個人事業主でも申請できますか?
雇用保険適用事業所であれば申請できます。 従業員を雇用して雇用保険に加入している個人事業主は対象です。逆に、従業員がおらず雇用保険の適用を受けていない場合は対象になりません。その場合は自治体の補助金を探してください。
国と自治体の制度は併用できますか?
原則として、同じ研修費に対して二重に助成を受けることはできません。 ただし広島県の「人材開発支援助成金活用支援補助金」のように、国の助成金の活用を前提にした県の制度もあります。自治体の交付要綱の「他の補助金等との調整」の条項を確認してください。
研修が来週から始まります。今から申請できますか?
国の人材開発支援助成金は使えません。 訓練開始日から起算して1か月前までに計画届を提出する必要があるためです。次の開講回に回すか、自治体の補助金を検討してください。自治体の制度でも交付決定前の申込は対象外になることが多いので、まず担当課に確認してください。
何人まで受講させられますか?
人数の上限は設けられていませんが、1事業所1年度あたりの助成限度額(1億円)の範囲内になります。実務上は、受講者1人あたりの上限(30万〜50万円)× 人数で計算してください。10名を40時間の研修に出すなら、経費助成の上限は300万円です。
助成金はいつ振り込まれますか?
訓練が終わってから支給申請を行い、審査を経て入金されます。 研修費は先に自社で支払う必要があります。入金までの期間は労働局の審査状況によりますが、支給申請から数か月かかることを見込んでください。
補助金と助成金はどちらが確実ですか?
厚生労働省の助成金のほうが確実性が高いといえます。 助成金は要件を満たせば原則として支給されるのに対し、補助金は審査があり、要件を満たしても採択されないことがあります。ただし助成金にも不支給の要件があり、書類の不備や手続きの遅れがあれば支給されません。「必ずもらえる」わけではない点は同じです。
認定経営革新等支援機関の確認とは何ですか?
認定経営革新等支援機関とは、国が認定した支援機関(商工会議所・金融機関・税理士など)のことです。2026年の制度改正で、リスキリング支援コースの申請にこの機関の確認が必要になったという情報があります。最新の必要書類は、管轄の都道府県労働局に直接確認してください。 制度改正の内容は年度によって変わります。
