長期優良住宅を新築すると、国のみらいエコ住宅2026事業から1戸あたり80万円(寒冷地を含む1〜4地域)か75万円(5〜8地域)の補助が出ます。建て替える前の古い家を取り壊すと20万円が加わり、最大100万円です。補助金は施主の口座ではなく、家を建てる会社(みらいエコ住宅事業者)に振り込まれます。公式サイトは振込の時期を、2026年度末(2027年3月末頃)と、完了報告の審査が終わった月の20日締め・翌月末のうち早いほうと案内しています。施主には、原則として工事代金の最後の支払いを減らす形で届きます。
自分が住む家(注文住宅・分譲住宅)の新築は、対象が子育て世帯と若者夫婦世帯に限られ、申請は会社が行います。賃貸住宅の新築だけは世帯の条件がありません。この2つに当たらない世帯や、着工のあとに認定を申請した場合は、補助を受けられません。
既存の住宅を長期優良住宅の水準まで直すリフォームの補助(長期優良住宅化リフォーム推進事業)は、令和7年度の交付申請の受付を2025年11月に締め切っています。令和8年度の募集は、国土交通省と事業の実施支援室のページで確認できませんでした。リフォームで国の補助を使うなら、みらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠を調べます。
補助金とは別に、長期優良住宅には住宅ローン減税の借入限度額の上乗せや固定資産税・不動産取得税・登録免許税の軽減があります。この記事では先に補助と減税の仕組み、補助金がいつ手元に届くかを整理しました。そのあとに代表的な補助金の金額と締切の暦、多くの制度に共通する注意点と都道府県・市区町村の制度の一覧を載せています。
長期優良住宅の補助金の概要
長期優良住宅の補助金は、お金を出す側で国と自治体の2つに分かれます。国の補助は新築ならみらいエコ住宅2026事業、リフォームなら長期優良住宅化リフォーム推進事業やみらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠です。自治体の補助は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や省エネ住宅を対象にした県や市の制度が中心です。さいたま市や名古屋市のように市の単位で探すときは、市の公式サイトで「長期優良住宅」「ZEH」「省エネ住宅」と検索し、県の補助金制度とあわせて調べます。
長期優良住宅とは(認定の基準と取り方)
長期優良住宅は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律にもとづいて長く良い状態で使えるように手を打った住宅として所管行政庁(都道府県や市区町村)の認定を受けた住宅です。家を建てる人か分譲する会社が、建築と維持保全(点検と修繕)の計画を作って申請します。認定は新築が平成21年6月4日から、既存住宅の増改築が平成28年4月1日から始まりました。増改築をしない既存住宅の認定は令和4年10月1日からです。
国土交通省の長期優良住宅のページは、認定の基準として次の5つを挙げています。
- 住宅の構造と設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること
- 住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること
- 地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること
- 維持保全計画が適切なものであること
- 自然災害による被害の発生の防止・軽減に配慮されたものであること
1つ目の「措置」の中身は劣化対策・耐震性・省エネルギー性・維持管理のしやすさなどの項目で、国の告示と住宅性能表示制度の評価方法基準で細かく決まっています。施主が自分で基準を読み込むより、設計を頼む会社に「長期優良住宅の認定を取る前提で設計してほしい」と伝えてどの項目でどの等級を取るかを図面の段階で確かめるほうが確実です。
認定の手続きは次の順番です。国土交通省の住宅ローン減税のページでは、申請を建築主の代わりに分譲・施工の会社が行うこともできると案内しています。
- 着工の前に登録住宅性能評価機関に申請して構造などの確認(技術的審査)を受ける
- 所管行政庁(都道府県・市・区)に長期優良住宅の認定を申請する
- 認定されると所管行政庁から認定通知書が出る
申請は着工の前が条件です。国土交通省は「着工前に所管行政庁に申請する必要があります」と書いています。みらいエコ住宅2026事業のよくある質問でも、着工のあとに申請して既存住宅として認定を受けた家は新築の長期優良住宅としては補助の対象にならないと答えています。補助を使うつもりなら、認定の申請を工事の日程より先に組み込みます。
新築の補助金:みらいエコ住宅2026事業
みらいエコ住宅2026事業は、省エネ性能の高い住宅の新築と省エネのリフォームを支援する国の事業です。新築への補助は国土交通省と環境省の合同です。予算は長期優良住宅とZEH水準住宅の分が1,450億円(国土交通省)で、GX志向型住宅の分が750億円(環境省)です。床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅が対象で、補助額は住宅の省エネ性能と地域で決まります。
| 住宅の性能 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 古家の除却の加算 | 対象になる世帯 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | なし | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 20万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 20万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
地域の区分は、建築物省エネ法の「地域の区分」で決まります。1〜4地域は寒冷地を含む地域です。事業のよくある質問によると、1〜4地域の加算(長期優良住宅は5万円)は過去の事業の子育てグリーン住宅支援事業から変わった点です。自分の建設地がどの区分かは、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトの「地域区分検索」で調べられます。
この事業で補助を受けられる長期優良住宅は、所管行政庁の認定を受けたうえで省エネの性能が断熱等性能等級5以上と一次エネルギー消費量等級6以上の両方を満たす住宅です。証明には長期優良住宅建築等計画認定通知書を使います。交付申請のときに通知書がまだ出ていない場合は、通知書を出せることを前提にした発行受付書でも手続きを進められます。
長期優良住宅の補助を受けるには、住む人の世帯の条件があります。
- 子育て世帯:申請の時点で子がいる世帯。子は令和7年4月1日時点で18歳未満(平成19年4月2日以降の生まれ)
- 若者夫婦世帯:申請の時点で夫婦であり、どちらかが令和7年4月1日時点で39歳以下(昭和60年4月2日以降の生まれ)
- 令和8年3月末までに工事に着手した住宅は基準日が令和6年4月1日になる(子は平成18年4月2日以降・若者は昭和59年4月2日以降の生まれ)
住宅と契約の条件は、注文住宅の新築の要件のページにまとまっています。主なものは次のとおりです。
- みらいエコ住宅事業者(事務局に登録した会社)と建築の着工までに工事請負契約を結んでいること
- 2025年11月28日以降に基礎工事(根切り工事か基礎杭打ち工事)に着手していること
- 建築主が自分で住むこと(住民票の住所で確かめる)
- 住戸の床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 立地の除外要件に当たらないこと
- 2027年1月31日の時点で補助額以上の出来高の工事が終わっていること
建売住宅やマンションを買う場合は「新築分譲住宅の購入」の区分になり、補助額と世帯の条件は注文住宅と同じです。売買契約の時点で未完成か完成から1年以内の、人が住んだことのない住宅が対象です。手続きは販売する会社が行います。補助金の交付が決まっている分譲住宅は、公式サイトの「みらいエコ≪分譲≫住宅の検索」で探せます。
賃貸住宅を新築する場合は別の区分で、建築主かつ賃貸オーナーが対象です。長期優良住宅とZEH水準住宅の賃貸住宅には子育て世帯・若者夫婦世帯の条件がなく、補助の対象は要件を満たす賃貸住戸の数の50%です。事務の手続き上の補助額は、長期優良住宅で1〜4地域が1戸40万円、5〜8地域が37万5千円と取り扱うと、事業の概要に書かれています。交付申請の受付は2026年5月13日からです。
注文住宅でも分譲住宅でも、法人の名義で契約した住宅は対象外です。工事請負契約を伴わない自社施工やDIYの家と、取得したあと店舗・事務所・民泊として使う住宅も対象になりません。
古家の除却の加算は、新築する人かその親族が持っている住宅を取り壊す場合に付きます。解体工事を発注するのは新築する人か親族で、2025年11月28日から完了報告までに解体を終える必要があります。取り壊す家の場所は、新しく建てる家と同じでなくてもかまいません。複数の家を取り壊しても、加算は20万円までです。解体工事そのものに使える自治体の補助は、解体工事の補助金の記事にまとめています。
申請の期間は次のとおりです。どちらも予算の上限に達した時点で締め切られます。
| 手続き | 期間 |
|---|---|
| 交付申請の予約 | 申請開始から遅くとも2026年11月16日まで |
| 交付申請 | 申請開始から遅くとも2026年12月31日まで |
| 完了報告(戸建住宅) | 交付決定から2027年7月31日まで |
| 完了報告(共同住宅で階数10以下) | 交付決定から2028年4月30日まで |
ZEH水準住宅の注文住宅だけは、予約が遅くとも2026年8月17日まで、交付申請が遅くとも2026年9月30日までと、ほかより早く設定されています。長期優良住宅とZEH水準住宅の予算は共通です。交付申請は第1期(2026年3月31日〜5月12日・上限400億円)と第2期(5月13日〜12月31日・第1期と合わせて上限1,450億円)に分けて受け付けています。公式サイトのトップページには、予算に対する補助金の申請額の割合が毎日午前中に更新されて載ります。予算が残っているかは、そのページで確かめます。
事業の詳しい手続きと書類は、みらいエコ住宅2026事業の記事で解説しています。新築の住宅の性能ごとの補助額をほかの制度と並べて比べたいときは、新築の補助金の記事が参考になります。
GX志向型住宅・ZEH水準住宅との違い
みらいエコ住宅2026事業の新築は、省エネ性能で3つの区分に分かれます。区分によって補助額と対象の世帯が違うので、どの区分を目指すかは家の設計を決める前に考えておきます。
GX志向型住宅は、断熱等性能等級6以上で再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を35%以上減らした住宅です。一般の地域では太陽光発電なども含めた削減率が100%以上であることも要件で、HEMS(家のエネルギーを管理する機器)の設置も求められます。世帯の条件は無く補助額は3区分でいちばん大きい一方、GXへの協力表明をした会社が建てる住宅に限られます。
ZEH水準住宅は、断熱等性能等級5以上と一次エネルギー消費量等級6以上を満たす住宅です。長期優良住宅の省エネの基準と同じ水準です。長期優良住宅は省エネに加えて耐震や劣化対策と維持保全の計画まで認定を受けた住宅と考えると、整理しやすくなります。補助額はZEH水準住宅が40万円か35万円で、長期優良住宅の約半分です。
3つの区分の補助は、1つの住宅にどれか1つです。みらいエコ住宅2026事業は、同じ住宅に国のほかの補助制度から重ねて補助を受けることを認めていません。環境省のZEHの補助など、国の別の住宅の補助と比べて選ぶ形になります。
太陽光発電は、どの区分でも設置そのものを要件にしていません。事業のよくある質問は、ZEH水準とGX志向型住宅の要件は性能で決めていて太陽光発電設備の導入を仕様として求めているものではないと答えています。ただしGX志向型住宅の一般の地域では太陽光などを含めて一次エネルギー消費量を100%以上減らす必要があるので、実際には発電の設備が要ることがほとんどです。太陽光の補助については太陽光発電の補助金の記事にまとめています。家庭用の蓄電池への国の補助(令和7年度補正のDR家庭用蓄電池事業)は、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達して公募を終えました。蓄電池は自治体の制度が中心なので、蓄電池の補助金の記事で探します。
リフォームで使える補助金(長期優良住宅化リフォーム推進事業ほか)
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存の住宅の性能を上げるリフォームに国が補助を出す事業です。国土交通省の長期優良住宅のページでは、既存住宅の長寿命化に資するリフォームを行う場合の補助金として案内されています。補助の申請は、事業に登録した工事の会社が行う仕組みです。
令和7年度の事業は、実施支援室のページによると交付申請の第2期の受付を2025年11月14日の17時で締め切りました。通年で申請できる型(認定長期優良住宅型・評価基準型)と事前採択の型の提出期限は2025年12月22日でした。令和7年度のページには、事業者登録の前に結んだ工事請負契約と住宅登録の前に着手した工事は補助の対象外と書かれています。
令和8年度の長期優良住宅化リフォーム推進事業の募集は、国土交通省と実施支援室のページで確認できませんでした。国土交通省の住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業補助金交付要綱は令和8年4月7日に改正されました。その附則は、施行の前に着手している長期優良住宅化リフォーム推進事業について従前の例によるとしています。新しい年度の募集が出れば実施支援室のページに載るはずなので、リフォームを考えている人はそこを見てから工事の会社と話を進めます。
既存の住宅のリフォームで国の補助を使える事業として、みらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠があります。対象は原則として平成28年12月31日以前に建てられた住宅で、断熱の改修を中心にした工事の内容に応じた額を合計します。上限は住宅の建築時期と工事の水準で変わります。
| 住宅の建築時期 | 開口部と躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備の設置 | 開口部と躯体の断熱改修 |
|---|---|---|
| 平成3年まで | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
| 平成4年〜平成28年 | 80万円/戸 | 40万円/戸 |
リフォームの枠では断熱の改修のほか、子育て対応の改修・防災性を上げる改修・バリアフリー改修・空気清浄機能か換気機能の付いたエアコンの設置なども補助の対象に入ります。ただし外気に面した窓のある居室1つ以上で、決められた断熱の工事をすることが前提です。エアコンだけや給湯器だけといった工事は、別の事業や自治体の制度で探します。リフォームの国の事業はリフォームの補助金の記事で比べられます。窓は窓リノベ2026の記事、給湯器は給湯器の補助金の記事が参考になります。
リフォームで長期優良住宅の認定(増改築)を取ると、減税の対象が広がります。住宅ローンを借りて増改築をした場合の住宅ローン減税は、借入限度額2,000万円・控除期間10年・控除率0.7%です。国土交通省のページでは窓の断熱改修(第6号工事)について、増改築による長期優良住宅の認定で断熱等性能等級が1段階以上上がると証明される場合は一部の居室の窓だけの改修でも対象になるとしています。
終わった制度・過去の年度の補助金
長期優良住宅の補助金を調べると、終わった制度の名前がまだ多く出てきます。次の制度は、これから家を建てる人は使えません。
- すまい給付金:消費税率の引上げに合わせて2014年4月から行われた給付で、引渡しの期限を延長した特例も令和2年から令和3年に結んだ契約が対象でした
- 子育てエコホーム支援事業:2024年度に行われた事業です。後継の事業の金額は子育てエコホーム支援事業の記事で比べています
- 子育てグリーン住宅支援事業:2025年度の事業で、みらいエコ住宅2026事業のよくある質問で「過去事業」とされています
- 地域型住宅グリーン化事業:地域の中小工務店が建てる木造の長期優良住宅などに補助を出していた事業です。交付要綱の附則で令和6年度の新規採択が止められ、評価事務局のサイトには「この事業は終了しました」と出ています
住宅会社の記事や広告に古い年度の金額が残っていることがあります。補助額を聞いたらどの事業の何年度の額かを確かめ、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトの表と照らします。
補助金はいつもらえる?(申請方法と入金までのスケジュール)
みらいエコ住宅2026事業の補助金は、施主の口座に事務局から直接振り込まれるものではありません。事務局は補助金を登録した会社(みらいエコ住宅事業者)に交付し、会社が施主に還元します。振込先は会社で、施主は自分で申請できず、会社の手続きに協力する立場です。
交付申請(予約を含む)の受付は、注文住宅の新築が2026年3月31日から、新築分譲住宅の購入が2026年5月13日から始まりました。いつからいつまで申請できるかは年度ごとの事業で決まり、翌年度に同じ事業が続くとは限りません。
新築の注文住宅で、補助金が届くまでのスケジュールは次のとおりです。
- 施主が登録した会社と工事請負契約を結ぶ(建築の着工まで)
- 施主と会社が、事務局の指定様式の「共同事業実施規約」を結ぶ(補助金の受け取り方や手数料をここで決める)
- 会社が交付申請の予約を出す(任意。有効期間は、提出から3か月と2026年12月31日のうち早い日まで)
- 基礎工事に着手する(2025年11月28日以降)
- 基礎工事が終わったあとに、会社が交付申請を出す
- 事務局が会社に交付決定を出す
- 工事が終わって施主が住み始めたら会社が完了報告を出す
申請タイミングは基礎工事が終わったあとなので、契約や着工のときにはまだ申請できません。補助金は、施主ではなく会社への振込が先で、そのあとに施主へ還元される順番です。交付申請の書類は会社がそろえて事務局の電子システムに上げます。長期優良住宅の場合の主な必要書類は次のとおりです。
- 共同事業実施規約(施主と会社の両方が記入)
- 工事請負契約書
- 建築確認申請書と確認済証
- 基礎工事完了確認書
- 長期優良住宅建築等計画認定通知書などの住宅の性能を証明する書類
- 施主と家族構成を確認できる住民票(世帯票)の写し
- 古家を取り壊す場合は、解体工事の請負契約書と取り壊した家の登記の閉鎖事項証明書
このうち住民票は施主の世帯の申請書類なので、会社から頼まれたら早めに取っておきます。
会社への振込の時期は、申請手続きの詳細のページに書かれています。交付決定通知に書かれた「取下期日」までに取り下げや取り消しがなければ、実績報告(兼、補助金の請求)が出されたものとして扱われます。事務局はそれをもとに補助金額を確定し、会社の指定口座に次のいずれか早いほうの時期に振り込みます。
- 2026年度末(2027年3月末頃の振込)
- 完了報告の審査が完了した月の20日締め、翌月末に支払い予定
確定した補助金額と振込予定日は、会社と施主(共同事業者である建築主)に通知されます。つまり、会社への振込は2027年3月末頃が目安で、完了報告の審査が早く終われば、それより前になります。
会社に振り込まれた補助金は、会社が施主に還元します。還元の方法は2つあり、原則は①の工事代金に充てる方法です。
- ①補助事業に係る契約代金(最終の支払いに限る)に充てる
- ②会社から施主に現金で支払う(還元の時期は前もって決めて、補助金の交付から遅くとも2か月以内に還元を終える)
①の場合は、工事代金の最後の支払いが補助額のぶん少なくなる形で受け取ります。公式は、会社が補助金を還元するまで留保しておく必要があるとも案内しています。住宅ローンの実行や引渡しの時期と、最後の支払いをいくらにするかは、契約のときに会社と決めておきます。
完了報告を期限までに出さないと、事務局は会社に交付済みの補助金の返還を求めます。完了報告には施主が住んでいることを示す住民票が要るので、引越しと住民票の異動は早めに済ませます。
長期優良住宅の減税(住宅ローン減税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税)
長期優良住宅の認定を受けた新築の住宅は、所得税・固定資産税・登録免許税・不動産取得税が一般の住宅より軽くなります。国土交通省の「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」のページをもとに、主なものを並べました。
| 制度 | 長期優良住宅 | 比べる相手 | 適用の期限 |
|---|---|---|---|
| 住宅ローン減税(新築) | 借入限度額4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)・13年間・控除率0.7% | ZEH水準省エネ住宅は3,500万円(4,500万円) | 令和8年1月1日〜令和12年12月31日の入居 |
| 投資型減税(所得税) | 標準的な性能強化費用(45,300円×床面積・上限650万円)の10%で最大65万円 | 住宅ローン減税とは併用できない | 令和8年1月1日〜令和10年12月31日の入居 |
| 登録免許税 | 所有権保存登記0.1%・所有権移転登記は戸建0.2%とマンション0.1% | 一般の住宅は保存0.15%・移転0.3% | 令和9年3月31日までの新築 |
| 不動産取得税 | 課税標準からの控除1,300万円 | 一般の住宅は1,200万円 | 令和13年3月31日までの新築 |
| 固定資産税 | 2分の1の減額が5年間(マンション等は7年間) | 一般の住宅は3年間(マンション等は5年間) | 令和13年3月31日までの新築 |
住宅ローン減税の子育て世帯等は、居住した年の12月31日の時点で19歳未満の扶養親族がいる世帯か、夫婦のどちらかが40歳未満の世帯です。みらいエコ住宅2026事業の子育て世帯・若者夫婦世帯とは基準日も年齢も違うので、補助では対象外でも減税では上乗せになる世帯があります。
国土交通省は、夫婦と子ども1人で世帯主の年収850万円・住宅価格4,800万円・借入金額4,300万円の家族をモデルに試算しています。住宅ローン減税で326万円、登録免許税・不動産取得税・固定資産税の特例をすべて使うと91万円が軽くなるという結果です。国はあくまでモデルの試算で実際の控除額とは違うとしていますが、金額の桁で見ると補助金の80万円より減税の影響のほうが大きい世帯もあります。
減税はどれも、自分で手続きをしないと受けられません。所得税は税務署への確定申告で、固定資産税は市区町村への申告です。登録免許税は法務局での登記のときに、不動産取得税は都道府県税事務所への申告で手続きします。固定資産税は長期優良住宅認定通知書かその写しを付けて、新築した年の翌年の1月31日までに市区町村へ申告します。
親や祖父母から住宅の資金をもらう場合は、贈与税の非課税の特例も関係します。国税庁のタックスアンサー(No.4508)によると、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与で省エネ等住宅なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円まで非課税です。省エネ等住宅にあたるかは、住宅性能証明書など国税庁が決めた書類を贈与税の申告書に付けて証明します。
住宅ローン減税の計算の詳しい仕組みは住宅ローン控除はいくらかの記事、補助と減税をまとめて見るなら住宅ローンで使える補助金と減税の記事で確かめられます。
フラット35Sの金利引下げと地震保険料の割引
住宅金融支援機構の【フラット35】Sは、【フラット35】を申し込む人が長期優良住宅など質の高い住宅を取得する場合に借入金利を当初5年間引き下げる制度です。引下げ幅は【フラット35】S(ZEH)が年0.75%で、金利Aプランが年0.5%、金利Bプランが年0.25%です。どのプランになるかは住宅の技術基準で決まります。予算金額に達する見込みになると受付を終え、終了日は約3週間前までに機構のサイトで知らされます。土砂災害特別警戒区域などで新築住宅を建てたり買ったりする場合は使えません。
地震保険料には、建物の耐震性能に応じた割引があります。財務省の地震保険制度の概要によると、割引は住宅性能表示の耐震等級3なら50%で、等級2なら30%、等級1なら10%です。割引は重ねて使えず、等級を示す書類が要ります。長期優良住宅の認定のときの書類で割引を受けられるかは、契約する保険会社か代理店に確かめます。
認定の費用とデメリット・認定のあとの維持保全
長期優良住宅の認定には申請費用がかかります。登録住宅性能評価機関の審査の料金と所管行政庁の認定の手数料で、どちらも機関と自治体で額が違います。みらいエコ住宅2026事業の補助を受けるには住宅の性能の証明書も要ります。事業の公式サイトは、証明書の入手には手数料が必要で額は発行する機関で違うと案内しています。設計を頼む会社には、認定と証明書にかかる費用が見積もりのどこに入っているかを聞いておきます。
建物の工事費も、一般の住宅より上がるのが普通です。着工前に審査と認定を待つぶん、工事の日程にも余裕が要ります。補助の80万円と減税の軽減を足した額が工事費と認定の費用の上乗せを上回るかを、見積もりの段階で比べておきます。
認定を受けたあとの義務も知っておく必要があります。認定を受けた人(認定計画実施者)は認定を受けた維持保全計画のとおりに点検や修繕をし、建築と維持保全の状況の記録を作って保存します。所管行政庁から報告を求められることがあり、報告をしなかったり嘘の報告をしたりすると30万円以下の罰金になることがあります。維持保全が適切でないときは改善命令が出され、命令に従わなければ認定が取り消されることもあります。
認定を受けた住宅の設計を変える場合や増築・リフォームをする場合は、所管行政庁で計画の変更の認定を受けます。太陽光発電のパネルや空調機器の据え付けのように増改築にあたらない工事は、認定基準に合っていることを構造計算などで自分で確かめていれば軽微な変更として扱われる場合があります。耐震等級が下がる場合は変更の認定が要ります。家を売ったり相続したりして持ち主が変わるときは、新しい持ち主が所管行政庁に地位の承継の承認を申請できます。
長期優良住宅の代表的な補助金の金額
国の制度と、上限の大きい都道府県の制度を上限額で比べた表です(制度名を押すと下の全国一覧のその制度へ移ります)。
