「そろそろ息子に代を譲ろうと思う。ただ、設備が古いまま渡すのは忍びない」
事業承継の相談で最も多いのがこの話です。承継そのものにお金がかかるのではなく、承継を機に設備を入れ替えたい、新しいことを始めたいという投資にお金がかかる。国の事業承継・M&A補助金は、まさにこの投資を支援する制度です。
国の16次公募は2026年10月2日から11月6日17時まで。 事業承継促進枠なら補助上限800万円(賃上げ要件を満たせば1,000万円)、補助率は1/2〜2/3です。
一方、都道府県・市区町村にも事業承継の補助金があります。上限は10万円から2,000万円まで幅があり、「誰が申請者か」「何にお金が出るか」が制度ごとに違います。 この記事では全部を1枚の表に並べ、承継の形態から逆算して選べるようにします。
事業承継で使える補助金の全体像
事業承継の補助は3層あり、層ごとに支援の焦点が違います。
| 層 | 代表的な制度 | 何を支援するか | 上限の幅 |
|---|---|---|---|
| 国 | 事業承継・M&A補助金(4つの枠) | 承継後の設備投資、M&Aの専門家費用、統合後の投資、廃業費用 | 100万〜2,000万円 |
| 都道府県 | 事業承継補助金、事業承継支援助成金など | 承継の準備、専門家費用、承継後の投資 | 15万〜800万円 |
| 市区町村 | 事業承継補助金、創業・事業承継支援補助金など | 承継にかかる諸費用、店舗の改装、信用保証料 | 10万〜110万円 |
国の制度は金額が大きく、審査も本格的です。 事業計画書を書き、認定経営革新等支援機関の確認を受ける必要があります。一方、市区町村の制度は数十万円規模ですが、手続きが軽く、承継の初期段階で使えるものが多いのが特徴です。
先に用語を押さえます
- 事業承継… 経営を後継者に引き継ぐことです。親族への承継(親族内承継)、従業員への承継(従業員承継)、第三者への譲渡(M&A)の3つの形があります。
- M&A… 会社や事業を売買・統合することです。事業承継の文脈では、後継者がいない会社が第三者に事業を譲るケースを指します。
- PMI(Post Merger Integration)… M&Aの成約後に、組織・業務・システムを統合していく取組のことです。成約はゴールではなく、ここからが本番という考え方から、国が専用の支援枠を設けています。
- 小規模事業者等… 常時使用する従業員が原則20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。国の制度では補助率が2/3に優遇されます。
- 認定経営革新等支援機関… 国が認定した支援機関(商工会議所・金融機関・税理士など)のことです。国の補助金では確認書の発行元になります。
【国の制度】事業承継・M&A補助金(16次公募)
国の事業承継支援の中核です。中小企業庁の中小企業生産性革命推進事業の一部として実施されています。4つの枠に分かれており、それぞれ目的が違います。
| 枠 | 何に使うか | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 後継者への承継を機にした成長投資 | 800万円(賃上げで1,000万円) |
| 専門家活用枠 | M&Aの仲介手数料、デューデリジェンス費用など | 記事を参照 |
| PMI推進枠 | M&A成約後の統合にかかる投資 | 記事を参照 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業にかかる費用、再チャレンジの準備 | 記事を参照 |
事業承継促進枠(16次公募)の詳細
公募要領で確認できた確定情報を書きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請受付期間 | 2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00 ※厳守 |
| 情報開示 | 2026年9月4日(金)に公募要領を開示 |
| 補助率 | 小規模事業者等は2/3以内、それ以外は1/2以内 |
| 補助下限額 | 100万円 |
| 補助上限額 | 800万円(賃上げ要件を満たせば1,000万円) |
| 併用申請(廃業費) | +300万円 |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
| 公式サイト | 事業承継・M&A補助金 |
補助下限額100万円の意味
ここは見落とされがちですが重要です。 交付申請時に、補助対象経費に2/3または1/2をかけた金額が100万円を下回る申請は受け付けられません。
つまり補助率2/3の小規模事業者なら、対象経費が150万円以上ないと申請できません。 補助率1/2なら200万円以上が必要です。数十万円の設備投資では、この制度は使えません。
賃上げで上限が800万円から1,000万円になります
追加される200万円の条件は次のとおりです。
補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の「従業員1人当たりの給与支給総額」と比較して、基準年度の翌年度の「従業員1人当たりの給与支給総額」の上昇率が3%以上となる賃上げを達成することが要件です。
具体的には、公募申請時までに3%以上の賃上げを行うことを、全ての従業員または従業員代表者、役員に表明する必要があります。
注意すべき点が2つあります。
- 800万円を超え1,000万円以下の部分の補助率は1/2以内になります。2/3ではありません
- 上昇率3%以上の賃上げを達成できなかった場合、引き上げ額(最大200万円)の返還を求められます。また事業計画期間中の各事業年度末時点で水準を維持できていない場合も、同様に返還を求められます
「取れるだけ取っておく」という判断は危険です。 承継直後は経営が不安定になりがちです。実際に3%の賃上げを続けられるかを、後継者と一緒に検討してください。
廃業費の併用申請
事業承継促進枠には、廃業費を併用して申請できる仕組みがあります。上限は300万円です。
事業の一部を廃止して新しい事業に振り向ける、という承継はよくあります。古い設備の処分費用、店舗の原状回復費用などが対象になり得ます。 ただし廃業費の併用申請における補助率は、事業費の補助率に準じます。
申請前に確認すべきこと
認定経営革新等支援機関の確認が必要です。 公募要領には「申請締切りの直前になると、認定経営革新等支援機関に確認を依頼しても間に合わない場合がある」という注意書きがあります。
締切の1週間前に支援機関に駆け込んでも、確認書を出してもらえない可能性があります。10月2日の受付開始と同時に、支援機関へのアポイントを取ってください。
制度全体の解説は事業承継・M&A補助金の記事、基本ガイドの記事、わかりやすく解説した記事にまとめています。採択事例は事業承継補助金の採択事例の記事をご覧ください。
個人事業主でも使えます
「法人でないと使えない」という誤解が根強くありますが、個人事業主も対象です。 詳しくは事業承継補助金は個人事業主でも使えるかの記事で解説しています。
【都道府県の制度】県レベルの事業承継補助金
都道府県にも事業承継の補助金があります。国の制度より金額は小さいものの、対象経費の範囲が広いものがあります。
| 都道府県 | 制度名 | 上限額 | 補助率 | 申請期限 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース) | 800万円 | 公募要領で確認 | 2026-09-30 |
| 東京都 | 中小企業組合等新戦略支援事業ネクスト(団体向け) | 1,000万円 | 1/2以内(小規模企業団体は2/3以内) | 2026-12-25 |
| 東京都 | 事業承継支援助成金 | 200万円 | 2/3以内 | 2026-12-15 |
| 東京都 | 令和8年度 第2回 事業承継支援助成金 | 200万円 | 公募要領で確認 | 2026-09-16 |
| 神奈川県 | 事業承継補助金(令和8年度実施分) | 100万円 | 中小企業は1/2以内、小規模事業者は2/3以内 | 2027-01-29 |
| 京都府 | M&A型事業承継支援補助金 | 100万円 | 1/2以内 | 2027-02-26 |
| 高知県 | 事業承継奨励給付金 | 100万円 | 定額給付 | 2027-02-26 |
| 福井県 | 事業承継に向けた企業価値向上補助金 | 100万円 | 1/2以内(対象経費の2/3以内) | 2026-11-30 |
| 宮崎県 | 令和8年度事業承継・引継ぎ応援事業補助金 | 50万円 | 2/3以内 | 2027-03-31 |
| 栃木県 | 令和8(2026)年度事業承継支援補助金 | 50万円 | 事業実施期間内に完了した対象経費の1/2以内 | 2026-11-30 |
| 石川県 | 令和8年度事業承継円滑化補助金 | 50万円 | 小規模事業者2/3、中小企業1/2 | 2027-02-01 |
| 長崎県 | 事業承継促進・後継者事業展開支援補助金 | 50万円 | 1/2以内(小規模事業者は2/3以内) | 2026-09-30 |
| 徳島県 | 事業承継支援費補助金 | 30万円 | 1/2以内 | 2027-02-26 |
| 愛媛県 | 愛媛県事業承継支援事業 | 20万円 | 1/2以内 | 2026-12-25 |
高知県の「事業承継奨励給付金」は定額給付です。 補助率の計算が不要で、要件を満たせば最大100万円が支給されます。「奨励給付金」という名前が示すとおり、承継を実行したこと自体に対する支援です。対象経費を積み上げる必要がないので、手続きが軽くなります。
締切が近い制度があります。 東京都の令和8年度第2回事業承継支援助成金は2026年9月16日、東京都の事業承継を契機とした成長支援事業と長崎県の制度は2026年9月30日です。該当する方は残り時間を確認してください。
【市区町村の制度】市区町村レベルの事業承継補助金
市区町村レベルでは、金額は小さいものの、承継の初期段階から使えるものがあります。
| 市区町村 | 都道府県 | 制度名 | 上限額 | 補助率 | 申請期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 瀬戸内町 | 鹿児島県 | 創業・事業承継等支援補助金 | 110万円 | 定額(区分ごとに交付額を規定) | 公式ページで確認 |
| 四国中央市 | 愛媛県 | 中小企業者応援補助金(創業及び事業承継事業費補助金ほか11メニュー) | 100万円 | 公募要領で確認 | 2027-03-31 |
| 常陸太田市 | 茨城県 | ビジネスチャレンジ事業費補助金(事業承継支援事業) | 100万円 | 1/2 | 公式ページで確認 |
| 登米市 | 宮城県 | ビジネスチャンス支援事業(事業承継) | 100万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 御船町 | 熊本県 | 事業承継推進事業補助金 | 100万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 北九州市 | 福岡県 | 事業承継・M&A促進化助成金 | 50万円 | 1/2以内 | 2027-02-26 |
| 大分市 | 大分県 | 中小企業者経営力強化促進補助金(事業承継等支援事業) | 50万円 | 2/3 | 公式ページで確認 |
| 豊田市 | 愛知県 | 市内事業承継者資金繰り支援制度(事業承継信用保証料補助) | 50万円 | 75%以内 | 2027-03-31 |
| 四国中央市 | 愛媛県 | 創業及び事業承継事業費補助金 | 50万円 | 1/2 | 2027-03-31 |
| 長野市 | 長野県 | 事業承継促進補助金 | 50万円 | 1/2 | 公式ページで確認 |
| 岐阜市 | 岐阜県 | 事業承継サポート補助金 | 50万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 阿南市 | 徳島県 | 中小企業等振興支援補助金(事業承継メニュー) | 20万円 | 1/2以内 | 2027-03-31 |
| 木島平村 | 長野県 | 事業承継補助金 | 20万円 | 1/2以内 | 2027-03-31 |
| 丸亀市 | 香川県 | 産業振興支援補助事業(事業承継メニュー) | 20万円 | 2/3以内(千円未満切捨) | 2027-03-31 |
| 福井市 | 福井県 | 事業承継促進事業補助金 | 15万円 | 1/2以内 | 2027-01-29 |
| 新座市 | 埼玉県 | 事業承継・M&A支援事業補助金 | 10万円 | 公募要領で確認 | 公式ページで確認 |
| 茅野市 | 長野県 | 特定創業者等支援奨励金(事業承継) | 10万円 | 公募要領で確認 | 2027-03-31 |
| 松山市 | 愛媛県 | 事業承継利子補助金(日本政策金融公庫分) | 利子補給 | 年1.0%以内 | 2027-02-28 |
豊田市と松山市の制度は性格が違います。 豊田市は信用保証料の補助(75%以内、上限50万円)、松山市は借入金の利子補給(年1.0%以内)です。承継のために資金を借りるときの負担を軽くする制度で、設備投資の補助とは別物です。
「創業・事業承継」とセットになっている制度が多いのも特徴です。 瀬戸内町、四国中央市、茅野市がそれです。自治体は「新しく店を始める人」と「店を引き継ぐ人」を同じ枠で支援しています。
どれを選ぶべきか
承継の形態と投資の規模から逆算して選んでください。
| あなたの状況 | 使うべき制度 | 上限の目安 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 息子・娘に継がせ、承継を機に設備投資したい(150万円以上) | 国の事業承継促進枠(16次公募) | 800万円(賃上げで1,000万円) | 1/2〜2/3 |
| 従業員に継がせ、承継を機に投資したい | 同上 | 同上 | 同上 |
| 後継者がいないのでM&Aで譲りたい | 国の専門家活用枠 | 記事を参照 | — |
| M&Aで会社を買った。統合の投資が必要 | 国のPMI推進枠 | 記事を参照 | — |
| 一部の事業をたたんで、残りに集中したい | 国の廃業・再チャレンジ枠、または事業承継促進枠の廃業費併用(+300万円) | 300万円(併用の場合) | 事業費に準じる |
| 投資額が150万円未満 | 国の制度は使えない(補助下限100万円のため)。都道府県・市区町村へ | 10万〜200万円 | 1/2〜2/3 |
| 承継の準備段階(専門家への相談、企業価値の算定) | 都道府県の事業承継支援補助(栃木県・徳島県・愛媛県など) | 20万〜100万円 | 1/2 |
| 承継のために資金を借りる | 豊田市の信用保証料補助、松山市の利子補助 | 50万円/利子補給 | 75%以内/年1.0%以内 |
| 手続きを最小限にしたい | 高知県の事業承継奨励給付金(定額給付) | 100万円 | 定額 |
| 3%の賃上げを続ける自信がない | 国の事業承継促進枠を通常枠(800万円)で申請 | 800万円 | 1/2〜2/3 |
判断の分かれ目は3つです
分かれ目1:投資額が150万円以上あるか。 国の事業承継促進枠には補助下限100万円があります。補助率2/3なら対象経費150万円以上、1/2なら200万円以上が必要です。それ未満なら国の制度は使えません。 自治体の制度を探してください。
分かれ目2:承継の形態は何か。 親族・従業員への承継なら事業承継促進枠、M&Aなら専門家活用枠、統合後の投資ならPMI推進枠です。枠を間違えると対象経費が合いません。
分かれ目3:賃上げを続けられるか。 上限を1,000万円にすると3%の賃上げ義務が付き、達成できなければ最大200万円の返還です。承継直後の経営状況を冷静に見積もってください。
併用できるか
| 組み合わせ | 可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 + 廃業費の併用申請 | 制度上の併用が用意されている | +300万円まで。補助率は事業費に準じる |
| 事業承継促進枠 + 専門家活用枠 | 同じ経費では不可 | 対象経費が違えば別々に申請できる場合がある |
| 国の制度 + 都道府県の制度(同じ経費) | 原則不可 | 交付要綱の「他の補助金等との調整」を確認 |
| 国の制度 + 市区町村の信用保証料補助・利子補給 | 可能な場合が多い | 補助の対象が「経費」ではなく「金融コスト」なので競合しにくい |
| 都道府県 + 市区町村 | 自治体ごとに確認が必要 | 併用可の地域と不可の地域がある |
| 事業承継の補助金 + 設備投資の補助金(省力化投資補助金など) | 同じ設備では不可 | どちらか一方 |
信用保証料補助・利子補給は併用しやすい制度です。 補助の対象が設備そのものではなく、資金調達のコストだからです。豊田市の信用保証料補助(75%以内)や松山市の利子補給(年1.0%以内)は、国の補助金と併存できる可能性が高いといえます。ただし各自治体の交付要綱で確認してください。
申請の流れ(共通)
国の事業承継・M&A補助金を例に示します。
- GビズIDプライムを取得する。 Jグランツでの電子申請に必須で、発行に2〜3週間かかります
- 公募要領を読み、どの枠に該当するかを確定する。 16次公募の公募要領は2026年9月4日に開示されています
- 補助対象経費を積み上げる。 補助率をかけた金額が100万円以上になるかを確認します
- 事業計画を作る。 承継後にどんな成長投資をするのか、それによって何が変わるのかを書きます
- 認定経営革新等支援機関に確認を依頼する。 締切直前だと間に合わない可能性があります。受付開始と同時に動いてください
- 賃上げを表明するかを決める。 上限を1,000万円にするなら、全従業員または従業員代表者、役員への表明が必要です
- 2026年10月2日〜11月6日17時にJグランツで申請する。 締切時刻を過ぎた申請は一切受け付けられません
- 採択の通知を受け取る
- 交付決定通知を受け取る。 ここまで発注してはいけません
- 事業を実施する
- 実績報告を提出する
- 補助金の入金を受ける。 事業完了後の精算払い(実費弁済)です
承継のスケジュールと補助金のスケジュールは別物です
ここは実務上とても重要です。 事業承継は数年がかりの話です。後継者を決め、株式や資産を移し、取引先や金融機関に説明する。この一連の流れに、補助金のスケジュールを合わせる必要があります。
補助金は「事業実施期間内に完了した経費」が対象です。 承継の手続きが長引いて、設備の導入が期間内に終わらなければ対象外になります。逆に、補助金の締切に合わせて承継を急ぐのも本末転倒です。
落ちる・返還になる要因
1. 補助下限額を下回った
16次公募の事業承継促進枠は補助下限100万円です。 補助対象経費に補助率をかけた金額が100万円を下回る申請は受け付けられません。申請の入口で弾かれます。
2. 認定経営革新等支援機関の確認が間に合わなかった
公募要領にも注意書きがある、実際に起きている問題です。締切の直前に依頼しても、支援機関の側で対応できません。 受付開始と同時にアポイントを取ってください。
3. 賃上げを達成できなかった
上限を1,000万円にした場合、3%以上の賃上げを達成できなければ、引き上げ額(最大200万円)の返還を求められます。 さらに事業計画期間中の各事業年度末で水準を維持できていない場合も返還対象です。
4. 交付決定前に発注した
採択の通知と交付決定は別です。交付決定通知が届くまで、発注も契約もできません。
5. 締切時刻を過ぎた
16次公募の締切は2026年11月6日17:00で「厳守」と明記されています。 締切直前は電子申請システムが混雑します。当日の提出は避けてください。
6. 承継の実態が伴わなかった
「代表者が変わっただけ」では要件を満たさない場合があります。株式の移転、経営権の実質的な移行が求められます。 公募要領の補助対象者の要件を確認してください。
7. 事業計画が「承継の説明」で終わっている
不採択でよくある形です。審査で見られるのは「承継後に何をするか」です。 誰に継ぐか、いつ継ぐかは前提であって、事業計画の中身ではありません。後継者が新しく何を始め、それによって売上・利益がどう動くのかを数字で書いてください。
よくある質問
事業承継・M&A補助金の16次公募はいつからいつまでですか?
2026年10月2日(金)から2026年11月6日(金)17:00までです。 公募要領は2026年9月4日に開示されています。締切時刻は「厳守」と明記されており、過ぎてからの申請は受け付けられません。申請はJグランツによる電子申請です。
補助上限額と補助率はいくらですか?
事業承継促進枠の場合、補助上限額は800万円(賃上げ要件を満たせば1,000万円)、補助率は小規模事業者等が2/3以内、それ以外が1/2以内です。廃業費を併用申請すると+300万円まで加算されます。ただし補助下限額100万円があり、補助率をかけた金額がこれを下回る申請は受け付けられません。
補助下限額100万円とはどういう意味ですか?
補助対象経費に補助率をかけた金額が100万円未満だと、申請そのものができないという意味です。 補助率2/3なら対象経費が150万円以上、補助率1/2なら200万円以上必要です。小規模な設備投資では国の制度は使えないので、自治体の制度を探してください。
賃上げすると上限が上がるのはなぜ有利ですか?
上限が800万円から1,000万円になり、200万円分が増えるためです。 要件は「補助事業完了年度の従業員1人当たりの給与支給総額に対し、翌年度の上昇率が3%以上」です。ただし800万円を超える部分の補助率は1/2以内で、2/3ではありません。また達成できなければ最大200万円の返還を求められます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。 事業承継・M&A補助金は個人事業主も対象です。「法人でないと使えない」というのは誤解です。詳しくは事業承継補助金は個人事業主でも使えるかの記事で解説しています。
M&Aで会社を売る側でも使えますか?
専門家活用枠が該当します。 仲介手数料、デューデリジェンス(買収前の調査)の費用、フィナンシャルアドバイザーへの報酬などが対象になります。詳しくは事業承継・M&A補助金 専門家活用枠の記事をご覧ください。売り手が小規模な場合は小規模売り手支援の記事も参考になります。
廃業する場合にも補助金はありますか?
あります。 国の廃業・再チャレンジ枠がそれです。また事業承継促進枠には廃業費の併用申請(+300万円まで)があり、事業の一部を廃止して残りに集中する場合に使えます。詳しくは廃業・再チャレンジ枠の記事をご覧ください。
国と自治体の補助金は併用できますか?
同じ経費に対しては原則として併用できません。 ただし豊田市の信用保証料補助や松山市の利子補給のように、補助の対象が「経費」ではなく「資金調達のコスト」である制度は併存しやすいといえます。各自治体の交付要綱の「他の補助金等との調整」の条項を確認してください。
認定経営革新等支援機関はどこで探せますか?
中小企業庁が認定機関の一覧を公表しています。 商工会議所、商工会、金融機関、税理士、中小企業診断士などが認定を受けています。公募要領には「申請締切りの直前になると、認定経営革新等支援機関に確認を依頼しても間に合わない場合がある」という注意書きがあります。受付開始と同時に相談してください。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業完了後の精算払い(実費弁済)です。 設備の代金は先に自社で全額支払い、実績報告を提出して確認を受けてから入金されます。承継の時期は資金繰りが不安定になりやすいので、立替の負担を事前に金融機関と相談しておいてください。
承継したばかりですが、これから申請できますか?
公募要領の補助対象者の要件によります。 「いつまでに承継を完了させるか」「承継の何か月前・何か月後まで対象か」といった期間の要件が定められていることがあります。過去の承継が対象になるかどうかは、16次公募の公募要領で必ず確認してください。
