資格を取る費用への公的な支援は、費用を誰が払うかで制度が分かれます。自分で講座の受講料を払う人は、雇用保険の教育訓練給付金を使います。厚生労働大臣が指定した講座を修了するとハローワークから受講料の20%が戻り、講座の種類と資格を取ったあとの就職の状況によって最大80%まで上がります。従業員に資格を取らせる会社は、人材開発支援助成金で訓練経費と訓練中の賃金の一部を労働局から受け取れます。
この2つとは別に、都道府県や市区町村が業種や地域を絞った資格取得の補助を出しています。東京都の資格取得サポート助成金は建設・建築・運輸の資格に限った会社向けの制度で、千葉市のように資格を取った本人も会社も申請できる制度もあります。
この記事ではまず個人と会社のどちらの制度を使うかを分け、教育訓練給付金と人材開発支援助成金の条件と金額、個人事業主・学生・公務員と税金の扱いを整理しました。そのあとに代表的な補助金の金額と締切、多くの制度に共通する注意点と都道府県ごとの一覧を載せています。
資格取得の補助金の概要
資格取得の支援は、国の2つの柱と自治体の補助の3つでできています。どれに当たるかは、受講料を払うのが本人か会社かで決まります。
| 費用を払う人 | 使う制度 | 窓口 | 受講の前にすること |
|---|---|---|---|
| 本人(会社員・離職して1年以内の人) | 教育訓練給付金(国・雇用保険) | 住所を管轄するハローワーク | 支給要件照会(特定一般・専門実践は受講開始の2週間前までに受給資格確認) |
| 会社(雇用保険の適用事業所) | 人材開発支援助成金(国・雇用保険) | 事業所を管轄する都道府県労働局 | 訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届 |
| 本人または会社(制度ごと) | 都道府県・市区町村の資格取得の補助 | 各自治体・委託先の団体 | 制度ごと(事前の申請が要るものと、取得後に申請するものがある) |
国の2つの制度は、どちらも雇用保険のお金で行われています。そのため雇用保険に入っていない人は、個人の給付金も会社の助成金も対象になりません。自治体の補助は雇用保険と関係なく、住所や勤め先の地域と業種で対象が決まります。
補助金と助成金の違い
厚生労働省の雇用関係の制度は「助成金」「給付金」と呼ばれ、自治体の制度は「補助金」と呼ばれることが多くあります。教育訓練給付金と人材開発支援助成金は、要件を満たして手続きをすれば受け取れる仕組みです。自治体の補助金は予算の枠があり、受付期間の途中でも予算に達すると受付が終わります。東京都は資格取得サポート助成金の案内で、予算の範囲を超えた場合は受付期間内でも受付を終えるとしています。名前が「助成金」でも予算で締め切る制度はあるので、呼び方より要綱の受付の決まりで確かめます。
個人が使う教育訓練給付金(3種類と給付率)
教育訓練給付金は、雇用保険に入って働いている人や離職して1年以内の人が厚生労働大臣の指定した講座を自分で払って受講・修了したときに、受講料の一部が戻る制度です。講座は3種類に分かれ、給付率が違います。
| 種類 | 主な講座の例 | 基本の給付 | 追加の給付 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 簿記検定、TOEIC、履修証明プログラムなど | 受講料の20%(上限10万円) | なし |
| 特定一般教育訓練 | 業務独占資格・名称独占資格・必置資格の養成課程、基本情報技術者試験などITSSレベル2の資格の課程など | 受講料の40%(上限20万円) | 資格を取り、修了から1年以内に雇用保険の被保険者として雇われると50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 看護師・介護福祉士・保育士・美容師などの養成課程、専門職大学院など | 受講料の50%(年間上限40万円) | 資格を取って就職すると70%(年間上限56万円)、さらに修了後の賃金が受講前より5%以上上がると80%(年間上限64万円) |
特定一般の50%と専門実践の80%は、令和6年10月1日以降に受講を始めた講座だけが対象です。専門実践の70%は、それ以前に始めた講座にもあります。働きながら受講した人も、雇われたまま目標の資格を取れば追加の給付を受けられます。専門実践教育訓練は最大3年間受けられ、80%の給付を3年分受けた場合の上限は192万円です。詳しい条件は教育訓練給付金の記事で、3種類の違いは教育訓練給付制度の記事で確かめられます。一般教育訓練は一般教育訓練給付制度の記事に、専門実践は専門実践教育訓練給付金の記事にまとめています。
受けられる人(雇用保険の加入期間)
受講開始日に雇用保険に入っていた期間が3年以上あることが原則です。離職した人は離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、加入期間が3年以上あれば対象になります。
ただし、教育訓練給付金を初めて受ける人には当分の間の特例があります。一般教育訓練と特定一般教育訓練は加入期間が1年以上、専門実践教育訓練は2年以上で受けられます。インターネット上には「雇用保険に1年以上」とだけ書いている解説もありますが、1年で足りるのは初めて受ける人だけです。2回目以降は3年以上が要り、受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けていると支給されません。
離職から1年を過ぎていても、延ばせる場合があります。妊娠・出産・育児・病気・けがなどで30日以上続けて受講できない期間があれば、ハローワークに申し出て、1年の期間を最大20年以内まで延ばせます。
給付の額が4千円を超えないときも支給されません。一般教育訓練なら、受講料が2万円以下の講座では給付が出ない計算です。
受講の前と修了のあとの手続き
講座が指定を受けているかと自分が受給できるかは、ハローワークの「支給要件照会」で受講の前に確かめられます。照会は本人の来所のほか代理人・郵送・電子申請でもでき、電話では受け付けていません。
特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講の前の手続きが必須です。訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きをします。ここを飛ばすと給付は受けられません。
申請の期限は種類で違います。一般教育訓練と特定一般教育訓練は、訓練を修了した日の翌日から1か月以内にハローワークへ支給申請をします。専門実践教育訓練は受講開始日から6か月ごとの期間の末日から数えて1か月以内に申請し、受講している間から給付を受けられます。追加の給付のうち特定一般の50%と専門実践の70%は、資格を取った日と就職した日の遅いほうの翌日から1か月以内に申請します。賃金上昇の80%は、その日の翌日から6か月を過ぎたあとの6か月間に申請します。
対象になる費用と、ならない費用
対象は、受講者が講座を行う施設に払った入学料と受講料(一般教育訓練は最大1年分)です。ハローワークの一般教育訓練の案内では、次のものは含まれないとしています。検定試験の受験料と受講に必ずしも必要でない補助教材費・補講費、交通費やパソコンなどの器材の費用、クレジット会社への手数料と申請のときに払い終えていない額です。受講開始日の前1年以内にキャリアコンサルティングを受けた費用は、2万円を上限に加えられます。
割引を受けた場合は割引後の額で計算し、施設や販売店から還付が予定されている額も差し引きます。資格の試験の受験料そのものは教育訓練給付金の対象外なので、試験の費用まで補助を受けたいときは自治体の制度を探します。
いくら戻るか(受講料別の計算例)
受講料が決まっているとき、戻る額は次のとおりです。どれも受講料はいったん全額を自分で払い、修了後や半年ごとに戻る形です。
| 講座の例 | 受講料 | 戻る額 | 自己負担 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練(簿記などの通信講座) | 10万円 | 2万円(20%) | 8万円 |
| 特定一般教育訓練(資格を取り就職しなかった場合) | 30万円 | 12万円(40%) | 18万円 |
| 特定一般教育訓練(資格を取り修了から1年以内に就職) | 30万円 | 15万円(50%) | 15万円 |
| 専門実践教育訓練(年80万円×2年、基本の給付のみ) | 160万円 | 80万円(年40万円×2) | 80万円 |
| 専門実践教育訓練(同、資格を取って就職し賃金が5%以上上昇) | 160万円 | 128万円(年64万円×2) | 32万円 |
専門実践の例で受講料が年100万円なら、50%は50万円でも年間上限の40万円で止まります。高い講座ほど上限で頭打ちになるので、講座を比べるときは年間の受講料で上限と照らします。
仕事を辞めて学ぶ人が使える給付
離職して専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受ける人で、受講開始時に45歳未満などの要件を満たす人には、教育訓練支援給付金が出ます。額は雇用保険の基本手当の日額の60%に当たる額で、令和8年度末までの暫定の措置です。2か月に1回の認定日に失業の認定を受けることが条件です。
雇用保険を受け取れない離職者や収入が一定額以下の在職者は、求職者支援制度で無料の職業訓練を受けられます。要件を満たすと訓練の期間中に月10万円の職業訓練受講給付金が出ます。条件は求職者支援制度の記事と職業訓練受講給付金の記事にまとめています。
ひとり親家庭の親には自治体を通じて受講料を支える自立支援教育訓練給付金と、看護師や保育士などの養成機関で学ぶ間の生活費を支える高等職業訓練促進給付金があります。どちらも雇用保険の加入とは別の制度で、自立支援教育訓練給付金の記事と高等職業訓練促進給付金の記事で条件を確かめられます。
学生・公務員・フリーランスは使えるか
教育訓練給付金は雇用保険の制度なので、雇用保険に入れない人は対象外です。厚生労働省の「雇用保険制度の概要」の資料は、昼間学生と国・都道府県・市町村等に雇われる人を雇用保険の適用から除いています。昼間の大学生がアルバイトの給与から受講料を払っても、教育訓練給付金は受けられません。休学中など適用が変わる場合の扱いは、ハローワークで確かめます。
雇用保険の被保険者は、適用事業に雇われる労働者です。人を雇わずに働くフリーランスや個人事業主の本人は、自分の受講に教育訓練給付金を使えません。会社員を辞めて独立した人は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内なら離職者として受けられる場合があります。開業の前に講座を始めるかどうかは、この1年を基準に考えます。
会社が使う人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、雇用保険の適用事業所の事業主が雇っている被保険者に職務に関係する訓練を受けさせたとき、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部を受け取れる制度です。コースは人材育成支援・教育訓練休暇等付与・人への投資促進・事業展開等リスキリング支援・建設労働者認定訓練・建設労働者技能実習・障害者職業能力開発の7つがあります。全体の仕組みは人材開発支援助成金の記事にまとめています。
業務命令で従業員に訓練を受けさせる場合の主な条件は、厚生労働省の詳細版パンフレットのチェックリストで次のように示されています。
- 訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に計画届を労働局に出す
- 訓練の期間中も対象の労働者に適正に賃金を払う
- 支給申請の日までに訓練経費を事業主が全額負担する
- 対象の労働者の職務に直接関係する訓練である
- 訓練の時間数が10時間以上である
- OFF-JT(通常の仕事を離れて行う訓練)か、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練を行う
このほか、研修や人事の担当の課長などを職業能力開発推進者に選び、事業内職業能力開発計画を作って労働者に知らせておくことが求められます。どちらも計画届を出す日までに済ませれば足ります。
人材育成支援コースの助成の額
資格の講習に外部の講座を使うときによく当てはまるのが、人材育成支援コースの「人材育成訓練」(10時間以上のOFF-JT)です。令和8年度版のリーフレットとパンフレット(令和8年8月3日版)の助成率・助成額は次の表のとおりで、カッコ内は中小企業以外の額です。
| 区分 | 経費助成率 | 賃金助成(1人1時間) |
|---|---|---|
| 正規雇用労働者等 | 45%(30%) | 800円(400円) |
| 有期契約労働者等 | 70% | 800円(400円) |
| 賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の上乗せ | +15% | +200円(+100円) |
上乗せの要件は、訓練を終えたあとに賃金を5%以上上げるか、資格等手当の支払いを就業規則などに定めて実際に払って手当の前後で賃金を3%以上上げることです。資格を取った従業員に資格手当を出す会社は、この上乗せを狙えます。
経費助成には、受講者1人1訓練あたりの限度額があります。中小企業は10時間以上100時間未満で15万円、100時間以上200時間未満で30万円、200時間以上で50万円です。1事業所が1年度に受けられる額の上限は1,000万円です。
中小企業が正社員1人に受講料12万円・20時間の外部講習を受けさせた場合で計算します。経費助成は12万円×45%で5万4千円、賃金助成は800円×20時間で1万6千円で、合わせて7万円です。資格手当の要件を満たすと経費助成が12万円×60%で7万2千円、賃金助成が1,000円×20時間で2万円になり、合わせて9万2千円です。詳しい条件は人材育成支援コースの記事で確かめられます。
対象になる訓練と経費、ならないもの
パンフレットによると、外部の講座の入学料・受講料・教科書代が経費助成の対象です。受講者の旅費や宿泊費は含まれません。技能検定など職業能力開発促進法に基づく検定の経費も、その他の対象経費に挙げられています。一方で、講習を受けずに単独で受験できる資格試験そのものは、助成の対象になる訓練から外れています。
労働安全衛生法の特別教育のように、法令で事業主に実施が義務づけられた講習も対象外です。施工管理技士や介護福祉士のように、労働者が資格を取るための訓練は外れません。
eラーニング・通信制の講座
eラーニングや通信制の訓練は、経費助成だけが対象で賃金助成は出ません。時間の条件は、標準学習時間が10時間以上であることで数えます。資格の通信講座を会社の費用で受けさせる場合は、上の計算例から賃金助成を外して見積もります。
事業展開等リスキリング支援コースと、そのほかのコース
新しい事業を始めるなど事業展開に伴って新しい分野の知識や技能を身に付ける訓練をさせる場合は、事業展開等リスキリング支援コースが当てはまります。経費助成率は中小企業75%(それ以外60%)、賃金助成は1人1時間1,000円(同500円)です。令和8年度末までの時限の措置として設けられたコースなので、使う予定があるなら年度をまたぐ前に計画届の時期を確かめます。令和8年8月3日の改正で、DXやGXの概念を学ぶだけの訓練は対象外になりました。eラーニングは同じ労働者につき年度1回までです。詳しくはリスキリング助成金の記事にまとめています。
従業員が自分で選んだ講座の費用を会社が負担する場合や、定額制の訓練は人への投資促進コース(人への投資促進コースの記事)、有給の教育訓練休暇の制度を入れる場合は教育訓練休暇等付与コース(教育訓練休暇等付与コースの記事)です。建設業には技能講習などの実習に使う建設労働者技能実習コースがあり、建設労働者技能実習コースの記事で対象を確かめられます。
手続きの流れと、お金が入る時期
人材育成支援コースの流れは、計画の提出と訓練の実施、支給申請の3段階です。計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに出し、訓練が終わった日の翌日から2か月以内に支給申請をします。支給申請までに訓練経費を全額払い終えている必要があり、申請には事業主が費用を負担したことが分かる振込通知書や、出勤簿・賃金台帳の写しを付けます。助成金が入るのは支給の決定のあとなので、受講料は会社がいったん立て替えます。申請にはGビズID(国の電子申請に共通して使うID)の取得が必要と、厚生労働省のリーフレットに書かれています。
助成金の申請の有無で受講料に差を付けている講座は、その差額が対象から外れます。パンフレットの例では、申請する事業主に30万円、しない事業主に10万円の価格にしていると、差額の20万円は対象になりません。経費助成を申請するときは、受講料の価格設定についての疎明書(様式第28号)も出します。
開講日まで1か月を切ると計画届が間に合わず、その回では使えません。資格の講習は開講日が年に数回しかないものもあるため、編集部としては従業員に資格を取らせる計画は年度の初めに講習の日程と並べて立てることを勧めます。
個人事業主は使えるか
人を雇って雇用保険の適用事業所になっている個人事業主は、申請する事業主になれます。厚生労働省のパンフレットは、資本金を持たない事業主の例に「個人」を挙げ、中小企業かどうかを常時雇用する労働者の数で判断するとしています。
一方で、対象になる労働者は申請事業主の雇用保険の被保険者です。従業員を雇っていない個人事業主が自分の資格の講習に使うことはできません。インターネット上の解説には「個人事業主も使える」と「使えない」の両方がありますが、従業員の受講なら使えて事業主本人の受講は外れると分ければ、食い違いはなくなります。事業主本人の受講費は、自治体の補助で個人事業主本人を対象にしている制度を探します。
自治体の資格取得の補助(業種と地域で絞る)
都道府県と市区町村の資格取得の補助は、人手が足りない業種や地域の担い手を対象にしたものが中心です。この記事の一覧には、運送業の大型・第二種免許や建設業の技術の資格、介護の研修・漁業の資格・狩猟免許などの制度が並びます。
東京都の資格取得サポート助成金は、都内の中小企業等が従業員の建設・建築・運輸分野の国家資格や免許の研修費用を全額負担したときに、経費の2分の1(1社あたり年度上限100万円)を助成する制度です。都が指定する資格・免許・講習は約170種類で、1研修あたりの総研修時間数は10時間以上が条件です。詳しくは東京都の資格取得サポート助成金の記事で確かめられます。
千葉市の資格取得支援補助金は、個人も事業者も申請できる形です。市内の運輸業・建設業・製造業・自動車整備業の事業者が対象で、資格を取ったあとにその事業者に正社員として雇われた個人か正社員に資格を取らせた事業者が申請します。補助は資格取得の費用の2分の1(資格1件につき上限15万円)で、対象の費用には講座の受講費・テキスト代に加えて受験料・検定料と免許の登録料も入っています。個人が申請するときは本人が自分で払った費用が対象で、会社が負担した分は外れます。申請は、個人が資格を取った日から1年以内、事業者が6か月以内です。
秋田市の資格取得助成事業補助金は、市内に住所がある求職者や非正規雇用の人が申請できます。個人事業主と、従業員の費用を負担した事業所も申請できます。求職者などが取る資格は、教育訓練給付の指定講座で取れる資格や技能検定です。正規雇用の人と個人事業主は、建設・運輸関係の資格と技能検定に限られます。このように市の制度は国の教育訓練給付金が使えない人を拾うものがあるので、雇用保険の条件で外れた人は住んでいる市区町村の制度を調べます。
自分の地域の制度は、この記事の下の全国一覧で都道府県ごとに確かめられます。一覧に無い場合も、都道府県や市区町村の公式サイトで「資格取得」と検索すると商工・雇用・福祉の担当課の制度が見つかることがあります。
併用と税金の扱い
教育訓練給付金と会社の負担は、同じ受講料に重ねて受け取れません。ハローワークの一般教育訓練の案内は、事業主などが受講に伴う手当を本人に出した場合、そのうち入学料や受講料に充てる額を教育訓練経費から差し引いて申請するよう求めています。会社が受講料の半分を出したなら、残りの本人負担の分が給付の計算のもとになります。
国の補助と自治体の補助の組み合わせは、自治体の要綱で決まります。青森県のトラック運送事業者向けの免許補助金は、対象経費から国や市町村などの補助金を差し引いた額の2分の1を補助する計算です。先に国や他の自治体の補助を受けると、その分を引いた残りに補助が付きます。千葉市も、教育訓練給付金を含む他の公的制度の補助を引いて計算します。ただし、引き算で済まない制度もあります。青森県トラック協会の案内は、人材開発支援助成金を併給できない制度の例に挙げています。重ねて受けるとどちらかの返還が必要になる場合があるとも書いています。重ねて申請するときは、どちらの要綱にも併用の項目があるかを読みます。
税金については、教育訓練給付金は所得税などがかかりません。雇用保険法第10条は教育訓練給付を失業等給付の1つとしており、同じ法律の第12条(公課の禁止)は失業等給付として受けた金銭に税金その他の公課をかけられないと定めています。確定申告で収入に入れる必要はありません。
会社が受け取る人材開発支援助成金は事業主への助成で、第12条の失業等給付には当たりません。会社や個人事業主が受けた助成金・補助金の経理の扱いは、受け取る前に顧問の税理士に確かめておきます。会社が従業員の資格の費用を負担した場合に従業員の給与として課税されるかどうかは、この記事を書く時点で国税庁の一次情報で確かめきれなかったため、ここでは書いていません。
資格取得の代表的な補助金の金額
国の制度と、上限の大きい都道府県の資格取得の補助を上限額で比べた表です(制度名を押すと下の全国一覧のその制度へ移ります)。国の教育訓練給付金と人材開発支援助成金の額は、上の概要の表で確かめてください。
